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第二章
第三話 山頂が見えて来たけど?
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読者の皆様も経験があると思いますが、山登りとは非常に困難な物です。
急勾配に足場の悪い場所、途方も長く感じる距離に疲れが蓄積する足…。
直線距離なら大した距離ではないのに、人は何故山に登るのか?
それは…山頂から見える景色を拝みたい為に!
「僕達は純粋に山を越えないと、テオドールの温泉村に辿り着かないからです!」
テイト達の目的はあくまでも、山越えがメインだった。
それに頻繁に襲ってくる魔物の所為で、周りの景色を見る余裕も無かった。
「山頂まで近付いて来るとわかるが、山頂で旋回しているのは…恐らくグリフォンだな!」
「グリフォンか…空の王者と呼ばれる魔獣だな。討伐ランクはAランクか、場合によってはSランクにもなりえる奴だな。」
このまま進めば、間違いなく奴と出くわす可能性が高い。
だが、この山の主とも呼べるグリフォンが…住処ではなく空で旋回していることに妙な疑問を感じていた。
「あれは…?グリフォンが足で何かを掴んでいるな?」
「テイトは良く見えるな!自分には黒い塊がチラチラとしか見えないぞ!」
火炎魔法らしきものが放たれて、明らかにグリフォンを狙っている感じだった。
だがグリフォンは翼で風を起こして、火炎魔法を逸らしていた。
僕達の前にいる先客が、グリフォン討伐のクエストでも受けたのだろうか?
だとすると、討伐が終わる前では迂闊に近寄れないな。
ただ、もしも山越えをしている最中に襲われていたりしたら?
「助けに行きたい所だが、こちらもそんな場合ではないしな。」
目の前では、バドルグリズリーとブラッディバイパーが激しい戦闘を行っていた。
どちらも討伐ランクがAという厄介な物だった。
まぁ、どちらかが倒れれば…その場でトドメを刺して山頂を目指せるのだが、さすがに2匹相手は分が悪い。
僕は山頂の様子を気になりつつも、2匹の争いが収まるまで待ち続けていた。
「あ、グリフォンが手から何かを手放したな!あれは…?」
高い高度から落とされた何かは、こちらの方に風で流れてきて姿がハッキリと見える様になっていた。
その何かは、人の姿をしていたのだった。
僕は風魔法でゆっくり下降させてから確認すると、グリフォンの爪で鷲掴みされたかのように、衣服と肉体が傷つかれていて、握力で潰されていた様な感じだった。
その者は…女性で意識は無かったが、浅くだがまだ呼吸をしていた。
「酷いな…顔も潰れている。3人は周囲を警戒していてくれる?」
僕は怪我をした女性に使える回復魔法では一番強いリザレクションを放った。
潰れかけた顔と体は徐々に治って行き、肉体の方も徐々に治って行った。
だが、3人も警戒をしながらその女性が気になっていたらしくこちらを窺っていた時に、ブレイドが声を発した。
「まさか…ナローダか⁉」
「ブレイド、知り合いか?」
「あぁ、自分が以前いたパーティメンバーだ!」
「だとすると、山頂付近で火炎魔法が見えていたのはそのパーティーか?」
「恐らくそうだろう…が、奴等は何故この山に⁉」
「討伐クエストを請けた…という訳じゃないよな?」
「あぁ、奴等ではレベルが低すぎるし、パーティーレベルもDランクだ。」
…という事は、グリフォンの尾を踏んだのか?
