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第三章
序章
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僕は現在、魔王城の会議室にいた。
上座にはサズンデス様がいて、その周りを囲む様に三元将、四天王、八魔将達が座っていた。
『さて皆の者よ、進捗状況を知りたいのだが…』
「それよりもサズンデス様、何故その人間が我々達と同じ場にいるのですか?」
四天王の1人が僕を指差していった。
魔剣ネクロイシスの一件で、僕の事を認めてくれた者達は数人は居たが全員では無かった。
中には僕の事を快く思わない者もいた。
『ふむ…デスブリンガーについては、魔剣ネクロイシスの一件で皆も認めていたと思っていたのだが?』
「サズンデス様でも手を焼く魔剣を手にした功績は素晴らしいとは思いますが…」
『それ以外にもデスブリンガーは、お前達が散々手を焼いたエルヴ族の集落を落とし、族長バルバトスを配下にしたのだがな…』
「八魔将や我ら四天王を倒したというエルヴ族の長をですか⁉︎」
『それ以外にも、勇者を召喚した城をも攻め落としたのだが…まだお前達の功績には満たないと?』
「い、いえ…」
配下の者達は言葉を失っていた。
これで僕の評価も少しは上がっただろう。
そして…報告会が始まった。
各魔将達も、小国なら攻め滅ぼす事が出来ていたが…?
大国と呼ばれる国や、大国に近い規模の街を落すまでには行かずに難航をしているという話だった。
『ふむ…? やはり、サーディリアン聖王国と聖竜国グランディオは別格の存在か…』
サーディリアン聖王国は、城に近い所ほど聖なる守護の結界が強く、街の方までは範囲が届かないらしい。
なので、グロヨークの時にいたレッサーでも侵入を許してしまうというものだった。
「サズンデス様、サーディリアン聖王国に関しては…しばし放置を宜しくお願いします。」
『デスブリンガーよ、何か考えがあるのか?』
「えぇ、冒険者としてですね…」
『あい分かった! しばらくは手を出さないでやろう…が?』
サズンデス様がそう言うと、周りの魔将から不満の声が上がった。
確かに、僕に贔屓をしている様に聞こえてしまうからだ。
『聖竜国グランディオに関しては…どうにかならんか?』
「あそこには、エンシェントドラゴンの番いが治める国ですからね。 それ以外にも…数体のグランドドラゴンとか、飛竜が100体以上も…」
聖竜国グランディオには、光のエンシェントドラゴンの番いが治めている国であり、更には光の結界で覆われている。
仮に結界を突破出来たとしても、魔王軍に匹敵出来るほどのドラゴンの群れが守護をしている。
なので、魔将だけでなく…四天王や三元将でも迂闊に手を出せるところでは無いのだ。
「聖竜国グランディオに関しましてですが、我に考えがあります。」
『考えというと…以前に話したアレか?』
「えぇ、エルヴの集落での出来事以降…かなり子供の数も増えましたし、エルサーパから面白い報告も受けて戦力も増強されましたしね。 流石にエンシェントドラゴン相手ではかなりきついですが…」
『ふむ…』
現在の孤児院は、かなりの人数がいる。
その中でも率先して動ける者もいれば、対して役に立たないでサボろうとする者達もいる。
孤児院からそういった役に立たない子供を間引くつもりで、聖竜国グランディオで役に立たせようという訳なのだ。
『我は…魔王の試練に打ち勝って、大魔王の地位を手に入れた。 なので今後は、大魔王サズンデスを名乗ろうと思う。 なので…魔王の席は空席となっているのだが、デスブリンガーが聖竜国グランディオを攻略で来た際には、魔王の地位を与えようと思う。』
「魔王…ですか、それは良い地位ですね!」
流石に魔王の地位に就けば、周りから蔑まされる事は無いだろう。
今回の攻略を何としても成功させるぞ‼
上座にはサズンデス様がいて、その周りを囲む様に三元将、四天王、八魔将達が座っていた。
『さて皆の者よ、進捗状況を知りたいのだが…』
「それよりもサズンデス様、何故その人間が我々達と同じ場にいるのですか?」
四天王の1人が僕を指差していった。
魔剣ネクロイシスの一件で、僕の事を認めてくれた者達は数人は居たが全員では無かった。
中には僕の事を快く思わない者もいた。
『ふむ…デスブリンガーについては、魔剣ネクロイシスの一件で皆も認めていたと思っていたのだが?』
「サズンデス様でも手を焼く魔剣を手にした功績は素晴らしいとは思いますが…」
『それ以外にもデスブリンガーは、お前達が散々手を焼いたエルヴ族の集落を落とし、族長バルバトスを配下にしたのだがな…』
「八魔将や我ら四天王を倒したというエルヴ族の長をですか⁉︎」
『それ以外にも、勇者を召喚した城をも攻め落としたのだが…まだお前達の功績には満たないと?』
「い、いえ…」
配下の者達は言葉を失っていた。
これで僕の評価も少しは上がっただろう。
そして…報告会が始まった。
各魔将達も、小国なら攻め滅ぼす事が出来ていたが…?
大国と呼ばれる国や、大国に近い規模の街を落すまでには行かずに難航をしているという話だった。
『ふむ…? やはり、サーディリアン聖王国と聖竜国グランディオは別格の存在か…』
サーディリアン聖王国は、城に近い所ほど聖なる守護の結界が強く、街の方までは範囲が届かないらしい。
なので、グロヨークの時にいたレッサーでも侵入を許してしまうというものだった。
「サズンデス様、サーディリアン聖王国に関しては…しばし放置を宜しくお願いします。」
『デスブリンガーよ、何か考えがあるのか?』
「えぇ、冒険者としてですね…」
『あい分かった! しばらくは手を出さないでやろう…が?』
サズンデス様がそう言うと、周りの魔将から不満の声が上がった。
確かに、僕に贔屓をしている様に聞こえてしまうからだ。
『聖竜国グランディオに関しては…どうにかならんか?』
「あそこには、エンシェントドラゴンの番いが治める国ですからね。 それ以外にも…数体のグランドドラゴンとか、飛竜が100体以上も…」
聖竜国グランディオには、光のエンシェントドラゴンの番いが治めている国であり、更には光の結界で覆われている。
仮に結界を突破出来たとしても、魔王軍に匹敵出来るほどのドラゴンの群れが守護をしている。
なので、魔将だけでなく…四天王や三元将でも迂闊に手を出せるところでは無いのだ。
「聖竜国グランディオに関しましてですが、我に考えがあります。」
『考えというと…以前に話したアレか?』
「えぇ、エルヴの集落での出来事以降…かなり子供の数も増えましたし、エルサーパから面白い報告も受けて戦力も増強されましたしね。 流石にエンシェントドラゴン相手ではかなりきついですが…」
『ふむ…』
現在の孤児院は、かなりの人数がいる。
その中でも率先して動ける者もいれば、対して役に立たないでサボろうとする者達もいる。
孤児院からそういった役に立たない子供を間引くつもりで、聖竜国グランディオで役に立たせようという訳なのだ。
『我は…魔王の試練に打ち勝って、大魔王の地位を手に入れた。 なので今後は、大魔王サズンデスを名乗ろうと思う。 なので…魔王の席は空席となっているのだが、デスブリンガーが聖竜国グランディオを攻略で来た際には、魔王の地位を与えようと思う。』
「魔王…ですか、それは良い地位ですね!」
流石に魔王の地位に就けば、周りから蔑まされる事は無いだろう。
今回の攻略を何としても成功させるぞ‼
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