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第五章

第四話 厄介事に巻き込まれる・後編 (主人公は、もう少し待ってね。)

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 「濃度上昇・酸性濃度上昇・サドンデスソースセイバー発動!」

 魔剣シーズニングの刀身に現れたのは、赤黒い何とも奇妙で不気味な色をしていた。
 
 「じゃあ、行って来る!」
 「おぅ…気を付けてな!」

 門番の2人が向かって来たので、2人を浅く斬ると…傷口を押さえて喚き散らしていた。
 俺の魔剣シーズニングは、刀身に宿った調味料を斬った瞬間に体内に入り込む効果がある。
 なので、斬られた者達は…地獄の様な叫び声を上げてのた打ち回っていた。

 「さてと、次もある事だし…あまりのんびりも出来ないから、さっさと済ませよう。」

 俺は建物の中に入ると、カイエンペッパーを撒き散らした。
 この世界に来て解った事なのだが、俺が放った調味料は…魔法と似た効果で自分にはダメージが通らなかった。
 なので、カイエンペッパーが充満している中でも普通に進む事が出来るのであるが…カイエンペッパーを吸い込んだと思われる者達は、目や鼻や口から大量の体液を出して咳き込んでいた。
 
 「この状態で起き上がられても困るから…」

 俺は倒れている者達にさらに追い打ちをかける様にサドンデスソースセイバーで軽く斬った。
 すると顔を押さえている以外に、足や腕を押さえだした。
 それから1階にいる者を全て浅く斬りまくってから、1階を制圧すると2階へ向かった。
 すると2階には、猛獣使いなのか魔物使いみたいな奴が、犬の様な魔物を連れていた。
 
 「下が騒がしいと思ったら…お前の仕業か、ガキ!」
 「おい、そこの雑魚…さっさと3階へ上がる階段を教えろ!」
 「誰が雑魚だコラァ‼ お前にはこいつ等が見えないのか‼」
 「犬だろ? 番犬か?」
 「バーゲストだよ。 この階に侵入した者は、殺しても構わないと命令されているのでな!」
 「じゃあ、逆に殺すのもありか?」
 「出来る物なら…」
 「ドラゴンブレスチリ!」

 カイエンペッパーとは比重の軽いドラゴンブレスチリペッパーを放出した。
 その場を大きな動きで散らしても、上に漂っている物は重力で下に落ちる為に…
 
 「ギャワウォワワウォワ‼」
 「ギグァワオォァ‼」

 …とバーゲストは悲痛な叫び声を上げていた。
 俺はバーゲストに近付くと、片方を斬り捨てたが…もう1匹は窓を突き破って外に出て行った。
 まぁ、外には冒険者達が待ち構えているから平気だろう。

 「で? 犬はいなくなったが…お前はどうするんだ?」
 「ふっふっふ…俺は獣魔術以外に魔術師でもあるからな、お前の魔法を防げる術があるのだ‼」
 「ふーん…」
 「魔法よ、防ぐ障壁となれ! マジックシールド! これで貴様の魔法は一切…」
 「大量放出・デスソース!」
 
 俺の放ったデスソースは…魔法では無いので、奴の張った魔法障壁を通過して全身にぶっ被った。
 魔法を防ぐと思って油断をして目や口を開けていた中でのデスソースなので当然…阿鼻叫喚の地獄の様な叫び声を上げていた。

 「言い忘れたが、俺のは魔法じゃないぞ!…って、聞いてないか?」
 「や…闇ギルドの中級をこんなあっさり⁉」
 「お前も喰らいたくなかったら、3階に行く階段の場所を吐け!」
 「我はこの者とは違って反射魔法が使えるのだ! 貴様の攻撃なんぞ…」
 「大量放出・デスソース!」
 「だから無駄だ……ぐわぁぁぁぁぁぁ⁉」
 
 だから何度も言っているだろ、俺のは魔法じゃないって…
 学習能力のない奴等だ。
 さすがに手練れ…なのか?の用心棒を2人倒すと、残りの奴等は怯みだした。
 俺は向かって来る者達を容赦なく浅く斬って行くと、奥の扉を開けて3階に行く階段を発見した。
 するとそこには、ククリ刀を2本持っている黒いフードを被ってマスクをした不気味な男が立っていた。

