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第三章 様々な者達の視点の章
第七話 チャーシューデカ・矢木蓋刑事登場!
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「お断りします!」
「な…何故だ⁉ 2つか3つ質問するだけなんだが?」
「貴方の質問は、2つや3つでは終わらないでしょ!」
「今回は手短にするよ。」
「それに…令状はありませんよね? 令状が無い場合はお答えするつもりはありませんよ。」
俺は歩き出そうとすると…矢木蓋刑事は後を付いてきた。
「何で着いて来るんですか?」
「私もこっちに用があるのでね…気にしないでくれたまえ!」
そういって俺の歩く少し後ろで着いて来た。
警察の仕事は、家に入られない限りはいつまでも着いてくる。
まぁ…自分の子供が行方不明で心配しない親はいないし、今回の件は警察にも届け出が出ているという話だ。
だとしたら必死になるのも分からなくはないが…?
「仕方ない…いつもの場所で撒くか!」
この街には、厳行寺というお寺が存在する。
そこは直線に階段がある訳ではなく、山道に沿って階段があり…その階段数は3023段ある。
俺は異世界召喚で旅した分、異常な迄の体力がある。
なので、その階段を上ってこの刑事を撒くのだ。
俺は別にこの程度は苦にはならないが、並の人間は違う。
この寺で修行をして居る寺の坊さんでさえ、一気に登るのは結構な疲労になるらしい。
そして中腹に来ると…さすがの刑事も疲労が見えていた。
「どうしました、チャーシュー刑事? 体から肉汁が溢れていますが?」
「私の名前は八木蓋だ!」
「だって、平仮名ならやきぶたですよね? だからチャーシュー!」
「変なあだ名を付けるな! それにしても…いつも思うのだが、君はこの寺に何の用事がある?」
「日々の生活に感謝をする為にですよ。 日本人なんだし…刑事さんは違うんですか?」
「私は…神に祈ったりはしない!」
「そうですか…ならUターンしてお帰り下さい。 僕はこのまま上に行きますので…」
「なら私は…たまには付き合ってみよう!」
いやいや、帰れっつーの!
何か今日はやけにしつこいな?
確かに俺達5人が突然消えて、俺だけ後日発見されていたら質問もしたくはなるだろうな?
俺は念の為に索敵魔法を展開した。
異世界召喚の特典なのか、こっちの世界でも一部の魔法は使用出来た。
すると、この寺の下に複数の人間が集まっている気配と寺の方に数人集まっている気配がしていた。
多分…警察の関係者だろう。
警察もそれだけ必死なのはわかるが…これでは俺が追い詰められた犯罪者の気分だよ。
まぁ…正義を向こうの世界で殺したので、犯罪者という意味は間違ってはいないけど。
あの時は正当防衛だったし…。
「本当にしつこいが…ここで適当な魔法とか使えないしな。」
魔法自体は使えるのだが、頂上にいる警察官が俺の事を望遠レンズのカメラで追っているので、迂闊に発動出来ない。
仕方ない…プランBをするか!
俺はチャーシュー刑事を振り切る様に一気に階段を駆け上がった。
頂上に着くと寺の背後に回ってから、近くに監視カメラが無い事を確認すると、変身魔法で警察官に扮した。
そして何食わぬ顔で他の警察官と合流するのだった。
すると、やっと登って来たチャーシュー刑事が皆に聞いた。
「こっちに不知火朔夜が来た筈だが?」
「それが突然見失ってしまい…」
「俺が下から上がって来たからすれ違う事は無い! それに階段は1つだけだ!」
「わかりました、寺の方に協力を得て出来得る範囲を探してみます!」
俺はこの隙に階段を駆け下りると、下で待っていた大勢の警察官を見付けた。
俺は変身魔法でチャーシュー刑事に変身すると、下の警察官達に言った。
「ここは俺が見張るから、お前達は寺で隠れた不知火朔夜の捜索に当たれ!」
「「「はっ!」」」
警察官達は階段を駆け上がって行く所を見届けると、変身魔法を解いてからその場を離れた。
「よし、後は父さんにメールをして…と、送信!」
チャーシュー刑事は以前から過度な接触が多くて、警察のお偉いさんからお𠮟りを受けた事があった。
まぁ…それは大体、俺の父さんが警察に連絡をしているのだったが…。
ただの公務員の時は大した権力も無かったけど、今や大企業の社長なので警察にも太いコネがある。
なので報告をしておけば…しばらくはあの刑事の顔を見なくてもよくなるだろう。
俺は鼻歌交じりに家に帰るのだった。
「後は…セルリアが家に来て話し合いをするだけだが?」
どうも今のセルリアには、あの異世界で暮らしていた事の記憶がなさそうに見える。
多少強引な手に出ても話をする必要があるな。
しかし俺は本当に以前、セルリアを押し倒したりしたのだろうか?
