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第四章 別大陸での活動の章

第七話 慱と観察者(ダンの中で繰り広げられる…?)

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 ~~~~~漆黒の空間~~~~~

 観察者は苦悩している。
 慱の封印したスキルを解除しようと何度も試みているのだが、上手く行かない。
 最後の方まで辿り着くのだが、最後の一手を間違えると最初に戻るという性質の悪い封印を施しておいたのだ。
 それでも、【無属性魔法】・【闇魔法】・【修復】は封じてある。
 だが、それだけだった。
 しかも更に慱は自動解析も施しており、先程自動解析が終了したスキルが2つ、ダンの元に送られた。

 「くそぅ…こんな難解で厄介な封印をしやがって…!」

 現在は悪戯の邪神ルキシフェル…以前は遊戯の神だった。
 その為、観察者の封印というのは主にパズル形式なのだ。
 当然、この世界の住人では難解過ぎて解ける者はいない。
 だが、慱には時間が掛かっても解けない物ではないのだ。

 そして、慱の封印もある意味パズルなのだが、数字や様々な言語が記号として使われている為に、それを合わせるのは多分、元いた世界の人間でも解けなくはないが時間が掛かるのである。
 それを、異世界の言語を知らない観察者が解ける筈もなかった。

 「だぁぁ…くそぅ! この文字を全て揃えたら消えたと思ったら、次は別の文字を並べて入れたら最初に戻るなんて!?」

 観察者は喧嘩を売った人間が悪かった。
 この空間の慱はまだ子供だが、大人顔負けの頭脳を持っているのだ。
 性格が子供っぽく、知識がそれ程でもない観察者に解ける筈もない。

 一方、封印された慱の中では……

 「これをこうして、これをこうかな? よし、後はこれで… 解けた! これで17個目の封印が解けた!」

 慱に施された封印は、慱の封印が128個、外側2層で256個あるが、確実に少しずつ解いているのであった。
 慱自身の封印は残り111個…
 それが終われば、次は外側である。
 慱は封印のパズルを解きながら思った。
 
 「そろそろ自動解析が終わったスキルが開放される筈、攻撃系のスキルではないけど、役に立つスキルだよ。 ダン、こっちも頑張るから、君も頑張ってね!」

 慱は続けて4つのパズルを解いた。
 
 
 ~~~~~再び・観察者~~~~~

 観察者が手こずっている間に、自動解析を終えたスキルがまた1つダンの元に送られた。
 阻止しようと思って送られたスキルに触れようとしたら、またもブロックされた。
 慱の言語…それは世界196か国の内、121の国の言語で書かれているので、言語を理解しない限り解くことは出来ない。
 
 「僕に対する挑戦は受けて立つ!…とは言ったが、ここまで難解な物をあの一瞬で良く出来たな。 どこかに落とし穴はないだろうか?」

 残念だが観察者よ、慱はそこまで甘い人間ではない。
 そして慱の中では、更に8つのパズルを解いていた。
 観察者は知る由もなかった。

 さて、ダンの元に送られたスキルとは…?
 【ペイント】【回復魔法】【治療魔法】の3つだった。
 観察者的には、攻撃系ではないので大して気にはしなかったが、これらのスキルはダンの強い味方になる物だった。

 そして観察者が封印を試みているダンのスキルは生活魔法だった。
 それを封印出来る頃には…?
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