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第四章 学園生活編
第二話 活動拠点完成!
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授業が終わり、放課後になった。
俺と悠斗と真美は、それぞれの目的の為に動こうとした矢先だった。
俺は鞄を取ろうとすると、手紙が突き出していたので中身を読むと…セルリアとルナリアからの呼び出しで化学準備室に来いという話だった。
だが、面倒なのでシカトをすると…俺は悠斗と一緒に悠斗の親父さんが経営している古物商の店に向かったのだった。
「なぁ、朔夜…教室から出る前に何か手紙みたいな物を読んでいなかったか?」
「あぁ…セルリアとルナリアからの呼び出しで、化学準備室に来いって書いてあった。」
「行かなくて良いのか?」
「本当に二人からの誘いならな…だが書いている文字が美紅の物だったから無視をした。」
俺は悠斗に手紙を見せると、悠斗は手紙の内容を見て首を傾げていた。
「個の文字だけを見て、良く美紅が書いた物だと解ったな?」
「悠斗、鑑定魔法を施してみろ!」
悠斗は鑑定魔法を使うと、それが美紅が書いた物だという事が判明した。
「なるほど…鑑定魔法ってこうやって使うのか?」
「他にもプロでないと見分けられない贋作とかも1発で見抜けるぞ。 後は殺人の証拠品とかもな。」
「警察に協力したら、日本の犯罪のほとんどが解決しそうだな?」
「代わりに一生部屋に閉じ込められて自由がない生活に追われる事になる。 そうなりたければ協力してやると良い。」
「いや、遠慮する!」
そして悠斗と話しながら目的地に進んでいると、悠斗の親父さんの経営している店に着いた。
俺は悠斗に案内されながら中に入った。
~~~~~一方、呼び出した者達は?~~~~~
「来ないわね?」
「来ないね…?」
「大変よ、二人とも! 朔夜の奴…帰ったみたい!」
「「はぁ~?」」
美紅はそうでもなかったが…セルリアとルナリアはかなり頭に来ていたみたいだった。
この感じだと、家に帰ってから一悶着ありそうだった。
~~~~~再び、朔夜と悠斗~~~~~
「結構色々置いてあるな、主に西洋のアンティークや…江戸時代あたりの品が幾つか。」
「良く見ただけで…あぁ、鑑定か!」
悠斗は鑑定魔法で魔法で改めて店の商品を見て居た。
あまりに夢中になっていて、本来の目的を忘れそうになっていたので、肘で小突いて我に返らせた。
「そうだった…父さん、彼が不知火朔夜だよ。」
「初めまして悠斗君のお父さん、不知火朔夜と申します。」
「そう畏まらないで欲しい、君のお父さんの不知火可楽とは同級生だったんでな。 それで…今日はどんな用だい?」
「実は幾つか買い取って欲しい物があるんです。 ですが、売るのは僕ですが…出所の詮索をしないで欲しいのです。」
「出所を教えられないという事は…盗品の持ち込みをしたという話かい?」
盗品といえば…盗品だな。
魔王城から魔王を倒した時に奪って来たり、理不尽に召喚した国を滅ぼして奪い取った物と考えると…やっぱ盗品なのか?
