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怪盗リアラの章

第二十八話

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 テルミガンの能力は非常に素晴らしい。

 私が出来ない事を補える能力を持っていた。

 私の収納魔法が手のひらサイズの物しか出来ないのに対し、テルミガンは大きさを変えてからその物を包み込む様に縮小すると収納出来るという物だった。

 これでベッドや家具などが収納出来るようになった。

 他にも生活に必要なものには大体変化出来るし、武器になるし防具になるし…

 更には私が困っている時には助言をしてくれたりもしてくれた。

 正直言って、テルミガンは何者なのかは全く分からない…けど、神の使いと言われたら信じられる位に博識だった。

 テルミガンの知識や能力は、ほぼ神がかっているからだ。

 「テルミガンに聞きたいんだけど?」

 《何でしょうかマスター?》

 「神殿にいる人たちが肉や魚も食べないのは、信仰心が下がったり回復魔法の能力が下がるから‥って聞いたんだけど、本当かな?」

 《いえ、全くの大嘘です。そもそもそんな話は聞いたことがありませんし、伝承の聖女様がかつて魔王を討伐する際の旅では肉を食べていたという話です。》

 「じゃあ、何故そんな話が広まったの?」

 《聖女様が勇者殿と結婚をして王妃になった際に、国を動かす際にかなりご無理をされたのでしょう。その時に回復術が著しく低下した伝承の聖女様は、神殿内の者達が自分達の苦労も知らずに贅沢をしてブクブクと太っている姿に腹を立てて、肉や魚を食べたら回復能力が下がるという触れを出してから…現在に至ったのでしょう。》

 「じゃあ、その事を伝えれば食生活は元に戻るの?」

 《どうお伝えするのですか?ワタシの声はマスターにしか聞こえないじゃないですか。》

 「聖獣であるテルミガンから聞いたという事にすれば?」

 《恐らくは無理でしょうね。肉や魚を食べたら回復能力が落ちるという言葉を唱えたのが、伝承の聖女様ですから…ワタシの言葉よりも伝承の聖女様の方が言葉に重みがありますからね。》

 やはり無理なのかなぁ?

 …という事は、この神殿にいる間は肉が食べれないという事になるのね。

 やっぱり旅に出る前にさっさと逃亡するしかないわね。

 《さてマスター、明日からは攻撃魔法の取得の講義だそうですが…》

 「テルミガン魔法の知識はあるんだよね?」

 《あるにはありますが…ワタシの知識は基礎を学ばれていない者には難しい理論ですので、まずは講義で学んでから教え致しますよ。》

 明日からは攻撃魔法に関する魔法の講義だ。

 そしてこれが終われば、次は聖女の旅になるのだけれど…?

 その前に絶対にバックれてやる‼︎
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