36 / 65
第二章
第十二話 禁じられた…悪ふざけ!
しおりを挟む
化け物となったフォンクオーツは、街の中を彷徨っていた。
まずフォンクオーツが向かったのは、食堂のあった場所だった。
中に入り手当たり次第の物を破壊し尽くしたが、奴等は見付からなった。
だが、フォンクオーツは長居をしていた所為か、周りに冒険者と街の兵士で囲まれていた…が、フォンクオーツの敵ではなくて蹴散らせて行くと、テイト達が泊まっている宿屋とは別方向の街の反対側の一番高い場所の外壁に登ってから叫んだ。
『おい小僧(フォンクオーツはテイトの名前を知らない。)とスウォード(ブレイドと改名された事をフォンクォーツは知らない。)と胸のデカい女2人(ダーネリアとルーナリアが双子だという事を知らない。)は、俺様と戦え!俺様と初めて出遭った因縁の地で待っている!必ずその場所まで来い、待っているぞ‼来なければ、この街の者達を皆殺しにしてやろう‼』
そう言い残してフォンクォーツは、以前グリフォンがいたギャルクラド山の山頂に向かって走って行った。
だが、テイト達が泊まっていた宿は、この街では3番目に高い宿で壁は薄くなく防音効果に優れている為に外の音は全く聞こえなかった。
その頃、テイト達は何をしていたかというと…?
ミレイとダーネリアとルーナリアが入浴中で、テイトはコッソリ覗きに行こうとしている所を、ブレイドとラキに妨害されていた為に、外の事には全く気付かなかった。
「何故だ!何故覗きに行く事を邪魔する⁉」
「当たり前だ!あそこにはルーナリアがいるんだぞ‼」
「ボクの姉ちゃんもいるんだ‼」
「僕はダーネリアの裸を見るだけだ!はずみで他の2人も見えてしまう可能性があるかもしれないが…」
「それを許さないと言っているんだ‼」
「どけ!ブレイド…それにお前が僕に勝てると思っているのか?」
「ルーナリアの裸を見に行くとするならば、お前でも斬る‼」
「ふっ…麻痺魔法・パラライズ!」
僕はブレイドに麻痺魔法のパラライズを放った。
すると2人は身動きが取れずに地面に伏していた。
「テイト貴様…仲間に魔法を放つとは⁉」
「そこで大人しく待って居ろ!では、いざ桃源郷へ‼」
僕は行こうとすると、ブレイドは僕の足首を掴んだ。
麻痺して動けない筈なのに、力がやたら強かった。
「ブレイド…何故動ける⁉」
「お前を行かせない為にだ‼」
「大丈夫だ、安心しろ!彼女達を見る迄はイク事は無い!」
「貴様は一体何の話をしているんだ⁉」
「しつこいな…雷属性防御魔法・ショックスパイク‼」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ショックスパイクは、攻撃に対して雷属性で反撃する防御魔法だ。
僕の足首を掴んでいるブレイドは、感電して叫び声を上げたのだった。
「これでも離さないか!」
「俺は…彼女達が風呂から出るまで離すつもりはない!もう少しすれば…彼女達も風呂から出る筈だ‼」
「残念だったなブレイド、女の風呂は長いんだ!いつまで僕に付き合えるかな?」
「何だと⁉クソォ、俺の力にも限界が…」
「ならば…筋力低下魔法・パワーロス‼」
「ぐっ…なんだ、力が抜ける!テイト、お前はそういう事をする様な奴ではなかっただろう!」
「子作りや行為はまだ良いというだけで、女の子の裸には興味はある‼︎」
「威張って言うな、絶対に行かせないぞ‼」
僕は必死に振り解こうとするが、ブレイドは足首を離す事は無かった。
それどころか、立ち上がって僕を羽交い絞めにしたのだった。
「ブレイド、何故動ける様になった⁉」
「テイト、お前はタンクというジョブを知らなさすぎるぞ!レベルが上がった事による所為か、ステータス障害レジストが身に付いたみたいだった。なので麻痺魔法がレジストされたのだ‼」
