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第三章
第七話 スキル【派生】でボロ儲け!後編
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「えっと…今ので何匹目だ?」
雪原エリアのダンジョンで僕は、大体100匹目を倒したのではないかと思う位に倒していた。
そして鳴り止まないレベルアップの音が頭の中で響いていた。
「また来たか…ギルドカードを確認する暇がないが、30匹を過ぎたあたりから楽に倒せるようになっていったがレベルは幾つになっているんだ?」
今回の獲得経験値数○倍は、恐らく数百倍の効果が発動していると思う。
現在討伐しているブリザードエイプは、寒冷地方特有の魔物で群れで行動する大猿の軍団である。
力が強く、体は氷の鎧で覆われていて倒すのに苦労していたが、30匹を越えた辺りから豆腐を切るようにすんなりと討伐出来ているのだった。
そして1匹目から上がるレベルアップの音…現在のレベルで1匹倒したくらいではレベルアップの音が聞こえる事はまず無いと思うと考えると、やはり数百倍の効果が発動されていると考えるべきなのだろうが、いくら雑魚に成り下がっているとは言え、こうもひっきりなしで襲って来るとギルドカードを確認している暇がない。
「今度はアイスリザードとフリーザースコーピオンか…さすがダンジョンだな!フィールドでは絶対に共闘しない奴らだからな。」
しかもコイツらは群れで襲って来る。
僕は威嚇の為にファイアボールを100個出現させて放った。
威嚇の為…と思っていた火球系の最弱魔法が魔物達を次々と葬って行った。
レベルアップの所為か、威力も上がっているみたいだが?
「このレベルアップの音はいつ鳴り止むんだ?戦いに集中出来ない!」
頭の中で鳴り響くだけで外に漏れている訳ではないが、意識を削がれて集中力を掻き乱されるのは確かだった。
本当に獲得経験値数○倍は、数百倍の効果なのだろうか?
仮に数百倍だったとしても、現在のレベルが幾つかは分からないがそろそろ失速してもおかしくはないと思うのだが?
「また次々と湧くな…そろそろ打ち止めでも良いのではないか?」
ダンジョン産の魔物は、ある一定の討伐が終わると復活する為にリキャストタイムが設けられている。
スタンピードでもない限りはここまで湧くとは思えないのだが?
僕はファイアボールを1000個出現させて全方位に放った。
現在のレベルが幾つか分からないが…1発の威力がエクスプロード並みの威力になっていた。
そして僕の周辺の地形もろとも魔物達を殲滅していき、雪原が焼け野原と化したのだった。
同時に魔物の姿も消えたのだった。
「これで暫くはゆっくり出来るが…レベルアップの音が鳴り止まないな。だが、ギルドカードを確認するなら安全圏に移動してからの方が良いか!」
僕は浮遊魔法で先程の穴に戻ってから第一層まで上がったのだった。
レベルアップの所為か、やたら早く着いたのだった。
僕は腰を落ち着けてから、やっと鳴り止んだレベルアップの音に溜息を吐いてからギルドカードを確認した。
すると、ギルドカードのレベルの高さに驚愕した。
「これ…数百倍ではないな。数千…いや、数万倍か?下手すると数億倍かもしれないな。」
僕のレベルは9987になっていた。
レベルだけなら世界最強の…いや、魔王さえ楽勝で倒せるだろう。
僕は近くにある石を軽く握った。
