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第二章
第十九話 テイトの子供染みた復讐
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僕は馬車を止めてから、索敵魔法を展開した。
どうやらブレイド達は、3人で此方に向かっている様だった。
この辺は、滅多に馬車が通る事は無い道で悪戯を仕掛けるには持って来いだった。
さて…最近何かと調子に乗っている3人に悪戯を仕掛けるとするか!
まずは馬車をストレージにしまってから、罠を仕掛ける。
まさか街道のど真ん中に罠が仕掛けられているとは思わないだろう。
僕は貫通魔法という地面に5m位の穴を開けてから、入り口を偽装魔法で穴を消した。
そして僕は透明化魔法のインビジブルで姿を消すと、その場で待ち構えていた。
「さすがに補助魔法を掛けて貰っているとはいえ、馬車と人の足では速度が違う!」
「テイト君とは、あとどれ位離れているのかな?」
「車輪の後は続いておりますので、このまま行けば…キャ!」
突然ルーナリアが姿を消した。
ブレイドとダーネリアは、ルーナリアを探す為に周囲を探したが、何処に消えたか見付からなかった。
そしてブレイドはルーナリアの居た場所に行くと、忽然と姿を消して…ダーネリアが1人きりになっていた。
「ダーネリアの奴は落ちないな?まぁ、3人共落ちても面白くは無いし、ダーネリアには別の仕返しをするか!」
僕はスキル【派生】から姿を変える変身魔法を使用して、見るからに悪そうな悪の魔術師に姿を変化した。
そして突然姿を現してからダーネリアの前にでた。
「ちっ…1人残ったか!まぁ、良い。お前も私の実験に付き合って貰いますよ!」
「2人が消えたのは貴方の仕業なのね‼」
「そうですよ、あの2人は実験動物として有効活用致しますが…貴女はどうしましょうかねぇ?」
「抵抗させて貰うわ!そして2人を助けるだけよ‼」
ダーネリアは火炎魔法のフレアブラストを放ったが、僕は杖を取り出してから偽装を施してから前に構えた。
僕の体に当たる瞬間に、フレアブラストは霧散して消えた。
「貴女の抵抗とはこの程度ですか?これでは私には勝てませんよ。」
「2人の居場所を吐かせる為に態と弱い魔法を放ったけど、遠慮をしなくても良さそうね!」
ダーネリアは次々と魔法を放って来た。
僕は全ての魔法を弾いたりかき消して行った。
ダーネリアには何故攻撃魔法が届かないのかが理解出来なかった。
魔道士が魔法を放つ時は、常に冷静に感情をコントロールしろという風に教えた事が、2人を消された事により感情が高ぶっていて忘れている感じだった。
これではどんなにレベルが高くても、相手によっては通用しない場合がある。
僕はダーネリアの自滅を待った。
この調子で魔法を放っていれば、いずれは魔力が突きて動けなくなるからだ。
「なんで!何で当たらないの⁉」
「ふっふっふ…そんな事もわらないのですか?貴女の師は、大した事が無いお人の様ですね。」
僕はこんな魔法の使い方は教えてない!
復讐と今一度認識させる為に、少し怖い思いをさせますか!
