64 / 87
自由なスローライフの章
第六十三話
しおりを挟む
私は家の結界に体当たりをしているボアを仕留めた。
ボアは食糧を求めて森を彷徨っている時に、私の家の庭にある実りに実った野菜を狙っていたみたいだった。
私は家の中にいたのだけど、流石に結界に体当たりをかましている音に気付かないわけはないので…仕留めてから血抜きをして氷魔法で冷やして体温を下げておいた。
そして収納袋に納めてからカシリスの街に来た。
今回は前回のポーションは持って来ている。
薬品屋に卸すためと食堂にボアを卸すためだ。
まず薬品屋に行くと、この間のいい加減な店員はおらずに店主がいた。
私はポーションを出したのだけど、中級ポーションは全て売れたけど上級ポーションを買い取る程の金は無いという話だった。
これだけの品質なら、寧ろ商業都市グランリーザに持ち込んだ方が高値で売れるという話だった。
次に私は食堂にボアを卸しに行った。
「前回に引き続き…また見事なボアだな!今回も報酬とは別に1品サービスするが…」
私は学びと悟りを得ていた。
食堂で食べようとすれば、また誰かに邪魔されるかもしれない。
なので弁当という形で持ち帰りを選び、誰にも邪魔されない家の中で味わう事をする為に出来上がるまで食堂の席に座って待っていた。
するとそこに、前回冒険者ギルドで私が食べようとして奪って行った少年の冒険者が私の前に来て行った。
「おい、ガキ!お前の所為で俺はギルマスに殴られただけじゃなくてランクも降格されたんだぞ‼︎」
「それは自業自得じゃないの?人の物を横取りした挙句に罵声を浴びせたのだから…」
私の言葉に少年の冒険者は押し黙った。
「話はそれだけならもういい?」
「まだだ、俺の気が治らないんだよ‼︎」
少年の冒険者の事情なんてどうでも良い。
少年は憤っていてまだ何かを話したそうにしていたが、私にはどうでも良い話だった。
そうしていると店主がボアステーキを箱に詰めた物を持って来てくれた。
私は両手を出して受け取ろうとすると、少年が手を伸ばして奪い取ってから床に叩き付けて…ぐちゃぐちゃに踏み潰した。
「俺の話はまだ終わってないぞ‼︎」
私は床にぐちゃぐちゃに踏み潰されたボアステーキに涙を流していた。
今回は今までと違って良い策だと思ったのに、それすらも阻止された事に…
私はあまりにも悲しくなって食堂を飛び出した。
追加で注文をすればよかったと思ったけど、そんな気分ではなかった。
「おい、何処へ行くんだよ!俺の話はまだ…」
少年の冒険者は私を追いかけて来て言った。
元はと言えば…コイツが元凶だ。
私はギャーギャーと騒いでいる少年の冒険者に、死なない程度の最大火力の雷魔法を放った。
少年の冒険者は体が青く発光するくらいに光った後に黒焦げになって口から煙を吐いていた。
「次に私の前に現れたら…消すわよ‼︎」
少年の冒険者は首をカクンと動かすとそのまま前のめりになって倒れた。
魔法を使わないようにしようと思っていたんだけど、怒ると歯止めが効かなくなるなぁ…?
私はそのまま家に向かって行った。
~~~~~一方その頃~~~~~
アルファ達はバシュハウアー王国の大神殿に到着した。
そして神殿内にリアラの遺体が運び込まれた。
司祭や神官達は嘆き、司教は遺体を…?
「この遺体はおかしい…ここまで運ぶまでに何日掛かりましたか?」
「およそ2ヶ月ですが…」
「氷だけでここまで腐敗もせずに持って来れるはずはないのですが…?」
司教はリアラの遺体にディスペルを施した。
すると…遺体は錬金術の魔導錬成で造られた物だと判明した。
「この遺体は精巧に造られた偽物です!リアラは…生きていますよ‼︎」
その言葉に安堵の息を吐いた4人だったが、同時に怒りも噴き出していた。
「リアラを捜しなさい!神殿騎士達も増員しますので。」
アルファ達4人以外に12人の神殿騎士が追加された。
計16人の神殿騎士達がリアラの元に向かって行った。
果たして…リアラは無事に見つからずにいられるのだろうか?