すると石は砕けるどころか砂に変わった。
「これ…力がやばすぎるな!レベルを100位まで戻したいが、派生の恩恵を全て回せば下がるかな?」
僕はスキル派生を展開した。
まずは鑑定を強化しようとした。
次の項目に超鑑定を取得し、更にその先にある神鑑定を取得すると、さらにその先にある神の瞳という鑑定スキルを取得してから固定した。
これで期限関係なく使用出来るのだが、レベルが3000ほど持って行かれた。
それでもまだ7000近くある。
次に運を上昇させた。
運→強運→最強運→神強運→神の幸運手に入れた。
どうやら神レベルのスキルを手に入れようとすると、レベルが1000単位以上持って行かれるみたいだ。
今回も2000レベルくらい持って行かれたが、まだレベル5000くらい残っている。
再び石を軽く握ったが、また砂になったところを考えるとまだ力が強すぎるみたいだ。
「これでもまだ強いのか!他に何か無いか?」
無詠唱→詠唱破棄→瞬時発動(レベル800)
魔法+攻撃威力上昇→威力超上昇→威力設定(レベル800)
回復魔法→超回復魔法→蘇生魔法取得→神の癒し手(レベル1000)
禁忌魔法+究極魔法取得(レベル1400)
生産職マイスター(レベル500)
錬金術マイスター(レベル400)
「これなら…?レベルが100まで戻った!」
ちなみに瞬時発動は、頭の中に思い描いたのが瞬時に発動するというスキルで、威力設定は威力を自由に操作出来るスキル、神の癒し手はレベルに関係なく初級魔法のヒールも極限まで回復出来て、禁忌魔法と究極魔法は大陸すら消滅させられる魔法らしい。
禁忌と究極は面白半分で取得したが、使い道はあるのだろうか?
生産職マイスターは、様々な生産能力が大幅に上昇し、工房のマイスターと同じレベルのものが作れる様になる。
錬金術マイスターは、錬成陣を使用せずに物を作り出せる能力だ。
試しに近くにあった石を金に変えてみた。
問題無く金になったが、念じると解除する事もできた。
これは悪巧みに使えるだろうと思った。
そして面白いことに、レベルは下がってステータスも下がった筈なのに、HPとMPはそのままだった。
両方とも1億近くあるので、死ぬ程のダメージを喰らうのはまず無いだろうし、魔力の枯渇もほとんど無いだろう。
「さて、皆のところに戻るか。」
そしてチザンのカジノに戻ると、皆が待っていてくれた。
皆が確認の為にギルドカードを確認するといってきたので見せると、大した変化が無いことで反応が薄かった。
だが、実際に上がったレベルやそれによって取得したスキルを話すと、大層驚かす事に成功した。
「神の瞳ねぇ?どんな鑑定が出来る様になったの?」
「私とダーネリアの鑑定をしてみてくれますか?」
「えーっと…?出会った頃に比べて、ダーネリアは5.8㎏でルーナリアは5.2㎏太った。」
「「!?」」
「ダーネリアはウエストが4㎝増えて、ルーナリアも3㎝増えた。」
「「!!」」
「ダーネリアの太った原因は、寝る前のチョコレートと出歩いたスイーツ巡りで肥えた。魔法を使えば腹が減るからという理由で、ルーナリアはセーブをしていたが、隣でダーネリアがものを食べている所を見ていて我慢出来ずにパクリ。他にも…」
「もう、やめて下さい‼」
「テイト君の能力は分かったから、もうやめて‼」
まぁ、出会った頃に比べたら若干太っていてもおかしくはない。
奴隷時代の2人は少し瘦せていたから、多少は問題無いだろう。
それよりもウエストが増えた事が問題みたいな感じだが?
