異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス

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最終章 異世界召喚が8回目って…マジかコレ⁉︎

第十五話 朔夜vs魔王ハルセイアス

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 湿地にある居城の玉座にその者はいた。
 名をハルセイアスと言い、第一世界のアヴェリシアで魔王を名乗って世界を支配しようと企む者だった。 
 だがそれも…4人の冒険者によって阻まれたのだった。
 そしてその4人の冒険者の中の1人に朔夜がいた。
 
 『グッフシュルルルルル…この近くにいる懐かしき気配は奴の者か? 我を倒した者達の内、3人は始末したが…あの時のガキだけは発見出来なかったが、まさか無謀にも挑んで来るとは思わないんだ!』

 少年朔夜が3人の仲間達と魔王ハルセイアスに挑んだ時のレベルは、約120前後だった。
 現在はその10倍のレベル1200になっている。
 そして朔夜のいる場所は、湿地の古城から少し離れた場所で此方に向かっていた。
 なのでハルセイアスが気配を感じていたのは、別に近くにいるという訳では無くて…高レベルによってサクヤの放っている気が遠くからでも解る位に強烈に放たれていたのだった。

 『呑気にノコノコとやって来るなんて都合が良いな…無謀にも挑んで来た事を後悔させてやるぜ‼︎』

 この数分後…
 後悔するのは魔王ハルセイアスの方だったのは言うまでもない。
 でもその話をする前に…時間は少し遡る。

 「朔夜、彼等が俺の仲間達だ。」

 ラックは2人の人物を紹介してくれた。
 1人は俺達と同じ年位の女の子のセイカと、もう1人は30歳ッ位の男性のセイジュウロウだった。
 
 「君がラックの話していた中学時代に仲が良かったという朔夜君か?」
 「はい、不知火朔夜です。 君達も日本から?」
 「はいそうです。 私はセイカと申します…ラックの妻です。」
 「は? ラック、お前って…結婚していたのか⁉」
 「あぁ、話していなかったな。 俺とセイカは結婚していて、セイジュウロウもこの世界の…俺達の世界の女性と結婚している。」
 
 俺は軽くラックに嫉妬した。
 俺も今回の異世界転移がなければ、今頃セルリアとルナリアとラブな生活を送っていたかもしれないのに。
 まぁ、あれから地球では数十年経っているだろうから…俺の事は死んだと思って相手がいるだろう。

 「それでラックから聞いたのだが…この世界の魔王達を全て退ければ世界は元に戻るという話だが?」
 「それは間違いないと思う。 この第一大陸という場所は、元は俺が異世界召喚出来た最初の世界だが…世界の全てがある訳では無くて一部しかないからな。 第一世界での大陸の一部がこの世界に来たという感じなのだろう。」
 「なら…この世界の大陸はどれなんだろうな?」
 「無人島と幾つかの島とこの大陸にしか来ていないから良く解らんが…恐らく他の大陸も似た様な感じで、他の世界の一部の大陸がこちらに来ているという感じだろうな。 7つの世界の大陸が全てこちらに来ていたら、移動がかなり面倒だ。」

 第一大陸も第一世界の全ての大陸がある訳ではなかったというのには根拠がある。
 村から王都ダルキアンに向かうまでの道には対岸の大陸に巨大な山があった筈なのに、それが全く見当たらなかったからだ。
 その山にはハルセイアスの部下のケルベロスが根城にしているという山だったが、それが無いという事はこの世界にはこの大陸以外の他の大陸が無いのだろう。
 ちなみに魔王ハルセイアスの居城は、魔大陸とかと言った離れ小島にある訳ではなく、この第一大陸の北方に位置する場所にあるというのは変わらなかった。

 「あ…1つ訂正しておくが、魔王はいるが必ずしも魔王だけとは限らない。 今回はどうかは解らないが…以前召喚された世界には魔王以外に破壊神とか魔神とか魔界大帝といった大物もいたな。」
 「魔王はともかく、破壊神や魔人か…やはり強いんだよな?」
 「決して弱くは無かったが、あの当時は今ほどのレベルが無かったからな。 それでも1人で倒せたくらいだから大した敵ではないな。 自意識過剰なのか、攻撃も単調だったし。」
 「朔夜って本当に難儀な人生を歩んでいたんだな。」

 難儀というか、数奇というか…碌な人生だったのは言うまでもない。
 それ等も全てあの神達のふざけた遊びの所為で人生を狂わされたからな。

 「今すぐじゃなくても良いんだが…旅の最中にでも厄介な魔王の話を教えてくれ。」
 「厄介な魔王か…第二と第四と第五の世界の魔王は厄介だったな。 詳細は後で教えるが、それよりも第一世界の魔王ハルセイアスなんだが…コイツだけは俺1人で相手をさせてくれないか?」
 「朔夜が望むのなら別に構わないが…何かあるのか?」
 「魔王ハルセイアスは、かつての仲間達を皆殺しにしたという話だからな。 俺の手で仇を取ってやりたい。」
 「わかった。 なら俺達は、奴の配下を引き受けるとしよう。」