焦りによって魔法の威力が雑になってきた所を狙って雷属性の拘束魔法のライトニングバインドで拘束した。
ライトニングバインドは、少し動く度に雷が反応して全身を痺れさせる効果がある。
ダーネリアは必死に藻搔いて拘束を解こうとしたが、その度に体に全身電機が走って上手く体を動かせられなかった。
僕はその隙に落とし穴の偽装を解除すると、穴が出現してその穴を覗き込んだ。
するとブレイドとルーナリアが身動きがロクに取れない状態でいた。
僕はその穴の中に油魔法を注ぎ込んでから、小さな火球を放り込んだ。
穴の中から2人の悲鳴が聞こえて来たのだった。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ブレイド様!お姉ちゃん‼」
「御安心しなさい、殺してはいませんから。ただ、万全の状態で動かれるのは迷惑なので、少し弱らせているだけですから。」
白魔道士は、いつ如何なる時でも攻撃に対処出来る様に備えよと教えたつもりだったけど、その対処が出来ていなかったみたいだった。
どうやら仲間と常に一緒にいる事により気が緩んでいるのだろう。
多少の火傷を負わせたが、この程度なら2人のレベルなら致命傷にはならない。
「わ…私達をどうする気なのよ⁉」
「そうですねぇ?男は適当に弱らせてから実験台になって貰って、女は凌辱しながら楽しみますか!」
「絶対に嫌よ!それよりも何でこの拘束は解けないのよ!私はレベル100越えなのに…」
「おやおや、面白い事を仰いますね?まさかレベル100越えが自分達だけだとでも思ったのですか?」
「私をさっさと開放しなさい!さもないと、仲間に貴方は殺されるわよ‼」
僕は穴の中を覗き込んだ後に、左右を見てからフッと笑った。
「肝心の2人の仲間は穴の底に居ますし、それ以外に何処に貴女の仲間がいらっしゃるのですか?」
「私のパーティーリーダーは、英雄テイト君よ!」
「英雄様…ですか?あぁ、この剣の持ち主だった方ですか!」
僕は木の棒に偽装を施してから、ミスリル魔鉱石の片手剣が折れた状態の物を見せた。
ダーネリアは驚愕な表情を浮かべていた。
「あの人が英雄様だったのですか、彼には中々手古摺らされましたからね。この街道の先の方で死体になって転がっていますので…今頃は死鳥に死体を喰われている最中ではないでしょうかね?」
「まさか、テイト君が…嘘を付かないでよ‼」
「この剣だけでは証拠にはなりませんか?では、此方ならどうでしょうか?」
僕は少し離れた場所に行ってから、頭位の大きさの岩に偽装を施してから僕の頭に姿を変えた。
物凄くリアルすぎて、少し気持ち悪くなった。
僕はその頭の髪を掴んでから、ダーネリアに放り投げた。
ダーネリアは偽装された僕の頭を見て、悲鳴を上げた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
すると穴からブレイドの声が響いて来た。
「どうしたダーネリア⁉」
「お仲間さんにも見せた方が早いですね。」
僕はダーネリアの前に転がっている僕の頭を拾い上げてから、穴の中に放り込んだ。
するとダーネリア同様に、ルーナリアも悲鳴を上げた。
僕は穴の中に向かって叫んだ。
「この首は貴方の御仲間さんの様ですね?彼には手古摺らされましたが、こうして始末が出来ました。これで貴方達を助ける者が居なくなりましたので、どんなに待っていても助けは来ませんよ。」
僕はダーネリアと穴の中にいるブレイドとルーナリアに睡眠魔法を放った。
絶望感に浸っている者には魔法は物凄く掛かり易い。
3人は眠りこけると、貫通魔法を解除してから地面を戻してから回復魔法を放ってから元の状態に戻した。
だが、僕の復讐はこれで終わる事は無い。
僕は3人を見守りながら、夜になるまで待った。
そして僕は偽装である姿に変化した。
それは先程、岩の頭に僕の頭を偽装した物を脇に抱えてから僕の頭は魔法で消してから、まるでデュラハンの様な姿で3人の目の前に立っていた。
更に丸めた毛布に偽装を施して、先程ダーネリアの前に現れた魔道士の死体に似せてたのだった。
「さて、第二の復讐開始!」
僕は睡眠魔法を解除すると、3人は目を覚ました。
「あれは…夢だったのか?」
