上 下
6 / 87
貴族ざまぁの章

第五話

しおりを挟む
 「ならば…リアラには全てを与えよう。それで考え直してはくれないか?」

 「え~~~どうしようかなぁ?」

 …と言ってみたものの、どうせこの父親は口だけで今迄と何ら変わらない生活を送らせるだけだろう。

 豊穣の恵みは本人が生きていれば豊作が期待される加護という話だから、私を生かす為に食生活の改善は見直されるだろうけど、それ以外は変わらない気がする。

 元に私の今の姿を見て何も行動を起こさないからだ。

 私の格好は奴隷の様な薄い布の服で靴は無い。

 テリガン侯爵が身に纏っている高級そうなコートを私に羽織るという事もない。

 役立たずの姉の服を脱がせて私に着せるという事もない。

 私が本当に大事ならそう言った行動をすぐに実行すると思うのだけど、その様子はいつまで経っても見受けられなかった。

 なのでこの男は口ばっかで、このまま家に居ても生活はあまり変化がないと見受けられた…ので?

 「考えた結果、私は大神殿に行って生活を送りますので…今後一切侯爵家には関わりませんので。」

 「何故だ、全てを与えると言っているのだぞ‼︎」

 「口で言っているだけで何の行動も起こして無いじゃ無いですか!私の痩せた体を見て食べ物を持ってくるということはせず、私の服装を見て羽織る物を渡す訳でもなく、私の足を見て履き物すら用意しない…それで全てを与えるって、何を与えてくれるのですか?」

 するとテリガン侯爵は、姉に与える筈のケーキを私の元に持って来た。

 さらに自分の着ているコートを私に羽織らせて、姉の履いている靴を奪って私に履かせた。

 姉のリアナと私では体格は違うので靴はブカブカだったけど、履き物があると随分違っていた。

 「これでどうだろうか?」

 「言われてから行動を起こすのは愚者のやる事…って言っていませんでしたっけ?」

 「くっ…」

 私は暗い倉庫みたいな部屋の中でただいた訳では無い。

 何かしらの縫い物や小道具作りを命じられていた。

 その時にノルマが達していなかった時に父親に言われた言葉がその言葉だった。
 
 なので私の取った行動は…?
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~

紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。 ※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。 ※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。 ※なろうにも掲載しています。

醜いと言われて婚約破棄されましたが、その瞬間呪いが解けて元の姿に戻りました ~復縁したいと言われても、もう遅い~

小倉みち
恋愛
 公爵令嬢リリーは、顔に呪いを受けている。  顔半分が恐ろしい異形のものとなっていた彼女は仮面をつけて生活していた。  そんな彼女を婚約者である第二王子は忌み嫌い、蔑んだ。 「お前のような醜い女と付き合う気はない。俺はほかの女と結婚するから、婚約破棄しろ」  パーティ会場で、みんなの前で馬鹿にされる彼女。  ――しかし。  実はその呪い、婚約破棄が解除条件だったようで――。  みるみるうちに呪いが解け、元の美しい姿に戻ったリリー。  彼女はその足で、醜い姿でも好きだと言ってくれる第一王子に会いに行く。  第二王子は、彼女の元の姿を見て復縁を申し込むのだったが――。  当然彼女は、長年自分を散々馬鹿にしてきた彼と復縁する気はさらさらなかった。

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

シテくれない私の彼氏

KUMANOMORI(くまのもり)
恋愛
 高校生の村瀬りかは、大学生の彼氏・岸井信(きしい まこと)と何もないことが気になっている。  触れたいし、恋人っぽいことをしてほしいけれど、シテくれないからだ。  りかは年下の高校生・若槻一馬(わかつき かずま)からのアプローチを受けていることを岸井に告げるけれど、反応が薄い。  若槻のアプローチで奪われてしまう前に、岸井と経験したいりかは、作戦を考える。  岸井にはいくつかの秘密があり、彼と経験とするにはいろいろ面倒な手順があるようで……。    岸井を手放すつもりのないりかは、やや強引な手を取るのだけれど……。  岸井がシテくれる日はくるのか?    一皮剝いだらモンスターの二人の、恋愛凸凹バトル。

【近々再開予定】ピンク頭と呼ばないで―攻略対象者がお花畑で萌えない為スルーして良いですか―

咲桜りおな
恋愛
 前世で散々遊び尽くした乙女ゲームの世界にどうやらヒロイン転生したらしい主人公・パフィット・カルベロス。この目で攻略対象者たちを拝めると楽しみに学園に入学してみたら、軒並み恋愛お馬鹿なお花畑や攻略対象者自らイベント拒否して来たりと、おかしな相手ばかりでガッカリしてしまう。  あんなのに萌えれない。ゲーム画面で見たキラキラ輝かしい彼らは何処へいったのよ! ヒロインだけど、恋愛イベントスルーして良いですかね? 王子? どうぞ、お好きに持って行って下さい。  ん? イベントスルー出来ないってどういう事!? ゲーム補正? そんなの知らないわよ! 攻略対象者を避けたいのに避けさせて貰えない「矯正力」に翻弄される毎日。  それでもポジティブモットー!な元気ヒロインちゃんは、今日も自分の思った道を突き進むのだ! ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆ ちょっとお口と態度の悪い突っ込みヒロインちゃんです。 「小説家になろう」でも公開しています。

私だけが赤の他人

有沢真尋
恋愛
 私は母の不倫により、愛人との間に生まれた不義の子だ。  この家で、私だけが赤の他人。そんな私に、家族は優しくしてくれるけれど……。 (他サイトにも公開しています)

【短編】三姉妹、再会の時 ~三姉妹クロスオーバー作品~

紺青
恋愛
あれから十年後、三姉妹が再び会う時、お互いなにを思うのか? 離れ離れになった元スコールズ伯爵家の三姉妹がそれぞれの家族と幸せになり、互いの家族と共にひょんなことから再会することになった。大人になった三姉妹の再会の物語。 ※「私はいてもいなくても同じなのですね」次女マルティナ、「私がいる意味はあるかな?」三女リリアン、 「私は生きていてもいいのかしら?」長女アイリーンのクロスオーバー作品。いずれかの作品を読んでいないとわからない内容になってます。

平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜

本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」  王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。  偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。  ……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。  それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。  いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。  チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。  ……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。 3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!

処理中です...