「なら、弱点を攻めるしかないな!ブレイドはルーナリアの体には大丈夫でも、他の女の体にはまだ抵抗があるだろう?」
「それはどういう意味だ⁉」
「見せてやろう…性別反転魔法・メイク!」
この魔法は、派生から偶然発見された魔法の1つで女性になれるという魔法だった。
潜入調査や女性でしか入れない場所に入る為に役立つ魔法だった。
ただ、使うのは初めてで発動した瞬間…男の体を女の体に作り替える為に、酷く激痛に悩まされるとは思わなかった。
「ぎゃーーーーーー!!!」
「な、どうした?」
「体が熱くて…痛い‼」
「魔法に失敗したのか?残念だったな!」
そして体の痛みが無くなって行き…体の熱さも無くなると、僕の体は女性の体になっていた。
魔法は成功したのだった。
「痛いわ、離してよブレイド…」
「テイト、お前の声が女の声になっているぞ⁉」
「魔法が成功したんだよ。更に、衣装メイド服、髪型ロングヘア!」
「貴様…何の真似だ⁉」
「この状態をルーナリアに見られたらどう言い訳をする⁉僕は、部屋を訪れたら騎士様に無理矢理ベッドに連れ込まれたというぞ‼」
「なんて卑劣な…」
ブレイドの力が若干弱まった。
僕は振り解いて逃げようとするが、男ならともかく女の体では男の様に筋力が無かった。
なるほど、女になるとこういう弱点もあるのか。
あ、そうだ!
「ブレイド、気付いているかどうか解らないけど、お前さっきから僕の胸を掴んでいるのを気付いているか?」
「な⁉そんな筈は…?」
「隙あり‼」
僕はブレイドから完全離脱すると、振り返ってから鳩尾に手を当ててから掌底を放った!
ブレイドは掌底の衝撃波で体が九の字に曲がったのだった。
そしてスグに欲情に…もとい、浴場に向かおうとすると、3人が風呂から上がった様だった。
「残念だったな、テイト!」
「覗きは失敗したが、ブレイドのピンチという事には変わらないぞ!」
「それはどういう意味だ⁉」
「女性はな、女性の発言を信じるものなんだよ。男がどんなに言い訳をしてもな!」
「テイト…何を言うつもりだ⁉」
すると3人が部屋に入って来たので、僕はしゃがみ込んでから手で顔を覆って泣くフリをしていた。
さてブレイドよ、修羅場を経験して貰おう。
「どうしたの?何があったの⁉」
「私が御用伺いに部屋に入ったら、そこの騎士様が私を無理矢理部屋に引き込んでから、ベッドに押し倒して如何わしい事を…」
僕の発言によって、3人はブレイドを睨んだ。
するとブレイドはすかさず反論した。
「そのメイドはテイトだ!テイトが魔法で化けているんだよ‼」
「テイト様は先程、私と入れ替わりに部屋を出て行きました。」
「ですってよ、ブレイド様…これはどういう事ですか?」
僕は3人に囲まれてブレイドを見ると、ドヤ顔をしてみせた。
ブレイドは物凄く悔しそうな顔をしている。
「ルーナリア信じてくれ!俺は嘘は言っていない‼」
「そこの騎士様は、私をベッドに押し倒した時に予行練習に付き合えと言って、どこを触れば女は悦ぶと言って色々と触られて…」
「いや、本当にそいつはテイトなんだ‼」
「いつまでそんな嘘を?」
「なら、ここで待っていれば良い!テイトが帰って来なければ、その女がテイトだと分かる筈だから‼」
「それは困りますわ、私は他の部屋の仕事をしないと参りませんので…そうしないと、クビになってしまいます!」
「引き留めてしまって悪かったわね、仲間が申し訳ありません。」
僕はそう言って扉に手を掛けると、ブレイドは思い出した様に言った。
「ラキが麻痺魔法で痺れて動けないんだ!ルーナリア、ラキに魔法解除を行ってくれ!ラキもテッドが変身している所を見ている筈だから。」
「やばいな、ブレイドの奴…意外に頭の回転が速いな!」