 「不甲斐ない奴等よ…こんなガキにやられたというのか?」
 「お前もやられたくなければ、そこをどけ!」
 「おいガキ…たまたま勝てたくらいで調子に乗るなよ! 今迄自分より強い者を相手にした事が無いのではないか?」
 「強い奴には何度か戦った事はあるが…お前が強いとは思えないが?」
 
 すると、黒いフードの男はククリ刀を2本を俺の方に投げて来た。
 そして更に腰からもう2本抜いて来た。

 「なるほど、短剣使いか…」
 「油断していると、足元をすくわれるぞ!」
 「あぁ、大丈夫! ククリの軌道ならわかっているから。」

 俺は背後から向かって来たククリを振り向きもせずに斬り落とした。
 すると、黒いフードの男は驚愕な表情をしていた。

 「貴様…何故来る場所が分かった⁉」
 「簡単な事だ、ククリ使いと戦うのは初めてでは無いからだ。」

 ブーメランみたいな形をしていて、俺をワザと外して投げれば、軌道で背後から当てる様になるはず。
 来ると解っている物を躱す必要はない。
 恐らくこいつは、俺が後ろを向いた瞬間にせめて来ようとでも思ったんだろうが、当てが外れたな!
 俺はテクニカルセイバーに切り替えてから、瞬時に奴の目の前に移動すると…奴の両腕を斬り飛ばした。

 「先程のセリフだが…そっくりそのまま返そう。 お前も…自分より強い者を相手にした事が無いのではないか?」
 「まさか…俺様がこんなガキに⁉」
 「さてと…動かれても面倒だから、デスソース!」
 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁっぁあぁぁあぁぁ⁉」

 切断した腕の部分にデスソースをぶっ掛けると、地獄の様な苦しみで転げ回っていた。
 俺は無視して階段を上ってから扉を開けると、そこには見るからに醜いトロールみたいなデブが座っていた。

 「何だ貴様は⁉ おい、何故こんなガキの侵入を許した⁉」
 「叫んでも無駄だぞ、下の階にいる奴等は全て始末した。 残りはお前だけだ!」
 「バカな…闇ギルドの中級と上級が居たんだぞ!」
 「上級って階段の下にいた奴か? 奴なら両腕斬りおとしておいたが?」
 「こんなガキにやられたというのか⁉」
 「こんなガキで悪かったな!」

 俺はテクニカルセイバーを解除して、濃度上昇のデスソースセイバーを起動した。

 「良いのか? ワシにはバックに貴族が…」
 「バグズダー子爵家だろ? このゲヘラー商会を潰したら、次は子爵家だ! 今日この日にカイナンから汚い膿が二か所も無くなるんだ。」
 「ひっ! おい、誰かいないのか⁉」 
 「誰も来ねぇよ! 叫ぶだけ無駄だ!」
 
 ゲヘラー商会の親玉は、剣を手に取って醜い脂肪を揺らしながら向かって来た。
 コイツがここまで太れた理由は、多くの人間が悲しんだ証となる為に…俺は遠慮なく攻撃をする事にした。

 「紅蓮院流裏剣術・四之太刀…五月雨‼」
 「ぐぅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 五月雨という技は、体の十六か所を斬り込む技だ。
 それをデスソースセイバーでやっているので…体の痛みは尋常ではない!
 
 「それにしても、くっせー部屋だな! 換気換気!」

 俺は窓を開けると、下にいるヴェルガーと目が合ったので終わった事を告げた。
 すると、冒険者ギルドのメンバーが先に侵入して、その後にベルクドルフ商会の職員が入って来た。
 この部屋で待っていると、下から声がしてきた。

 「ギルマス! こいつ…闇ギルド幹部の魔犬使いのジョーとジアですよ! それに…両腕を斬られているのは、最高幹部で賞金首のヴァレッシュランスです!」
 「なんだと⁉ それを先程の子供が倒したというのか⁉」
 「あいつはな…あれでもAランクで、あの決まりが無ければSランクでもおかしくはない実力だ。」
 