「凄いな、その神の瞳という鑑定は!現在だけではなく、過去の出来事迄見通せるのか。」
「これでカジノで爆勝ちが出来る!」
「カジノのカードには、鑑定を弾く効果が付与されているが…神の瞳なら関係ないだろう。ただ、勝ち過ぎるのも問題が出て来るぞ!」
「大丈夫だ、その辺は考えてある。常に勝ち続けていたら流石に怪しまれるが、損をしない程度に態と負けるから平気だ。」
「まぁ、他の者ならともかくテイトだから心配はしてないが。」
「しこたま稼いでVIPルームに入るのと、残りは換金して大金持ちになるから…」
「まぁ、ほどほどにしておけよ。」
僕は金貨100枚分をカジノコインに交換してから、カードテーブルの席に着いた。
隣にはラージバルが座っていて、ラージバルはゲームをする訳ではなく僕の方を見て来た。
そして僕はポーカーをやって、掛け金は100万のコインを提示してからAのフォーカードを当てた。
ポーカーに関しては運で引いただけなので、どの役が来るか迄は操作が出来ないが…ここから神の瞳が役に立つ。
「ダブルアップしますか?」
「お願いします。」
僕はクラブの8を引くと、ディーラーが選んだ5枚のカードが伏せられて置かれていた。
「これより上のカードを引いて下さい。」
「では、これを…」
僕は適当に指を指した様に見せ掛けたが、神の瞳でカードの詳細が分かっていたので適当に選んだふりをしたら、スペードのクィーンを引き当てた。
そして次のダブルアップに挑戦になったので、20回くらいやって次々と当てて行った。
そして1億400万程稼ぐと、その場でゲームを辞めた。
「英雄殿は凄いな!初っ端で億越えを稼いだのは君が初めてだよ。だが、辞めてしまっても良かったのかい?」
「たまたま運があっただけなので、これ以上は欲をかくと負けそうな気がして…」
そして次もポーカーを100万コインで挑戦してから、今回は大きな金額に行ったら態と負けるという風にする。
そしてダブルアップで18回連続で当ててからコインは2600万まで稼いだが、19回目で態と低い数字を指さしてから負けを演出した。
「クソッ!欲をかいたか!」
「また1億越えをするかと思ったが、さすがに何度も上手くは行かないか…」
これでラージバルから僕への不信感は払えたと思う。
次のダブルアップでは勝つつもりで勝負をした。
次は30回連続で引き当ててから1000億のコインを稼いだ。
更に次に28回連続で当てて260億のコインを稼いだところで29回目で態と失敗する。
そして欲を掻いたと嘆く演技をする。
またダブルアップで28回を連続で当ててから260億を稼ぐと、今度はそこで辞めた。
そしてまた260億を稼いでから、次は34回連続で当ててから1兆7千億を稼いでから35回目で失敗をする。
元が100万コインなので、失っても痛くも無い。
既に2700億以上のコインを稼いでいるので、200万の損出は別に問題無かった。
だが、ここでラージバルの目付きが怪しんで来たので僕は辞める事にした。
「これでVIPルームに入れますよね?」
「あぁ、VIPルームは10億コインを稼いだ者に開放されるからな。」
「なら仲間の分を含めて40億コインを支払いますので、大丈夫ですか?」
「あぁ、問題はない。残りはどうする?」
「これを全て換金…というのは流石にカジノに影響がありますよね?」
「まぁ、出来れば全て換金は遠慮して貰いたいな!」
「なら、半分はアイテムと交換で残りは換金でお願いします。」
「また在庫を揃えないとな…」
僕は他大陸の珍しい調味料や鉱石や宝石等と交換してから、残り半分は白金貨に交換した。
そして併設してある銀行に一部以外の白金貨以外を全て貯金に回した。
ハッキリ言って、既に働かなくても豪遊できる金額を稼いでいた…が、僕の欲しい食材は街の食材屋だけとは限らないので豪遊する気も無い。
豪遊するのはいずれになるかもしれないが、今はその予定はないので貯金に回したのだった。
「そういえば、他の3人はどうしただろう?」
僕がカードゲームをやっている間は、ダーネリアとルーナリアはスロットマシーンに、ブレイドは闘技場に出ると言って分かれていた。
2人にはカードゲームより、辞め時が分かるスロットマシーンを進めたのだが?