ブレイドが最初に目を覚まして僕を見た。
すると、ブレイドは信じられないものを見た表情を浮かべていた。
「やぁ、ブレイド…皆の危険を感じて冥府から戻って来たよ。先程の魔道士は僕が始末したから安心してくれ。」
「お前は…テイトなのか⁉」
「僕は昼間に索敵魔法で調べてみると、追ってくるのを確認してね。可哀想になったので迎えに行こうとすると、魔道士らしきこの男に殺されてね。そして首をそのまま持って行かれたんだけど、その後に僕はデュラハンとして甦ってから復讐を果たす事が出来た。」
「じゃあ、テイトはもうこの世には?」
「あぁ、日の光を浴びたら僕は綺麗に消えてこの世から去るだろう。復讐を果たした事で、未練はもう無いからね。」
「なら…俺達の旅はここで終わりなのか?」
「あぁ、今迄ありがとうな…楽しかった!」
僕は周囲の空に偽装を施してから、朝日を演出した。
「テイト君⁉」
「テイト様⁉」
「あぁ、2人とも起きたのか。だが、少し遅かったな。」
僕は朝日を浴びると、その身体が少しずつ消えて行く演出をした。
「さらばだ、皆!次に会う時は死んだ時だな!」
「そ…んな…」
「待ってよ!テイト君!」
「じゃあな!」
僕は完全に消滅した…様に斬り魔法で演出した。
そしてすぐに睡眠魔法で3人を眠らせた。
「さてと、次は…?」
僕は3人の荷物から、それぞれ金が入った袋と食べ物を取り出してから空間魔法に収納した。
その後、朝になるまでその場で見張りをすると、馬車を出現させてから村人の荷馬車に見える様に偽装を施した。
そして朝日が昇った頃に僕は村人の老人に偽装して、ブレイドの頬を叩いて起こした。
「ん?朝か!」
「おめぇさん、何しとるだ?」
「実は、昨日…仲間の死を目の当たりにしてな。」
「お仲間さんがお亡くなりになったべか?」
「あぁ、爺さんが知っているかどうかは解らんが…英雄テイトだ。」
「わーっはっはっはっはっは!」
「おい、爺さん!仲間の死を笑うとは‼」
「おめぇさんらがおんもしれえ事を言っているから笑っちまったんだべ!英雄様だったら、先程ここに来る前に助けて貰っただべよ!」
「え?テイトにか⁉」
「んだ、この先の街道でオーク共に襲われていた所を、英雄様が全て斬り倒してくれたべ!それで名のある方だと思って名を聞いたら、テイトと名乗っていたべ!まんさか、こんな場所で英雄様に会えるとはのぉ!」
「では、俺達が昨日見たテイトは何だったんだ⁉」
「そんれは、ミラージュラクーンの群れで幻術を掛けられたんだな!奴等はそうやって旅人を眠らせてから夢を見させて、金や食べ物を奪って行くんさ!」
ブレイドは、ダーネリアとルーナリアを起こすと、道具を確認する様に言った。
だが案の定、道具袋の中から金の袋と食料が消えていたのだった。
「俺の金も食料もない!」
「私のもありません!」
「私もです!」
「ほんれみろ、おまえたつは狸に化かされたんだべ!何てマヌケな人達だな、こんなに強そうなのに!」
「なぁ、爺さん!テイトはこの先にいるんだな?」
「あぁ、この先の村の方に行くと言っていたべ!」
「ダーネリア、ルーナリア用意しろ!」
「でも、私達は昨日から何も食べていなくて…」
僕は西瓜くらい大きな青い柿を取り出してから、真っ赤に見えるように偽装した物を3人に渡した。
見た目はとっても美味そうに見えるのだが、中身は青くて物凄い渋みとえぐみが酷く、食べるとその不味さに涙を流すという物だった。
僕は馬車を発車させてから手を振って別れると、3人がその柿を頬張って食べた瞬間に…あまりの不味さに悲鳴を上げていた。
だがそれでも量だけなら空腹を満たせるので、無理して食べ切ってからテイトの言った村の方向に進んで行ったのだった。
僕はある程度行ってから大爆笑しながら偽装を解くと、馬車をストレージに入れてから浮遊魔法で先回りをする様に皆を追い越して行った。
そして村が見える場所に着いてから再び馬車を取り出すと、村に入って行った。
そこで僕は食堂で食事をしてから、馬車の中で3人が来るのを待った。
翌日、3人が村に来ると…次の悪戯を仕掛ける準備を始めた。
悪いがこれで僕の悪戯が終わった訳ではない。
調子に乗った3人には、もう少し苦しんで貰うとしよう。
僕のやっている事は、そんなに酷くはないですよね?