どちらにせよ、救援に向かいたくても目の前の奴等が邪魔だな。
戦いが終わるまでが見ているしか出来ないし、彼女が目覚めるのを待つとするか。
バドルグリズリーは別に大した事が無いが、厄介なのはブラッディバイパーの方だ。
表面は毒の革で体内にも毒の袋を保有していて、ブレスを吐いて来る事がある。
魔法の耐性も強くて効きにくいという巨大な蛇だった。
「勝つならバドルグリズリーの方が…あ、そうだ!筋力強化魔法パワード、守備力上昇魔法ディフェンダー、回復魔法キュア!」
僕はバドルグリズリー強化魔法と回復魔法を掛けた。
すると互角だった戦いが、バドルグリズリーの優勢になっていった。
僕はルーナリアに命じて、周囲に結界を張って貰うようにした。
ブラッディバイパーのブレスは、周囲の生きる物を麻痺させるものなので、バドルグリズリーに放ってもこちらに被害が出ない様にだった。
「後はこの女性が目を覚ましてくれるのを…と行きたいが、少し長いな?仕方ないからアレをやるか…パーティ意識回復不人気魔法キッケ!」
僕が魔法を放ってから瞬時に、ナローダという女性が頭を押さえて震えだしていた。
この魔法は敵からの睡眠攻撃で眠らされた者を瞬時に起こせるという魔法なのだが、頭の中に結構な負荷をしいる為に使用された者は頭を押さえて激痛に耐えるしかないのだった。
僕はされた事は無いが、頭が割れる様な衝撃があるとかないとか…?
人によって症状はランダムらしいので、どんな痛みなのかは分からない。
「目が覚めましたか?」
「これ…キッケよね?まだこの魔法の使い手がいたとはって、まさかスウォード⁉」
「久しぶりだな、ナローダ!」
「貴方がどうしてここに⁉…って、そんな事を言っている場合ではないわ!フォンクォーツがグリフォンに‼」
「あいつが何でこんな場所に⁉」
「山頂付近に生えると言われる貴重な薬草を採取する為にね。」
「山頂付近の薬草って、セルシュダの花か?あの花は、夜に月の光の元に咲く花で…万病に効くという話だが、この土地でしか咲かない花で抜いてからすぐに適切な処理をしないと薬効が無くなるというものだよ?」
「夜に咲く花だったの⁉それで…通りでどこを探しても見付からない筈だわ!」
「それでうっかりグリフォンの縄張りに入ったのか…何とも間抜けな話だな。」
助ける必要…あるか?
自業自得だろう…その為に危険を冒す必要も無いしな。
ただ、僕達がここに居ると…このナローダという女性は恐らく?
「お願いスウォード!助けてくれないかしら?」
「お前達の自業自得で自分達を巻き込むな!自分は仲間を巻き込む様な真似はしない‼」
「そうだな、上までは送ってあげるから自分で何とかしろ。冒険者は基本自己責任だからな。」
「スウォード、かつての仲間を見捨てるというの‼」
「自分をダンジョンで囮にして逃げた奴に言われたくないな!」
…とはいっても、山越えをする道がある場所は丁度彼らの戦闘が起こって行場所の近くだし、素通りは流石に出来ないか。
この山のグリフォンって、確か数匹いるんだよなぁ。
「そういえば、ここから見えるグリフォンは1匹しか見えないが、他にも居なかったのか?」
「フォンクォーツが敵の数を減らす為に、子供を殺したの。」
「あぁ…一番やってはいけないパターンだな。うん、自分達で何とかしろ!僕達は山頂手前でキャンプをして、グリフォンの気が収まるまで待つとしよう!」
「あぁ、賛成だ!馬鹿は死んでも治らないというからな。いっその事、死んだ方が良いだろう。自分も賛成だ!」
グリフォンの尾を踏む騒ぎの話じゃねぇぞ!
子連れの魔獣の場合は、子供は道具で拘束か魔法で移動を制限させながら注意を子供に向けさせて意識を撹乱させてから対処するのがセオリーなのに、子供殺してどうする⁉︎
怒り狂って意識がパーティーに向くから、対処出来るパーティーなら問題は無いが…実力不足だと全滅は免れないぞ!
