上 下
5 / 87
貴族ざまぁの章

第四話 

しおりを挟む
 「ちょっと待ってくれ、リアラが神殿にという事は…王都に向かわれるという事になるわけだよな?」

 「そうなりますね、リアラ嬢は王都にある大神殿で面倒を見させて戴きます。」

 「先程の話では豊穣の恵みの加護を持つ者はその土地を豊かにするという話だったが、リアラが居なくなったら…」

 「リアラ嬢が居なくなっても暫くは加護の恩恵が残ると思いますが、それも時期に消えるでしょうね。」

 テリガン侯爵は頭を抱えて悩み出した。

 貧困から一転して裕福な生活を送っていたが、またあの時の様な生活に逆戻りするのでは無いかと。

 「リアラ嬢がテリガン侯爵領に加護を与え続けるという選択をすれば、今まで通り豊作が約束…」

 「あ…その気は全くありませんので、さっさと大神殿に連れて行って下さい。それと豊穣の恵みという加護ですが、今すぐ解除も出来るのですか?」

 「伝承では聖女様の言葉一つで継続や解除が出来るという話でしたが…」

 「なら解除します。」

 「何故だ‼︎」

 私の言葉に父であるテリガン侯爵は声を荒げて叫んだ。

 「何故って…そんな事を言わなくても分かりますよね?神託の儀の結果がどうであれ侯爵家から追い出すと言われて、今までだって食事は碌に与えられず、癇癪を起こせば私に暴力を振るっておいて加護を継続する理由があると思いますか?」

 「私はお前の親だぞ!」

 「親って…貴方は親らしい事を私に何かしました?お姉様ばかり可愛がって全てを与え、私には一切何も与えては貰えずに暗く狭い部屋に押し込めて…」

 「ぐぅぅぅ…」

 「それに貴方には神々しい髪をお持ちのお姉様方いらっしゃるのではありませんか!不吉な象徴の私に頼らずにお姉様に頼られては…って、そういえばお姉様は何も持たない方でしたっけ?」

 あれだけ虐げて来た癖に今更調子がいい事を言っているんじゃ無いわよ。
 
 だが、テリガン侯爵は諦めている様子は…?
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。 王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。 なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。 自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。 11月14日にHOT男性向け1位になりました。 応援、ありがとうございます!

【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!

しずもり
恋愛
 ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。 お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?  突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。 そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。 よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。 *なんちゃって異世界モノの緩い設定です。 *登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。 *ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。

もう我慢する気はないので出て行きます〜陰から私が国を支えていた事実を彼らは知らない〜

おしゃれスナイプ
恋愛
公爵令嬢として生を受けたセフィリア・アインベルクは己の前世の記憶を持った稀有な存在であった。 それは『精霊姫』と呼ばれた前世の記憶。 精霊と意思疎通の出来る唯一の存在であったが故に、かつての私は精霊の力を借りて国を加護する役目を負っていた。 だからこそ、人知れず私は精霊の力を借りて今生も『精霊姫』としての役目を果たしていたのだが————

恩恵沢山の奴隷紋を良かれと思ってクランの紋章にしていた俺は、突然仲間に追放されました

まったりー
ファンタジー
7つ星PTに昇格したばかりのPTで、サポート役をしていた主人公リケイルは、ある日PTリーダーであったアモスにクランに所属する全員を奴隷にしていたと告げられてしまいます。 当たらずとも遠からずな宣告をされ、説明もさせてもらえないままに追放されました。 クランの紋章として使っていた奴隷紋は、ステータスアップなどの恩恵がある以外奴隷としての扱いの出来ない物で、主人公は分かって貰えずショックを受けてしまい、仲間はもういらないと他のダンジョン都市で奴隷を買い、自分流のダンジョン探索をして暮らすお話です。

今日で婚約者の事を嫌いになります!ハイなりました!

キムラましゅろう
恋愛
うっうっうっ…もう頑張れないっ、もう嫌。 こんな思いをするくらいなら、彼を恋する気持ちなんて捨ててしまいたい! もう嫌いになってしまいたい。 そうね、好きでいて辛いなら嫌いになればいいのよ! 婚約者の浮気(?)現場(?)を見てしまったアリス。 学園入学後から距離を感じる婚約者を追いかける事にちょっぴり疲れを感じたアリスは、彼への恋心を捨て自由に生きてやる!と決意する。 だけど結局は婚約者リュートの掌の上でゴロゴーロしているだけのような気が……しないでもない、そんなポンコツアリスの物語。 いつもながらに誤字脱字祭りになると予想されます。 お覚悟の上、お読み頂けますと幸いです。 完全ご都合展開、ノーリアリティノークオリティなお話です。 博愛主義の精神でお読みくださいませ。 小説家になろうさんにも投稿します。

特殊スキル持ちの低ランク冒険者の少年は、勇者パーティーから追い出される際に散々罵しった癖に能力が惜しくなって戻れって…頭は大丈夫か?

アノマロカリス
ファンタジー
少年テイトは特殊スキルの持ち主だった。 どんなスキルかというと…? 本人でも把握出来ない程に多いスキルなのだが、パーティーでは大して役には立たなかった。 パーティーで役立つスキルといえば、【獲得経験値数○倍】という物だった。 だが、このスキルには欠点が有り…テイトに経験値がほとんど入らない代わりに、メンバーには大量に作用するという物だった。 テイトの村で育った子供達で冒険者になり、パーティーを組んで活躍し、更にはリーダーが国王陛下に認められて勇者の称号を得た。 勇者パーティーは、活躍の場を広げて有名になる一方…レベルやランクがいつまでも低いテイトを疎ましく思っていた。 そしてリーダーは、テイトをパーティーから追い出した。 ところが…勇者パーティーはのちに後悔する事になる。 テイトのスキルの【獲得経験値数○倍】の本当の効果を… 8月5日0:30… HOTランキング3位に浮上しました。 8月5日5:00… HOTランキング2位になりました! 8月5日13:00… HOTランキング1位になりました(๑╹ω╹๑ ) 皆様の応援のおかげです(つД`)ノ

溺愛されている妹がお父様の子ではないと密告したら立場が逆転しました。ただお父様の溺愛なんて私には必要ありません。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるレフティアの日常は、父親の再婚によって大きく変わることになった。 妾だった継母やその娘である妹は、レフティアのことを疎んでおり、父親はそんな二人を贔屓していた。故にレフティアは、苦しい生活を送ることになったのである。 しかし彼女は、ある時とある事実を知ることになった。 父親が溺愛している妹が、彼と血が繋がっていなかったのである。 レフティアは、その事実を父親に密告した。すると調査が行われて、それが事実であることが判明したのである。 その結果、父親は継母と妹を排斥して、レフティアに愛情を注ぐようになった。 だが、レフティアにとってそんなものは必要なかった。継母や妹ともに自分を虐げていた父親も、彼女にとっては排除するべき対象だったのである。

家に代々伝わる髪色を受け継いでいないからとずっと虐げられてきていたのですが……。

四季
恋愛
メリア・オフトレスは三姉妹の真ん中。 しかしオフトレス家に代々伝わる緑髪を受け継がず生まれたために母や姉妹らから虐げられていた。 だがある時、トレットという青年が現れて……?

処理中です...