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第二章
第二十六話・最終回 呆れ果てたテイト
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「テイト、どこへ行っていた⁉︎」
「別にお前に言う必要は無いだろ、こっちだって用事くらいはあるんだから。」
「待っていろと言っただろ‼︎」
「別に待つ必要は無いだろ?それにこうして戻って来たわけだしな。」
相変わらず偉そうだな。
まぁ、目的が大体分かっているからあしらい易いが…。
トールは、僕以外にブレイドやダーネリアとルーナリアを見て言った。
「それがパーティーメンバーか?」
「あぁ、僕のパーティーだ。」
「まぁ、良い…テイト、俺たちの所に戻って来い‼︎」
「戻る訳ねぇだろ、頭沸いているのか?」
「付き合いの浅い奴等より、付き合いの長い幼馴染の方が良いと思わないか?」
「付き合いの長い幼馴染は、僕を利用するだけ利用して必要無くなったら捨てるような奴だからな。それなら日が浅い奴の方が信用出来る‼︎」
この返答が予想外だったのか、トールは呆けた顔をしていた。
幼馴染の事を持ち出せば戻って来るとでも思っていたのか?
「何故だ!俺達がお前を必要としていると言っているんだぞ‼︎」
「寝言は寝て言えバーカ!アレだけの扱いをされて戻る訳ねぇだろ‼︎」
「何だと…?」
「お前の理由は大体分かっているよ。僕のスキルが必要なんだろ?」
「あぁ、お前の獲得経験値数○倍の能力が必要なんだ!」
やっぱりな…。
思った通りか、どうせだから少しからかってみるか。
「仮に…獲得経験値数○倍の力を得たとして、お前はどうするんだ?」
「俺達はその力を得てレベルを上げてから勇者に返り咲く!」
「お前じゃ無理だ、乗り気では無いが僕が勇者になってやるよ。」
「何だと?お前は勇者になるのが乗り気では無いと…」
「色々考えると、勇者特典は良いものが付いているからな。勇者になれば国から金が入るし、施設関係も使い放題だし、報酬の高い依頼を請けれるしな。」
「お前に勇者が務まると思っているのか⁉︎」
「俺はお前が勇者でやって来れたのが未だに謎としか思えねぇよ!」
勇者になるとは言ったが、この国の勇者になる気はない。
勇者になったとはいえ、国の重要書類を民間人に任せる様な国なんか、泥舟で他の大陸に渡るくらい危険で危ういからな。
「勇者になるのは俺だ!お前じゃ無い‼︎」
「そうか、なら頑張ってくれ!」
僕は宿に入ろうとすると呼び止められた。
「勇者に戻る為にお前のスキルが必要なんだよ‼︎」
「スキルに頼らないで自分達でレベル上げろよ。他の国の勇者はそうしているぞ?」
「それだと何年も掛かるだろう‼︎」
「いいじゃん、何年掛かったって…勇者に戻ると言う目標があるんだろ?それに向けて頑張れば良い。」
「モタモタしていたら、他の者が勇者になる可能性があるだろ!」
「可能性はあるな、ただすぐに勇者を手放すとは思うけど。」
「何でそう言える?」
「お前は勇者になった途端に面倒な書類仕事を全て僕に押し付けたら知らないだろうが、あの膨大な書類の量を目の前にすると、勇者を続けようとする意欲が沸かなくなるんだよ。」
「そんな物、誰かに任せれば良いだろ!」
「国の重要書類をか?他国に売り渡されて国が崩壊するかもしれない様な内容だぞ。」
本当にあの書類の山だけは、未だに夢に出てくることがある。
その書類を整理しながら、部屋が汚いから片付けろとか、飯を作れと言われて作り終えると、作るのが遅いとか言われて外で飯を食って来たとか言われた事もあった。
あの時は次の食事から毒でも入れてやろうかと思った事が何度かあった。
「あ、良い事を思い付いた!そうだよな、この国の重要書類の内容を他国に売れば良いんだ!そうすれば、他国から多額の金が僕のところに流れてくるんだし…お前が勇者になって迷惑でしか無かったが、これで少しは気分が晴れるな!」
「待て!そんな事をしたら…俺が勇者に戻れる道が断たれる‼︎」
「知った事か!自分でやらなければならない仕事を僕に任せてから、碌に給料も払わずにこき使った報いだ!」
なるほど、これを材料に交渉すれば良いな。
そうすればトールも無茶は言わないだろう。
「そんな事をしたら、お前は反逆罪で命を狙われるぞ!」
「その前に他国がこの国を攻め落とすさ。そしてお前はこの国では一生勇者になるという道は断たれる。」
「それはやめろ!」
「なら…僕がその情報を他国に売らない代わりに、僕のスキルには頼るな!僕のスキルに頼らない事を条件に地道にレベルを上げるなら僕は行動を起こさないでやる。」
トールは黙って考え込んでいた。
何を考えているかは知らんが、あの山の様な書類仕事をこなして来た僕の頭脳とトールのゴブリン並みの脳のしかない癖に僕と張り合おうとするなよ。
暫くしてから…トールは何かを思いついた様に話をし始めた。
「ハーネスト村の幼馴染規約を覚えているか?」
「子供の頃に決めたルールだっけか?そんな物もあったな!」
「なんだ、覚えてないのか?」
「覚えている訳ないだろ!何歳くらいの話だよ。」
「俺達は覚えているぞ‼︎」
トールは振り返ると、リガートとキリアとカルネアは頷いた。
何だっけか?
