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バックれ計画実行の章
第五十八話
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まずは…シーダとディーナから物凄い剣幕で怒られる。
これに関しては勝手な事をした報いだと思って黙って怒られていた。
アルファとオメガはというと、シーダとディーナの背後で腕を組んで壁に寄り掛かっていた。
2人共…少しは怒っている様な表情だった。
確かに今回の件は少し性質が悪い悪戯だった。
でもだからと言って、一方的に怒られるのは腑に落ちない。
なので私は秘策の1つを使おうと思った。
秘策とは、【他人に罪を擦り付けて自分の罪を軽減させる!】…というセコイやり方だった。
「リアラ、これについて何か弁明はある?」
「だって…オメガお兄ちゃんが私と全く顔を合わせようとも、話し掛けても素っ気ないんだもん。」
「兄さんが?」
私はオメガを見ると、他の3人もオメガに目線を向けた。
「この間の一件で私は心の内を晒して真意を打ち明けたの時に、皆は私に寄り添ってくれるとそれぞれ約束した筈なのにオメガお兄ちゃんだけは以前と変わらずに私の事を無視したり素っ気ない態度をしてくるんだもん。ならば少しは困らせる位は別に良いと思って行動したの。」
「そうなの兄さん?」
オメガは私達の視線に耐えられなかったのか、上の方を見て黙っていた。
こうして時間が過ぎていれば有耶無耶に出来るとでも思ったのだろうが、そうは問屋が卸さない!
「私はディーナお姉ちゃんにオメガお兄ちゃんの事を聞いて、趣味の話とか話題になる話で気を引こうと何度も試みたのに…全て無視か邪険に扱われて無下に扱われるんだもん。それならちょっと位の仕返しに行動を起こしたっていいじゃない!」
オメガは上を向いたまま大量の汗が滝のように流れていた。
そう…オメガは約束を何1つとして果たしていなかったのだ。
「兄さん…」
「オメガ…」
「い、いや…だってな!」
「オメガ、リアラは自分が悪いと反省をしお前に歩み寄ろうと必死に努力をしていたのに対し、お前は何をしていた?」
アルファがオメガに詰め寄ると、オメガは焦りだして言い訳をしていた。
今回の件で3人は私に対して心の底から怒っていたが、理由が分かった後ならそれ以上の追及はして来なかった。
今回の件を踏まえても、オメガに変化があるとは思えない。
ならば…心の内を明かす迄待つ事を辞めて、遠ざける方を選ぶ事にした。
…という訳で、トドメの一言を言ってみよう!
「アルファお兄ちゃん…もう良いよ。私に対して言い訳しか出来ない人に、私は歩み寄ろうとする気はもう無いから…」
アルファは追及するのを辞めると、オメガは罪悪感丸出しの表情で崩れ落ちた。
「皆、私は少し1人になりたいの。部屋から出て行ってくれないかな?」
私が悲しそうな表情でそう言うと、アルファはオメガを連れてシーダとディーナも一緒に部屋を出て行った。
計画が少し狂ったけど、食堂で肉を食べていた件は有耶無耶に出来た。
別な日にまた追及されそうだけど、今じゃなければ別に構わない。
だって私の中では…この街を出て行ってから3日後くらいに距離を稼いだらバックれ計画を実行しようと思っているからだ。
翌日…アルファを含めた3人の武具の修理は終わった。
そして街を出て再び港に向かって移動をし始めた。
キャンプをしながら4日間ほどの距離を走った場所で、私は魔力を込めて魔笛を吹き鳴らした。
バックれる為に大型の魔獣…ドラゴンでも襲ってくれれば良いな~なんて思っていたら、それ以上に厄介な存在が現れたのだった。
その厄介な存在とは⁉
これに関しては勝手な事をした報いだと思って黙って怒られていた。
アルファとオメガはというと、シーダとディーナの背後で腕を組んで壁に寄り掛かっていた。
2人共…少しは怒っている様な表情だった。
確かに今回の件は少し性質が悪い悪戯だった。
でもだからと言って、一方的に怒られるのは腑に落ちない。
なので私は秘策の1つを使おうと思った。
秘策とは、【他人に罪を擦り付けて自分の罪を軽減させる!】…というセコイやり方だった。
「リアラ、これについて何か弁明はある?」
「だって…オメガお兄ちゃんが私と全く顔を合わせようとも、話し掛けても素っ気ないんだもん。」
「兄さんが?」
私はオメガを見ると、他の3人もオメガに目線を向けた。
「この間の一件で私は心の内を晒して真意を打ち明けたの時に、皆は私に寄り添ってくれるとそれぞれ約束した筈なのにオメガお兄ちゃんだけは以前と変わらずに私の事を無視したり素っ気ない態度をしてくるんだもん。ならば少しは困らせる位は別に良いと思って行動したの。」
「そうなの兄さん?」
オメガは私達の視線に耐えられなかったのか、上の方を見て黙っていた。
こうして時間が過ぎていれば有耶無耶に出来るとでも思ったのだろうが、そうは問屋が卸さない!
「私はディーナお姉ちゃんにオメガお兄ちゃんの事を聞いて、趣味の話とか話題になる話で気を引こうと何度も試みたのに…全て無視か邪険に扱われて無下に扱われるんだもん。それならちょっと位の仕返しに行動を起こしたっていいじゃない!」
オメガは上を向いたまま大量の汗が滝のように流れていた。
そう…オメガは約束を何1つとして果たしていなかったのだ。
「兄さん…」
「オメガ…」
「い、いや…だってな!」
「オメガ、リアラは自分が悪いと反省をしお前に歩み寄ろうと必死に努力をしていたのに対し、お前は何をしていた?」
アルファがオメガに詰め寄ると、オメガは焦りだして言い訳をしていた。
今回の件で3人は私に対して心の底から怒っていたが、理由が分かった後ならそれ以上の追及はして来なかった。
今回の件を踏まえても、オメガに変化があるとは思えない。
ならば…心の内を明かす迄待つ事を辞めて、遠ざける方を選ぶ事にした。
…という訳で、トドメの一言を言ってみよう!
「アルファお兄ちゃん…もう良いよ。私に対して言い訳しか出来ない人に、私は歩み寄ろうとする気はもう無いから…」
アルファは追及するのを辞めると、オメガは罪悪感丸出しの表情で崩れ落ちた。
「皆、私は少し1人になりたいの。部屋から出て行ってくれないかな?」
私が悲しそうな表情でそう言うと、アルファはオメガを連れてシーダとディーナも一緒に部屋を出て行った。
計画が少し狂ったけど、食堂で肉を食べていた件は有耶無耶に出来た。
別な日にまた追及されそうだけど、今じゃなければ別に構わない。
だって私の中では…この街を出て行ってから3日後くらいに距離を稼いだらバックれ計画を実行しようと思っているからだ。
翌日…アルファを含めた3人の武具の修理は終わった。
そして街を出て再び港に向かって移動をし始めた。
キャンプをしながら4日間ほどの距離を走った場所で、私は魔力を込めて魔笛を吹き鳴らした。
バックれる為に大型の魔獣…ドラゴンでも襲ってくれれば良いな~なんて思っていたら、それ以上に厄介な存在が現れたのだった。
その厄介な存在とは⁉
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