異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎

アノマロカリス

文字の大きさ
25 / 93
第二章 旅をする上での大事な事

第一話 旅立ちの準備と…?

しおりを挟む
 俺はまだ城にいた。
 旅を決意したのだが、色々準備が必要だと気付いた。
 まずは…冒険者登録だ!
 冒険者の登録証は、各街に入る時や施設を使う際のパスポートとして使える。
 これは第一の異世界召喚で学んだのだが…異世界から召喚された者でも、路銀を使い果たせば金を稼ぐ手段を見付けなければならない。
 そうでないと、街中の施設が使えなくなるからだ。
 まぁ…宿屋に泊まれなくても、街の門の周辺で夜を明かすという方法も無くはない。
 だが、その場合…街の外だと魔物に襲われて、街の中だと盗賊に物をパクられる可能性があるので、どっちも気が抜けない。
 なので俺は、城下街に降りてから冒険者ギルドに入った。

 「あれからずいぶん経つが…まだこんなに冒険者がいるのか?」

 俺は先を進んで行くと…こういう場所では何かしら絡んでくる奴がいる。
 これが新人の洗礼なのだろうか?
 まぁ、考えてみると…異世界召喚で訪れた冒険者ギルドでは、大体絡まれていたな。
 見た目がもう少し厳ついと良いのだがな。

 「オイ兄ちゃん…って、おい! 無視するな、コラァ!」
 「すいません…無視していた訳ではないんです。 ただ…シカトしていただけで!」
 「そりゃ一緒だろ⁉」
 「おかしいですね…ここは笑う所なんですが?」

 俺はそういうと、周囲で笑い声が上がった。
 だが、俺に絡んで来た男は顔を真っ赤にして怒鳴って来た。

 「貴様! 俺の事を舐めているのか⁉」
 「舐められる訳ねぇだろ! 俺は男を舐める趣味なんてねぇよ…犬じゃあるまいし!」

 すると周囲で笑い声が沸き上がった。
 俺はその隙に剣の柄に手を掛けてから、居合で目の前の冒険者のベルトを斬ってから鞘に戻した。

 「どうでも良いんだが…俺に何をする気だ? ズボンなんか下げて…男色の趣味でもあるのか?」
 「な…いつの間に⁉」

 男はズボンを上げると、そのまま外に出て行った。
 そして俺は受付に向かって歩いていると、今度は別な者に声を掛けられたのだった。

 「君は…中々の腕だね?」
 「さて? 何の事だ?」
 「ふむ…失礼!」

 目の前にいた剣士は、俺に居合をした。
 殺気は無かったので、俺はそのまま立ちつくした。

 「君は目を閉じなかったね?」
 「閉じる必要が無いからな…それにしても面白い剣だな! 両刃と思ったら、途中から片刃とは…」
 「見えたのか⁉ 失礼…吾はセイリアという。 Sランクの冒険者だ!」
 「なるほど、貴女が剣聖と呼ばれる人でしたか! 俺はサクヤという。 ランクは…これから決まる。」
 
 俺は受付に指さして言った。
 
 「君はノーランカーだったのか、あの腕で⁉」
 「そのようで…では、機会があれば! あ、それと…綺麗な桃色だな!」
 「桃色…?」

 俺はセイリアから離れると、セイリアは腰を見渡した。
 すると、左側の履物の側面が切れている事に気付いて、慌てて隠していた。
 そして俺の方をキッ!と睨んだ。

 「すいませんが、冒険者登録をしたいのだが…ギルドマスターのアダンはいるか?」
 「申し訳ありません。 冒険者登録が済んでない者に、ギルドマスターはお会い出来ない決まりですので…」
 「サクヤが尋ねて来た…そう伝えて貰えれば解ります。」
 「その必要はない! 俺ならここにいる!」
 「あ、ギルマス…この方が。」
 「サクヤ殿、ここでは目立ちますので、こちらへ…」

 俺はアダンの案内でギルマスの部屋に入った。

 「それにしても先程は見事でしたね! セイリアの剣を見切っただけではなく、セイリアに気付かない一撃を入れるとは。」
 「あの程度は造作もないですよ。 それで、冒険者登録をしたいのだが…」
 「サクヤ殿の強さだったら、どのランクでもやっていけそうですが…そのランクが良いですか?」
 「ではSランク…より上はあるのか?」
 「無くはないですが…でもまぁ、サクヤ殿の強さを考えると…Sランクでも低いですね。」
 「では、SSランクか?」
 「もう一つ上のSSSランクというのがありますが…如何致しますか?」
 「何だか目立ちそうだが…SSSランクは他にいるのか?」
 「いえ、今はSSランクですら1人もいません。」
 「ならSSランクで良い。 登録をしてくれ!」
 「わかりました。 受付に申請を通しておきますので、そちらでお受け取り下さい!」

 俺は受付に戻ると、受付嬢からSSランクのプレートを貰って首に掛けた。
 冒険者ギルドの発行証は、その世界によって違う。
 例えばカードだったり、首飾りだったり、体に魔方式を刻むというのもあった。
 冒険者ギルドの登録証は、基本的に体のどこかしらに表示出来る様になっている。
 腕や足だと欠損して登録証を失う場合があるからだ。
 なので、首か体に近い場所に見える様に作られている。
 首が飛んだり、体が破損すれば…即ち死という意味だからだ。

 「さてと、次はどうするかな?」
 「いたぞ! あそこだ‼」
 「ん?」

 先程のズボンのベルトを切った男が戻って来た。
 しかも人数を連れて…

 「見付けたぞ、小僧!」
 「わーい、見付かったー! では、次は俺が捕まえるから早く隠れろ~!」
 「貴様さっきから俺の事をおちょくっているのか⁉」
 「冗談が通じない奴だな…それで、何の用だ?」
 「Bランクの俺に手を出すという事がどういう事か解っているのか⁉」
 「Bランクか…だから威勢ばっかで弱かったんだな?」
 「貴様…顔は覚えたぞ! この街にいる限り…逃げられないと知れ‼」
 「お前…そんなに頭が良いのか? 見た目的に馬鹿っぽそうにしか見えないのに…」
 
 このやり取りも疲れて来たな。
 早く次に行きたいんだが…?
 俺はそんな事を考えていると、奴等の仲間の一人が俺の首に下がっているプレートを見て青い顔をしていた。

 「貴様…その首から下げているプレートは…Sランクか⁉」
 「違う、SSランクだ。 それで、Bランクに手を出すとどうなるんだ?」
 「は…ハッタリだ! 貴様なんぞにSSランクなんて…」
 「お前等さぁ、斬られた事くらい気付けよ…」

 男達は体を見渡すと、またもズボンが落ちた。

 「これが、俺とお前達の差だ。 これに懲りて喧嘩なんか吹っ掛けるな! 次は…首と胴が別れる事になるぞ!」
 
 俺がそう言うと、男達はズボンを上げながら去って行った。
 
 「またつまらぬ物を斬ってしまった…なんてな!」

 俺はそういうと、冒険者ギルドから出て行った。
 そして旅の物を購入しようと、市場に行く事にした。
 市場に来ると、結構な具合に賑わっていた。

 「肉と野菜と…水は魔法があるからな! 後は果物でも買うか?」

 そう言って店を回ると、次々に買い物を済ませてから収納魔法に放り込んだ。
 そして街を見ながら歩いていると、突然足元に果物が転がって来た。
 俺は拾い上げると、目の前に袋から何個かこぼれた男の子がいた。

 「ほら少年!」
 「ありがとうございます!」

 俺は少年に渡すと、少年は受け取って礼をした。
 俺は少年が気になって別れたフリをして後を付けた。
 すると少年は、神殿の管轄する墓地に向かっていた。
 そして少年は、墓の前で何やら探し物をしている様だった…が、もう良いだろう。

 「なぁ、少年…何をしているんだ?」
 「貴方は先程の…? 実は…知り合いの墓を探していまして。」
 「何て名前だ?」
 「えーっと…」

 俺は少年の方に近付いてから…剣を抜いて斬ろうとしたが、少年は素早く躱したのだった。

 「やはり…魔族か?」
 「中々鋭いですね?」
 「用があるのは勇者の灰か?」
 「おやおや、そこまで御存知だとは!」
 「言っておくが、こんな場所にはないぞ。」
 「では、何処にあるのか教えて戴けませんか?」
 「海に向かって撒いた…と言ったら信じるか?」
 「御冗談でしょ?」
 「まぁ、冗談だ…」
 
 魔族というのは解るが…ただの魔族ではない。
 かなり上位の…グレーターか?…いや、アーククラスか!
 
 「勇者の灰を何に使うか教えてくれたら場所を話そう。」
 「復活させて配下にしようかと思っています。」
 「マジか? アイツは相当性格が歪んでいるぞ?」
 「人間には嫌われそうですが…我々には問題ありません。」
 「ふむ‥奴に会えるのなら、復活させてから会うのも良いかもな!」
 「貴方も友思いなのですね?」
 「いや? あまりにも呆気なく殺したから、次はもっと残酷な方法でトドメを刺してやろうと…」
 「貴方は本当に人間ですか? 思考の偏りが我々に通じる物を感じますが?」
 
 俺は収納魔法から壺を取り出して地面に置いた。

 「これが勇者の灰だ!」
 「空間魔術を使うとは…どおりでこの辺から反応が無い訳ですね?…ですが、これが本当に勇者の灰という根拠はありますか?」
 「俺は交渉事には嘘はつかん! さっきも言ったが…復活したアイツを今度こそぶち殺したいからな!」
 「そこまで言うのなら本当なのでしょうね…わかりました、貴方のいう事を信じましょう!」

 魔族の少年は壺を受け取ると、そのまま飛んで行った。

 「俺は交渉事には嘘はつかん…が、ハッタリは言う!」

 さて、用事も済んだし…城に帰るとするか!
 俺は城に向かったのだった。

 ~~~~~一方、魔王城では?~~~~~

 「マーデルリア様、勇者の灰を手に入れました!」
 「でかしたなルック…では、早速復活の儀式を…」

 マーデルリアは陣の中に壺を置いてから蓋を開けて詠唱を始めた。
 1時間が過ぎ…2時間が過ぎ…3時間が過ぎたが反応が無かった。
 マーデルリアは壺の中身を確認した。
 すると、中に入っていたのは…?

 「これはただの砂ではないか‼」
 「え…? いや、そんな筈は…⁉」

 ルックは壺の中身を確認すると、確かに白い砂だった。
 ルックは壺を持ち上げると、思いっ切り床に叩き付けた。

 「やってくれたな…あの人間‼」
 「ルック、もう1度…勇者の灰を今度こそ探し出すのよ‼」
 「はっ! あの人間を半殺しにしてでも口を割らせてきます‼」

 そうしてルックは、また魔王城を飛び出して行った。
 
 ~~~~~本物の勇者の灰はというと…?~~~~~

 サクヤの収納魔法の中に入ったままだった。
 適当に捨てて悪用される事を恐れたので、廃棄出来る場所を見付けた際に葬るつもりなのだ。
 その場所は…何処なのだろうか?
しおりを挟む
感想 82

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

ダンジョンに捨てられた私 奇跡的に不老不死になれたので村を捨てます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はファム 前世は日本人、とても幸せな最期を迎えてこの世界に転生した 記憶を持っていた私はいいように使われて5歳を迎えた 村の代表だった私を拾ったおじさんはダンジョンが枯渇していることに気が付く ダンジョンには栄養、マナが必要。人もそのマナを持っていた そう、おじさんは私を栄養としてダンジョンに捨てた 私は捨てられたので村をすてる

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。 王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。 なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。 自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。 11月14日にHOT男性向け1位になりました。 応援、ありがとうございます!

処理中です...