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聖女の修行の章

第二十話

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 【神殿騎士】

 大神殿内の守りを固める精鋭の騎士達の事である。

 その騎士の力は王国の近衛騎士団と同等とも言われていて、更には魔法も使いこなし向かうところ敵なしと言った強者達なのだが…?

 実は1つ問題がある。

 職務に忠実で普段から無駄口や無駄話はしない。

 笑っている姿も見た事が無く、感情の無い人間という印象が強い。

 リアラも神殿騎士が遠征で怪我をした治療に駆り出された事があったが、感謝は頭を下げるだけで声を発する事をせず…男女ともに人形の様な冷たい感じがしていた。

 そんな者達と一緒に旅をしていたら、絶対に目を盗んで何処かに行こうとしても捕まるだろうし…?

 何より街中で食堂に入って肉料理を頼むなんていう事も出来ないだろう。

 そこでリアラは良い事を思い付いた。

 まだ旅に出るのは早いと言ってゴネれば良いという考えに至ったのだった。

 「私はまだ旅に出るには早い気がします!」

 「最近のリアラは目を見張る程に素晴らしい成長を遂げておりますので…」

 「いえ、デリシャスの面倒を途中で放棄する事はしたくありません。デリシャスが番を見付けてから、その間に生まれた子を見届けてからなら旅をしても構いません!」

 これで…最低でも後1年近くが時間を稼げる筈。

 10か月で子供が作れるというのなら、デリシャスの面倒を見て3か月だから…あと7か月か。

 「デリシャスは他の神官達に面倒を見させれば良いだけの話なので…」

 やはりそう来るよね…なら!

 「デリシャスと過ごして来た3か月で慈愛の精神がどういう物かを解り掛けて来ました。ですがまだ完璧ではありませんので、最後まで見守らせて欲しいのです!最後まで見守らせて貰った後に…私は慈愛の精神何なのかの答えが解ると思いますので!」

 これならどうだ!

 これなら…司祭様だって納得するしかないでしょ!

 司祭は顎に手を当てて悩んでいた。

 そして話を切り上げるには司祭の答えを待つつもりはないので、此処で退室をすれば良い。

 「…という訳ですので、デリシャスを最後まで見守らせて貰うまでは旅には出ないという事で…失礼します!」

 「ちょ、リアラ待ちなさい!」

 私は司祭の部屋を出た。

 本当ならデリシャスがあと3か月を過ぎた頃位に何処かの場所に連れて行ってからバッサリ殺って肉を食べるつもりだったけど、あそこまで言い張ったのだから食べる事は出来なくなってしまったけど…これで残り7か月は時間を稼げる!

 そう思っていたリアラだったが、司祭は意外な手を打って来た。

 果たして司祭の意外な手とは?
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