スロットマシーンも金額をある程度注ぎ込むと、注ぎ込んだ分は帰って来るかそれ以上に膨らむという物でハマる者も多いが、それはコインがあればの話でコインが無くなれば諦めるしかないので問題は無いだろう。
そして闘技場に出たブレイドだったが、優勝は叶わずに三回戦で敗退した。
三回戦で当たった闘士は、レベル100越えの闘士でブレイドは納得がいかない顔をしていたが、神の瞳で鑑定をすると、闘士は過去に2階のクラスチェンジをしているという事が書かれていたので、それをブレイドに話すと納得した様な表情をした。
まぁ、上には上がいるという事を解っただけで収穫だっただろう。
そして僕等は再び合流をしてからVIPルームに移動した。
そこで出された料理は、確かに今迄に食べた料理の食材とは見た事も無い物ばかりだったが…味は期待する程のものでもなかった。
不味くはなかったが、とりたたて美味いという物でもなかった。
神の瞳の鑑定で、何処の大陸の物かを確認できたので後はその大陸に赴いてから探すとする事にした。
「あと2.3日ゆっくりしてから旅立つが、皆は予定とかはあるか?」
「私はカジノで負け分を取り返してきます!」
「ダーネリア、両親と同じ道に進みたいなら好きにしろ。」
「私はアクセサリーを買いに行きたいと思います。」
「自分も一緒に行こう!」
「ブレイドとルーナリアは買い物な、僕はどうするかな?」
「テイト君、カジノでもう1稼ぎしない?」
「ダーネリア、いい加減懲りる事を覚えろ!」
僕はダーネリアの意見を却下した。
ダーネリアを1人でカジノに行かせると、破産させそうな気がしたので買い物に連れ出す事にした。
考えてみれば、ダーネリアと2人きりというのは今までになかったから良いだろう。
ブレイドもルーナリアと別行動をするという事だしな。
そして残りの3日間は、色々買い物をしながら店を回っていた。
最後の日、僕達はカジノに行ってからラージバルに別れを告げると、ブレイドの故郷であるグリネシールに向かう事になった。
そしてそこでも、ダーネリアとルーナリアと同様にちょっとした揉め事が起きるのだった。
まぁ、ブレイドの故郷だし…英雄パーティーの一員なのだから何も問題が起こらないとは限らないからね。
雪原エリアのダンジョンで僕は、大体100匹目を倒したのではないかと思う位に倒していた。
そして鳴り止まないレベルアップの音が頭の中で響いていた。
「また来たか…ギルドカードを確認する暇がないが、30匹を過ぎたあたりから楽に倒せるようになっていったがレベルは幾つになっているんだ?」
今回の獲得経験値数○倍は、恐らく数百倍の効果が発動していると思う。
現在討伐しているブリザードエイプは、寒冷地方特有の魔物で群れで行動する大猿の軍団である。
力が強く、体は氷の鎧で覆われていて倒すのに苦労していたが、30匹を越えた辺りから豆腐を切るようにすんなりと討伐出来ているのだった。
そして1匹目から上がるレベルアップの音…現在のレベルで1匹倒したくらいではレベルアップの音が聞こえる事はまず無いと思うと考えると、やはり数百倍の効果が発動されていると考えるべきなのだろうが、いくら雑魚に成り下がっているとは言え、こうもひっきりなしで襲って来るとギルドカードを確認している暇がない。
「今度はアイスリザードとフリーザースコーピオンか…さすがダンジョンだな!フィールドでは絶対に共闘しない奴らだからな。」
しかもコイツらは群れで襲って来る。
僕は威嚇の為にファイアボールを100個出現させて放った。
威嚇の為…と思っていた火球系の最弱魔法が魔物達を次々と葬って行った。
レベルアップの所為か、威力も上がっているみたいだが?
「このレベルアップの音はいつ鳴り止むんだ?戦いに集中出来ない!」
頭の中で鳴り響くだけで外に漏れている訳ではないが、意識を削がれて集中力を掻き乱されるのは確かだった。
本当に獲得経験値数○倍は、数百倍の効果なのだろうか?
仮に数百倍だったとしても、現在のレベルが幾つかは分からないがそろそろ失速してもおかしくはないと思うのだが?
