表紙へ
上 下
81 / 106
第二章

番外編 それぞれの者達の近況報告(書籍化の本で、これだけが尺の関係で入っていません。)

しおりを挟む
 自分に都合の良い男は、自分の思い通りにならないとキレる女と言い争いをしていた。
 
 「お前…これで何度目なんだよ⁉」
 「うるさいわね! 失敗の1度や2度くらい良いじゃない!」
 「これで9度目だ‼ 土地の浄化が出来なければ、次の場所には行けないんだぞ!」
 「今日は宿で休んでから、明日になれば出来る様になっているわよ‼」
 「もう…宿なんかに泊る金なんかねぇよ‼」
 「何に使っているのよ⁉ ホイホイ無駄な物にばかり使っているから無くなっているんでしょ⁉」
 「主に原因はお前だよ! 寝る時は宿で…しかも食事付きじゃないと嫌だとか、移動が徒歩だと嫌だから馬車を使うとか…」
 「それ位のお金位用意しなさいよ! これだから子爵家は…私の様に伯爵の…」
 「出家した時点でお前はもう伯爵令嬢じゃないんだよ! 聖女巡礼の旅は贅沢は罪で地道に活動するのが基本なのに楽ばっかしようとするばかりか、土地の浄化も失敗するし…お前みたいな奴がなんで聖女候補の旅に選ばれたのか不思議でしょうがねえよ⁉」
 
 …と2人が怒鳴りあっている背後で、自分に都合の良い男の部下が呆れた顔で2人を見ていた。

 「またやってますね…あの2人。」
 「良くも懲りずに飽きもせず、良くやるにゃ!」
 「だげんとしゃんと、ちょりろいこるくそるばい! だんどおもわんでおがんだ!」
 「…何て言っているにゃ?」
 「ちゃんとやっているかどうかさえ怪しいもんだ…だって。」
 「通訳がいて助かるにゃ!」

 この2人のやり取りは半日間続いた。

 ………ガイアン&ギルディス………

 「今日から師匠の直伝の技を伝授してもらえる!」
 「ガイアンは良かったな! 自分はもう少しかかると思っていたが…」
 「とりあえず、2人共死なないでね。」
 「大丈夫だ! 今ならヘルクラブも倒せるさ!」
 「1匹ならね…あいつ等は群れるから、1匹では現れないよ。」
 「俺でも無理か?」
 「ガイアン、いまレベルはいくつ?」
 「俺は68だ! リュカは171だったか?」
 「自分は87だよ。」
 「僕? 今は200だよ。」
 「「・・・・・・・・・」」
 「さてと、じっちゃんの修業のアドバイスを1つ教えてあげる!」
 「うん?」
 「今までどんな修業をしていたかは知らないけど…それらはまだ序の口だからね。 油断していると死ぬよ!」
 「「え?」」
 「じっちゃんは、手加減という物をまるで知らない人だから…自分で回復する手段を見付けないと、本当に死ぬからね!」
 「の…望むところだ!」
 「自分も覚悟は出来ている!」
 「じゃあ、頑張ってね!」

 リュカは2人を応援してからその場を後にした。
 それと入れ替えにブライアンが来ると、ワシに続けと言って穴に飛び込んで行った。
 2人は躊躇いながらも穴に飛び込んで行った。
 果たして、2人は無事に生きていられるだろうか?

 ………ガーライル侯爵とその配下の兵士達………

 「よし! お前達には自分と戦い打ち勝つという試練を与える事とする! 天鏡転写発動!」
 「これは…⁉ 自分ですか?」
 「なんと! 自分と戦う事になるとは…」
 「ちなみに言っておくが、リュカは4日で倒して…リッカは9日掛かった。 お前達は何日掛かるのだろうな?」
 「我々の期間は、残り1週間程ですが…」
 「倒せなければ、残り1週間では返さんぞ! だが、倒せたらワシが作った武具を与えてやろう。 励みに頑張るのだ!」
 「「「「おぉ! 師匠の武具‼」」」」

 ガーライル侯爵とその配下の兵士達は、自分自身との戦いが始まった。
 果たして彼らは何日掛かるのだろうか?