グリフォンのレベルは、推定120前後と言われているからなぁ。
この山のグリフォンがそれに該当しているのなら良いのだが、それ以上という可能性も…下手すると怒りで進化する個体もいるからなぁ。
「冒険者は助け合うものでしょ‼︎」
「僕達が助けに入って、お前達のパーティーが押し付けて逃げない可能性が何処にある?」
「そうだな、自分を囮にして逃げたくらいだからな!」
「あの時は…悪かったわ!」
僕はブレイドを見た。
ブレイドは別に助けに行きたそうな感じでは無い。
そうしている間に、バドルグリズリーがブラッディバイパーに勝利をした。
僕はバドルグリズリーに掛かっているバフを解除すると、ブレイドはそのタイミングを見て疲弊しているバドルグリズリーの首を刎ねた。
ナローダはその光景を見て、目を丸くしていた。
「レベルが上がったな!自分はレベル101だ。」
「私達はレベル89になったよ!」
「レベル101って…スウォード、貴方はいつの間に⁉︎」
「そんな事よりも道が開いたぞ。助けに行きたいのなら早く行け!」
僕とダーネリアとルーナリアは、魔物の解体作業を始めた。
ナローダは此方を見て何かを訴えたい表情をしているが、ブレイドが山頂の方に指を刺すと、ナローダは山頂に向かって走って行ったのだった。
「なぁ、ブレイド…ナローダという女は、装備からすると斥候だよな?」
「あぁ、そうだ。」
「だとすると、あの女が加わっても大した戦力にはならないか。」
まぁ、奴等の自業自得だから別に良いか。
どうせ全滅は免れないだろうし、後はグリフォンの機嫌が治る事を祈るとしよう。
ただ…?
「なぁ、ブレイド…グリフォンが高度を下げてないか?」
「…というか、此方に向かって来ているな。」
「アイツ等、モンパレをやる気か?」
モンパレとは、モンスターパレードキラーの略語である。
モンスターを引き連れて来てから、他のパーティーに押し付けてから自分達は逃亡するという最悪の手段である。
主に盗賊紛いの連中がこの行為をしてパーティーを全滅させてから所持品を奪うという行為なのだが?
「その様だな!」
「まぁ、グリフォンのターゲットはあちらのパーティーに向いているし、奴等が此方に来た時は僕達は山頂に向かって移動しよう。皆、逃走の準備をして!」
恐らく先程のナローダが、奴のパーティーのリーダーに話たんだろう。
それで僕達に擦り付けようと考えているのだろうけど、そうは行くか!
全速力で山を降りて来ているので、僕達が入れ代わりに山頂を目指して走ると、恐らく奴等は足の疲労の所為で多分追い付けないだろう。
そうしている内にどんどん近付いてきた。
僕達は足を軽くほぐすと、山頂に向けて準備をした。
「おい、そこのパーティー!共闘を希望する‼︎」
「やなこった!自分達で何とかしろ‼︎」
「んがっ⁉︎」
僕は3人に合図をすると、奴等のパーティーが此方に来たと同時に山頂に向かって走り出した。
奴等のパーティーは呆気に取られていたが、すぐに此方に向かって追って来ているようだった。
さて、テイト達はこの後どうなるのだろうか?
急勾配に足場の悪い場所、途方も長く感じる距離に疲れが蓄積する足…。
直線距離なら大した距離ではないのに、人は何故山に登るのか?
それは…山頂から見える景色を拝みたい為に!
「僕達は純粋に山を越えないと、テオドールの温泉村に辿り着かないからです!」
テイト達の目的はあくまでも、山越えがメインだった。
それに頻繁に襲ってくる魔物の所為で、周りの景色を見る余裕も無かった。
「山頂まで近付いて来るとわかるが、山頂で旋回しているのは…恐らくグリフォンだな!」
「グリフォンか…空の王者と呼ばれる魔獣だな。討伐ランクはAランクか、場合によってはSランクにもなりえる奴だな。」
このまま進めば、間違いなく奴と出くわす可能性が高い。
だが、この山の主とも呼べるグリフォンが…住処ではなく空で旋回していることに妙な疑問を感じていた。
「あれは…?グリフォンが足で何かを掴んでいるな?」
「テイトは良く見えるな!自分には黒い塊がチラチラとしか見えないぞ!」
火炎魔法らしきものが放たれて、明らかにグリフォンを狙っている感じだった。
だがグリフォンは翼で風を起こして、火炎魔法を逸らしていた。
僕達の前にいる先客が、グリフォン討伐のクエストでも受けたのだろうか?