「また次々と湧くな…そろそろ打ち止めでも良いのではないか?」
ダンジョン産の魔物は、ある一定の討伐が終わると復活する為にリキャストタイムが設けられている。
スタンピードでもない限りはここまで湧くとは思えないのだが?
僕はファイアボールを1000個出現させて全方位に放った。
現在のレベルが幾つか分からないが…1発の威力がエクスプロード並みの威力になっていた。
そして僕の周辺の地形もろとも魔物達を殲滅していき、雪原が焼け野原と化したのだった。
同時に魔物の姿も消えたのだった。
「これで暫くはゆっくり出来るが…レベルアップの音が鳴り止まないな。だが、ギルドカードを確認するなら安全圏に移動してからの方が良いか!」
僕は浮遊魔法で先程の穴に戻ってから第一層まで上がったのだった。
レベルアップの所為か、やたら早く着いたのだった。
僕は腰を落ち着けてから、やっと鳴り止んだレベルアップの音に溜息を吐いてからギルドカードを確認した。
すると、ギルドカードのレベルの高さに驚愕した。
「これ…数百倍ではないな。数千…いや、数万倍か?下手すると数億倍かもしれないな。」
僕のレベルは9987になっていた。
レベルだけなら世界最強の…いや、魔王さえ楽勝で倒せるだろう。
僕は近くにある石を軽く握った。
すると石は砕けるどころか砂に変わった。
「これ…力がやばすぎるな!レベルを100位まで戻したいが、派生の恩恵を全て回せば下がるかな?」
僕はスキル派生を展開した。
まずは鑑定を強化しようとした。
次の項目に超鑑定を取得し、更にその先にある神鑑定を取得すると、さらにその先にある神の瞳という鑑定スキルを取得してから固定した。
これで期限関係なく使用出来るのだが、レベルが3000ほど持って行かれた。
それでもまだ7000近くある。
次に運を上昇させた。
運→強運→最強運→神強運→神の幸運手に入れた。
どうやら神レベルのスキルを手に入れようとすると、レベルが1000単位以上持って行かれるみたいだ。
今回も2000レベルくらい持って行かれたが、まだレベル5000くらい残っている。
再び石を軽く握ったが、また砂になったところを考えるとまだ力が強すぎるみたいだ。
「これでもまだ強いのか!他に何か無いか?」
無詠唱→詠唱破棄→瞬時発動(レベル800)
魔法+攻撃威力上昇→威力超上昇→威力設定(レベル800)
回復魔法→超回復魔法→蘇生魔法取得→神の癒し手(レベル1000)
禁忌魔法+究極魔法取得(レベル1400)
生産職マイスター(レベル500)
錬金術マイスター(レベル400)
「これなら…?レベルが100まで戻った!」
ちなみに瞬時発動は、頭の中に思い描いたのが瞬時に発動するというスキルで、威力設定は威力を自由に操作出来るスキル、神の癒し手はレベルに関係なく初級魔法のヒールも極限まで回復出来て、禁忌魔法と究極魔法は大陸すら消滅させられる魔法らしい。
禁忌と究極は面白半分で取得したが、使い道はあるのだろうか?
