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第二章
第二話 魔剣士デスブリンガー(これから復讐の…)
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魔王サズンデスの紹介により、ダン・スーガーは仲間に…当然歓迎はされなかった。
人種を滅ぼすという魔王サズンデスの言動が、僕という存在で覆ってしまったからだ。
魔王の配下の者達からも、当然不満は出ているが…?
魔王の決定は絶対なので、逆らおうとする者はいなかった。
だが、これは…陰でシメられる事を覚悟した方が良いのかと思っていた。
『納得していない者も多いだろう…ならば、ダン・スーガーよ! 皆の意を示す為にある試練を与えよう…』
そう言って魔王サズンデスは、手を前に出すと…?
深い闇の中から刀身は紫、鍔には髑髏、柄は背骨らしき禍々しい妖気を放った剣が現れた。
見る限り、呪われている様にしか見えない剣だった。
『これは、前魔王様から与えられた魔剣ネクロイシスなのだが…我の手に余るものでな、我の代わりに手に取り…見事従える事が出来るのであれば、幹部に取り立ててやろう…』
「この剣を手に取るだけで幹部か…」
正直言って、あまりにも禍々しいオーラを放っている物を触りたくは無い。
だが、このままだと示しが付かなくて迫害されるのは避けたい。
僕は一歩前に出て、剣を手に取ろうとした。
「こんな人間のガキに幹部だと? それならオレが手に入れて幹部になってやる!」
そう言って、ミノタウロス族の配下が魔剣に触れると、一瞬で砕け散って消滅した。
その様子を見ていた周りの配下達は、声を上げて魔剣から距離を取った。
『だから我の手に余ると言ったであろう…我も触れただけで気が狂いそうな感覚に陥ったのだ…』
僕は少し恐くなった。
出世欲が絡んだ配下が自滅するのは構わないが…
何故これから手にしようとする者の前で、自ら実験台になって死を演出するのだろうか?
この状態で引けなくなる様な行動は謹んでもらいたい所だが、配下の皆の視線は僕に向いていた。
そういえば、魔王ですら手に余ると言っていたもんな…?
あの強大な力を持つ魔王が僕に試練を与えると言ってこの剣を出現させたのは、僕の力を測る為か?
それとも、魔王の中では僕という存在は居てもいなくても問題ないというどうでも良い存在なのか?
そう考えると、少し腹が立って来た。
「この剣を手に入れたとして…幹部とはどの地位に据えて貰えるのでしょうか?」
『三元将、四天王、八魔将とあるが…どの地位が良い?』
「そうですねぇ…三元将の地位を戴きたいですね。」
僕がそう言うと、周りから野次や暴言が巻き起こった。
魔王が静止させると、剣を手にとる様に命じられた。
剣の柄に手を伸ばすが、一瞬配下のミノタウロスが消滅した姿を思い出した。
だが、ここで引いたら魔王は落胆して、僕の居場所は無くなるだろう。
どうせあの時に助けて貰えなければ死んでいたんだ、僕は剣の柄を掴んだ。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!…って、あれ? 何ともないぞ⁉︎」
『ほほぉ…』
あのミノタウロスは無駄死にだったのではないかと思う位に何も無かった。
この程度の事で地位が得られるなんて、何て幸運なのかと思っていた。
ところが…油断をしていた瞬間!
魔剣ネクロイシスから凄まじいエネルギーが僕の体に入って来た。
思わず剣を手放したくなるくらいの絶望感と虚無感のエネルギーに襲われたが、死を覚悟したあの時に比べたら耐えられた。
そして、全てのエネルギーが体に入ると、内側から凄まじい力が溢れて来た。
「これが、魔剣ネクロイシスの力か…気に入ったよ!」
僕は気付かなかったが、僕の体から凄まじい魔力と威圧感が配下達を襲っていた。
配下達は、立ち上がれずに地面に平伏している状態だった。
「魔王サズンデス様、見事魔剣ネクロイシスを従う事が出来ました。」
『おぉ! ダン・スーガーよ…見事だ! 三元将の地位を与えようと思うのだが…貴様等3人の中でダン・スーガーに席を譲ってやれ!』
先程のセルリアに、獅子のぬいぐるみに、ブサイクな傷だらけの虎の獣人がいた。
三元将という魔王に近い地位を手放そうとする者はまず居ない。
僕は3人を見てから、ある奴に声を掛けた。
「おい、そこのブサイク…君が三元将の地位を辞退しろ!」
「何だと⁉︎ 俺様の事を言っているのか? 人間風情が…調子に乗るな‼︎」
ブサイクな獣人は、僕に襲い掛かろうと向かって来た。
だけど、魔剣ネクロイシスを手に入れたからなのか…動きが凄く鈍く感じた。
僕は魔王を見ると、魔王は頷いたので…ブサイクな獣人を斬撃で細切れにした。
僕は笑みを浮かべて肉塊を踏みしめると、皆は恐怖の意を示した。
『これで新たなる三元将の誕生だ! ダン・スーガーよ…いや、これだと威厳が感じられぬな…新たな名を決めるが良い!』
「そうですねぇ…では、僕の事は今後はデスブリンガーとお呼び下さい、魔王閣下…」
『魔界の騎士を思わせる良い名だ! 三元将が壱元…魔剣士デスブリンガーとこの時より名乗るが良い‼︎』
「謹んでその名を拝命致します!」
僕は魔王サズンデスに頭を上げると、振り返って他の配下達を見た。
配下達は僕の前で跪いていた。
何という良い気分なんだろうか!
