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貴族ざまぁの章

序章

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 バシュハウダー王国テリガン侯爵家領内では、常に土地が枯れて生活が貧しい暮らしを強いられていた。

 そんな中、侯爵夫人が双子の赤子を出産した。

 光り輝く金色の髪に空の様な青い瞳を持つ子にはリアナと名付けられた。

 そして不吉の象徴である漆黒の様な黒髪に血の様な赤い瞳を持ち、黒い肌を持つ子にはリアラと名付けられた。

 領内では土地が枯れて貧しい生活を余儀なくされていたが、赤子の誕生により土地が豊かになり毎年豊作な状態になっていた。

 テリガン侯爵夫妻はリアナこそが神の使いであり、豊かな恵みをもたらす存在として愛情を注ぎ裕福な生活を送らせていた。

 一方リアラは不吉の象徴として狭い部屋に閉じ込めてぞんざいに扱い、使用人からも無下に扱われていた。

 ここ迄は良くある話。

 ところが物語は16歳になった成人による神託の儀で大きく変わってくる。

 双子は成長をした。

 リアナは普通に生活をして年相応に素晴らしい女の子に成長した。

 一方リアラは食事は1日に2度で栄養のある物は与えられず、細くて体が小さい子に育っていた。

 傍から見たら双子とは思えない程に成長に差があった。 

 この世界では貴族や平民に関わらず、16歳で必ず神託の儀を行われるのだった。

 それによって今後の未来が左右されるという物だった。

 侯爵夫妻は不吉の象徴のリアラを神託の儀の結果がどうであれ追い出すつもりでいた。

 侯爵家の唯一の汚点であるリアラを手放せるのであれば、これ以上に嬉しい事は無かった。

 本来ならもっと早くに追い出そうと計画していたのだが、追い出す時になると妙な事が起きて追い出すきっかけを失っていたのだった。

 なので、侯爵夫妻は神託の儀まで待っていたのだった。

 侯爵夫妻と双子の姉妹は神託の儀を行う為に神殿に向かった。

 リアナは貴族令嬢に相応しい優雅なドレスを身に纏っていた。

 一方リアラは見すぼらしい奴隷の様な服を着せられて、更に靴を履いていなかった。

 そして神託の儀が行われて衝撃の事実が突き付けられる事になる。

 果たしてその衝撃の事実とは一体?

 物語はここから始まります。
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