生産職マイスターは、様々な生産能力が大幅に上昇し、工房のマイスターと同じレベルのものが作れる様になる。
錬金術マイスターは、錬成陣を使用せずに物を作り出せる能力だ。
試しに近くにあった石を金に変えてみた。
問題無く金になったが、念じると解除する事もできた。
これは悪巧みに使えるだろうと思った。
そして面白いことに、レベルは下がってステータスも下がった筈なのに、HPとMPはそのままだった。
両方とも1億近くあるので、死ぬ程のダメージを喰らうのはまず無いだろうし、魔力の枯渇もほとんど無いだろう。
「さて、皆のところに戻るか。」
そしてチザンのカジノに戻ると、皆が待っていてくれた。
皆が確認の為にギルドカードを確認するといってきたので見せると、大した変化が無いことで反応が薄かった。
だが、実際に上がったレベルやそれによって取得したスキルを話すと、大層驚かす事に成功した。
「神の瞳ねぇ?どんな鑑定が出来る様になったの?」
「私とダーネリアの鑑定をしてみてくれますか?」
「えーっと…?出会った頃に比べて、ダーネリアは5.8㎏でルーナリアは5.2㎏太った。」
「「!?」」
「ダーネリアはウエストが4㎝増えて、ルーナリアも3㎝増えた。」
「「!!」」
「ダーネリアの太った原因は、寝る前のチョコレートと出歩いたスイーツ巡りで肥えた。魔法を使えば腹が減るからという理由で、ルーナリアはセーブをしていたが、隣でダーネリアがものを食べている所を見ていて我慢出来ずにパクリ。他にも…」
「もう、やめて下さい‼」
「テイト君の能力は分かったから、もうやめて‼」
まぁ、出会った頃に比べたら若干太っていてもおかしくはない。
奴隷時代の2人は少し瘦せていたから、多少は問題無いだろう。
それよりもウエストが増えた事が問題みたいな感じだが?
「凄いな、その神の瞳という鑑定は!現在だけではなく、過去の出来事迄見通せるのか。」
「これでカジノで爆勝ちが出来る!」
「カジノのカードには、鑑定を弾く効果が付与されているが…神の瞳なら関係ないだろう。ただ、勝ち過ぎるのも問題が出て来るぞ!」
「大丈夫だ、その辺は考えてある。常に勝ち続けていたら流石に怪しまれるが、損をしない程度に態と負けるから平気だ。」
「まぁ、他の者ならともかくテイトだから心配はしてないが。」
「しこたま稼いでVIPルームに入るのと、残りは換金して大金持ちになるから…」
「まぁ、ほどほどにしておけよ。」
僕は金貨100枚分をカジノコインに交換してから、カードテーブルの席に着いた。
隣にはラージバルが座っていて、ラージバルはゲームをする訳ではなく僕の方を見て来た。
そして僕はポーカーをやって、掛け金は100万のコインを提示してからAのフォーカードを当てた。
ポーカーに関しては運で引いただけなので、どの役が来るか迄は操作が出来ないが…ここから神の瞳が役に立つ。
「ダブルアップしますか?」
「お願いします。」
僕はクラブの8を引くと、ディーラーが選んだ5枚のカードが伏せられて置かれていた。
「これより上のカードを引いて下さい。」
「では、これを…」
僕は適当に指を指した様に見せ掛けたが、神の瞳でカードの詳細が分かっていたので適当に選んだふりをしたら、スペードのクィーンを引き当てた。
そして次のダブルアップに挑戦になったので、20回くらいやって次々と当てて行った。
そして1億400万程稼ぐと、その場でゲームを辞めた。
「英雄殿は凄いな!初っ端で億越えを稼いだのは君が初めてだよ。だが、辞めてしまっても良かったのかい?」
「たまたま運があっただけなので、これ以上は欲をかくと負けそうな気がして…」
そして次もポーカーを100万コインで挑戦してから、今回は大きな金額に行ったら態と負けるという風にする。
そしてダブルアップで18回連続で当ててからコインは2600万まで稼いだが、19回目で態と低い数字を指さしてから負けを演出した。
「クソッ!欲をかいたか!」
「また1億越えをするかと思ったが、さすがに何度も上手くは行かないか…」
これでラージバルから僕への不信感は払えたと思う。
次のダブルアップでは勝つつもりで勝負をした。
次は30回連続で引き当ててから1000億のコインを稼いだ。
更に次に28回連続で当てて260億のコインを稼いだところで29回目で態と失敗する。
そして欲を掻いたと嘆く演技をする。
またダブルアップで28回を連続で当ててから260億を稼ぐと、今度はそこで辞めた。
