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聖女の修行の章

第十九話

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 リアラは司祭の部屋に入って呼び出された内容を尋ねた。

 「最近の私は大人しくてとても良い子です。呼び出される様なことは一切してはいないと思いますが…今日はどんな御用でしょうか?」

 「リアラ…君は私の部屋に入る時は必ず余計な言い訳から始まりますね。その癖は直した方が良いと言ったと思いますが…確かにここ最近のリアラには呼び出される様な事は何もしていませんが、あまりその様な態度だと隠れて何かをしているのではないかと疑わざる負えなくなりますよ。」

 「あ、はい…」

 「まぁ、良いでしょう。本日お呼びしたのは、そろそろ修行も終わりに近づいていると申し上げる為です。」

 「え?」

 私が神殿に来て半年…より少し多いか。

 聖女の修行ってそんなに早く終わる物なの?

 確か修行が終わったら神殿を出て各地の穢れを浄化するという作業があるのよね?

 攻撃魔法もまだ覚えてないのに、そんな状態で外に放り出されたら流石に死ぬわよ!

 「リアラが何を考えているかは分かりませんが、言おうとしている事は大体わかります。旅をする上で守りの魔法は使えても攻撃に関する魔法が使えないという事ですよね?」

 「そうです!こんな状態で外に放り出されたら…」

 「それについては安心して下さい。何もリアラ1人で旅に出すという訳ではありませんので…」

 「それはどういう意味ですか?」

 「リアラの旅は1人ではないという事ですよ。神殿騎士の男性4名が護衛に付きます。」

 「護衛…ですか?自衛手段の攻撃魔法を教えてくれるのではないのですか?」

 「勿論、自衛手段の魔法も教え致しますが…まさかリアラは1人で旅をさせられると思っていたのですか?」

 如何に攻撃手段や守りの手段を持っていたって1人で旅するのは限界でしょう…と考える司祭に反し。

 護衛なんか居たら好き勝手に行動が出来なくなり、街での食事も…食堂に入って肉を食べるという計画が出来なくなる…と考えているリアラだった。

 しかも神殿騎士なんて一緒にいたら…あんな融通の利かない人達と一緒に旅なんて面白くも無いし、食事に関しても文句を言って来る事間違いない!

 この2か月で肉を食べてはいけない理由を知った。
 
 それは…肉や魚を摂取すると回復魔法や豊穣の恵みの効果が薄れるという話だからである。

 だけどその話には信憑性が無かった。

 100年前の魔王が支配していた時代は、常に貧困で食べる物といえば魔物の肉を食べてばかりで野菜が高騰していて口に入れる日が少なかったという話だった。

 なので伝承の聖女様の時代の旅も各場所では肉を食べていたのではないかと思うんだけど?

 これは…何とか回避する方法を考えないとなぁ?

 「あ、良い事を思い付いた!」
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