だとすると、討伐が終わる前では迂闊に近寄れないな。
ただ、もしも山越えをしている最中に襲われていたりしたら?
「助けに行きたい所だが、こちらもそんな場合ではないしな。」
目の前では、バドルグリズリーとブラッディバイパーが激しい戦闘を行っていた。
どちらも討伐ランクがAという厄介な物だった。
まぁ、どちらかが倒れれば…その場でトドメを刺して山頂を目指せるのだが、さすがに2匹相手は分が悪い。
僕は山頂の様子を気になりつつも、2匹の争いが収まるまで待ち続けていた。
「あ、グリフォンが手から何かを手放したな!あれは…?」
高い高度から落とされた何かは、こちらの方に風で流れてきて姿がハッキリと見える様になっていた。
その何かは、人の姿をしていたのだった。
僕は風魔法でゆっくり下降させてから確認すると、グリフォンの爪で鷲掴みされたかのように、衣服と肉体が傷つかれていて、握力で潰されていた様な感じだった。
その者は…女性で意識は無かったが、浅くだがまだ呼吸をしていた。
「酷いな…顔も潰れている。3人は周囲を警戒していてくれる?」
僕は怪我をした女性に使える回復魔法では一番強いリザレクションを放った。
潰れかけた顔と体は徐々に治って行き、肉体の方も徐々に治って行った。
だが、3人も警戒をしながらその女性が気になっていたらしくこちらを窺っていた時に、ブレイドが声を発した。
「まさか…ナローダか⁉」
「ブレイド、知り合いか?」
「あぁ、自分が以前いたパーティメンバーだ!」
「だとすると、山頂付近で火炎魔法が見えていたのはそのパーティーか?」
「恐らくそうだろう…が、奴等は何故この山に⁉」
「討伐クエストを請けた…という訳じゃないよな?」
「あぁ、奴等ではレベルが低すぎるし、パーティーレベルもDランクだ。」
…という事は、グリフォンの尾を踏んだのか?
どちらにせよ、救援に向かいたくても目の前の奴等が邪魔だな。
戦いが終わるまでが見ているしか出来ないし、彼女が目覚めるのを待つとするか。
バドルグリズリーは別に大した事が無いが、厄介なのはブラッディバイパーの方だ。
表面は毒の革で体内にも毒の袋を保有していて、ブレスを吐いて来る事がある。
魔法の耐性も強くて効きにくいという巨大な蛇だった。
「勝つならバドルグリズリーの方が…あ、そうだ!筋力強化魔法パワード、守備力上昇魔法ディフェンダー、回復魔法キュア!」
僕はバドルグリズリー強化魔法と回復魔法を掛けた。
すると互角だった戦いが、バドルグリズリーの優勢になっていった。
僕はルーナリアに命じて、周囲に結界を張って貰うようにした。
ブラッディバイパーのブレスは、周囲の生きる物を麻痺させるものなので、バドルグリズリーに放ってもこちらに被害が出ない様にだった。
「後はこの女性が目を覚ましてくれるのを…と行きたいが、少し長いな?仕方ないからアレをやるか…パーティ意識回復不人気魔法キッケ!」
僕が魔法を放ってから瞬時に、ナローダという女性が頭を押さえて震えだしていた。
この魔法は敵からの睡眠攻撃で眠らされた者を瞬時に起こせるという魔法なのだが、頭の中に結構な負荷をしいる為に使用された者は頭を押さえて激痛に耐えるしかないのだった。
僕はされた事は無いが、頭が割れる様な衝撃があるとかないとか…?
