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最終章

序章 

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 その邪悪なる魂は、エルヴの大森林の奥地で揺らいでいた。

 この魂の持ち主は、ザッシュ=ゴーダ…だったものだが、現在ではゴーダとは全くの無縁なので、ザッシュ=バグズダーで良いだろう。

 リュカとの度重なる戦いで、二度も敗北を経験したザッシュは、何度やってもリュカには敵わない事を知ったのだが…?

 これでも諦めないのが、ザッシュという男。

 次なる復讐の手立てを考えていた。

 「俺は…どうやれば、アイツに勝てるんだ?」

 リュカの奴が【烈火の羽ばたき】の時から力を隠していた。

 家宝の魔剣のブラドノーヴァの声を聞いて、その声に従って力を増幅したが…リュカはそれ以上の力を有していた。

 そして死亡してから、魂になった存在で留まっていると…魔剣ブラドノーヴァと似た気配の魔剣ネグドディザスターに声を掛けられて生き返ることが出来、新たな肉体を得た。

 だが、この程度の肉体ではリュカには勝てないと思って、魔剣ネグドディザスターの声を聞いてさまざまな魔剣のコアを体内に吸収したが、その力を得たのに又もリュカに殺された。(正確には、リュカの中に居るダークの仕業なんだけど、ダークが見えないザッシュはリュカにやられてたと思っている。)

 また死んで魂となった訳なのだが、前回と状態が違うとすれば…?

 身体の中に取り入れて来た魔剣のコアが、魂に刻まれている為…この場に留まらずに移動する事が可能になった訳なのだが?

 肉体が無いので、一種のゴーストの様な存在になった訳だな。

 …だとすると、肉体を得て死を恐れる身体よりも、この状態が考え様によっては良いだろう。

 あの…ゴーダという奴の身体は、力はそれなりに強いが…少し動くだけでやたらと腹が減るという燃費の悪い身体だった。

 それを考えると飯を喰わなくて良いのなら、この身体が最適だろうな。

 後は、この場所から抜ける方法を考えないとな。

 エルヴ族は大半は戦士だが、英雄レイリアの様に導師という聖属性を使用する職業もいるという。

 そんな奴に見つかれば、1発であの世行きになるだろう。

 ザッシュは、来た道を戻ろうとした…が、この場所は少し行けば海の見える崖がある。

 ならば、海を渡ってどこかに行くという手が良いだろうと考えて海に出るのだった。

 …果たして、リュカとザッシュとの次の戦いの舞台は、一体何処になるんだろうか?
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