2 / 10
第一章
第一話 婚約破棄ですか、かしこまりました。(この時を待っておりました。)
しおりを挟む
「ソフィアに婚約破棄を言い渡す!」
デリランシェス侯爵家の長男である、シャウザー様より本日…突然ですが、私との婚約破棄を命じられました。
その理由はと申しますと、シャウザー様の隣には…私の物を何でも欲しがる…我儘が服を着て歩いている妹のサーシャがシャウザー様の腕に絡めて見下ろしていたからです。
こうなる事は大方予想ができていました。
私の名前は、ソフィア・プルネリアと申します。
伯爵家の長女……は、もうじきに除籍される予定ですので、ただのソフィアになりますね。
何故、伯爵家の長女である私が、上位貴族であるデリランシェス侯爵家との婚約が締結されたのかと申しますと…?
デリランシェス侯爵家の先代当主…シャウザー様のお祖父様のデリス様が、遺産を各所のとある場所に隠されたという話でした。
遺産の場所は、方々手を尽くしたのですが…発見する事は叶わず…。
諦めかけていたところに、私のアノ噂を聞いて…侯爵家に迎えられるという話だったのですが、幾ら伯爵家の上位貴族の頼みでも私の親である現伯爵家の当主がただ許す訳もなく、婚約という形に持って来ました。
私を毛嫌いしていた親が、こんな話を持って来るとは思いませんでした。
でも、親がこう言った事を仕組む理由が、ある者のお陰で知る事になりました。
その…ある者と言うのは、後に話します。
「アノ噂というのは、勘の良い方だったら気付くでしょう。死者と話す事が能力です。」
婚約者となったからには、婚約者を立てる為にお願いを聞きました。
…だったのですが、デリス様にこの真相を聞かされると…?
シャウザー様の計画も、プルネリア伯爵夫妻同様にクズな考えという事が分かりました。
私は遺産を霊体のデリス様に聞いて、遺産の場所を教えて貰いました。
…ですが、自力で探し出す事と…言った遺言書を無視した事により、デリス様は大変御立腹でした。
遺産の場所は全部で7箇所なのですが、大した価値が無いが量だけは山の様にある5箇所の遺産のある場所を教え、価値や値打ち物の2箇所の遺産を私に譲渡して下さると仰りまして、それを告げたら天に旅立って行きました。
そして、全ての遺産を手に入れたと思ったシャウザー様は、隣にサーシャを抱きながら…私に婚約破棄を命じられました。
婚約破棄の理由も酷い理由です。
死者と話せる力を気味悪いというのと、凹凸の無い身体の私よりも…プロポーションが整ったサーシャの方が良いという理由でした。
《やはり、こうなりましたね。ソフィアはこれからどうします?》
《どうもこうも…次は親から除籍を言い渡されて、家を追い出されるのでしょう?だとしたら、さっさと家を出るわよ。》
《それが良いでしょうね。幸い、旅の資金も…デリス様から教えて頂いた、価値や値打ち物のある遺産を回収したら、当面の生活費は問題が無いでしょうし…》
そして案の定と言うべきか、伯爵夫妻から私を除籍されて家を追い出されるのでした。
それにより、次女だったサーシャは長女になり…シャウザー様の次男であるシャイア様は、伯爵家の新たな当主になるべく…養子という形で伯爵家に迎えられました。
《それにしても、欲にまみれた人間は醜いですね…こんな両家がいつまでも存続できると思っているのでしょうか?》
《恐らく無理でしょうね。シャイア様はともかく、少なくとも…シャウザー様は、人の上に立てる器ではありませんし…》
…そう、私と会話をしている子の正体は、子供の頃から共に居るゴーストのリオン。
出会いは、プルネリア伯爵家のから少し離れた墓地で、先祖の墓の上に座っていた所を話し掛けてから仲良くなった以降、家族やシャウザー様の噂話を逐一報告してくれる…頼もしい存在となってくれました。
元は、プルネリア伯爵家の血族という話でしたが…?
かなりの長い年月を墓場で過ごした所為で、今より何世代前だったかを忘れているみたいでした。
《ソフィア、貴女のクズ両親が何かほざいているわよ。》
《どうせ、このまま出て行って勝手にのたれ死ね…とか、お前に帰る居場所なんか無いと言いたいのでしょう。分かりきっていた事なのだから、さっさとこの場から立ち去りましょう。》
「かしこまりました。今迄に大してお世話になっておりませんが、そう長く無い未来に訪れる…破滅を回避できますよう…お祈りしております。」
私がそう言い終わると、私に唯一抵抗出来る嫌味と捉えたのか…?
両親と妹は嘲笑い、シャウザー様は鼻で笑っていた。
《皮肉が通じなかったのかしらね?》
《皮肉じゃなくて、真実よ。これから両家に起きる事は、破滅以外の道は無いから…》
私はデリランシェス侯爵家を後にした。
これからの旅の目的地は、まだ決まってはおりません。
とりあえずは、デリス様から教えて頂いた…遺産の場所にでも行ってみますか。
こうして、ソフィアとリオンの旅が始まります。