「な…何故だ⁉ 2つか3つ質問するだけなんだが?」
「貴方の質問は、2つや3つでは終わらないでしょ!」
「今回は手短にするよ。」
「それに…令状はありませんよね? 令状が無い場合はお答えするつもりはありませんよ。」
俺は歩き出そうとすると…矢木蓋刑事は後を付いてきた。
「何で着いて来るんですか?」
「私もこっちに用があるのでね…気にしないでくれたまえ!」
そういって俺の歩く少し後ろで着いて来た。
警察の仕事は、家に入られない限りはいつまでも着いてくる。
まぁ…自分の子供が行方不明で心配しない親はいないし、今回の件は警察にも届け出が出ているという話だ。
だとしたら必死になるのも分からなくはないが…?
「仕方ない…いつもの場所で撒くか!」
この街には、厳行寺というお寺が存在する。
そこは直線に階段がある訳ではなく、山道に沿って階段があり…その階段数は3023段ある。
俺は異世界召喚で旅した分、異常な迄の体力がある。
なので、その階段を上ってこの刑事を撒くのだ。
俺は別にこの程度は苦にはならないが、並の人間は違う。
この寺で修行をして居る寺の坊さんでさえ、一気に登るのは結構な疲労になるらしい。
そして中腹に来ると…さすがの刑事も疲労が見えていた。
「どうしました、チャーシュー刑事? 体から肉汁が溢れていますが?」
「私の名前は八木蓋だ!」
「だって、平仮名ならやきぶたですよね? だからチャーシュー!」
「変なあだ名を付けるな! それにしても…いつも思うのだが、君はこの寺に何の用事がある?」
「日々の生活に感謝をする為にですよ。 日本人なんだし…刑事さんは違うんですか?」
「私は…神に祈ったりはしない!」
「そうですか…ならUターンしてお帰り下さい。 僕はこのまま上に行きますので…」
「なら私は…たまには付き合ってみよう!」
いやいや、帰れっつーの!
何か今日はやけにしつこいな?
確かに俺達5人が突然消えて、俺だけ後日発見されていたら質問もしたくはなるだろうな?
俺は念の為に索敵魔法を展開した。
異世界召喚の特典なのか、こっちの世界でも一部の魔法は使用出来た。
すると、この寺の下に複数の人間が集まっている気配と寺の方に数人集まっている気配がしていた。
多分…警察の関係者だろう。
警察もそれだけ必死なのはわかるが…これでは俺が追い詰められた犯罪者の気分だよ。
まぁ…正義を向こうの世界で殺したので、犯罪者という意味は間違ってはいないけど。
あの時は正当防衛だったし…。
「本当にしつこいが…ここで適当な魔法とか使えないしな。」
魔法自体は使えるのだが、頂上にいる警察官が俺の事を望遠レンズのカメラで追っているので、迂闊に発動出来ない。
仕方ない…プランBをするか!
俺はチャーシュー刑事を振り切る様に一気に階段を駆け上がった。
頂上に着くと寺の背後に回ってから、近くに監視カメラが無い事を確認すると、変身魔法で警察官に扮した。
そして何食わぬ顔で他の警察官と合流するのだった。
すると、やっと登って来たチャーシュー刑事が皆に聞いた。
「こっちに不知火朔夜が来た筈だが?」
「それが突然見失ってしまい…」
「俺が下から上がって来たからすれ違う事は無い! それに階段は1つだけだ!」
「わかりました、寺の方に協力を得て出来得る範囲を探してみます!」
俺はこの隙に階段を駆け下りると、下で待っていた大勢の警察官を見付けた。
俺は変身魔法でチャーシュー刑事に変身すると、下の警察官達に言った。
「ここは俺が見張るから、お前達は寺で隠れた不知火朔夜の捜索に当たれ!」
「「「はっ!」」」
警察官達は階段を駆け上がって行く所を見届けると、変身魔法を解いてからその場を離れた。
「よし、後は父さんにメールをして…と、送信!」
チャーシュー刑事は以前から過度な接触が多くて、警察のお偉いさんからお𠮟りを受けた事があった。
まぁ…それは大体、俺の父さんが警察に連絡をしているのだったが…。
ただの公務員の時は大した権力も無かったけど、今や大企業の社長なので警察にも太いコネがある。
なので報告をしておけば…しばらくはあの刑事の顔を見なくてもよくなるだろう。
俺は鼻歌交じりに家に帰るのだった。
「後は…セルリアが家に来て話し合いをするだけだが?」
どうも今のセルリアには、あの異世界で暮らしていた事の記憶がなさそうに見える。
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