僕は扉を開けて部屋を出ようとすると、麻痺魔法を解除されたラキが僕を指さして言った。
「そのメイドは、テイト兄ちゃんが魔法で化けた姿だ‼」
「ちっ…」
僕は急いで部屋を後にしようとすると、ダーネリアに魔法鎖の拘束魔法で縛られた。
ここまでなると、言い訳が出来ない。
僕は魔法を解除してから言い訳をしたのだった。
ただその際に、男に戻る時に激痛に悩まされたのは言うまでもない。
「本当にテイト君だったのね?」
「テイト様、これはどういう事ですか?」
「実験だよ、今回の件でブレイドとルーナリアは晴れて恋人同士になった…その為にお互いを信じられるかどうかというテストをしてみたんだよ。ルーナリアは疑ってブレイドの言う事を信じてないみたいだったけどな!」
「そ…それは。」
「だから俺は偽りなど申していないと何度も…」
よし、これで有耶無耶に出来た。
後は真実が発覚されるまで、僕は部屋の外に…。
僕は扉を開けて部屋を出ようとすると、ラキが叫んだのだった。
「違う!テイト兄ちゃんは、姉ちゃん達の風呂を覗こうとして、ボクとブレイド兄ちゃんに魔法を掛けて動けなくしたんだ‼」
僕は急いで部屋を出ようとすると、再びダーネリアの魔法鎖が飛んできた。
僕は反射魔法でダーネリアに魔法を返した。
「ダーネリア、その魔法を誰が教えたと思っているんだい?」
「う…動けない!」
「それに…光魔法フラッシュ!」
僕は部屋を光魔法のフラッシュで皆の目を眩ませた。
その隙に僕は部屋を出て行ったのだった。
ほとぼりが冷めれば、皆が忘れる事を祈って…。
…とはいえ、手ぶらで帰るのは申し訳ないと思って何か菓子類でも買おうと街の中を歩いていた。
すると、何やら兵士や冒険者達が走り回っていた。
僕はあけぼの食堂があった場所の前を通ると、数人の冒険者が倒れていたので、回復魔法を施して事情を聞いたのだった。
「先程、恐ろしい姿をした化け物が街の中を徘徊して誰かを探し回っていたみたいで…」
「その魔物は、小僧とスウォードという者と巨乳の女2人を連れた者達に、初めて会った因縁の場所で待っていると言い残して消えて行ったんです。」
「小僧って…僕の事か?ブレイドの前の名前を出すくらいだから間違いないだろう。という事は、初めて会った因縁の場所というのは、恐らくギャルクラド山の事だよな?」
「その場所に来なければ、この街の住人を皆殺しにすると。」
スウォードという名前を知っているという事は、恐らくフォンクォーツだよな?
化け物になったという事は、何かのクスリでも使ったのか?
あいつ…生きていたんだな。
「仕方ない、行くとするか!今回は仲間には頼れないだろうから、僕だけで倒しに行くとしよう。」
僕は近くの兵士に宿にいる者達への手紙を託すと、ギャルクラド山に向かって浮遊魔法で飛んで行った。
そこで僕は…仲間がいる事で使えなかった、真の力を発揮する事になる。
~~~~~その頃、元勇者パーティー達は?~~~~~
トールはやっと王都に着いたのだった。
そしてまずは腹ごしらえという事で、冒険者ギルドの酒場に入って行った。
食事をするのもそうだが、テイトの情報を集めるという事を兼ねていたからだった。
トール達は久々に冒険者ギルドの料理を食べて、満足そうな顔をしていた。
そして腹を満たしたトール達は、テーブルの端にある新聞に目が付いた。
「な…何だと⁉」
「どうしたトール?」
「テイトの事が載っている!アイツは今やSランクだ‼」
「あのテイトがSランクですって⁉」
「何を成し遂げてSランクになったのよ⁉」
トール達は新聞を読んだ。
そこにはとても信じられない事が書いてあったのだった。
その内容は…次回に持ち越されます。
お楽しみにされていた読者の方々、ごめんなさいね!