 そんな話声が聞こえてくると同時に階段を駆け上がってくる複数の足音が聞こえて来た。

 「ゲヘラー商会の会長はこの通りだ。 後はおたくらの仕事だ!」
 「お任せ下さい! 全てを明るみにさせる為に調べ上げますので!」

 職員は散ってから金庫の扉の鍵を魔道具で開け始めた。
 そして棚から、引き出しから、金庫から全ての書類が山積みにされて職員が調べ始めた。

 「職員の人達、ゲヘナー商会と繋がっているのはバグズダー子爵家というのは分かった。 では誰と繋がっているのかは分かるか?」
 「この書類によりますと…先代のインソレンス・バグズダーがいましたが、既に亡くなっており…現在では長男のシンプルトン・バグズダーが後を継いでいるそうです。」
 「貴族だから、兄弟は1人や2人じゃないよな? その他の名前は出ないか?」
 「あ、ダンバス・バグズダーの名前もありました! バグスダー子爵家は4人の子供がいるようですが…娘は死亡しているので残り3人ですね。」
 「3人の内のもう1人は何をしている?」
 「バグズダー子爵家の三男坊は、冒険者だ。 名前はザッシュ・バグズダーと言って、ファークラウド大陸に渡って行方不明だ。」
 「なら、潰しても問題はないな。 職員さん達、奴の金庫から押収した金は、ベルクドルフ商会で一時預かってから、証文を元に皆に返金してあげてくれ。」
 「はっ! 必ずや‼」

 俺はゲヘラー商会から出ると、まだ多くの冒険者がその場に残っていた。
 するとヴェルガーは、冒険者達に命令した。

 「手の空いている者は、このキッドに協力をしてくれ!」
 「これから、大元であるバグズダー子爵家を潰しに行く! ついて来る者はいるか?」
 「「「「「我ら一同、キッド殿に‼」」」」」
 「あ…うん、頼む! それとヴェルガー、貴族が絡むという事は王国にも連絡を…」
 「既に騎士団が近くで待機している。 後はお前が突入次第だ。」
 「さっすが、仕事が早い! それと、ベルクドルフ商会から追加の職員の要請も…」
 「既に準備は出来ております! 職員30名…いつでも行けます!」
 
 わぉ…用意周到だな!
 これなら、煩わし無く済む!
 
 「じゃあ、ヴェルガー…また後でな! 悪いが俺は先に行くので、着いて来てくれ! テクニカルセイバー!」

 俺はテクニカルセイバーの能力で素早く移動した。
 そして地図の地点の場所の近くまで行くと、大勢の騎士団とベルクドルフ商会の職員が手前で待機していた。
 俺は合図をしてから、バグズダー子爵家の扉を切り裂くと中に入った。

 「何だ貴様は⁉」
 「へっ…悪党って皆同じ事しか言わねぇんだな?」
 「誰だと言っている⁉」
 「ゲヘナー商会をついさっき潰して調べたら、金の流れる先がバグズダー子爵家という話だったんで潰しに来たんだよ。」
 「ふざけた奴だ! このガキを殺せ!」

 すると、子爵家の騎士が20人くらい出て来た。
 悪いがもたついている時間は無いので、一気に決めよう。
 俺は片っ端から騎士を斬り捨てて行った。

 「これで終わりか? これで終わりなら…と、お前の名前はダンバスか? シンプルトンか?」
 「俺の名はダンバスだ!」
 「ならお前も名前があったな…なら容赦はする必要は無いか!」
 「俺の弟は冒険者でな、魔剣を所持している。 幾らお前が強くても…弟には敵わんぞ!」
 「ファークラウド大陸という場所で行方不明という話だが? まぁ、別に来ても返り討ちにするだけだし…」
 「聞いていなかったのか? 弟は魔剣を所持しているんだぞ!」
 「俺の剣も魔剣だが? まさか、魔剣がこの世界で1本しかないと思ってないか?」
 