確か規約は10条あって、幼馴染を大事にしょうとか、幼馴染は常に協力し合おうとかだったかな?
「んで、それがどうかしたのか?」
「お前は忘れたのか⁉︎」
「忘れたというか、覚えてねぇよ!」
「覚えてないのか…俺達は覚えているのに!」
「それは面倒な仕事を全て僕に押し付けて、何の苦労もせずに過ごして来たから覚えているだけだろ?僕はお前が勇者時代に押し付けた膨大な仕事量のせいで、昔の記憶はほとんど忘れたんだよ。」
「何の苦労もせずに…だと⁉︎」
「お前等が何の苦労をしたんだよ!獲得経験値数○倍の効果で楽にレベルを上げて、面倒毎は全て僕に押し付けて、国からの金で豪遊したお前らが…」
「ぐ………まぁ、良い。お前は忘れているのなら思い出させてやるよ!【ハーネスト村の幼馴染規約第二条・幼馴染はいつまでも裏切らずに道を共に歩む事!】をな!」
「あ、思い出した!確かラティナが決めたルールだよな?」
「そうだよ、思い出したか!」
「んで、それが何だというんだ?」
トールは何が言いたいんだ?
それをダシに戻って来いとかいうんじゃないだろうな?
「お前が俺達を裏切って脅す様な真似は、規約に違反しているとは思わないのか⁉︎」
「やっぱ、お前馬鹿だろ?…ていうかさぁ、それはそのまま自分に跳ね返ると気付かないのか?」
「跳ね返る…?」
「僕を利用するだけ利用してから、足枷だから去れとか、寄生虫とか、目障りだから失せろとか散々罵る事を言った癖にその事は規約に違反していないのか?」
トールは…やっぱ馬鹿だった。
自分のやった事を忘れて、よく子供の頃に決めた規約を持ち出して来たな?
まさが、これがトールの奥の手か?
「お前はラティナを裏切るのか?」
「お前等が最初にラティナを裏切った事に気付いてないのか?」
なんか…この茶番にも飽きて来たな。
早く終わらないかなぁ?
トールも頭では僕に勝てない事をいい加減に気付けよ。
するとトールは、とんでもない事を言い出して来た。
「分かった、テイトに俺達のところに戻って来いとはもう言わん!代わりに俺達をテイトのパーティーに加えてくれないか?」
「はぁ?」
トールの言葉にブレイド達は吹いた。
僕は呆れてしまった。
「パーティーに加えてくれたら、俺達は邪魔にならない様に戦いには参加しないで…」
「言っておくが獲得経験値数○倍の効果は、ダメージを与えないと経験値は入らないぞ?それに戦いには参加しないで傍観するだけって…」
「そうなのか⁉︎」
「なんの時だっけな?魔獣を討伐した際に、カルネアだけがレベルが上がらない事があって文句を言われた事があった。カルネアは支援だけしていて攻撃に参加していないから通常の経験値しか入らずに、キレて僕を痛め付けたことがあっただろ?」
トールはカルネアを見ると、カルネアは思い出してから頷いた。
人には寄生虫とか言って罵った癖に、今度は自分達が寄生する気だったのか?
どうしようもない奴らだな…あ!