どうやらブレイド達は、3人で此方に向かっている様だった。
この辺は、滅多に馬車が通る事は無い道で悪戯を仕掛けるには持って来いだった。
さて…最近何かと調子に乗っている3人に悪戯を仕掛けるとするか!
まずは馬車をストレージにしまってから、罠を仕掛ける。
まさか街道のど真ん中に罠が仕掛けられているとは思わないだろう。
僕は貫通魔法という地面に5m位の穴を開けてから、入り口を偽装魔法で穴を消した。
そして僕は透明化魔法のインビジブルで姿を消すと、その場で待ち構えていた。
「さすがに補助魔法を掛けて貰っているとはいえ、馬車と人の足では速度が違う!」
「テイト君とは、あとどれ位離れているのかな?」
「車輪の後は続いておりますので、このまま行けば…キャ!」
突然ルーナリアが姿を消した。
ブレイドとダーネリアは、ルーナリアを探す為に周囲を探したが、何処に消えたか見付からなかった。
そしてブレイドはルーナリアの居た場所に行くと、忽然と姿を消して…ダーネリアが1人きりになっていた。
「ダーネリアの奴は落ちないな?まぁ、3人共落ちても面白くは無いし、ダーネリアには別の仕返しをするか!」
僕はスキル【派生】から姿を変える変身魔法を使用して、見るからに悪そうな悪の魔術師に姿を変化した。
そして突然姿を現してからダーネリアの前にでた。
「ちっ…1人残ったか!まぁ、良い。お前も私の実験に付き合って貰いますよ!」
「2人が消えたのは貴方の仕業なのね‼」
「そうですよ、あの2人は実験動物として有効活用致しますが…貴女はどうしましょうかねぇ?」
「抵抗させて貰うわ!そして2人を助けるだけよ‼」
ダーネリアは火炎魔法のフレアブラストを放ったが、僕は杖を取り出してから偽装を施してから前に構えた。
僕の体に当たる瞬間に、フレアブラストは霧散して消えた。
「貴女の抵抗とはこの程度ですか?これでは私には勝てませんよ。」
「2人の居場所を吐かせる為に態と弱い魔法を放ったけど、遠慮をしなくても良さそうね!」
ダーネリアは次々と魔法を放って来た。
僕は全ての魔法を弾いたりかき消して行った。
ダーネリアには何故攻撃魔法が届かないのかが理解出来なかった。
魔道士が魔法を放つ時は、常に冷静に感情をコントロールしろという風に教えた事が、2人を消された事により感情が高ぶっていて忘れている感じだった。
これではどんなにレベルが高くても、相手によっては通用しない場合がある。
僕はダーネリアの自滅を待った。
この調子で魔法を放っていれば、いずれは魔力が突きて動けなくなるからだ。
「なんで!何で当たらないの⁉」
「ふっふっふ…そんな事もわらないのですか?貴女の師は、大した事が無いお人の様ですね。」
僕はこんな魔法の使い方は教えてない!
復讐と今一度認識させる為に、少し怖い思いをさせますか!