 ラックの剣の付与の力で今の俺のレベルは、かつてのレベルの1800位にまで上昇していた。
 レベル100前後で挑んだ魔王ハルセイアス戦に比べたら楽勝だろう。
 そしてラックも仲間達もレベル2000位あるらしい。
 武器を見ると、ラックの創った武器を装備していた。
 
 「さて、そろそろ着くな。 皆、宜しく頼む!」

 俺はそう声を掛けると、ラックたち3人は湿地帯の魔物を討伐する為に散って行った。
 そして俺は魔王ハルセイアスの居城に乗り込んで行った。
 魔王ハルセイアスの居城の中は、余程の自信なのか自意識過剰なのか…配下の魔物が配置されていなかった。
 これは前回も同じで、移動するのは楽だったので大変有り難かった。
 魔王ハルセイアスがいる魔王の間に行く前に、宝物庫があって覗いてみると…かつての仲間の武具や金銀財宝などが大量にあった。
 魔王って財宝を収集する癖でもあるのだろうか?
 これはこれから死ぬ奴には必要ないと思って、全てを回収して収納魔法に入れた。
 
 「確か…こっちだったよな?」

 俺は玉座の間に向かうと、此処に魔王がいますと言った物々しく悍ましい扉があった。
 扉の隙間から見ると、醜悪なトカゲが玉座に座っていた。
 俺は勇者の様に魔王に戦いを挑む…というのは性に合ってないので、扉を勢い良く開けた瞬間に極大豪炎魔法をぶち込んだ。
 魔王とは…玉座に入って来た者に対してまずは対話から始めるというのが習わしなのか?
 のんきな姿で余裕があるのか無防備に踏ん反り返っていたので、出会い頭に1発ぶち込んでやったら見事に命中してのた打ち回っていた。
 侵入して来ているのに気付いている筈なのに、玉座の間に来るまで手出しをしない余裕な態度に腹が立った。
 俺は別に勇者じゃないし、対話も望んでいないので…卑怯と罵られようがやる事は変わらなかった。

 『き…貴様!』
 「よぉ、久しぶりだな…醜悪な面したドラゴンになりそこなった無能なトカゲ野郎!」
 
 そして俺は追撃するかのようにもう1発…極大豪炎魔法をぶっ放した。
 
 『グワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
 「さすがに魔王を名乗るだけあってしぶといな。」
 
 炎が消えて荒い呼吸をしていたので、これ以上は必要ないと思って対話をする事にした…のだが?
 なんだか怒り心頭という様な表情で睨まれた。

 『貴様…あの時のパーティーの影で怯えていた小僧だよな⁉』
 「そんな事もあったな…」

 俺が前回魔王ハルセイアスに挑んだ時は、今ほど強いという事も無くて仲間達の影で少し緊張をしていた。
 怯えていた記憶は…無かったと思うが、初めての魔王との戦いだしな。

 『まぁ良い! これで貴様さぇ倒せば、あの時に挑んで来た者達を全て葬る事が出来るからな‼』
 「果たしてそう上手く行くかね?」
 『貴様はあの時の他の3人がいなければ…』
 
 対話に付き合おうとしたがやめる事にして…俺は素早く魔王ハルセイアスの両腕と両足を斬り飛ばした。
 魔王ハルセイアスは訳が分からない状態で地面に転がっていた。

 『貴様…何をした⁉』
 「別に何も…お前は何で地面に転がっているんだ?」

 何をした…と聞いて来るという事は、魔王ハルセイアスには俺の剣速が見えていなかった。
 それ位に俺と魔王ハルセイアスは差がついていたという事だった。

 『貴様が何をしたかはこの際どうでも良いだろう。 我には超速再生があるからな‼』
 「なら何でいつまでも地面に転がったままなんだ?」
 『貴様が何かをしているからだろう‼』
 「だから何もしてねぇから早く立てよ。」

 魔王ハルセイアスに超速再生がある事は前回の戦いで知っていた。
 なので…超速再生で治り掛けている個所をその場で斬り飛ばしていた。
 相変わらず魔王ハルセイアスに俺の剣速は見えていないらしく、何故再生出来ないのかに疑問している様だった。

 「そんなに地面で寝るのが好きなのか? 魔王と言ってもやはりトカゲなんだな。」
 『貴様…どういう意味だ‼』
 「だってトカゲって地面を四つ足で張って移動するだろ? 今は違うかも知れないが…生まれてから暫くはそんな感じだったんだろ?」
 『誇り高き魔王の一族を…』
 「埃だか何だか知らないけど、待っていてやるから早く立てよ。」