「その前に…これを見て戴きたいのですが! やるぞ、悠斗!」
「あぁ、あれだな!」
俺と悠斗は、真木野さん…悠斗の親父さんに、学校で打ち合わせをした炎を出現させてから消して見せた。
真木野さんは目を丸くしていた。
そして俺達は、悠斗が屋上から発見されるまでの数日間に、異世界召喚で別世界にいた話をした。
こんな話は普通は信じないが…先程の炎を事前に見せていた事で話がすんなり通った。
「朔夜、他にも少し協力して欲しい…父さん、自分が手に持っているこの3つの商品は偽物だよ。」
「なるほど、わかった協力しよう!」
それから30分位かけて、店の中の商品を片っ端から鑑定魔法を使って調べた。
すると、店の中にある商品の13分の1が贋作や偽物だと判明した。
そして贋作や偽物の商品に付箋を付けてから、制作者の名前や作られた年代を書き記しておいた。
「驚いたな…これが魔法か!」
「必要とあれば…真木野さんにも鑑定の能力をお与えしますよ。 その代わり…?」
「あぁ、先程の話だな! 良かろう、出所の詮索はしないとしよう。」
そして収納魔法を開くのだが…一気にゴッソリ纏めて入れているので、どれが値打ちのある物なのかが分からなかった。
なので、真木野さんと悠斗を連れて収納魔法の中に入った。
「なんだ…この広さは⁉」
「朔夜、ここの広さはどれ位ある?」
「無人島並み?」
「何で疑問系なんだよ⁉」
「いや…俺も全ての広さを把握していなくてな。」
俺は創造魔法で棚を作ってから、纏まっている物を分類して整理してから収納した。
これで…見分けられるようになった。
「あ、そうだ! 悠斗、お前から以前取り上げた伝承の賢者の杖だ。 今なら…お前に渡しても良い。」
「ありがとう…でもな、この世界で持つにはちと浮くぞ!」
「あ、これは…右手に収納出来る。 先端の宝玉に血を垂らして契約しろ。 そうすれば、右手の中に収納出来る様になる。」
俺は悠斗の指先を少し斬ってから、血を賢者の杖の先端の宝玉に垂らすと、杖が光りだして契約が完了した。
悠斗は頭の中でイメージすると、賢者の杖は右手の中に収納が出来た。
「これは…でも他の使い道が解らんな?」
「杖があるとないとでは、魔力消費量が違うんだよ。 異世界で経験あっただろ?」
「あぁ、そういえば…」
俺は回復魔法で悠斗の指先の怪我を塞いだ。
すると、真木野さんはそれを見て感心した様な表情をした。
「魔法って凄いんだね?」
「あ、そうだ…真木野さんにも鑑定魔法を譲渡しますね。」
真木野さんに鑑定魔法を譲渡した。
悠斗は親父さんが騒ぎ出すと思っていたらしいが、渡した魔法は1種類なので…悲鳴を上げるという事は無かった。
「凄いな、この鑑定魔法というのは⁉ 年代や何の金属を使用されているかだけではなく、おおよその値段まで表示してあるとは⁉」
「え? 値段?」
俺と悠斗は金のアクセサリーを見るが、年代や制作者の名前は表示されていても、値段までは表示されなかった。
「多分…親父さんが古物商で培った能力が反映しているんだろう。 俺には値段までは表示されなかった。」
「あぁ、それは自分もだ! なるほど、鑑定魔法は経験によって詳細も表示されるのか。」
「だから俺達には、どれが値打ち物なのかが解らないのか…」
そして俺は更に真木野さんに今後の行動についての話をした。
真木野さんは考え込むと、幾つかの商品を手に取ってから収納魔法の外に出て電卓を取り出した。
「この17点を競売に掛けて売るとしよう。 活動資金としては…3億円位用意出来れば良いのかな?」
「真美の不動産で郊外で人があまり寄り付かない土地が、そこまで値段が高いか?」
「真美という子は…爾志空さんの所のお嬢さんか?」
「そうか、爾志空不動産はこの店と同じ地域だっけ?」
「なら…保証人は私がしてあげよう! そうすれば下手な詮索はされないだろう?」