「パーティーメンバーに加えるには条件がある。この先に火山洞窟があり、その扉を潜ると石碑がある。そこではクラスチェンジが行えるので、せめてクラスチェンジできたらパーティーメンバーに加えてやるが…どうする?」
「クラスチェンジって、師匠が前に言っていたアレか?」
「僕は何も変わらなかったが、ブレイドはウォーリアからダークナイトに、ダーネリアは黒魔道士から黒魔導士に、ルーナリアは白魔道士から白魔導士にクラスチェンジして強くなっている。これからの旅に着いて来たければ、せめてクラスチェンジして強くなってからじゃないと、今のままでは足手纏いにしかならない。」
「という事は、俺達はさらに強さを手に入れられるという事か!」
トールは仲間に頷くと、仲間達も頷いてみせた。
そして「すぐに待っていろ!」と言い残してから火山洞窟に向かって行った。
「テイト…アイツ等に守護者の事は?」
「勿論言ってない。まぁ、あの石碑は瀕死を負っても死ぬ事はないらしいから大丈夫だろう。」
「奴を勇者にする為に経験値だけ稼がせてから…とか言っていなかったか?」
「気が変わった。アイツ等の話を聞いていて何か感じなかったか?」
「やたら態度が偉そうだった…位にしか。」
「謝罪が一切無いんだよ!まぁ、謝罪をした所で許す気もないが…」
「それでクラスチェンジの石碑の話をしたのか。」
「アイツ等は馬鹿だから、上手い話には飛び付くと踏んでいたが…面白い位に引っ掛かってくれたな。」
「お前は本当に敵に回したくないな。」
「今迄苦労をしてないんだから、少しは痛い目を見た方がいい。さて、話も終わったし…宿に戻って報告をしよう。」
僕達は宿に戻ってから、じっちゃんとばっちゃんに無事にクラスチェンジした事を報告した。
そして祝勝会を開いてくれてから、料理を楽しんだ。
トール達は、てっきり夕方になってから文句を言ってくると思っていたが?
翌日になっても戻って来なかった。
まぁ、アイツ等がどうなろうと知った事じゃない!
僕等は翌日、宿から出て次の目的地のチザンに向かうのだが…?
そこでまた更なる厄介事が待ち受けているのだが、楽な旅は無いのかねぇ?
こうして、次の物語は第三章に引き継がれる。
果たして、第三章からはどんな事が待ち受けているのだろうか?
「別にお前に言う必要は無いだろ、こっちだって用事くらいはあるんだから。」
「待っていろと言っただろ‼︎」
「別に待つ必要は無いだろ?それにこうして戻って来たわけだしな。」
相変わらず偉そうだな。
まぁ、目的が大体分かっているからあしらい易いが…。
トールは、僕以外にブレイドやダーネリアとルーナリアを見て言った。
「それがパーティーメンバーか?」
「あぁ、僕のパーティーだ。」
「まぁ、良い…テイト、俺たちの所に戻って来い‼︎」
「戻る訳ねぇだろ、頭沸いているのか?」
「付き合いの浅い奴等より、付き合いの長い幼馴染の方が良いと思わないか?」
「付き合いの長い幼馴染は、僕を利用するだけ利用して必要無くなったら捨てるような奴だからな。それなら日が浅い奴の方が信用出来る‼︎」
この返答が予想外だったのか、トールは呆けた顔をしていた。
幼馴染の事を持ち出せば戻って来るとでも思っていたのか?
「何故だ!俺達がお前を必要としていると言っているんだぞ‼︎」
「寝言は寝て言えバーカ!アレだけの扱いをされて戻る訳ねぇだろ‼︎」
「何だと…?」
「お前の理由は大体分かっているよ。僕のスキルが必要なんだろ?」
「あぁ、お前の獲得経験値数○倍の能力が必要なんだ!」
やっぱりな…。
思った通りか、どうせだから少しからかってみるか。
「仮に…獲得経験値数○倍の力を得たとして、お前はどうするんだ?」
「俺達はその力を得てレベルを上げてから勇者に返り咲く!」
「お前じゃ無理だ、乗り気では無いが僕が勇者になってやるよ。」
「何だと?お前は勇者になるのが乗り気では無いと…」
「色々考えると、勇者特典は良いものが付いているからな。勇者になれば国から金が入るし、施設関係も使い放題だし、報酬の高い依頼を請けれるしな。」
「お前に勇者が務まると思っているのか⁉︎」
「俺はお前が勇者でやって来れたのが未だに謎としか思えねぇよ!」
勇者になるとは言ったが、この国の勇者になる気はない。
勇者になったとはいえ、国の重要書類を民間人に任せる様な国なんか、泥舟で他の大陸に渡るくらい危険で危ういからな。
「勇者になるのは俺だ!お前じゃ無い‼︎」
「そうか、なら頑張ってくれ!」
僕は宿に入ろうとすると呼び止められた。
「勇者に戻る為にお前のスキルが必要なんだよ‼︎」
「スキルに頼らないで自分達でレベル上げろよ。他の国の勇者はそうしているぞ?」
「それだと何年も掛かるだろう‼︎」
「いいじゃん、何年掛かったって…勇者に戻ると言う目標があるんだろ?それに向けて頑張れば良い。」
「モタモタしていたら、他の者が勇者になる可能性があるだろ!」
「可能性はあるな、ただすぐに勇者を手放すとは思うけど。」
「何でそう言える?」
「お前は勇者になった途端に面倒な書類仕事を全て僕に押し付けたら知らないだろうが、あの膨大な書類の量を目の前にすると、勇者を続けようとする意欲が沸かなくなるんだよ。」
「そんな物、誰かに任せれば良いだろ!」
「国の重要書類をか?他国に売り渡されて国が崩壊するかもしれない様な内容だぞ。」
本当にあの書類の山だけは、未だに夢に出てくることがある。
その書類を整理しながら、部屋が汚いから片付けろとか、飯を作れと言われて作り終えると、作るのが遅いとか言われて外で飯を食って来たとか言われた事もあった。
あの時は次の食事から毒でも入れてやろうかと思った事が何度かあった。
「あ、良い事を思い付いた!そうだよな、この国の重要書類の内容を他国に売れば良いんだ!そうすれば、他国から多額の金が僕のところに流れてくるんだし…お前が勇者になって迷惑でしか無かったが、これで少しは気分が晴れるな!」
「待て!そんな事をしたら…俺が勇者に戻れる道が断たれる‼︎」
「知った事か!自分でやらなければならない仕事を僕に任せてから、碌に給料も払わずにこき使った報いだ!」
なるほど、これを材料に交渉すれば良いな。
そうすればトールも無茶は言わないだろう。
「そんな事をしたら、お前は反逆罪で命を狙われるぞ!」
「その前に他国がこの国を攻め落とすさ。そしてお前はこの国では一生勇者になるという道は断たれる。」
「それはやめろ!」
「なら…僕がその情報を他国に売らない代わりに、僕のスキルには頼るな!僕のスキルに頼らない事を条件に地道にレベルを上げるなら僕は行動を起こさないでやる。」
トールは黙って考え込んでいた。
何を考えているかは知らんが、あの山の様な書類仕事をこなして来た僕の頭脳とトールのゴブリン並みの脳のしかない癖に僕と張り合おうとするなよ。
暫くしてから…トールは何かを思いついた様に話をし始めた。
「ハーネスト村の幼馴染規約を覚えているか?」
「子供の頃に決めたルールだっけか?そんな物もあったな!」
「なんだ、覚えてないのか?」
「覚えている訳ないだろ!何歳くらいの話だよ。」
「俺達は覚えているぞ‼︎」
トールは振り返ると、リガートとキリアとカルネアは頷いた。
何だっけか?
確か規約は10条あって、幼馴染を大事にしょうとか、幼馴染は常に協力し合おうとかだったかな?
「んで、それがどうかしたのか?」
「お前は忘れたのか⁉︎」
「忘れたというか、覚えてねぇよ!」
「覚えてないのか…俺達は覚えているのに!」
「それは面倒な仕事を全て僕に押し付けて、何の苦労もせずに過ごして来たから覚えているだけだろ?僕はお前が勇者時代に押し付けた膨大な仕事量のせいで、昔の記憶はほとんど忘れたんだよ。」
「何の苦労もせずに…だと⁉︎」
「お前等が何の苦労をしたんだよ!獲得経験値数○倍の効果で楽にレベルを上げて、面倒毎は全て僕に押し付けて、国からの金で豪遊したお前らが…」
「ぐ………まぁ、良い。お前は忘れているのなら思い出させてやるよ!【ハーネスト村の幼馴染規約第二条・幼馴染はいつまでも裏切らずに道を共に歩む事!】をな!」
「あ、思い出した!確かラティナが決めたルールだよな?」
「そうだよ、思い出したか!」
「んで、それが何だというんだ?」
トールは何が言いたいんだ?