デリランシェス侯爵家の長男である、シャウザー様より本日…突然ですが、私との婚約破棄を命じられました。
その理由はと申しますと、シャウザー様の隣には…私の物を何でも欲しがる…我儘が服を着て歩いている妹のサーシャがシャウザー様の腕に絡めて見下ろしていたからです。
こうなる事は大方予想ができていました。
私の名前は、ソフィア・プルネリアと申します。
伯爵家の長女……は、もうじきに除籍される予定ですので、ただのソフィアになりますね。
何故、伯爵家の長女である私が、上位貴族であるデリランシェス侯爵家との婚約が締結されたのかと申しますと…?
デリランシェス侯爵家の先代当主…シャウザー様のお祖父様のデリス様が、遺産を各所のとある場所に隠されたという話でした。
遺産の場所は、方々手を尽くしたのですが…発見する事は叶わず…。
諦めかけていたところに、私のアノ噂を聞いて…侯爵家に迎えられるという話だったのですが、幾ら伯爵家の上位貴族の頼みでも私の親である現伯爵家の当主がただ許す訳もなく、婚約という形に持って来ました。
私を毛嫌いしていた親が、こんな話を持って来るとは思いませんでした。
でも、親がこう言った事を仕組む理由が、ある者のお陰で知る事になりました。
その…ある者と言うのは、後に話します。
「アノ噂というのは、勘の良い方だったら気付くでしょう。死者と話す事が能力です。」
婚約者となったからには、婚約者を立てる為にお願いを聞きました。
…だったのですが、デリス様にこの真相を聞かされると…?
シャウザー様の計画も、プルネリア伯爵夫妻同様にクズな考えという事が分かりました。
私は遺産を霊体のデリス様に聞いて、遺産の場所を教えて貰いました。
…ですが、自力で探し出す事と…言った遺言書を無視した事により、デリス様は大変御立腹でした。
遺産の場所は全部で7箇所なのですが、大した価値が無いが量だけは山の様にある5箇所の遺産のある場所を教え、価値や値打ち物の2箇所の遺産を私に譲渡して下さると仰りまして、それを告げたら天に旅立って行きました。
そして、全ての遺産を手に入れたと思ったシャウザー様は、隣にサーシャを抱きながら…私に婚約破棄を命じられました。
婚約破棄の理由も酷い理由です。
死者と話せる力を気味悪いというのと、凹凸の無い身体の私よりも…プロポーションが整ったサーシャの方が良いという理由でした。
《やはり、こうなりましたね。ソフィアはこれからどうします?》
《どうもこうも…次は親から除籍を言い渡されて、家を追い出されるのでしょう?だとしたら、さっさと家を出るわよ。》
《それが良いでしょうね。幸い、旅の資金も…デリス様から教えて頂いた、価値や値打ち物のある遺産を回収したら、当面の生活費は問題が無いでしょうし…》
そして案の定と言うべきか、伯爵夫妻から私を除籍されて家を追い出されるのでした。
それにより、次女だったサーシャは長女になり…シャウザー様の次男であるシャイア様は、伯爵家の新たな当主になるべく…養子という形で伯爵家に迎えられました。
《それにしても、欲にまみれた人間は醜いですね…こんな両家がいつまでも存続できると思っているのでしょうか?》
《恐らく無理でしょうね。シャイア様はともかく、少なくとも…シャウザー様は、人の上に立てる器ではありませんし…》
…そう、私と会話をしている子の正体は、子供の頃から共に居るゴーストのリオン。
出会いは、プルネリア伯爵家のから少し離れた墓地で、先祖の墓の上に座っていた所を話し掛けてから仲良くなった以降、家族やシャウザー様の噂話を逐一報告してくれる…頼もしい存在となってくれました。
元は、プルネリア伯爵家の血族という話でしたが…?
かなりの長い年月を墓場で過ごした所為で、今より何世代前だったかを忘れているみたいでした。
《ソフィア、貴女のクズ両親が何かほざいているわよ。》
《どうせ、このまま出て行って勝手にのたれ死ね…とか、お前に帰る居場所なんか無いと言いたいのでしょう。分かりきっていた事なのだから、さっさとこの場から立ち去りましょう。》
「かしこまりました。今迄に大してお世話になっておりませんが、そう長く無い未来に訪れる…破滅を回避できますよう…お祈りしております。」
私がそう言い終わると、私に唯一抵抗出来る嫌味と捉えたのか…?
両親と妹は嘲笑い、シャウザー様は鼻で笑っていた。
《皮肉が通じなかったのかしらね?》
《皮肉じゃなくて、真実よ。これから両家に起きる事は、破滅以外の道は無いから…》
私はデリランシェス侯爵家を後にした。
これからの旅の目的地は、まだ決まってはおりません。
とりあえずは、デリス様から教えて頂いた…遺産の場所にでも行ってみますか。
こうして、ソフィアとリオンの旅が始まります。
31
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