 俺はアメージングセイバーを起動すると、ダンバスの足を斬った。
 すると、ダンバスの斬られた場所から氷が広がって行って下半身を凍り付かせた。

 「お前は殺しはしない…子爵家の中にある書類が明るみになったら、お前は王国で裁かれるからな。 それまで怯えて暮らせ!」
 「くっ…」

 俺は階段を上がると、執務室がある場所に着いたので扉を開けると…そこには、この屋敷の主のシンプルトンがいた。

 「下が騒がしいと思ったら、貴様か?」
 「随分落ち着いているな…来る事が解っていたのか?」
 「ゲヘラー商会を潰したんだろ? せっかくの資金源を…」
 「その所為でたくさんの人間が泣いているのだが…心は痛まなかったか?」
 「平民がどうなろうと知った事ではない!」
 「なるほど…立派なクズだな! 容赦はしなくて良さそうだ!」

 俺は部屋に入ると、左右から同時に襲ってきたが、一閃で斬り倒した。

 「気付かないとでも思ったのか?」
 「ふっ…我の手練れをこうもあっさりと倒すとはな!」
 「さっきのゲヘラー商会で闇ギルドの最高幹部というのを倒したぞ、名前は何と言ったかな? やたらなげぇ名前だったからな…」
 「まさか…ヴァレッシュランスが貴様なんかに倒されたというのか⁉」
 「いい加減姿を現せ! そこの机の影と窓の所のカーテンの所の奴!」
 
 すると、2人が姿を現した。
 2人共、黒装束を着ていた。

 「忍者かお前等は…」
 「我ら闇ギルドの最高幹部の1人が相手をしてやる。」
 「面倒だから2人で来い! その方が手間が省ける!」
 
 …と言った瞬間に、1人がいつの間にか背後に回っていた。
 そして背後の奴が俺を斬った…がそれはテクニカルセイバーで作った残像で、面を喰らった最高幹部は連撃を喰らわせて地面に倒れた。

 「闇ギルドって…後はお前だけか?」
 「貴様…何者だ⁉」
 「年齢12歳のAランク冒険者だよ~ん!」
 「どこまでふざけた口を叩きやがる‼」
 「だから言っただろ、2人がかりで来いって…」
 
 思わず子供みたいな挑発をしてしまったな。
 まぁ、見た目が子供だから別に良いか。

 「我を今迄の奴等と一緒にしない方が良いぞ!」
 「そうか? 大して変わらんが…」
 「ぐっ…何処までも舐めた口を! 闇技・瞬働術!」

 俺は奴の発する闇に飲み込まれると、次の瞬間…屋敷の扉の前に移動した。

 「何だ? 転移魔法の類か?」
 「ほぉ…中々詳しいな!」
 「妹が使えるのでな…」
 「お前…一体何者だ⁉」
 『キッド、大丈夫…お前はヴォルガンスレイヴ⁉』
 「お前は、ヴェルガーか?」
 『キッド、気を付けろ! そいつは並みの奴じゃない‼』
 「大丈夫、並の奴だから!」
 
 すると、ヴォルガンスレイヴは肉が盛り上がって体が一回り大きくなった。

 「うわ、気持ち悪!」
 「減らず口をそこまで叩けるとはな! これより先の姿を見た者はいない…」
 「じゃあ、一気に最終形態迄見せろ!」
 「ふん、本当に舐めた小僧だな!」
 
 ヴォルガンスレイヴは凄まじい速さで向かって来た…が、テクニカルセイバーで連撃を喰らわせると素早さが下がって行った。

 「貴様…この動きに着いて来れるのか?」
 「その程度…ならな。」

 魔王ヴァルサリンガのキングギヴェリアンの姿よりは遅いからな。
 あれは本当に苦労した…それに比べたら大して早いとは思わん。

 「なら…我の真の姿を見せてやろう!」
 「だからさっさと最終形態になれと言ったろ!」
 「良いのか? 我の最終形態を見ても同じ事が言えるか?」
 「全裸になって腰の醜い物をブラつかせてみせる気か? 辞めろよ、俺はそっちの趣味は無いぞ!」
 「そんなもの見せるか‼」

 するとヴォルガンスレイヴは体が盛り上がって行き、肌は褐色から黒に変化していき、腕が6本に増えて鬼の様な形相をした姿に変化した。

 『我は第二の魔王・ヴォルガンスレイヴ‼』
 「なんだ、魔王だったのか?」
 『貴様…反応が薄いな?』
 「魔王と戦うのは初めてでは無いからな!…とはいってもこの世界の魔王ではないが!」
 『貴様…異世界からの召喚者か⁉』
 「まぁ、そんなところだ!」