 ………グレナ&ゲルティ&アリシア………

 「お前達には、天蜂虫の蜜を入手してもらおう。」
 「天蜂虫…ですか?」
 「山の頂上に巣を作る蜂の蜜を採って来るのが、お前達の最終試験じゃ!」
 「そんな事なら簡単ですわ! 私一人でも…」
 「いや、そんなに簡単なら最終試験ではないはず。 師匠がそういうのならかなりの難関でしょうね?」
 「そのとおり、天蜂虫は警戒心が物凄く強く、敵を認識すると集団で襲ってくる上に、1匹でも殺したりすると進化して襲ってくるのじゃ。 進化した1匹の強さは、アースドラゴンですら逃げ出す程じゃよ。 協力して採って来るんじゃ!」
 「やっぱり…簡単な物ではないですね…」
 「師匠の難題は、これまで以上ですね。」
 「お姉様方、頑張りましょう!」

 3人は山に向けて旅立っていった。
 この最終試験は、天鏡転写の方がまだ楽だという事を3人は知らない…

 ………執事&メイド達………

 「貴方達は非戦闘員です。 なので、戦いを強いる事はありませんので御安心を…」
 「奥方様、我々は何をすれば良いのでしょうか?」
 「このテーブルの上にある食材で料理を作り、私を納得させられれば勝ちとします。 ただし敗北した場合は…」

 トリシャは、手から光る巨大なハンマーを出現した。

 「このハンマーで罰として殴ります。 これは治癒ハンマーという回復手段で、ほら…人の中には性格が悪くて回復魔法をしたく無いけど仕方なくって…それで思いっ切り殴りつける様に振り下ろすのですが、痛みはありませんし怪我も回復します。 そうですね…執事さん、行きますよ!」
 「は…うわぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 執事はトリシャがハンマーでスィングを受けた瞬間に壁まで吹っ飛ばされてから背中を打った。
 だけど、怪我はすぐに回復した。
 
 「この様に怪我はしませんが、吹っ飛ばされる恐怖が植え付けられます。 敗北しても次の機会がありますので、恐れずに頑張って下さいね!」

 執事とメイド達は、急いで料理に取り掛かった。
 そして1回目は誰もクリア出来ずに罰を受けて、皆壁まで吹っ飛ばされた。
 でも怪我はなく回復するのだが…?
 この試練は、決して楽な物では無かった。

 ………ゴルド………

 ゴルドは悩んでいた。
 この3週間、午前は父さんから薬学を学び…かー祖母ちゃんからは魔道具の基礎工学を学んでいた。
 その2人からの試験はというと…?
 薬草や治療薬を離れている場所から相手に回復させる魔道具を作れという課題だった。

 「弓矢…だと、攻撃になるな。 相手に当ててから回復だと効率が悪いし…当たった瞬間に回復する魔道具かぁ…?」
 
 ゴルドは色々思い付く物を形にして行ったが、かー祖母ちゃんからは全て没にされた。
 この課題は、思った以上に難しい。
 ゴルドは悩みながら次々と試作品を作るも没にされまくって、いい加減心が折れそうになっていた。

 「リュカは、8歳の頃にこれを作りだせたんだけどね。」
 「8歳で…ですか?」

 ゴルドの苦悩する日々は、まだまだ続いて行く…

 ………ドゥグ………

 【烈火の羽ばたき】を辞めて行った彼は、その後も大した活躍はしていなかった。
 そこそこのランクのチームに小間使いの様な役をやらされていた。
 そして彼は誓う!
 ザッシュに復讐を絶対に成し遂げて見せると!
 だが、彼がザッシュに合流する前に、リュカと出会う事になるのだが…
 それはまた別のお話。

 ドゥグの名前の由来は…書いている最中に瞬間的に決まりました。
 アイテム士のドゥグ…アイテム=道具…どうぐを略してドゥグ
 感想に誰も安易な名前だとツッコミがないので、書きました。
 そしてドゥグは…再会したリュカを下に見ます。
 そして痛い目に…それもまた別の話。
 
しおりを挟む
表紙へ
感想 414

あなたにおすすめの小説

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。