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バックれ計画の章

第四十六話

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 あれから色々あったけど、シーダとディーナとはかなり打ち解けたと思う。

 相変わらず人前での2人は無表情で堅苦しく接してくるけど、それ以外の場所ではフレンドリーに接してくれる。

 シーダに関しては…闇魔法の触手だけは戴けないみたいだけど、それ以外なら問題は無い。

 そして次の攻略は男性陣なのだが…?

 アルファに関しては特にこれと言って問題は無かった。

 真面目で正義感がある熱い漢…熱血漢という感じで、人前では真面目な顔で接してくるけど、そうでない時は気さくに話す事が出来た。

 ところが問題はオメガの方だった。

 大神殿から旅が始まって数か月経つけど、オメガが喋っている所を1度も見た事が無かった。

 仕事には忠実で真面目だし、凄く頼りになる存在なんだけど…話し掛けても返事が返って来る事が無く、首を動かしてジェスチャーをするだけだった。

 私はオメガの事を妹であるディーナに聞いてみたんだけど?

 「兄はねぇ、かなりの人見知りで親や上官や仲間に関しては問題無いんだけど…それ以外だと寡黙になってしまうの。」

 「じゃあ、全く喋らない訳じゃないんだ?」

 「気を許せる人だと普通に話すんだけどね、リアラの場合は…年が離れすぎていてどう接したら良いかの距離感がまだつかめてないんじゃないかな?」

 一緒に旅をしているし、私の性格は把握していると思っていたけど…?

 「つかめてないって…旅してから結構長い時を過ごしているけど?」

 「兄と接したいのであれば、年単位は覚悟しないとまともに会話が出来ないかも。」

 年単位って…そんなに待てるか!

 下手したら旅が終わる頃に会話が出来るかも知れないという事になるでしょ!

 神殿側もとんだラスボスを用意してくれたわね?

 スムーズにバックレる為には、オメガとも打ち解けておきたいんだけど。

 「オメガの趣味とか何かないの?」

 「兄は基本的に剣で素振りする以外は無趣味だから、これといって興味がある物は無いかな。」

 手強い…オメガは結構なイケメンなので女性関係には苦労していなさそうなのに。

 その話をディーナにすると…?

 「重度の人見知りだからね、告白をしてきた子達も結構いるけど…みんな無言で断っていたし。」

 「まさか男色趣味とか?」

 「それは無いと思うよ。私には街中であの子は可愛いな!…って普通に言って来るし。」

 「私の事は何か言ってた?」

 「命を懸けてお守りする存在だって…」

 参ったなぁ…取り付くしまが無い。

 別に…オメガと打ち解けなくてもバックレる計画は上手く行きそうな気がすると思うんだけど、オメガって何気に結構鋭い所があるし。

 こっそりバックレようとして見つかる可能性が高いからなぁ…。

 本当に神殿側は面倒な人を用意してくれた物だわ。

 やっぱりあのお花畑王子がゲロったとしか思えない。

 何か良い方法はないかと模索をしていたら、意外な事を知る事が出来たのだった。

 なんだけど…オメガのほんの一部だけなので全てを把握する迄は結構日数が掛かりそうだなぁ?
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