ボアは食糧を求めて森を彷徨っている時に、私の家の庭にある実りに実った野菜を狙っていたみたいだった。
私は家の中にいたのだけど、流石に結界に体当たりをかましている音に気付かないわけはないので…仕留めてから血抜きをして氷魔法で冷やして体温を下げておいた。
そして収納袋に納めてからカシリスの街に来た。
今回は前回のポーションは持って来ている。
薬品屋に卸すためと食堂にボアを卸すためだ。
まず薬品屋に行くと、この間のいい加減な店員はおらずに店主がいた。
私はポーションを出したのだけど、中級ポーションは全て売れたけど上級ポーションを買い取る程の金は無いという話だった。
これだけの品質なら、寧ろ商業都市グランリーザに持ち込んだ方が高値で売れるという話だった。
次に私は食堂にボアを卸しに行った。
「前回に引き続き…また見事なボアだな!今回も報酬とは別に1品サービスするが…」
私は学びと悟りを得ていた。
食堂で食べようとすれば、また誰かに邪魔されるかもしれない。
なので弁当という形で持ち帰りを選び、誰にも邪魔されない家の中で味わう事をする為に出来上がるまで食堂の席に座って待っていた。
するとそこに、前回冒険者ギルドで私が食べようとして奪って行った少年の冒険者が私の前に来て行った。
「おい、ガキ!お前の所為で俺はギルマスに殴られただけじゃなくてランクも降格されたんだぞ‼︎」
「それは自業自得じゃないの?人の物を横取りした挙句に罵声を浴びせたのだから…」
私の言葉に少年の冒険者は押し黙った。
「話はそれだけならもういい?」
「まだだ、俺の気が治らないんだよ‼︎」
少年の冒険者の事情なんてどうでも良い。
少年は憤っていてまだ何かを話したそうにしていたが、私にはどうでも良い話だった。
そうしていると店主がボアステーキを箱に詰めた物を持って来てくれた。
私は両手を出して受け取ろうとすると、少年が手を伸ばして奪い取ってから床に叩き付けて…ぐちゃぐちゃに踏み潰した。
「俺の話はまだ終わってないぞ‼︎」
私は床にぐちゃぐちゃに踏み潰されたボアステーキに涙を流していた。
今回は今までと違って良い策だと思ったのに、それすらも阻止された事に…
私はあまりにも悲しくなって食堂を飛び出した。
追加で注文をすればよかったと思ったけど、そんな気分ではなかった。
「おい、何処へ行くんだよ!俺の話はまだ…」
少年の冒険者は私を追いかけて来て言った。
元はと言えば…コイツが元凶だ。
私はギャーギャーと騒いでいる少年の冒険者に、死なない程度の最大火力の雷魔法を放った。
少年の冒険者は体が青く発光するくらいに光った後に黒焦げになって口から煙を吐いていた。
「次に私の前に現れたら…消すわよ‼︎」
少年の冒険者は首をカクンと動かすとそのまま前のめりになって倒れた。
魔法を使わないようにしようと思っていたんだけど、怒ると歯止めが効かなくなるなぁ…?
私はそのまま家に向かって行った。
~~~~~一方その頃~~~~~
アルファ達はバシュハウアー王国の大神殿に到着した。
そして神殿内にリアラの遺体が運び込まれた。
司祭や神官達は嘆き、司教は遺体を…?
「この遺体はおかしい…ここまで運ぶまでに何日掛かりましたか?」
「およそ2ヶ月ですが…」
「氷だけでここまで腐敗もせずに持って来れるはずはないのですが…?」
司教はリアラの遺体にディスペルを施した。
すると…遺体は錬金術の魔導錬成で造られた物だと判明した。
「この遺体は精巧に造られた偽物です!リアラは…生きていますよ‼︎」
その言葉に安堵の息を吐いた4人だったが、同時に怒りも噴き出していた。
「リアラを捜しなさい!神殿騎士達も増員しますので。」
アルファ達4人以外に12人の神殿騎士が追加された。
計16人の神殿騎士達がリアラの元に向かって行った。
果たして…リアラは無事に見つからずにいられるのだろうか?
3
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
妹が私こそ当主にふさわしいと言うので、婚約者を譲って、これからは自由に生きようと思います。
雲丹はち
恋愛
「ねえ、お父さま。お姉さまより私の方が伯爵家を継ぐのにふさわしいと思うの」
妹シエラが突然、食卓の席でそんなことを言い出した。
今まで家のため、亡くなった母のためと思い耐えてきたけれど、それももう限界だ。
私、クローディア・バローは自分のために新しい人生を切り拓こうと思います。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる