聖女になんかなりたくない! 聖女認定される前に…私はバックれたいと思います。

アノマロカリス

文字の大きさ
上 下
8 / 88
聖女の修行の章

第七話 

しおりを挟む
 「では、リアラ嬢は今後は聖女の修行を執り行い、立派な聖女へと…」

 「ちょっと待って下さい、勝手に話を進めないでもらえませんか?」

 私は神殿で保護されるというのを条件として神殿に来た筈だったのに…

 いつの間にか聖女として扱われるかもしれなかった事に驚いた。

 「私は聖女をやるなんて一言も言っていませんけど?」

 「ですが我等に付いて来られましたよね?」

 「私の身柄を神殿で預かると聞いて、あのまま侯爵家に残るくらいならと思ってついて来たのに…それがいつの間にか聖女になるという話は聞いてはいませんけど?」

 「そうですねぇ…我等も強制はしませんが、この世界には聖女が不可欠なのでなって頂けるとありがたいのですが。」

 「伝承に出てくる聖女って、勇者と共に魔王を倒す…という役目を担っていたのは知っていますがこの時代は魔王なんていないでしょう。だとすると聖女って何をするために必要なのですか?」

 かつてこの世界には魔王という魔族の王が人間界に宣戦布告して支配をしていたという時代があった。

 伝承の聖女が認めた戦士と他2名が魔王を倒して世界を救ったという。

 その戦士がのちに勇者と呼ばれる存在になって、バシュハウアー王国の初代国王になったという。

 勉強も碌にしてこなかった私でもこの程度の知識は持っていた。

 「魔王が倒されたのは100年前ですが、世界の各所では修復も終わって街が機能している場所もありますが…それでも全部ではありません。聖女の仕事は世界の各個所に赴いて、穢れた土地を浄化したり、穢れによって変異した魔物から負傷を負わされた者達に癒しを行うのです。」

 「それが聖女の仕事なのですか…でも聖女になるにしても、修行を始めるにしても…今のこの貧相な体格では達成する前にぶっ倒れる可能性の方が高いのですが…」

 「そうですね、今は食事をして通常の体型に戻る事を心掛けて下さい。そして相応の体になった暁には修行を開始致しましょう!」

 生きる為の術として…聖女の修行はやっても構わないけど、聖女になりたいかと言われると凄く微妙だ。

 何とか躱す方法は無いだろうか…?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

思い出してしまったのです

月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。 妹のルルだけが特別なのはどうして? 婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの? でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。 愛されないのは当然です。 だって私は…。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

ふしだらな母親の娘は、私なのでしょうか?【第5回ツギクル小説大賞 AIタイトル賞】

イチモンジ・ルル
恋愛
奪われ続けた少女に届いた未知の熱が、すべてを変える―― 「ふしだら」と汚名を着せられた母。 その罪を背負わされ、虐げられてきた少女ノンナ。幼い頃から政略結婚に縛られ、美貌も才能も奪われ、父の愛すら失った彼女。だが、ある日奪われた魔法の力を取り戻し、信じられる仲間と共に立ち上がる。 歪められた世界で、隠された真実を暴き、奪われた人生を新たな未来に変えていく。 ――これは、過去の呪縛に立ち向かい、愛と希望を掴み、自らの手で未来を切り開く少女の戦いと成長の物語―― 旧タイトル ふしだらと言われた母親の娘は、実は私ではありません 他サイトにも投稿。 2025/2/28 第5回ツギクル小説大賞 AIタイトル賞をいただきました

美人な姉と『じゃない方』の私

LIN
恋愛
私には美人な姉がいる。優しくて自慢の姉だ。 そんな姉の事は大好きなのに、偶に嫌になってしまう時がある。 みんな姉を好きになる… どうして私は『じゃない方』って呼ばれるの…? 私なんか、姉には遠く及ばない…

かつて私のお母様に婚約破棄を突き付けた国王陛下が倅と婚約して後ろ盾になれと脅してきました

お好み焼き
恋愛
私のお母様は学生時代に婚約破棄されました。当時王太子だった現国王陛下にです。その国王陛下が「リザベリーナ嬢。余の倅と婚約して後ろ盾になれ。これは王命である」と私に圧をかけてきました。

歪んだ恋にさようなら

木蓮
恋愛
双子の姉妹のアリアとセレンと婚約者たちは仲の良い友人だった。しかし自分が信じる”恋人への愛”を叶えるために好き勝手に振るまうセレンにアリアは心がすり減っていく。そして、セレンがアリアの大切な物を奪っていった時、アリアはセレンが信じる愛を奪うことにした。 小説家になろう様にも投稿しています。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

白い結婚をめぐる二年の攻防

藍田ひびき
恋愛
「白い結婚で離縁されたなど、貴族夫人にとってはこの上ない恥だろう。だから俺のいう事を聞け」 「分かりました。二年間閨事がなければ離縁ということですね」 「え、いやその」  父が遺した伯爵位を継いだシルヴィア。叔父の勧めで結婚した夫エグモントは彼女を貶めるばかりか、爵位を寄越さなければ閨事を拒否すると言う。  だがそれはシルヴィアにとってむしろ願っても無いことだった。    妻を思い通りにしようとする夫と、それを拒否する妻の攻防戦が幕を開ける。 ※ なろうにも投稿しています。

処理中です...