 俺は魔剣シーズニングの最終形態のエターナルセイバーを起動した。
 ヴォルガンスレイヴは右側の3本の腕で殴りかかって来た…が、俺は懐に入ると、右側の腕を3本とも斬り飛ばした。

 『馬鹿な⁉』
 「遅いんだよ、動きがな…まださっきの方が早かったぞ?」
 
 するとまた反対側の腕で殴って来たので、2本の腕を斬り飛ばした。
 ヴォルガンスレイヴは痛みのあまりか上を向いたと思ったら、火炎のブレスを吐いて来たので…エレメンタルセイバーを起動して炎を全て吸い込んだ。
   
 『貴様のその剣は一体何なんだ⁉』
 「魔剣シーズニングという魔剣だ。」
 『魔剣だと⁉ 貴様…一体何者だ⁉』
 「さっきお前が言っていたろ、異世界から来た者だ。 それにお前は魔王とか言っていたが、俺の世界にいた魔王より遥かに弱いぞ!」
  
 俺は再びエターナルセイバーを起動すると、奴が攻撃をしてきたのでそれを躱してから懐に入ると…

 「紅蓮院流剣術・秘奥義! 紅牙連衝斬‼」

 紅牙連衝斬は数百の連撃を喰らわせる技だ。
 俺は首以外の体全てに斬り込みを入れた。

 『な…なんだ⁉』
 「少しでも動けば、お前死ぬぞ!」
 『何を馬鹿…ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』

 忠告を聞かなかったヴォルガンスレイヴは、頭だけ残して体は砕け散って行った。
 
 「魔王にしてはあまり手応えが無かったなぁ?」

 …と言い終わった瞬間、俺は膝から崩れて地面に手を付いた。
 場所によって使い分けていたセイバーが、思った以上に体に負担が来ていたのだった。
 俺は近くに来ていたヴェルガーに手を貸して貰い立ち上がると、ヴェルガーは俺を肩車して腕を上げた。
 すると周囲から歓声が沸き上がった。
 だが、俺はヴェルガーに降ろして貰ってから皆に言った。

 「歓声はいいから、まずは仕事しろ‼」

 俺の一声で、騎士団と職員はバグズダー子爵家に入って行った。
 そして騎士団に子爵家にいる2人の息子と母親は連行されて行った。
 その後にベルクドルフ商会の職員が帳簿や書類を調べると、悪事の証拠が出るわ出るわで…しばらくは話題に困る事は無いだろう。
 更に闇ギルドも潰したので、サーディリアン聖王国は少しは綺麗な国になっただろう。
 俺はというと、ヴェルガーに連れられて冒険者ギルドに戻るかと思っていたら、何故か王宮に案内された。
 そして王の間で…
 
 「此度の件…大変見事であった!」
 「いやいや…あの魔王ですが、多分魔王の中で一番弱いのでしょう。 普通、魔王なんて1人では倒せませんから。」
 「それでも、魔王を倒したのは見事だ! キッド・リターンズには、Sランクの昇格と【サーディアン聖王国の英雄】の称号を授ける!」
 「そんな大層な物はいりませんけどね…Sランク昇格はありがたく戴きますが。」
 「謙虚なんだな?」
 「目立ちたくないだけですよ。」
 
 俺は国王陛下から晩餐会に招待すると言った誘いを断った。
 そして冒険者ギルドに行くと…案の定、俺は魔王を倒した英雄として扱われた。
 
 「こんな事は別に良いから、俺はさっさと賞金首の懸賞金を貰ってさっさと宿に泊まりたいんだが…」

 冒険者ギルドの飲み会は深夜まで続いてから、やっと解放された。
 そして前の世界でもあったが、翌日…俺は新聞に載る羽目になった。

 【サーディリアン聖王国の英雄、キッド・リターンズ…第二の魔王ヴォルガンスレイヴを斃す!】

 その日は、中々宿から出る事は出来なかった。
 俺はまだこの街でやりたい事があるんだがなぁ?
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