「ありがとうございます! すると…真美の親父さんにも能力を見せて説明した方が良いか?」
悠斗は真美にスマホで連絡を取った。
すると真美は早速物件を調べていてくれたみたいで、そこには親父さんの声もしているという話だった。
俺はトレース魔法で真美を捉えると、真木野さんと悠斗の肩に手を置いてから転移魔法で移動した。
「うわぁ!」
「び…びっくりした!」
「驚かしてすまんな! どうせ説明するなら…先に能力を見せた方が早いと思ってな!」
そして面倒だが、俺と悠斗や真美が異世界召喚で異世界にいた話を真木野さんがしてくれた。
爾志空社長は、転移魔法を見た後では信じるしかないらしく…真美が事前に調べてくれていた土地を購入してくれた。
「では、お金は後で支払うとして…先にこの場所を見ておきたいですね。 此処から遠いですか?」
「現在地がここで、この場所の土地がここにある。」
爾志空社長は地図で説明してくれた。
「この付近に人が住んでいるとかはありますか?」
「かなり山奥になるからね…人はあまり立ち寄らないんだ。」
「その場所の風景を頭の中に描いて貰えませんか?」
「あぁ…思い描いたが?」
俺は謝罪をしてから爾志空社長の頭に触れると、風景が浮かんでいた。
真美に戸締りを命じてから、俺達はその場所に転移した。
「く…来るまでに車で40分かかる場所に一瞬で着いた。」
「結構、草が生い茂っているな!」
「管理をしているとは言っても、人が住むとかではない限りは基本は放置だからね。」
「なら…この土地を早速弄っても良いですか?」
「あぁ…」
俺はまず…雑草や無駄な木々を全て魔法で斬り飛ばした。
それから地下室用の穴を掘り広げてから、その上に収納魔法に入れておいたフレイラッツの邸を出現させてから塀も作って邸の周りを囲んだ。
さらに…ディライトストーカーズとナイトストーカーズを召喚してから、頭の中のイメージを転写してそれぞれの人物達に変化させた。
異世界では貴族と執事という設定だったが、今回は現代なので…ちょっとした金持ちの家の様な設定にした。
ディライトストーカーズには、金持ちの両親と娘と執事とメイドを…
ナイトストーカーズには、邸の周りの庭師や御庭番として振舞うように命じた。
「ふぅ…こっちでも普通に魔法が使えるな!…って、どうした?」
転移魔法で連れて来た4人は、唖然としていた。
前もって説明していた筈だったが、実際に目にすると反応もまた違っていた。
「これが…魔法ですか?」
「あんなに荒れていた土地が一瞬で⁉」
「朔夜の魔法にこんな物があったのか!」
「しかし…水道や電気はどうするんだい?」
俺は収納魔法から魔石を取り出して説明した。
「この家の地下室には、全ての電気や水道を賄うためにこれよりも巨大な魔石を設置しております。 なので、水道を引かなくても水は自由に出せますし、電気も発電出来ますので…それと、隣の土地も貰っても良いですか? 畑を作って自給自足をしている様にも見せたいので…」
「それは構わないが…値段はどうするかね?」
「不知火君から貰ったアレで支払いますよ。 後日で良いですかね、爾志空さん。」
俺達は扉を開けて邸の中に入った。
そして悠斗と真美に部屋の説明をしたが…地下室だけは立ち入り禁止と伝えた。
近付いて魔石が暴走すると、この辺一帯が吹っ飛ぶと説明した。
二人とも絶対に行かないと誓ってくれた。
実は言うと…地下室に巨大な魔石なんていう物はない。
美紅と真美と悠斗の三人が捕まった時の地下牢のままなので、何かに作り直さないといけない訳なんだが…ディライトストーカーズに倉庫を作って貰うとするか。
「この場所に邸を立てたのは良いけど、どうやって行くんだ?」
「悠斗…お前には転移魔法が使えるだろ?」
「あ…忘れてた。」
「一度行った場所じゃないと使えないから、範囲を広げたければひたすら歩け! それと、真美には…腕時計を貸してくれ!」
