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自由なスローライフの章

第七十三話

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 おかしい…?

 初めの頃は確かにスローライフ的なことが出来ていたのに、今では何か監視されている感じがする。

 そのターゲットはおそらく私…エルフの姿では無いと思うけど、監視されている視線というのはたまに感じた。

 場所を変えた方が良いかとも思ったけど、家や畑の作物が急に消えたら怪しまれるよね?

 最低限は残しておいて、私は此処から去る事を選んだ。

 私は森を抜けていくと…森を抜けた所で騎士が声を掛けて来た。

 「どこかに行かれるのか?」

 「これでも冒険者なのでな、依頼を受けに行こうと思っている。」

 「ならば我等も付いて行きましょう。」

 「断る!ウチは人間の事は信用していないのでな…例え騎士の姿をしていてもお前達が奴隷商の一派では無いという確証も無いしな。」

 「我等は神殿に使える騎士です!」

 「それを証明出来るのか?離れた場所でウチを監視していた様に感じたのだが…気付かないとでも思ったのか?」

 私はそういうと神殿騎士は俯いた。

 私はその隙に移動をし始めたのだが、後方の方で私を尾行して来ていた。

 「マスター、彼等が距離を空けて付いて来ていますね。」

 「街の中で適当に撒いてから…別な人にフェイク魔法を使おうかなぁ?」

 「そうですね…それと拠点を移すというのも1つの手ではありますね。」

 「拠点かぁ…この大陸で活動するのは控えたいね。」

 私はカシリスの街に入ってから人混みに塗れてから路地に入って…商人風の女性にフェイクをした。

 そして馬車を購入してから街を出ようとすると、先程に私を尾行していた騎士達とすれ違った。

 「どうやら私だと気付いてないみたいね?」

 「エルフから人間では疑われる事はないでしょう。それよりも…馬車の購入にかなりの資金を投じましたが、所持金は大丈夫ですか?」

 私はお財布を見ると、確かに心許ない金額だった。

 手っ取り早く資金を稼ぎたいところだけど…リアラの姿に戻るのはいろいろ面倒なことになるし。

 「港で一稼ぎできればいいんだけどね。」

 「港には冒険者ギルドはありませんが…色々お店はありますので、ポーションや薬草を売るのをお勧めしますよ。」

 やっぱりそれしか無いか。

 私は3日掛けてトルーデ港に到着すると、船の手配をしようとした。

 ところが私1人だけなら料金的に問題はないんだけど、馬車が一緒だと所持金では足りなかった。

 そして道具屋にも顔を出したけど、ポーションなどが海外から輸入出来たとかで大した金額にならなかった。

 「どうしようかなぁ?この装いで馬車を手放したら不審に思われるだろうし?」

 「奴隷なら高く売れるらしいみたいですね。」

 「奴隷かぁ…?」

 私に奴隷の知り合いなんかいるわけが無い!

 適当に村にでも行って子供を掻っ攫って来る…なんて人の道に外れる様な事はする気もない。

 何か良い方法はないだろうか…?

 そんな事を考えていると、罪悪感が一切湧かない奴隷のツテを思い出した。

 売れるかどうかはわからないけど、今いる状況から脱したいと思う者に心当たりがあった。

 さて、行動に移すとしますかね?
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