 魔王ハルセイアスは超速再生で体を生やそうとしているが、ほんの少し再生した瞬間に斬り飛ばしているから再生する事は無かった。
 なのでずっと地面に伏しているままだった。

 ~~~~~一方、ラック達は?~~~~~

 「これで大体片付いたか…」
 「そうだな、これ以上敵の姿は見えないな。」
 「勇者パーティー時代だったら手古摺る相手だったかもしれないけど、今の私達なら大した敵じゃないね。」
 「それよりもだ…朔夜君の方は大丈夫なのだろうか?」
 「あ~多分大丈夫だと思うよ。」
 「それは、何度も異世界召喚されて慣れているからか?」
 「それもあるけど…」

 俺と朔夜が初めて会ったのは中学2年の春先の頃だった。
 俺は両親があんな親だったので、金もなく弁当を持参していたが…家の庭や河原に生えている草や、知り合いの農家にある売れない野菜を天麩羅にしたり素揚げして持って来ていた。
 その所為で俺はクラスの連中に貧乏人だと馬鹿にされていたが…朔夜だけは馬鹿にはしなかった。
 それどころかいつも俺の傍にいて守ってくれた。

 そんなある日、朔夜は上級生に呼び出された。
 俺を虐めていた同級生が兄に告げ口をしたのだが、朔夜はその上級生を返り討ちにして撃退した。
 ところが上級生たちはそれだけでは終わらずに、数を集めて朔夜に挑んだのだが…また返り討ちにしてから学校の屋上から素っ裸にしてロープで吊るしたら、翌日からその上級生達は学校に来なくなった。
 そして告げ口をした同級生も上級生同様に体育館に素っ裸で吊るされていた。

 「…とまぁ、こんな事があってな。」
 「凄まじいな!」
 「朔夜は中学時代から喧嘩はやたら強いし、学校では主席を取る位に頭が良かった。 あの当時は出来た人間っているんだな…なんて思っていたけど、異世界召喚を何度も経験しているとは思わなかったので、それを聞いて納得したよ。 魔獣や魔王を倒した経験のある奴が、上級生何てただの粋がっている雑魚にしか見えないだろうからね。」
 「まぁ、魔王や魔獣を倒しているのなら人間なんて雑魚にしか見えないだろうな?」
 「それ以外にも飯は奢ってくれるし、頼むと金はいつでも良いと言って貸してくれるし…高校に入ってから倍として返すと言ったらそれでも良いと言ってくれたんだが…中学3年の時に朔夜が引っ越してしまってな、その時の恩が返せなくて嘆いていたが、こうして恩を少しは返す事が出来て良かったと思っているよ。」
 「ならラックにとって朔夜君は恩人なのか?」
 「俺はあいつの為なら、命を賭しても守って見せる…親友だよ!」
 
 朔夜の知らない所でこんな話をされていた。
 朔夜はラックに頭が上がらないと話していたが、どうやらそう思っていたのは朔夜だけじゃないみたいだった。

 ~~~~~再び朔夜~~~~~

 一方、朔夜と魔王ハルセイアスはというと…?
 超速再生で手足の復活を妨害する良い手立てがあったので、それを実践していた。
 魔王ハルセイアスの超速再生は、任意の場所を再生させる為には集中しないと再生出来ない事を知った。
 なので集中させない為に、魔王ハルセイアスの頭部の鱗を無理矢理剥がしていた。
 ドラゴン族やリザードマン族は、生え代わりの時期で鱗が剥がれ落ちる時はあるが…それ以外ではまず剥がれる事は無かった。
 そしてどの箇所でも鱗を無理矢理剥がすという行為は、ドラゴン族だろうがリザードマン族だろうが悲鳴を上げる痛みだった。
 それを朔夜は嬉々として、一番痛みが強い場所である頭部の鱗を無理矢理剥がしていたのだった。

 「ほらほら早く手足を生えさせろよ! お前の鱗を剥がしながら待っていてやるからさぁ…」
 『貴様が鱗を剥がすのを辞めれば、今すぐにでも手足を復活させて殺してやるというのに…』
 「頭の鱗が無くなって来たな…次は首の後ろの鱗を剥がすか!」
 『や、やめ…やめろって…ギャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 朔夜は魔王ハルセイアスの頭部を押さえ付けながら鱗を剥がしていた。
 頭部が動かない為に体だけのた打ち回っていた。
 これも仲間を殺された復讐からなのだろうか?
 ハッキリ言ってえげつない行為だった。

 「ほれほれ、早く再生してみろよ!」
 『貴様…ソレを辞めろと言っているんだ‼』
 「ソレってコレの事か…ベリッ!」
 『ギャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 魔王ハルセイアスは涙目になりながら訴えていた。
 
