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貴族ざまぁの章
第三話
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「そんな馬鹿なことが…」
「豊穣の恵みは大変素晴らしい能力ですよ、その人物がその土地にいるだけで大いなる恵みをもたらすという女神の恩恵ですから。」
「我が領地は娘が生まれるまでは貧しい環境だったが、だがそれはリアナのお陰だとばかり思っていたのに。」
「先ほども申した通りリアナ嬢にはそう言った能力や加護が全く見受けられませんね、逆に珍しいですよ、加護も何も持たない者が生まれてくるなんて…」
相変わらずというべきか…両親が私に向ける視線は睨んでいた。
それにしても領地が豊作になったのは私の加護のお陰だったとはね?
それ以外にも慈愛とか癒しを与えるとか言っていたけど…酷い怪我を治したあの光が癒しの力なのかな?
リアラは子供の頃から酷い虐待を家族や使用人達から受けていた。
私の容姿を気に入らない両親は酷くあたり、姉のリアナからは鞭で叩かれたり、使用人のメイドからは箒やモップで殴られた事もあった。
その度に酷い怪我を負っていたけど、子供の頃から痛みを無くしてと願うと手から光が出て怪我が治ったという事があった。
まぁどうであれ、私が家から追い出されるのは決まっているからどうでも良いんだけど…。
「聖女とか言われてもねぇ…?」
「リアラ嬢はこれからどういたしますか?」
「私は神託の結果がどうであれ…侯爵家から追い出されるという話ですからね。家を出ても当てがあるわけでも無いし、その辺でのたれ死ぬでしょうね。」
「ならば、リアラ嬢の身柄は神殿でお預かりするというのは如何でしょうか。ちゃんとした聖女の修業を経て、立派な聖女として…」
「聖女云々はどうでも良いんだけど、神殿ではお腹いっぱいに食べさせてくれるの?」
「衣食住には全く問題はありませんのでご安心下さい。」
「ならばすぐに連れて行って下さい。」
「ですが…リアラ嬢にも家に戻ってから用意する物とかもあるでしょう?」
「私の服装を見て家に大事な物があると思いますか?」
司祭はリアラを見ると納得した様に頷いて見せた。
「ちょっと待ってくれ!」
テリガン侯爵はそのやり取りを見て声をあげた。
「豊穣の恵みは大変素晴らしい能力ですよ、その人物がその土地にいるだけで大いなる恵みをもたらすという女神の恩恵ですから。」
「我が領地は娘が生まれるまでは貧しい環境だったが、だがそれはリアナのお陰だとばかり思っていたのに。」
「先ほども申した通りリアナ嬢にはそう言った能力や加護が全く見受けられませんね、逆に珍しいですよ、加護も何も持たない者が生まれてくるなんて…」
相変わらずというべきか…両親が私に向ける視線は睨んでいた。
それにしても領地が豊作になったのは私の加護のお陰だったとはね?
それ以外にも慈愛とか癒しを与えるとか言っていたけど…酷い怪我を治したあの光が癒しの力なのかな?
リアラは子供の頃から酷い虐待を家族や使用人達から受けていた。
私の容姿を気に入らない両親は酷くあたり、姉のリアナからは鞭で叩かれたり、使用人のメイドからは箒やモップで殴られた事もあった。
その度に酷い怪我を負っていたけど、子供の頃から痛みを無くしてと願うと手から光が出て怪我が治ったという事があった。
まぁどうであれ、私が家から追い出されるのは決まっているからどうでも良いんだけど…。
「聖女とか言われてもねぇ…?」
「リアラ嬢はこれからどういたしますか?」
「私は神託の結果がどうであれ…侯爵家から追い出されるという話ですからね。家を出ても当てがあるわけでも無いし、その辺でのたれ死ぬでしょうね。」
「ならば、リアラ嬢の身柄は神殿でお預かりするというのは如何でしょうか。ちゃんとした聖女の修業を経て、立派な聖女として…」
「聖女云々はどうでも良いんだけど、神殿ではお腹いっぱいに食べさせてくれるの?」
「衣食住には全く問題はありませんのでご安心下さい。」
「ならばすぐに連れて行って下さい。」
「ですが…リアラ嬢にも家に戻ってから用意する物とかもあるでしょう?」
「私の服装を見て家に大事な物があると思いますか?」
司祭はリアラを見ると納得した様に頷いて見せた。
「ちょっと待ってくれ!」
テリガン侯爵はそのやり取りを見て声をあげた。
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