異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス

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最終章 異世界召喚が8回目って…マジかコレ⁉︎

第九話 閑話・地球では?

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 「さすがの朔夜も…今度ばかりはすぐには戻れなかったか。」 
 「朔夜君…」

 朔夜が異世界召喚で旅立ってから、既に50年の歳月が過ぎていた。
 悠斗と真美は、結婚して孫までいる状態になっていても朔夜の帰りを信じて待っていた。
 不知火家では朔夜の両親が数年前に他界していた。
 両親や兄妹達には異世界召喚の話はしていない。
 警察にも連絡をして必死に探しては見たものの、足取りが全く追えなかった。

 「朔夜の事だからまだ生きている…と思いたいが、こんなにも歳月が過ぎていると…」
 「帰りたくても帰れない事情があるのかもしれないわね?」

 こんなにも歳月が過ぎているのに朔夜が生きているという根拠があった。
 それは、離れの邸が未だに健在で…そこにはナイトストーカーズとデイライトストーカーズが健在な事だった。
 そして朔夜が消えてからその邸はというと、悠斗と真美が結婚してからそこに住んでいたのだったからだ。
 
 「だが、地下室のアレを見てしまうとな。」
 「そうね…。」

 邸の地下には、朔夜の収納魔法に収められていたと思われる武具やアイテムや財宝があったのだった。
 それらの管理はナイトストーカーズが管理している為に持ちだす事は出来ない。
 仮に持ちだせるとしても、悠斗と真美は一切手を付けなかった。

 「本当に朔夜は生きているんだろうか?」
 「あなた、それ毎年言っているわよね?」
 「それは間違いありません! こうして我々がまだ健在ですので…」

 朔夜が召喚した、光と闇の住人達は消えずに残っている。
 もしも朔夜が死んでいたら、この光と闇の住人は消えているという話だった。

 「セルリアとルナリアも待ってはいたんだけどな。」
 「メールで連絡は来たけど、こっちにはもう来ないという話だし。」

 高校での出来事の後に、不安を感じた2人の両親は家族で母国に戻ったという。
 その後にセルリアとルナリアは数年後に結婚をしたという話を聞いたが、画像が送られてきていただけで会う事は叶わなかった。
 美紅も高校卒業後は、離島の方に引っ越していたという話だ。
 真美は連絡を取り合っているみたいだが。
 そして正義はというと、病院に入院してからその数か月後に屋上から飛び降りて死亡したという。
 真の力は死の寸前ではないと目覚めないと病室で騒いでいたという話だった。

 もう全てがあの頃とは違う。
 もしも戻れるなら…とも思ったけど、悠斗のタイムマシン計画も異世界に飛ぶ術も見付からなかった。
 それでも悠斗と真美はまだ諦めてはいない。
 2人にとって朔夜は大事な人だったからだった。

 「朔夜、早く帰って来いよ! 僕が生きている間にな…」
 「朔夜君、また会いたいわ!」

 朔夜が戻って来るのはいつになるのだろうか?
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