まずフォンクオーツが向かったのは、食堂のあった場所だった。
中に入り手当たり次第の物を破壊し尽くしたが、奴等は見付からなった。
だが、フォンクオーツは長居をしていた所為か、周りに冒険者と街の兵士で囲まれていた…が、フォンクオーツの敵ではなくて蹴散らせて行くと、テイト達が泊まっている宿屋とは別方向の街の反対側の一番高い場所の外壁に登ってから叫んだ。
『おい小僧(フォンクオーツはテイトの名前を知らない。)とスウォード(ブレイドと改名された事をフォンクォーツは知らない。)と胸のデカい女2人(ダーネリアとルーナリアが双子だという事を知らない。)は、俺様と戦え!俺様と初めて出遭った因縁の地で待っている!必ずその場所まで来い、待っているぞ‼来なければ、この街の者達を皆殺しにしてやろう‼』
そう言い残してフォンクォーツは、以前グリフォンがいたギャルクラド山の山頂に向かって走って行った。
だが、テイト達が泊まっていた宿は、この街では3番目に高い宿で壁は薄くなく防音効果に優れている為に外の音は全く聞こえなかった。
その頃、テイト達は何をしていたかというと…?
ミレイとダーネリアとルーナリアが入浴中で、テイトはコッソリ覗きに行こうとしている所を、ブレイドとラキに妨害されていた為に、外の事には全く気付かなかった。
「何故だ!何故覗きに行く事を邪魔する⁉」
「当たり前だ!あそこにはルーナリアがいるんだぞ‼」
「ボクの姉ちゃんもいるんだ‼」
「僕はダーネリアの裸を見るだけだ!はずみで他の2人も見えてしまう可能性があるかもしれないが…」
「それを許さないと言っているんだ‼」
「どけ!ブレイド…それにお前が僕に勝てると思っているのか?」
「ルーナリアの裸を見に行くとするならば、お前でも斬る‼」
「ふっ…麻痺魔法・パラライズ!」
僕はブレイドに麻痺魔法のパラライズを放った。
すると2人は身動きが取れずに地面に伏していた。
「テイト貴様…仲間に魔法を放つとは⁉」
「そこで大人しく待って居ろ!では、いざ桃源郷へ‼」
僕は行こうとすると、ブレイドは僕の足首を掴んだ。
麻痺して動けない筈なのに、力がやたら強かった。
「ブレイド…何故動ける⁉」
「お前を行かせない為にだ‼」
「大丈夫だ、安心しろ!彼女達を見る迄はイク事は無い!」
「貴様は一体何の話をしているんだ⁉」
「しつこいな…雷属性防御魔法・ショックスパイク‼」
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ショックスパイクは、攻撃に対して雷属性で反撃する防御魔法だ。
僕の足首を掴んでいるブレイドは、感電して叫び声を上げたのだった。
「これでも離さないか!」
「俺は…彼女達が風呂から出るまで離すつもりはない!もう少しすれば…彼女達も風呂から出る筈だ‼」
「残念だったなブレイド、女の風呂は長いんだ!いつまで僕に付き合えるかな?」
「何だと⁉クソォ、俺の力にも限界が…」
「ならば…筋力低下魔法・パワーロス‼」
「ぐっ…なんだ、力が抜ける!テイト、お前はそういう事をする様な奴ではなかっただろう!」
「子作りや行為はまだ良いというだけで、女の子の裸には興味はある‼︎」
「威張って言うな、絶対に行かせないぞ‼」
僕は必死に振り解こうとするが、ブレイドは足首を離す事は無かった。
それどころか、立ち上がって僕を羽交い絞めにしたのだった。
「ブレイド、何故動ける様になった⁉」
「テイト、お前はタンクというジョブを知らなさすぎるぞ!レベルが上がった事による所為か、ステータス障害レジストが身に付いたみたいだった。なので麻痺魔法がレジストされたのだ‼」
「なら、弱点を攻めるしかないな!ブレイドはルーナリアの体には大丈夫でも、他の女の体にはまだ抵抗があるだろう?」
「それはどういう意味だ⁉」
「見せてやろう…性別反転魔法・メイク!」
この魔法は、派生から偶然発見された魔法の1つで女性になれるという魔法だった。
潜入調査や女性でしか入れない場所に入る為に役立つ魔法だった。
ただ、使うのは初めてで発動した瞬間…男の体を女の体に作り替える為に、酷く激痛に悩まされるとは思わなかった。
「ぎゃーーーーーー!!!」
「な、どうした?」
「体が熱くて…痛い‼」
「魔法に失敗したのか?残念だったな!」
そして体の痛みが無くなって行き…体の熱さも無くなると、僕の体は女性の体になっていた。
魔法は成功したのだった。
「痛いわ、離してよブレイド…」
「テイト、お前の声が女の声になっているぞ⁉」
「魔法が成功したんだよ。更に、衣装メイド服、髪型ロングヘア!」
「貴様…何の真似だ⁉」
「この状態をルーナリアに見られたらどう言い訳をする⁉僕は、部屋を訪れたら騎士様に無理矢理ベッドに連れ込まれたというぞ‼」
「なんて卑劣な…」
ブレイドの力が若干弱まった。
僕は振り解いて逃げようとするが、男ならともかく女の体では男の様に筋力が無かった。
なるほど、女になるとこういう弱点もあるのか。
あ、そうだ!