焦りによって魔法の威力が雑になってきた所を狙って雷属性の拘束魔法のライトニングバインドで拘束した。
ライトニングバインドは、少し動く度に雷が反応して全身を痺れさせる効果がある。
ダーネリアは必死に藻搔いて拘束を解こうとしたが、その度に体に全身電機が走って上手く体を動かせられなかった。
僕はその隙に落とし穴の偽装を解除すると、穴が出現してその穴を覗き込んだ。
するとブレイドとルーナリアが身動きがロクに取れない状態でいた。
僕はその穴の中に油魔法を注ぎ込んでから、小さな火球を放り込んだ。
穴の中から2人の悲鳴が聞こえて来たのだった。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ブレイド様!お姉ちゃん‼」
「御安心しなさい、殺してはいませんから。ただ、万全の状態で動かれるのは迷惑なので、少し弱らせているだけですから。」
白魔道士は、いつ如何なる時でも攻撃に対処出来る様に備えよと教えたつもりだったけど、その対処が出来ていなかったみたいだった。
どうやら仲間と常に一緒にいる事により気が緩んでいるのだろう。
多少の火傷を負わせたが、この程度なら2人のレベルなら致命傷にはならない。
「わ…私達をどうする気なのよ⁉」
「そうですねぇ?男は適当に弱らせてから実験台になって貰って、女は凌辱しながら楽しみますか!」
「絶対に嫌よ!それよりも何でこの拘束は解けないのよ!私はレベル100越えなのに…」
「おやおや、面白い事を仰いますね?まさかレベル100越えが自分達だけだとでも思ったのですか?」
「私をさっさと開放しなさい!さもないと、仲間に貴方は殺されるわよ‼」
僕は穴の中を覗き込んだ後に、左右を見てからフッと笑った。
「肝心の2人の仲間は穴の底に居ますし、それ以外に何処に貴女の仲間がいらっしゃるのですか?」
「私のパーティーリーダーは、英雄テイト君よ!」
「英雄様…ですか?あぁ、この剣の持ち主だった方ですか!」
僕は木の棒に偽装を施してから、ミスリル魔鉱石の片手剣が折れた状態の物を見せた。
ダーネリアは驚愕な表情を浮かべていた。
「あの人が英雄様だったのですか、彼には中々手古摺らされましたからね。この街道の先の方で死体になって転がっていますので…今頃は死鳥に死体を喰われている最中ではないでしょうかね?」
「まさか、テイト君が…嘘を付かないでよ‼」
「この剣だけでは証拠にはなりませんか?では、此方ならどうでしょうか?」
僕は少し離れた場所に行ってから、頭位の大きさの岩に偽装を施してから僕の頭に姿を変えた。
物凄くリアルすぎて、少し気持ち悪くなった。
僕はその頭の髪を掴んでから、ダーネリアに放り投げた。
ダーネリアは偽装された僕の頭を見て、悲鳴を上げた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
すると穴からブレイドの声が響いて来た。
「どうしたダーネリア⁉」
「お仲間さんにも見せた方が早いですね。」
僕はダーネリアの前に転がっている僕の頭を拾い上げてから、穴の中に放り込んだ。
するとダーネリア同様に、ルーナリアも悲鳴を上げた。
僕は穴の中に向かって叫んだ。
「この首は貴方の御仲間さんの様ですね?彼には手古摺らされましたが、こうして始末が出来ました。これで貴方達を助ける者が居なくなりましたので、どんなに待っていても助けは来ませんよ。」
僕はダーネリアと穴の中にいるブレイドとルーナリアに睡眠魔法を放った。
絶望感に浸っている者には魔法は物凄く掛かり易い。
3人は眠りこけると、貫通魔法を解除してから地面を戻してから回復魔法を放ってから元の状態に戻した。
だが、僕の復讐はこれで終わる事は無い。
僕は3人を見守りながら、夜になるまで待った。
そして僕は偽装である姿に変化した。
それは先程、岩の頭に僕の頭を偽装した物を脇に抱えてから僕の頭は魔法で消してから、まるでデュラハンの様な姿で3人の目の前に立っていた。
更に丸めた毛布に偽装を施して、先程ダーネリアの前に現れた魔道士の死体に似せてたのだった。
「さて、第二の復讐開始!」
僕は睡眠魔法を解除すると、3人は目を覚ました。
「あれは…夢だったのか?」
ブレイドが最初に目を覚まして僕を見た。