俺は真美から腕時計を借りると、腕時計に術式を組み込ませた。
「ほい、羅針盤の上に手を翳してから魔力を込めると、この場所に着くように設定した。 帰りはその逆な!」
「私も転移魔法を使いたかったけど…」
「あれはかなり負荷が掛かるから辞めた方が良い。 学校での悠斗と同じ目に遭う事になるぞ!」
「あの頭押さえて転げ回るやつね。 うん、遠慮しとく…」
「あとは、これからの活動拠点がここになる訳なんだけど…細かい道具はこれから作るから、悠斗はとりあえず…真木野さんと爾志空社長を送り届けてくれ。 真美は自分で帰れるだろ?」
悠斗は3人を連れて転移魔法で帰って行った。
真美は…美紅から学校での出来事がメッセで来たらしく、その内容を見せてくれた後に帰って行った。
それから俺は、備蓄部屋を作る為に地下室に降りてから、牢屋の壁を崩してから材料を置いて、ディライトストーカーズに部屋を作るように命じた。
「後は家に帰るのだが、面倒な事が待っているんだよな…」
先程の真美が見せてくれたメッセージの内容は、少し面倒な物だった。
帰るのが…憂鬱だ。
俺と悠斗と真美は、それぞれの目的の為に動こうとした矢先だった。
俺は鞄を取ろうとすると、手紙が突き出していたので中身を読むと…セルリアとルナリアからの呼び出しで化学準備室に来いという話だった。
だが、面倒なのでシカトをすると…俺は悠斗と一緒に悠斗の親父さんが経営している古物商の店に向かったのだった。
「なぁ、朔夜…教室から出る前に何か手紙みたいな物を読んでいなかったか?」
「あぁ…セルリアとルナリアからの呼び出しで、化学準備室に来いって書いてあった。」
「行かなくて良いのか?」
「本当に二人からの誘いならな…だが書いている文字が美紅の物だったから無視をした。」
俺は悠斗に手紙を見せると、悠斗は手紙の内容を見て首を傾げていた。
「個の文字だけを見て、良く美紅が書いた物だと解ったな?」
「悠斗、鑑定魔法を施してみろ!」
悠斗は鑑定魔法を使うと、それが美紅が書いた物だという事が判明した。
「なるほど…鑑定魔法ってこうやって使うのか?」
「他にもプロでないと見分けられない贋作とかも1発で見抜けるぞ。 後は殺人の証拠品とかもな。」
「警察に協力したら、日本の犯罪のほとんどが解決しそうだな?」
「代わりに一生部屋に閉じ込められて自由がない生活に追われる事になる。 そうなりたければ協力してやると良い。」
「いや、遠慮する!」
そして悠斗と話しながら目的地に進んでいると、悠斗の親父さんの経営している店に着いた。
俺は悠斗に案内されながら中に入った。
~~~~~一方、呼び出した者達は?~~~~~
「来ないわね?」
「来ないね…?」
「大変よ、二人とも! 朔夜の奴…帰ったみたい!」
「「はぁ~?」」
美紅はそうでもなかったが…セルリアとルナリアはかなり頭に来ていたみたいだった。
この感じだと、家に帰ってから一悶着ありそうだった。
~~~~~再び、朔夜と悠斗~~~~~
「結構色々置いてあるな、主に西洋のアンティークや…江戸時代あたりの品が幾つか。」
「良く見ただけで…あぁ、鑑定か!」
悠斗は鑑定魔法で魔法で改めて店の商品を見て居た。
あまりに夢中になっていて、本来の目的を忘れそうになっていたので、肘で小突いて我に返らせた。
「そうだった…父さん、彼が不知火朔夜だよ。」
「初めまして悠斗君のお父さん、不知火朔夜と申します。」
「そう畏まらないで欲しい、君のお父さんの不知火可楽とは同級生だったんでな。 それで…今日はどんな用だい?」
「実は幾つか買い取って欲しい物があるんです。 ですが、売るのは僕ですが…出所の詮索をしないで欲しいのです。」
「出所を教えられないという事は…盗品の持ち込みをしたという話かい?」
盗品といえば…盗品だな。
魔王城から魔王を倒した時に奪って来たり、理不尽に召喚した国を滅ぼして奪い取った物と考えると…やっぱ盗品なのか?