「ブレイド、気付いているかどうか解らないけど、お前さっきから僕の胸を掴んでいるのを気付いているか?」
「な⁉そんな筈は…?」
「隙あり‼」
僕はブレイドから完全離脱すると、振り返ってから鳩尾に手を当ててから掌底を放った!
ブレイドは掌底の衝撃波で体が九の字に曲がったのだった。
そしてスグに欲情に…もとい、浴場に向かおうとすると、3人が風呂から上がった様だった。
「残念だったな、テイト!」
「覗きは失敗したが、ブレイドのピンチという事には変わらないぞ!」
「それはどういう意味だ⁉」
「女性はな、女性の発言を信じるものなんだよ。男がどんなに言い訳をしてもな!」
「テイト…何を言うつもりだ⁉」
すると3人が部屋に入って来たので、僕はしゃがみ込んでから手で顔を覆って泣くフリをしていた。
さてブレイドよ、修羅場を経験して貰おう。
「どうしたの?何があったの⁉」
「私が御用伺いに部屋に入ったら、そこの騎士様が私を無理矢理部屋に引き込んでから、ベッドに押し倒して如何わしい事を…」
僕の発言によって、3人はブレイドを睨んだ。
するとブレイドはすかさず反論した。
「そのメイドはテイトだ!テイトが魔法で化けているんだよ‼」
「テイト様は先程、私と入れ替わりに部屋を出て行きました。」
「ですってよ、ブレイド様…これはどういう事ですか?」
僕は3人に囲まれてブレイドを見ると、ドヤ顔をしてみせた。
ブレイドは物凄く悔しそうな顔をしている。
「ルーナリア信じてくれ!俺は嘘は言っていない‼」
「そこの騎士様は、私をベッドに押し倒した時に予行練習に付き合えと言って、どこを触れば女は悦ぶと言って色々と触られて…」
「いや、本当にそいつはテイトなんだ‼」
「いつまでそんな嘘を?」
「なら、ここで待っていれば良い!テイトが帰って来なければ、その女がテイトだと分かる筈だから‼」
「それは困りますわ、私は他の部屋の仕事をしないと参りませんので…そうしないと、クビになってしまいます!」
「引き留めてしまって悪かったわね、仲間が申し訳ありません。」
僕はそう言って扉に手を掛けると、ブレイドは思い出した様に言った。
「ラキが麻痺魔法で痺れて動けないんだ!ルーナリア、ラキに魔法解除を行ってくれ!ラキもテッドが変身している所を見ている筈だから。」
「やばいな、ブレイドの奴…意外に頭の回転が速いな!」
僕は扉を開けて部屋を出ようとすると、麻痺魔法を解除されたラキが僕を指さして言った。
「そのメイドは、テイト兄ちゃんが魔法で化けた姿だ‼」
「ちっ…」
僕は急いで部屋を後にしようとすると、ダーネリアに魔法鎖の拘束魔法で縛られた。
ここまでなると、言い訳が出来ない。
僕は魔法を解除してから言い訳をしたのだった。
ただその際に、男に戻る時に激痛に悩まされたのは言うまでもない。
「本当にテイト君だったのね?」
「テイト様、これはどういう事ですか?」
「実験だよ、今回の件でブレイドとルーナリアは晴れて恋人同士になった…その為にお互いを信じられるかどうかというテストをしてみたんだよ。ルーナリアは疑ってブレイドの言う事を信じてないみたいだったけどな!」
「そ…それは。」
「だから俺は偽りなど申していないと何度も…」
よし、これで有耶無耶に出来た。
後は真実が発覚されるまで、僕は部屋の外に…。
僕は扉を開けて部屋を出ようとすると、ラキが叫んだのだった。
「違う!テイト兄ちゃんは、姉ちゃん達の風呂を覗こうとして、ボクとブレイド兄ちゃんに魔法を掛けて動けなくしたんだ‼」
僕は急いで部屋を出ようとすると、再びダーネリアの魔法鎖が飛んできた。
僕は反射魔法でダーネリアに魔法を返した。
「ダーネリア、その魔法を誰が教えたと思っているんだい?」
「う…動けない!」
「それに…光魔法フラッシュ!」