すると、ブレイドは信じられないものを見た表情を浮かべていた。
「やぁ、ブレイド…皆の危険を感じて冥府から戻って来たよ。先程の魔道士は僕が始末したから安心してくれ。」
「お前は…テイトなのか⁉」
「僕は昼間に索敵魔法で調べてみると、追ってくるのを確認してね。可哀想になったので迎えに行こうとすると、魔道士らしきこの男に殺されてね。そして首をそのまま持って行かれたんだけど、その後に僕はデュラハンとして甦ってから復讐を果たす事が出来た。」
「じゃあ、テイトはもうこの世には?」
「あぁ、日の光を浴びたら僕は綺麗に消えてこの世から去るだろう。復讐を果たした事で、未練はもう無いからね。」
「なら…俺達の旅はここで終わりなのか?」
「あぁ、今迄ありがとうな…楽しかった!」
僕は周囲の空に偽装を施してから、朝日を演出した。
「テイト君⁉」
「テイト様⁉」
「あぁ、2人とも起きたのか。だが、少し遅かったな。」
僕は朝日を浴びると、その身体が少しずつ消えて行く演出をした。
「さらばだ、皆!次に会う時は死んだ時だな!」
「そ…んな…」
「待ってよ!テイト君!」
「じゃあな!」
僕は完全に消滅した…様に斬り魔法で演出した。
そしてすぐに睡眠魔法で3人を眠らせた。
「さてと、次は…?」
僕は3人の荷物から、それぞれ金が入った袋と食べ物を取り出してから空間魔法に収納した。
その後、朝になるまでその場で見張りをすると、馬車を出現させてから村人の荷馬車に見える様に偽装を施した。
そして朝日が昇った頃に僕は村人の老人に偽装して、ブレイドの頬を叩いて起こした。
「ん?朝か!」
「おめぇさん、何しとるだ?」
「実は、昨日…仲間の死を目の当たりにしてな。」
「お仲間さんがお亡くなりになったべか?」
「あぁ、爺さんが知っているかどうかは解らんが…英雄テイトだ。」
「わーっはっはっはっはっは!」
「おい、爺さん!仲間の死を笑うとは‼」
「おめぇさんらがおんもしれえ事を言っているから笑っちまったんだべ!英雄様だったら、先程ここに来る前に助けて貰っただべよ!」
「え?テイトにか⁉」
「んだ、この先の街道でオーク共に襲われていた所を、英雄様が全て斬り倒してくれたべ!それで名のある方だと思って名を聞いたら、テイトと名乗っていたべ!まんさか、こんな場所で英雄様に会えるとはのぉ!」
「では、俺達が昨日見たテイトは何だったんだ⁉」
「そんれは、ミラージュラクーンの群れで幻術を掛けられたんだな!奴等はそうやって旅人を眠らせてから夢を見させて、金や食べ物を奪って行くんさ!」
ブレイドは、ダーネリアとルーナリアを起こすと、道具を確認する様に言った。
だが案の定、道具袋の中から金の袋と食料が消えていたのだった。
「俺の金も食料もない!」
「私のもありません!」
「私もです!」
「ほんれみろ、おまえたつは狸に化かされたんだべ!何てマヌケな人達だな、こんなに強そうなのに!」
「なぁ、爺さん!テイトはこの先にいるんだな?」
「あぁ、この先の村の方に行くと言っていたべ!」
「ダーネリア、ルーナリア用意しろ!」
「でも、私達は昨日から何も食べていなくて…」
僕は西瓜くらい大きな青い柿を取り出してから、真っ赤に見えるように偽装した物を3人に渡した。
見た目はとっても美味そうに見えるのだが、中身は青くて物凄い渋みとえぐみが酷く、食べるとその不味さに涙を流すという物だった。
僕は馬車を発車させてから手を振って別れると、3人がその柿を頬張って食べた瞬間に…あまりの不味さに悲鳴を上げていた。
だがそれでも量だけなら空腹を満たせるので、無理して食べ切ってからテイトの言った村の方向に進んで行ったのだった。
僕はある程度行ってから大爆笑しながら偽装を解くと、馬車をストレージに入れてから浮遊魔法で先回りをする様に皆を追い越して行った。
そして村が見える場所に着いてから再び馬車を取り出すと、村に入って行った。
そこで僕は食堂で食事をしてから、馬車の中で3人が来るのを待った。
翌日、3人が村に来ると…次の悪戯を仕掛ける準備を始めた。
悪いがこれで僕の悪戯が終わった訳ではない。
調子に乗った3人には、もう少し苦しんで貰うとしよう。
僕のやっている事は、そんなに酷くはないですよね?
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