こうして、ダンは三元将の地位を獲得したのだった。
そしてこの時より、デスブリンガーの…いや、ダン・スーガーの復讐が幕を開けるのだった。
人種を滅ぼすという魔王サズンデスの言動が、僕という存在で覆ってしまったからだ。
魔王の配下の者達からも、当然不満は出ているが…?
魔王の決定は絶対なので、逆らおうとする者はいなかった。
だが、これは…陰でシメられる事を覚悟した方が良いのかと思っていた。
『納得していない者も多いだろう…ならば、ダン・スーガーよ! 皆の意を示す為にある試練を与えよう…』
そう言って魔王サズンデスは、手を前に出すと…?
深い闇の中から刀身は紫、鍔には髑髏、柄は背骨らしき禍々しい妖気を放った剣が現れた。
見る限り、呪われている様にしか見えない剣だった。
『これは、前魔王様から与えられた魔剣ネクロイシスなのだが…我の手に余るものでな、我の代わりに手に取り…見事従える事が出来るのであれば、幹部に取り立ててやろう…』
「この剣を手に取るだけで幹部か…」
正直言って、あまりにも禍々しいオーラを放っている物を触りたくは無い。
だが、このままだと示しが付かなくて迫害されるのは避けたい。
僕は一歩前に出て、剣を手に取ろうとした。
「こんな人間のガキに幹部だと? それならオレが手に入れて幹部になってやる!」
そう言って、ミノタウロス族の配下が魔剣に触れると、一瞬で砕け散って消滅した。
その様子を見ていた周りの配下達は、声を上げて魔剣から距離を取った。
『だから我の手に余ると言ったであろう…我も触れただけで気が狂いそうな感覚に陥ったのだ…』
僕は少し恐くなった。
出世欲が絡んだ配下が自滅するのは構わないが…
何故これから手にしようとする者の前で、自ら実験台になって死を演出するのだろうか?
この状態で引けなくなる様な行動は謹んでもらいたい所だが、配下の皆の視線は僕に向いていた。
そういえば、魔王ですら手に余ると言っていたもんな…?
あの強大な力を持つ魔王が僕に試練を与えると言ってこの剣を出現させたのは、僕の力を測る為か?
それとも、魔王の中では僕という存在は居てもいなくても問題ないというどうでも良い存在なのか?
そう考えると、少し腹が立って来た。
「この剣を手に入れたとして…幹部とはどの地位に据えて貰えるのでしょうか?」
『三元将、四天王、八魔将とあるが…どの地位が良い?』
「そうですねぇ…三元将の地位を戴きたいですね。」
僕がそう言うと、周りから野次や暴言が巻き起こった。
魔王が静止させると、剣を手にとる様に命じられた。
剣の柄に手を伸ばすが、一瞬配下のミノタウロスが消滅した姿を思い出した。
だが、ここで引いたら魔王は落胆して、僕の居場所は無くなるだろう。
どうせあの時に助けて貰えなければ死んでいたんだ、僕は剣の柄を掴んだ。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁ!…って、あれ? 何ともないぞ⁉︎」
『ほほぉ…』
あのミノタウロスは無駄死にだったのではないかと思う位に何も無かった。
この程度の事で地位が得られるなんて、何て幸運なのかと思っていた。
ところが…油断をしていた瞬間!
魔剣ネクロイシスから凄まじいエネルギーが僕の体に入って来た。
思わず剣を手放したくなるくらいの絶望感と虚無感のエネルギーに襲われたが、死を覚悟したあの時に比べたら耐えられた。
そして、全てのエネルギーが体に入ると、内側から凄まじい力が溢れて来た。
「これが、魔剣ネクロイシスの力か…気に入ったよ!」
僕は気付かなかったが、僕の体から凄まじい魔力と威圧感が配下達を襲っていた。
配下達は、立ち上がれずに地面に平伏している状態だった。
「魔王サズンデス様、見事魔剣ネクロイシスを従う事が出来ました。」
『おぉ! ダン・スーガーよ…見事だ! 三元将の地位を与えようと思うのだが…貴様等3人の中でダン・スーガーに席を譲ってやれ!』
先程のセルリアに、獅子のぬいぐるみに、ブサイクな傷だらけの虎の獣人がいた。
三元将という魔王に近い地位を手放そうとする者はまず居ない。
僕は3人を見てから、ある奴に声を掛けた。
「おい、そこのブサイク…君が三元将の地位を辞退しろ!」
「何だと⁉︎ 俺様の事を言っているのか? 人間風情が…調子に乗るな‼︎」
ブサイクな獣人は、僕に襲い掛かろうと向かって来た。
だけど、魔剣ネクロイシスを手に入れたからなのか…動きが凄く鈍く感じた。
僕は魔王を見ると、魔王は頷いたので…ブサイクな獣人を斬撃で細切れにした。
僕は笑みを浮かべて肉塊を踏みしめると、皆は恐怖の意を示した。
『これで新たなる三元将の誕生だ! ダン・スーガーよ…いや、これだと威厳が感じられぬな…新たな名を決めるが良い!』
「そうですねぇ…では、僕の事は今後はデスブリンガーとお呼び下さい、魔王閣下…」
『魔界の騎士を思わせる良い名だ! 三元将が壱元…魔剣士デスブリンガーとこの時より名乗るが良い‼︎』
「謹んでその名を拝命致します!」
僕は魔王サズンデスに頭を上げると、振り返って他の配下達を見た。
配下達は僕の前で跪いていた。
何という良い気分なんだろうか!
こうして、ダンは三元将の地位を獲得したのだった。
そしてこの時より、デスブリンガーの…いや、ダン・スーガーの復讐が幕を開けるのだった。
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