幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く！

第二章

第一話 魔王サズンデス(危ない所を救って貰いました。）

　「翔也！　飛鳥！　絶対に許さないぞ‼︎　絶対に復讐してやる‼︎　テルシア王国の連中もな‼︎」

　僕は、ヴェロキスライサーの群れに一斉に襲われて噛み付かれる瞬間、時が止まった。
　最初は…ラノベによくある死の間際の走馬灯かと思った。
　走馬灯がスローモーションでやってくる…と思っていたが、完全な時間停止だった。

　『異世界人の反応があったので、様子を見ていたら中々面白い物が見れたな！』
　「これは、あなたが起こした事ですか？」
　『奴等もそうだが、貴様も異世界人だろ？　何故、こんな事になっている？』
　「僕はこの世界でジョブもスキルも入手出来なくて、無能扱いされて国王の命で勇者が無能を抹殺しようと…」
　『なるほどなぁ…？　それにしても、貴様の何処が無能なのだ？　貴様は先程復讐をすると言っていたが、我の条件を受諾するのなら叶えさせても良いがどうする？』
　「そんなの、決まっている！　あいつ等に復讐が出来るのなら、悪魔とだって契約してやるさ‼︎」
　『悪魔とだってか…面白い！　我は魔王サズンデス…我に忠誠を誓えるか？』
　「この命は、魔王サズンデス様の御心のままに…」

　魔王は頷くと、僕に襲い掛かろうとしていたヴェロキスライサーを消し去って、拘束を解いてくれた。
　そして、僕は魔王サズンデスに跪くと…魔王サズンデスは僕の体に手を触れた。
　
　『フムフム…さすが異世界人だな…この様な力を秘めていたのか⁉︎　これを見抜けぬ人間とは愚かな物だw』
　
　魔王サズンデスは、僕の中に眠っている能力を引き出した。
　僕の頭の中に、様々な能力が浮かんできた。
　闇魔法、暗黒魔法、各種スキルと…魔に属するスキルが多々あった。
　僕は生活魔法のクリーン魔法で獣の血で汚れた体を綺麗にして、闇の衣というスキルで服装を変えた。
　黒のローブに黒のマントといった姿になると、再び魔王サズンデスに頭を下げて感謝の意を示した。

　『して、異世界人よ…名は何という？』
　「僕の名前は、慱…いえ、ダン・スーガーと申します。　偉大なる魔王陛下…」
　『では、ダン・スーガーよ！　我と共に魔王城に行くぞ、貴様を新たな配下として同胞に紹介せぬとならんしな…』

　魔王サズンデスは、闇に包まれると…ダンも一緒に闇に包まれてその場を移動した。
　そして闇が解除されると、そこにあったのは…歪な形と禍々しい妖気を放った城だった。
　魔王サズンデスと共に廊下を歩いて施設の説明を受けていると、翼のある妖艶な妖魔の女がやって来た。

　「おかえりなさいませ、我が君…そこにいるのは人間ではないか！　我が君…此奴は一体⁉︎」
　『我の配下となったダン・スーガーだ。　セルリアよ、仲良くしてやれ…』
　「我が君がそう仰るのであれば…」

　僕は、魔王サズンデスと妖艶な妖魔のセルリアと共に魔王の玉座のある場所に着いた。
　皆、魔王に対して跪いたが…僕の姿を見るなり威嚇する様な態度をして来た。
　まぁ、この魔王城に人間の僕がいればそうなるか…？
　
　そしてこの後…
　面白そうなイベントがあり、僕という存在を皆に知らしめる事になるのだった。