「その前に…これを見て戴きたいのですが! やるぞ、悠斗!」
「あぁ、あれだな!」
俺と悠斗は、真木野さん…悠斗の親父さんに、学校で打ち合わせをした炎を出現させてから消して見せた。
真木野さんは目を丸くしていた。
そして俺達は、悠斗が屋上から発見されるまでの数日間に、異世界召喚で別世界にいた話をした。
こんな話は普通は信じないが…先程の炎を事前に見せていた事で話がすんなり通った。
「朔夜、他にも少し協力して欲しい…父さん、自分が手に持っているこの3つの商品は偽物だよ。」
「なるほど、わかった協力しよう!」
それから30分位かけて、店の中の商品を片っ端から鑑定魔法を使って調べた。
すると、店の中にある商品の13分の1が贋作や偽物だと判明した。
そして贋作や偽物の商品に付箋を付けてから、制作者の名前や作られた年代を書き記しておいた。
「驚いたな…これが魔法か!」
「必要とあれば…真木野さんにも鑑定の能力をお与えしますよ。 その代わり…?」
「あぁ、先程の話だな! 良かろう、出所の詮索はしないとしよう。」
そして収納魔法を開くのだが…一気にゴッソリ纏めて入れているので、どれが値打ちのある物なのかが分からなかった。
なので、真木野さんと悠斗を連れて収納魔法の中に入った。
「なんだ…この広さは⁉」
「朔夜、ここの広さはどれ位ある?」
「無人島並み?」
「何で疑問系なんだよ⁉」
「いや…俺も全ての広さを把握していなくてな。」
俺は創造魔法で棚を作ってから、纏まっている物を分類して整理してから収納した。
これで…見分けられるようになった。
「あ、そうだ! 悠斗、お前から以前取り上げた伝承の賢者の杖だ。 今なら…お前に渡しても良い。」
「ありがとう…でもな、この世界で持つにはちと浮くぞ!」
「あ、これは…右手に収納出来る。 先端の宝玉に血を垂らして契約しろ。 そうすれば、右手の中に収納出来る様になる。」
俺は悠斗の指先を少し斬ってから、血を賢者の杖の先端の宝玉に垂らすと、杖が光りだして契約が完了した。
悠斗は頭の中でイメージすると、賢者の杖は右手の中に収納が出来た。
「これは…でも他の使い道が解らんな?」
「杖があるとないとでは、魔力消費量が違うんだよ。 異世界で経験あっただろ?」
「あぁ、そういえば…」
俺は回復魔法で悠斗の指先の怪我を塞いだ。
すると、真木野さんはそれを見て感心した様な表情をした。
「魔法って凄いんだね?」
「あ、そうだ…真木野さんにも鑑定魔法を譲渡しますね。」
真木野さんに鑑定魔法を譲渡した。
悠斗は親父さんが騒ぎ出すと思っていたらしいが、渡した魔法は1種類なので…悲鳴を上げるという事は無かった。
「凄いな、この鑑定魔法というのは⁉ 年代や何の金属を使用されているかだけではなく、おおよその値段まで表示してあるとは⁉」
「え? 値段?」
俺と悠斗は金のアクセサリーを見るが、年代や制作者の名前は表示されていても、値段までは表示されなかった。
「多分…親父さんが古物商で培った能力が反映しているんだろう。 俺には値段までは表示されなかった。」
「あぁ、それは自分もだ! なるほど、鑑定魔法は経験によって詳細も表示されるのか。」
「だから俺達には、どれが値打ち物なのかが解らないのか…」
そして俺は更に真木野さんに今後の行動についての話をした。
真木野さんは考え込むと、幾つかの商品を手に取ってから収納魔法の外に出て電卓を取り出した。
「この17点を競売に掛けて売るとしよう。 活動資金としては…3億円位用意出来れば良いのかな?」
「真美の不動産で郊外で人があまり寄り付かない土地が、そこまで値段が高いか?」
「真美という子は…爾志空さんの所のお嬢さんか?」
「そうか、爾志空不動産はこの店と同じ地域だっけ?」
「なら…保証人は私がしてあげよう! そうすれば下手な詮索はされないだろう?」
「ありがとうございます! すると…真美の親父さんにも能力を見せて説明した方が良いか?」
悠斗は真美にスマホで連絡を取った。
すると真美は早速物件を調べていてくれたみたいで、そこには親父さんの声もしているという話だった。
俺はトレース魔法で真美を捉えると、真木野さんと悠斗の肩に手を置いてから転移魔法で移動した。
「うわぁ!」
「び…びっくりした!」
「驚かしてすまんな! どうせ説明するなら…先に能力を見せた方が早いと思ってな!」
そして面倒だが、俺と悠斗や真美が異世界召喚で異世界にいた話を真木野さんがしてくれた。
爾志空社長は、転移魔法を見た後では信じるしかないらしく…真美が事前に調べてくれていた土地を購入してくれた。
「では、お金は後で支払うとして…先にこの場所を見ておきたいですね。 此処から遠いですか?」
「現在地がここで、この場所の土地がここにある。」
爾志空社長は地図で説明してくれた。
「この付近に人が住んでいるとかはありますか?」
「かなり山奥になるからね…人はあまり立ち寄らないんだ。」
「その場所の風景を頭の中に描いて貰えませんか?」
「あぁ…思い描いたが?」
俺は謝罪をしてから爾志空社長の頭に触れると、風景が浮かんでいた。
真美に戸締りを命じてから、俺達はその場所に転移した。
「く…来るまでに車で40分かかる場所に一瞬で着いた。」
「結構、草が生い茂っているな!」
「管理をしているとは言っても、人が住むとかではない限りは基本は放置だからね。」
「なら…この土地を早速弄っても良いですか?」
「あぁ…」
俺はまず…雑草や無駄な木々を全て魔法で斬り飛ばした。
それから地下室用の穴を掘り広げてから、その上に収納魔法に入れておいたフレイラッツの邸を出現させてから塀も作って邸の周りを囲んだ。
さらに…ディライトストーカーズとナイトストーカーズを召喚してから、頭の中のイメージを転写してそれぞれの人物達に変化させた。
異世界では貴族と執事という設定だったが、今回は現代なので…ちょっとした金持ちの家の様な設定にした。
ディライトストーカーズには、金持ちの両親と娘と執事とメイドを…
ナイトストーカーズには、邸の周りの庭師や御庭番として振舞うように命じた。
「ふぅ…こっちでも普通に魔法が使えるな!…って、どうした?」
転移魔法で連れて来た4人は、唖然としていた。
前もって説明していた筈だったが、実際に目にすると反応もまた違っていた。
「これが…魔法ですか?」
「あんなに荒れていた土地が一瞬で⁉」
「朔夜の魔法にこんな物があったのか!」
「しかし…水道や電気はどうするんだい?」
俺は収納魔法から魔石を取り出して説明した。
「この家の地下室には、全ての電気や水道を賄うためにこれよりも巨大な魔石を設置しております。 なので、水道を引かなくても水は自由に出せますし、電気も発電出来ますので…それと、隣の土地も貰っても良いですか? 畑を作って自給自足をしている様にも見せたいので…」
「それは構わないが…値段はどうするかね?」
「不知火君から貰ったアレで支払いますよ。 後日で良いですかね、爾志空さん。」
俺達は扉を開けて邸の中に入った。
そして悠斗と真美に部屋の説明をしたが…地下室だけは立ち入り禁止と伝えた。
近付いて魔石が暴走すると、この辺一帯が吹っ飛ぶと説明した。
二人とも絶対に行かないと誓ってくれた。
実は言うと…地下室に巨大な魔石なんていう物はない。
美紅と真美と悠斗の三人が捕まった時の地下牢のままなので、何かに作り直さないといけない訳なんだが…ディライトストーカーズに倉庫を作って貰うとするか。
「この場所に邸を立てたのは良いけど、どうやって行くんだ?」
「悠斗…お前には転移魔法が使えるだろ?」
「あ…忘れてた。」
「一度行った場所じゃないと使えないから、範囲を広げたければひたすら歩け! それと、真美には…腕時計を貸してくれ!」
俺は真美から腕時計を借りると、腕時計に術式を組み込ませた。
「ほい、羅針盤の上に手を翳してから魔力を込めると、この場所に着くように設定した。 帰りはその逆な!」
「私も転移魔法を使いたかったけど…」
「あれはかなり負荷が掛かるから辞めた方が良い。 学校での悠斗と同じ目に遭う事になるぞ!」
「あの頭押さえて転げ回るやつね。 うん、遠慮しとく…」
「あとは、これからの活動拠点がここになる訳なんだけど…細かい道具はこれから作るから、悠斗はとりあえず…真木野さんと爾志空社長を送り届けてくれ。 真美は自分で帰れるだろ?」
悠斗は3人を連れて転移魔法で帰って行った。
真美は…美紅から学校での出来事がメッセで来たらしく、その内容を見せてくれた後に帰って行った。
それから俺は、備蓄部屋を作る為に地下室に降りてから、牢屋の壁を崩してから材料を置いて、ディライトストーカーズに部屋を作るように命じた。
「後は家に帰るのだが、面倒な事が待っているんだよな…」
先程の真美が見せてくれたメッセージの内容は、少し面倒な物だった。
帰るのが…憂鬱だ。
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しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
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