強欲な妹が姉の全てを奪おうと思ったら全てを失った話
桃瀬さら
恋愛
幼い頃、母が言った。
「よく見ていなさい。将来、全て貴方の物になるのよ」
母の言葉は本当だった。姉の周りから人はいなくなり、みんな私に優しくしてくれる。
何不自由ない生活、宝石、ドレスを手に入れた。惨めな姉に残ったのは婚約者だけ。
私は姉の全てを奪いたかった。
それなのに、どうして私はこんな目にあっているの?
姉の全てを奪うつもりが全てを失った妹の話。

かわりに王妃になってくれる優しい妹を育てた戦略家の姉
菜っぱ
恋愛
貴族学校卒業の日に第一王子から婚約破棄を言い渡されたエンブレンは、何も言わずに会場を去った。
気品高い貴族の娘であるエンブレンが、なんの文句も言わずに去っていく姿はあまりにも清々しく、その姿に違和感を覚える第一王子だが、早く愛する人と婚姻を結ぼうと急いで王が婚姻時に使う契約の間へ向かう。
姉から婚約者の座を奪った妹のアンジュッテは、嫌な予感を覚えるが……。
全てが計画通り。賢い姉による、生贄仕立て上げ逃亡劇。

金の亡者は出て行けって、良いですけど私の物は全部持っていきますよ?え?国の財産がなくなる?それ元々私の物なんですが。
銀杏鹿
恋愛
「出て行けスミス!お前のような金のことにしか興味のない女はもううんざりだ!」
私、エヴァ・スミスはある日突然婚約者のモーケンにそう言い渡された。
「貴女のような金の亡者はこの国の恥です!」
とかいう清廉な聖女サマが新しいお相手なら、まあ仕方ないので出ていくことにしました。
なので、私の財産を全て持っていこうと思うのです。
え?どのくらいあるかって?
──この国の全てです。この国の破綻した財政は全て私の個人資産で賄っていたので、彼らの着てる服、王宮のものも、教会のものも、所有権は私にあります。貸していただけです。
とまあ、資産を持ってさっさと国を出て海を渡ると、なんと結婚相手を探している五人の王子から求婚されてしまいました。
しきたりで、いち早く相応しい花嫁を捕まえたものが皇帝になるそうで。それで、私に。
将来のリスクと今後のキャリアを考えても、帝国の王宮は魅力的……なのですが。
どうやら五人のお相手は女性を殆ど相手したことないらしく……一体どう出てくるのか、全く予想がつきません。
私自身経験豊富というわけでもないのですが、まあ、お手並み拝見といきましょうか?
あ、なんか元いた王国は大変なことなってるらしいです、頑張って下さい。
◆◆◆◆◆◆◆◆
需要が有れば続きます。

王族に婚約破棄させたらそりゃそうなるよね? ……って話
ノ木瀬 優
恋愛
ぽっと出のヒロインが王族に婚約破棄させたらこうなるんじゃないかなって話を書いてみました。
完全に勢いで書いた話ですので、お気軽に読んで頂けたらなと思います。

前妻の子であった私は義母義妹に虐げられていましたが、ある日城へ行ったことをきっかけに人生が変わりました。
四季
恋愛
前妻の子であった私は義母義妹に虐げられていましたが、ある日城へ行ったことをきっかけに人生が変わりました。

妹が私こそ当主にふさわしいと言うので、婚約者を譲って、これからは自由に生きようと思います。
雲丹はち
恋愛
「ねえ、お父さま。お姉さまより私の方が伯爵家を継ぐのにふさわしいと思うの」
妹シエラが突然、食卓の席でそんなことを言い出した。
今まで家のため、亡くなった母のためと思い耐えてきたけれど、それももう限界だ。
私、クローディア・バローは自分のために新しい人生を切り拓こうと思います。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる