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第一章 異世界召喚編

第二十話 愚か者の噛み合わない行動

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 「マサギ…何の真似だ⁉︎」
 「いや~~~僕は気付いちゃったんだよね!」

 マサギは俺の太腿に剣を突き刺してから抜くと…その傷口を踏み付けて言った。

 「ぐっ…気付いたって何をだ⁉︎」
 「僕は勇者に選ばれたのに、サクヤの持っている聖剣が僕に適合しない訳をね。」

 適合しないも何も…聖剣側に拒否られたからじゃん!
 聖剣がマサギを拒んだというのに、それに俺の持っている聖剣は本来ならこの世界には存在しない物だ!
 ミクが選ばれたの自体、信じられなくて驚いたというのに…。
 マサギは一体何を言いたいんだ?

 「所有者が生きているから、聖剣は遠慮をしているんだよ。 だから…所有者が死ねば、聖剣や魔剣は解放されて、僕にもチャンスが回って来る…という訳さ!」
 「はぁ~~~⁉︎」

 何処をどう考えれば、そういう考えに辿り着くんだ?
 所有者が死ねば、は出来るだろうが…適合出来るという事はない。
 あれだけ聖剣や魔剣に拒否られていて、俺が死ねばって………?
 それにそんな状態で聖剣を手に出来たとして…マサギは何をする気なんだ?

 「僕はね…サクヤにはどう足掻いても勝てない事は知っている。 でも、こうしてチャンスが訪れたんだよ! サクヤは強い!…だけど、前回にデスブリンガー様に倒された姿を見て、決して勝てないと知ったんだ!」
 「デスブリンガーって…? マサギは聖剣を手土産に魔王側に寝返るのか?」
 「はぁ? 何故僕が魔王側に寝返らないといけないんだよ! 僕は勇者だぞ! 勇者は世界の平和の為に魔王を倒すんだよ! 6回も異世界召喚をして来たのに、そんな事も分からないのか?」
 「言っておくが…お前が敬称を付けた相手は、魔王の幹部だぞ! その幹部に魔王を倒すなんて宣言したら殺されるぞ‼︎」
 「それは大丈夫だ! デスブリンガー様と協力するのは今回だけだからね。 サクヤを殺して聖剣や魔剣とその他の物を全て奪って僕が有効活用してあげるよ!」
 「俺が死んだら、収納魔法に入っている物は全て消滅する仕組みになっているんだが? 悪用されない為にな! それに今使っている聖剣や鎧も死んだら勝手に収納されて、この世から消滅する。」
 
 これが収納魔法を作り出した時の特殊効果だ。
 …というか、マサギは一体何を考えているんだ?
 さっきから言っていることが矛盾だらけなのだが?
 それによぉ…さっきから傷口を踏み付けるのをやめろ‼︎

 「そんな話は聞いてないぞ! サクヤ、君が死ぬ前に収納魔法に入っている物をこの場で全て出すんだ‼︎」
 「あんな話を聞かされた後で出す訳ねぇだろ‼︎ お前…頭の中は大丈夫…いや、もう手遅れか……」
 『フム…なかなか面白い余興だ! ならば…観客を増やしてやろう!』

 デスブリンガーの俺は、召喚した魔物達を下がらてから送還すると…全て消えて行った。
 そして騎士達やミク達が俺達の周りに集まって来た。
 マサギは焦り出した表情をしていた。
 何を焦っているのかが分からなかったが…次回、それが明らかになるのだった。

 次回、最終回…
 
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