そしてまた260億を稼いでから、次は34回連続で当ててから1兆7千億を稼いでから35回目で失敗をする。
元が100万コインなので、失っても痛くも無い。
既に2700億以上のコインを稼いでいるので、200万の損出は別に問題無かった。
だが、ここでラージバルの目付きが怪しんで来たので僕は辞める事にした。
「これでVIPルームに入れますよね?」
「あぁ、VIPルームは10億コインを稼いだ者に開放されるからな。」
「なら仲間の分を含めて40億コインを支払いますので、大丈夫ですか?」
「あぁ、問題はない。残りはどうする?」
「これを全て換金…というのは流石にカジノに影響がありますよね?」
「まぁ、出来れば全て換金は遠慮して貰いたいな!」
「なら、半分はアイテムと交換で残りは換金でお願いします。」
「また在庫を揃えないとな…」
僕は他大陸の珍しい調味料や鉱石や宝石等と交換してから、残り半分は白金貨に交換した。
そして併設してある銀行に一部以外の白金貨以外を全て貯金に回した。
ハッキリ言って、既に働かなくても豪遊できる金額を稼いでいた…が、僕の欲しい食材は街の食材屋だけとは限らないので豪遊する気も無い。
豪遊するのはいずれになるかもしれないが、今はその予定はないので貯金に回したのだった。
「そういえば、他の3人はどうしただろう?」
僕がカードゲームをやっている間は、ダーネリアとルーナリアはスロットマシーンに、ブレイドは闘技場に出ると言って分かれていた。
2人にはカードゲームより、辞め時が分かるスロットマシーンを進めたのだが?
スロットマシーンも金額をある程度注ぎ込むと、注ぎ込んだ分は帰って来るかそれ以上に膨らむという物でハマる者も多いが、それはコインがあればの話でコインが無くなれば諦めるしかないので問題は無いだろう。
そして闘技場に出たブレイドだったが、優勝は叶わずに三回戦で敗退した。
三回戦で当たった闘士は、レベル100越えの闘士でブレイドは納得がいかない顔をしていたが、神の瞳で鑑定をすると、闘士は過去に2階のクラスチェンジをしているという事が書かれていたので、それをブレイドに話すと納得した様な表情をした。
まぁ、上には上がいるという事を解っただけで収穫だっただろう。
そして僕等は再び合流をしてからVIPルームに移動した。
そこで出された料理は、確かに今迄に食べた料理の食材とは見た事も無い物ばかりだったが…味は期待する程のものでもなかった。
不味くはなかったが、とりたたて美味いという物でもなかった。
神の瞳の鑑定で、何処の大陸の物かを確認できたので後はその大陸に赴いてから探すとする事にした。
「あと2.3日ゆっくりしてから旅立つが、皆は予定とかはあるか?」
「私はカジノで負け分を取り返してきます!」
「ダーネリア、両親と同じ道に進みたいなら好きにしろ。」
「私はアクセサリーを買いに行きたいと思います。」
「自分も一緒に行こう!」
「ブレイドとルーナリアは買い物な、僕はどうするかな?」
「テイト君、カジノでもう1稼ぎしない?」
「ダーネリア、いい加減懲りる事を覚えろ!」
僕はダーネリアの意見を却下した。
ダーネリアを1人でカジノに行かせると、破産させそうな気がしたので買い物に連れ出す事にした。
考えてみれば、ダーネリアと2人きりというのは今までになかったから良いだろう。
ブレイドもルーナリアと別行動をするという事だしな。
そして残りの3日間は、色々買い物をしながら店を回っていた。
最後の日、僕達はカジノに行ってからラージバルに別れを告げると、ブレイドの故郷であるグリネシールに向かう事になった。
そしてそこでも、ダーネリアとルーナリアと同様にちょっとした揉め事が起きるのだった。
まぁ、ブレイドの故郷だし…英雄パーティーの一員なのだから何も問題が起こらないとは限らないからね。
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機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
30年待たされた異世界転移
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相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
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