僕は部屋を光魔法のフラッシュで皆の目を眩ませた。
その隙に僕は部屋を出て行ったのだった。
ほとぼりが冷めれば、皆が忘れる事を祈って…。
…とはいえ、手ぶらで帰るのは申し訳ないと思って何か菓子類でも買おうと街の中を歩いていた。
すると、何やら兵士や冒険者達が走り回っていた。
僕はあけぼの食堂があった場所の前を通ると、数人の冒険者が倒れていたので、回復魔法を施して事情を聞いたのだった。
「先程、恐ろしい姿をした化け物が街の中を徘徊して誰かを探し回っていたみたいで…」
「その魔物は、小僧とスウォードという者と巨乳の女2人を連れた者達に、初めて会った因縁の場所で待っていると言い残して消えて行ったんです。」
「小僧って…僕の事か?ブレイドの前の名前を出すくらいだから間違いないだろう。という事は、初めて会った因縁の場所というのは、恐らくギャルクラド山の事だよな?」
「その場所に来なければ、この街の住人を皆殺しにすると。」
スウォードという名前を知っているという事は、恐らくフォンクォーツだよな?
化け物になったという事は、何かのクスリでも使ったのか?
あいつ…生きていたんだな。
「仕方ない、行くとするか!今回は仲間には頼れないだろうから、僕だけで倒しに行くとしよう。」
僕は近くの兵士に宿にいる者達への手紙を託すと、ギャルクラド山に向かって浮遊魔法で飛んで行った。
そこで僕は…仲間がいる事で使えなかった、真の力を発揮する事になる。
~~~~~その頃、元勇者パーティー達は?~~~~~
トールはやっと王都に着いたのだった。
そしてまずは腹ごしらえという事で、冒険者ギルドの酒場に入って行った。
食事をするのもそうだが、テイトの情報を集めるという事を兼ねていたからだった。
トール達は久々に冒険者ギルドの料理を食べて、満足そうな顔をしていた。
そして腹を満たしたトール達は、テーブルの端にある新聞に目が付いた。
「な…何だと⁉」
「どうしたトール?」
「テイトの事が載っている!アイツは今やSランクだ‼」
「あのテイトがSランクですって⁉」
「何を成し遂げてSランクになったのよ⁉」
トール達は新聞を読んだ。
そこにはとても信じられない事が書いてあったのだった。
その内容は…次回に持ち越されます。
お楽しみにされていた読者の方々、ごめんなさいね!
22
お気に入りに追加
1,957
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜
アノマロカリス
ファンタジー
主人公のテルパは、Sランク冒険者パーティーの有能なサポーターだった。
だが、そんな彼は…?
Sランクパーティーから役立たずとして追い出された…訳ではなく、災害級の魔獣にパーティーが挑み…
パーティーの半数に多大なる被害が出て、活動が出来なくなった。
その後パーティーリーダーが解散を言い渡し、メンバー達はそれぞれの道を進む事になった。
テルパは有能なサポーターで、中級までの攻撃魔法や回復魔法に補助魔法が使えていた。
いざという時の為に攻撃する手段も兼ね揃えていた。
そんな有能なテルパなら、他の冒険者から引っ張りだこになるかと思いきや?
ギルドマスターからの依頼で、魔王を討伐する為の養成学園の新人講師に選ばれたのだった。
そんなテルパの受け持つ生徒達だが…?
サポーターという仕事を馬鹿にして舐め切っていた。
態度やプライドばかり高くて、手に余る5人のアブノーマルな女の子達だった。
テルパは果たして、教え子達と打ち解けてから、立派に育つのだろうか?
【題名通りの女の子達は、第二章から登場します。】
今回もHOTランキングは、最高6位でした。
皆様、有り難う御座います。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる