30 / 35
第三章
第一話 訃報…(翔也達はコレを旅先で知りました。)
しおりを挟む
テレシア王国から少し離れた街の宿屋にて…
翔也達4人は、宿屋の食堂で食事をしていた時に賢斗が読んでいた新聞でテレシア王国の訃報を知る事になった。
「皆、大変だ!」
「どうした賢斗?」
「僕等がテレシア王国から旅立って暫くしてから、魔王軍にテレシア王国が壊滅した!」
「な、何だと⁉」
賢斗は触りだけしか読んでいなかったから、詳しい内容まで読みこむ事が出来なかった。
そして一通りの記事を読み終わり、皆に発表した。
「まずテレシア王国の壊滅後に、サーディリアン聖王国から派遣されたSランク冒険者によってテレシア王国の調査に入った際に…国王陛下は見るも無残な姿で朽ち果てていて、アルカディア第二王女も自らの命を絶った形跡があり、城内とテルシア城下街の住人は皆殺しにされ、宝物庫は全て奪われ、更に城の地下にあった魔法陣は破壊されていたという。」
「アルカディア王女様…あんな素晴らしい方が⁉」
「おい、城の地下の魔法陣って…俺達が召喚された場所だよな? あの場所は、城内でも秘匿にされていたという話では無かったのか⁉」
「あぁ…そして、僕達は元の世界には帰れなくなったという事でもある。」
翔也はテーブルを叩き付けた。
魔王を倒しても、元の世界に帰れないのなら意味が無いからだ。
「なぁ、本来ならこのまま聖竜国グランディオに向かう所だけど…この場所からテレシア王国はすぐ近くだし、行って見るというのはどうかな?」
「確かに…この新聞の内容では、テルセラ様の情報は一切書かれていなかったけど…召喚陣が壊されていたとしても、召喚陣に関わる書物が無事なら確保は入手しておきたいしね。」
翔也と賢斗がそう言うと、飛鳥と華奈は頷いた。
これでもしも、テルセラ王国が壊滅させられて燃やされていたら、手がかりも灰になって真っ直ぐ聖竜国グランディオに向かうという選択を取っていたかも知れないけど、ただ壊滅させられただけならソレに希望を掛けるしかなかった。
「それにしても、高ランク冒険者って書いてあったみたいだけど…名前は書かれているの?」
「Sランク冒険者…ていうだけで、名前は一切書かれていないな。」
「私達が到着する迄には結構な日にちが経っちゃうしね、どうせならその時の状況の話を聞きたかったんだけど?」
「サーディリアン聖王国の冒険者と書かれていたから、そこの冒険者ギルドに行けば…その人物に遭えるんじゃないかな?」
翔也達は身支度を済ませた後に、急いで馬車を借りてテレシア王国に向かうのだった。
~~~~~新聞に掛かれていた人物~~~~~
さて、実はテレシア王国の壊滅後に調査したSランク冒険者というのは、実はダンの事である。
テレシア王国を滅ぼした後に、一度孤児院に戻ったダンだったが…?
付近の冒険者ギルドから誰かしら派遣されると踏んだダンは、先に調べてからその報告内容を冒険者ギルドに売る為に自ら調査したという形にした。
壊滅後の情報については、冒険者ギルド内では高値で取引される場合がある。
仮に冒険者ギルドで売れなかったとしても、サーディリアン聖王国の王族なら買ってくれると踏んでいた。
その理由は以前ダンが城の牢屋に捕まっていた際に、サーディリアン聖王国に嫁いだ第一王女のトアルディア王女なら、こんな暴挙を許すはずがないと言っていたからだった。
ダンはその内容を覚えていたのだった。
それ以外にも、ダンには腑に落ちない事が1つだけあった。
賢斗ではないが、ダンがテレシア王国に攻め入った時に…宮廷魔術師のテルセラの姿を一切見ない事だった。
本来、宮廷魔術師というのは…国王の側近として常に身近にいて警護する存在だからだ。
仮にその場にいなかったとしても、別な場所で殺されていると思っていたのだが…?
城をくまなく探しても、テルセラの遺体は見つからなかった。
ダンはすぐに、捜索能力に優れている配下を召喚して付近に探らせたのだが…?
一切見付からないという報告を受けたのだった。
宮廷魔術師と言われるだけあって、それなりの魔力量を保有していると思うのだが?
魔族とは違い、別な国まで飛べるとは思ってはいなかったので付近を捜索させたのだった。
王国内では国王と王女には素顔を晒していたので、仮にそれを見られていて冒険者ギルドにタレこまられると厄介だったからだ。
捜索は一応続けさせてはいる。
だけど、このテルセラとは意外な場所で会う事になるのだけれど…?
翔也達4人は、宿屋の食堂で食事をしていた時に賢斗が読んでいた新聞でテレシア王国の訃報を知る事になった。
「皆、大変だ!」
「どうした賢斗?」
「僕等がテレシア王国から旅立って暫くしてから、魔王軍にテレシア王国が壊滅した!」
「な、何だと⁉」
賢斗は触りだけしか読んでいなかったから、詳しい内容まで読みこむ事が出来なかった。
そして一通りの記事を読み終わり、皆に発表した。
「まずテレシア王国の壊滅後に、サーディリアン聖王国から派遣されたSランク冒険者によってテレシア王国の調査に入った際に…国王陛下は見るも無残な姿で朽ち果てていて、アルカディア第二王女も自らの命を絶った形跡があり、城内とテルシア城下街の住人は皆殺しにされ、宝物庫は全て奪われ、更に城の地下にあった魔法陣は破壊されていたという。」
「アルカディア王女様…あんな素晴らしい方が⁉」
「おい、城の地下の魔法陣って…俺達が召喚された場所だよな? あの場所は、城内でも秘匿にされていたという話では無かったのか⁉」
「あぁ…そして、僕達は元の世界には帰れなくなったという事でもある。」
翔也はテーブルを叩き付けた。
魔王を倒しても、元の世界に帰れないのなら意味が無いからだ。
「なぁ、本来ならこのまま聖竜国グランディオに向かう所だけど…この場所からテレシア王国はすぐ近くだし、行って見るというのはどうかな?」
「確かに…この新聞の内容では、テルセラ様の情報は一切書かれていなかったけど…召喚陣が壊されていたとしても、召喚陣に関わる書物が無事なら確保は入手しておきたいしね。」
翔也と賢斗がそう言うと、飛鳥と華奈は頷いた。
これでもしも、テルセラ王国が壊滅させられて燃やされていたら、手がかりも灰になって真っ直ぐ聖竜国グランディオに向かうという選択を取っていたかも知れないけど、ただ壊滅させられただけならソレに希望を掛けるしかなかった。
「それにしても、高ランク冒険者って書いてあったみたいだけど…名前は書かれているの?」
「Sランク冒険者…ていうだけで、名前は一切書かれていないな。」
「私達が到着する迄には結構な日にちが経っちゃうしね、どうせならその時の状況の話を聞きたかったんだけど?」
「サーディリアン聖王国の冒険者と書かれていたから、そこの冒険者ギルドに行けば…その人物に遭えるんじゃないかな?」
翔也達は身支度を済ませた後に、急いで馬車を借りてテレシア王国に向かうのだった。
~~~~~新聞に掛かれていた人物~~~~~
さて、実はテレシア王国の壊滅後に調査したSランク冒険者というのは、実はダンの事である。
テレシア王国を滅ぼした後に、一度孤児院に戻ったダンだったが…?
付近の冒険者ギルドから誰かしら派遣されると踏んだダンは、先に調べてからその報告内容を冒険者ギルドに売る為に自ら調査したという形にした。
壊滅後の情報については、冒険者ギルド内では高値で取引される場合がある。
仮に冒険者ギルドで売れなかったとしても、サーディリアン聖王国の王族なら買ってくれると踏んでいた。
その理由は以前ダンが城の牢屋に捕まっていた際に、サーディリアン聖王国に嫁いだ第一王女のトアルディア王女なら、こんな暴挙を許すはずがないと言っていたからだった。
ダンはその内容を覚えていたのだった。
それ以外にも、ダンには腑に落ちない事が1つだけあった。
賢斗ではないが、ダンがテレシア王国に攻め入った時に…宮廷魔術師のテルセラの姿を一切見ない事だった。
本来、宮廷魔術師というのは…国王の側近として常に身近にいて警護する存在だからだ。
仮にその場にいなかったとしても、別な場所で殺されていると思っていたのだが…?
城をくまなく探しても、テルセラの遺体は見つからなかった。
ダンはすぐに、捜索能力に優れている配下を召喚して付近に探らせたのだが…?
一切見付からないという報告を受けたのだった。
宮廷魔術師と言われるだけあって、それなりの魔力量を保有していると思うのだが?
魔族とは違い、別な国まで飛べるとは思ってはいなかったので付近を捜索させたのだった。
王国内では国王と王女には素顔を晒していたので、仮にそれを見られていて冒険者ギルドにタレこまられると厄介だったからだ。
捜索は一応続けさせてはいる。
だけど、このテルセラとは意外な場所で会う事になるのだけれど…?
2
お気に入りに追加
276
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。
王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。
なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。
自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。
11月14日にHOT男性向け1位になりました。
応援、ありがとうございます!
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる