聖女になんかなりたくない！ 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。

自由なスローライフの章

第六十四話

　「あ、冒険者ギルドの登録忘れてた！」

　冒険者ギルドに赴いた時にポーションを売ってくれだの、ステーキを喰い損ねただので忘れていたけど、当初の目的は冒険者登録をする予定だったのを今になって思い出した。

　「マスターが冒険者に登録すると、最低ランクのGランクからスタートする事になりますね。」

　「別に最低ランクでも良くない？」

　「マスターが冒険者ギルドでイザコザに巻き込まれていた時にワタシは冒険者ギルドの規約に目を通していたのですが…ランクによって買い取りに制限が設けられているそうです。」

　「具体的には？」

　「高ランク冒険者ほど…魔物の素材や薬草などの買取の幅が多いそうです。逆に最低ランクだと…」

　「なら高ランクを目指したいところだけど、いきなり高ランクになることは可能なの？」

　「実力を示せればランクアップも可能みたいですよ。幸いマスターには魔笛がありますので、魔笛を吹いて魔獣を呼び寄せてから片っ端から討伐して持っていけば…ランクアップも早いかもしれません。」

　「その手があったか！」

　私は森を抜けて草原に来た。

　別に家の周りでもよかったんだけど、ボアくらいしか出なさそうだから広い草原に来た。

　私は魔笛を口に咥えてから吹いた。

　すると山のような魔獣がこちらに歩いて来た。

　「ありゃりゃ…なんか大きくない？」

　「グランドタートルですね。別名でアースドラゴンとも言うらしいです。」

　「これだけ大きければランクアップも早いかな？」

　「倒せればの話ですが…マスター行けますか？」

　ま、何とかなるっしょ！

　私はグランドタートルに向かって行ったのだった。