 『本当に…辞めてくれ‼』
 「そろそろ飽きて来たしな、良いだろう…ベリッ!」
 『ギャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 朔夜は最後にもう1枚の大きな鱗を剥がしていた。
 そして魔王ハルセイアスから離れると、超速再生で復活するのを待った。

 『やっと…元に戻れた!…っていうか貴様、真面に戦おうとは思わないのか⁉』
 「俺は別に勇者という訳ではないからな、正々堂々何ていう気はまるでない。」
 『まぁ良い…完全に復活した我に勝てると思っているのか‼』
 「これだけ実力の差が付いている事を教えてやったのに、まだ勝てる気でいるのか?」

 朔夜は鱗を剥がすポーズをした。
 すると魔王ハルセイアスは、頭部を押さえて後ずさりした。
 どうやら恐怖が植え付けられたようだった。

 『貴様…我に恥を描かせやがって‼』
 「恥を搔くも何も…お前が勝手に下がったんだろ?」
 
 朔夜はそう言い終わると同時に縮地で魔王ハルセイアスの背後に回ってから尻尾を斬りおとしてから前に来た。
 魔王ハルセイアスは朔夜の右手に持っている尻尾を見てから背中を見た。

 『貴様…いつの間に⁉』
 「やっぱり俺の動きに付いていけなかったか…お前に勝ち目なんかないぞ!」
 『図に乗るなよ、尻尾くらい斬りおとした所で再生させれば済む話…』
 
 朔夜は魔王ハルセイアスの胸元の皮を斬ると、中から心臓を掴み取っていた。

 「お前の超速再生の弱点は、首を斬り落とさない限り他の場所は何度でも再生する…が、心臓が無い場合はどうなるんだ?」
 『な⁉』

 朔夜の右手に魔王ハルセイアスの心臓は脈を打っていた。
 魔王も生物である以上、心臓は再生が出来なかった。

 「さて、どうして欲しい?」
 『か…返せ‼』
 「返して欲しければ取りに来いよ!」

 朔夜は背後にジャンプすると、魔王ハルセイアスは胸元を押さえながら必死に追い掛けて来た。
 朔夜は笑いながら逃げていると、魔王ハルセイアスも心臓を取り戻す為に必死に追い掛けていたのだが?
 しばらくすると前のめりで倒れた。

 「さすがに死んだか?」
 『き…貴様!』
 「まだ生きていたか、まぁトドメを刺すか!」

 朔夜は魔王ハルセイアスの心臓を握り潰した。
 すると魔王ハルセイアスは断末魔の叫び声を上げながら消滅して行った。

 「これで殺されて行った仲間達の無念が晴れればいいのだがな。」

 魔王ハルセイアスの居城が崩れ始めたので、脱出魔法で外に移動した。
 そしてラック達と合流すると、大陸も光りだした。
 そして大陸が急に消えると…俺達は海に放り出された。
 
 「なんで大陸が消えた?」
 「恐らく、魔王を倒した事によりあの大陸は元の世界に戻ったんだろう。」
 「その話だと、俺達の浮遊大陸も魔王を倒さないと戻れないという話にならないか?」
 「それだったらその魔王を倒せば良いだけの話だ。 ラックの世界の魔王はどんな奴なんだ?」
 「魔王デヴァルダムツリーという植物型の魔王だ。」
 「デヴァルダムツリーか…俺が7回目の異世界召喚の時の魔王がそれだったな。」
 
 まさか討伐する魔王が被るという事があるのか?
 まぁ、デヴァルダムツリーも魔界に生えている樹らしいし、複数あってもおかしくはないか。
 俺はラックとセイカとセイジュウロウの手を掴んでから頭に思い描く場所に転移魔法をした。
 着いた場所は…異世界召喚で2回目に来たイヴァリアースの世界の大陸だった。
 
 「何だかやたら蒸し暑い場所だな…」
 「この世界の魔王がいる場所は、火山帯の溶岩の中にいる奴だったからな。 今回は少し骨が折れるぞ。」
 「溶岩の中か…どんな魔王なんだ?」
 「溶岩の中を住処にしている癖に炎魔法に弱いという特殊な奴だ。」
 「なんだそりゃ?」

 イヴァリアースの世界は本当に変わった魔物が多かった。
 鑑定魔法が使えるようになってから弱点が分かったくらいで、それまでは結構苦戦を強いられていた。
 普通に考えてあり得ない敵が多かった。
 水属性の魔物の癖に水に弱かったりとか、土属性の癖に土魔法に弱かったりと。
 今となっては…対処法が分かっているので大した事は無いだろうが。

 「まぁ、とりあえず行ってみるべ!」
 「だな、次は一緒に戦わしてくれよ!」

 俺達は魔王のいる火山に向かって歩みだしたのだった…が?

 「そういえばあの魔王って何て名前だったか?」
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