それをダシに戻って来いとかいうんじゃないだろうな?
「お前が俺達を裏切って脅す様な真似は、規約に違反しているとは思わないのか⁉︎」
「やっぱ、お前馬鹿だろ?…ていうかさぁ、それはそのまま自分に跳ね返ると気付かないのか?」
「跳ね返る…?」
「僕を利用するだけ利用してから、足枷だから去れとか、寄生虫とか、目障りだから失せろとか散々罵る事を言った癖にその事は規約に違反していないのか?」
トールは…やっぱ馬鹿だった。
自分のやった事を忘れて、よく子供の頃に決めた規約を持ち出して来たな?
まさが、これがトールの奥の手か?
「お前はラティナを裏切るのか?」
「お前等が最初にラティナを裏切った事に気付いてないのか?」
なんか…この茶番にも飽きて来たな。
早く終わらないかなぁ?
トールも頭では僕に勝てない事をいい加減に気付けよ。
するとトールは、とんでもない事を言い出して来た。
「分かった、テイトに俺達のところに戻って来いとはもう言わん!代わりに俺達をテイトのパーティーに加えてくれないか?」
「はぁ?」
トールの言葉にブレイド達は吹いた。
僕は呆れてしまった。
「パーティーに加えてくれたら、俺達は邪魔にならない様に戦いには参加しないで…」
「言っておくが獲得経験値数○倍の効果は、ダメージを与えないと経験値は入らないぞ?それに戦いには参加しないで傍観するだけって…」
「そうなのか⁉︎」
「なんの時だっけな?魔獣を討伐した際に、カルネアだけがレベルが上がらない事があって文句を言われた事があった。カルネアは支援だけしていて攻撃に参加していないから通常の経験値しか入らずに、キレて僕を痛め付けたことがあっただろ?」
トールはカルネアを見ると、カルネアは思い出してから頷いた。
人には寄生虫とか言って罵った癖に、今度は自分達が寄生する気だったのか?
どうしようもない奴らだな…あ!
「パーティーメンバーに加えるには条件がある。この先に火山洞窟があり、その扉を潜ると石碑がある。そこではクラスチェンジが行えるので、せめてクラスチェンジできたらパーティーメンバーに加えてやるが…どうする?」
「クラスチェンジって、師匠が前に言っていたアレか?」
「僕は何も変わらなかったが、ブレイドはウォーリアからダークナイトに、ダーネリアは黒魔道士から黒魔導士に、ルーナリアは白魔道士から白魔導士にクラスチェンジして強くなっている。これからの旅に着いて来たければ、せめてクラスチェンジして強くなってからじゃないと、今のままでは足手纏いにしかならない。」
「という事は、俺達はさらに強さを手に入れられるという事か!」
トールは仲間に頷くと、仲間達も頷いてみせた。
そして「すぐに待っていろ!」と言い残してから火山洞窟に向かって行った。
「テイト…アイツ等に守護者の事は?」
「勿論言ってない。まぁ、あの石碑は瀕死を負っても死ぬ事はないらしいから大丈夫だろう。」
「奴を勇者にする為に経験値だけ稼がせてから…とか言っていなかったか?」
「気が変わった。アイツ等の話を聞いていて何か感じなかったか?」
「やたら態度が偉そうだった…位にしか。」
「謝罪が一切無いんだよ!まぁ、謝罪をした所で許す気もないが…」
「それでクラスチェンジの石碑の話をしたのか。」
「アイツ等は馬鹿だから、上手い話には飛び付くと踏んでいたが…面白い位に引っ掛かってくれたな。」
「お前は本当に敵に回したくないな。」
「今迄苦労をしてないんだから、少しは痛い目を見た方がいい。さて、話も終わったし…宿に戻って報告をしよう。」
僕達は宿に戻ってから、じっちゃんとばっちゃんに無事にクラスチェンジした事を報告した。
そして祝勝会を開いてくれてから、料理を楽しんだ。
トール達は、てっきり夕方になってから文句を言ってくると思っていたが?
翌日になっても戻って来なかった。
まぁ、アイツ等がどうなろうと知った事じゃない!
僕等は翌日、宿から出て次の目的地のチザンに向かうのだが…?
そこでまた更なる厄介事が待ち受けているのだが、楽な旅は無いのかねぇ?
こうして、次の物語は第三章に引き継がれる。
果たして、第三章からはどんな事が待ち受けているのだろうか?
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