人によって症状はランダムらしいので、どんな痛みなのかは分からない。
「目が覚めましたか?」
「これ…キッケよね?まだこの魔法の使い手がいたとはって、まさかスウォード⁉」
「久しぶりだな、ナローダ!」
「貴方がどうしてここに⁉…って、そんな事を言っている場合ではないわ!フォンクォーツがグリフォンに‼」
「あいつが何でこんな場所に⁉」
「山頂付近に生えると言われる貴重な薬草を採取する為にね。」
「山頂付近の薬草って、セルシュダの花か?あの花は、夜に月の光の元に咲く花で…万病に効くという話だが、この土地でしか咲かない花で抜いてからすぐに適切な処理をしないと薬効が無くなるというものだよ?」
「夜に咲く花だったの⁉それで…通りでどこを探しても見付からない筈だわ!」
「それでうっかりグリフォンの縄張りに入ったのか…何とも間抜けな話だな。」
助ける必要…あるか?
自業自得だろう…その為に危険を冒す必要も無いしな。
ただ、僕達がここに居ると…このナローダという女性は恐らく?
「お願いスウォード!助けてくれないかしら?」
「お前達の自業自得で自分達を巻き込むな!自分は仲間を巻き込む様な真似はしない‼」
「そうだな、上までは送ってあげるから自分で何とかしろ。冒険者は基本自己責任だからな。」
「スウォード、かつての仲間を見捨てるというの‼」
「自分をダンジョンで囮にして逃げた奴に言われたくないな!」
…とはいっても、山越えをする道がある場所は丁度彼らの戦闘が起こって行場所の近くだし、素通りは流石に出来ないか。
この山のグリフォンって、確か数匹いるんだよなぁ。
「そういえば、ここから見えるグリフォンは1匹しか見えないが、他にも居なかったのか?」
「フォンクォーツが敵の数を減らす為に、子供を殺したの。」
「あぁ…一番やってはいけないパターンだな。うん、自分達で何とかしろ!僕達は山頂手前でキャンプをして、グリフォンの気が収まるまで待つとしよう!」
「あぁ、賛成だ!馬鹿は死んでも治らないというからな。いっその事、死んだ方が良いだろう。自分も賛成だ!」
グリフォンの尾を踏む騒ぎの話じゃねぇぞ!
子連れの魔獣の場合は、子供は道具で拘束か魔法で移動を制限させながら注意を子供に向けさせて意識を撹乱させてから対処するのがセオリーなのに、子供殺してどうする⁉︎
怒り狂って意識がパーティーに向くから、対処出来るパーティーなら問題は無いが…実力不足だと全滅は免れないぞ!
グリフォンのレベルは、推定120前後と言われているからなぁ。
この山のグリフォンがそれに該当しているのなら良いのだが、それ以上という可能性も…下手すると怒りで進化する個体もいるからなぁ。
「冒険者は助け合うものでしょ‼︎」
「僕達が助けに入って、お前達のパーティーが押し付けて逃げない可能性が何処にある?」
「そうだな、自分を囮にして逃げたくらいだからな!」
「あの時は…悪かったわ!」
僕はブレイドを見た。
ブレイドは別に助けに行きたそうな感じでは無い。
そうしている間に、バドルグリズリーがブラッディバイパーに勝利をした。
僕はバドルグリズリーに掛かっているバフを解除すると、ブレイドはそのタイミングを見て疲弊しているバドルグリズリーの首を刎ねた。
ナローダはその光景を見て、目を丸くしていた。
「レベルが上がったな!自分はレベル101だ。」
「私達はレベル89になったよ!」
「レベル101って…スウォード、貴方はいつの間に⁉︎」
「そんな事よりも道が開いたぞ。助けに行きたいのなら早く行け!」
僕とダーネリアとルーナリアは、魔物の解体作業を始めた。
ナローダは此方を見て何かを訴えたい表情をしているが、ブレイドが山頂の方に指を刺すと、ナローダは山頂に向かって走って行ったのだった。
「なぁ、ブレイド…ナローダという女は、装備からすると斥候だよな?」
「あぁ、そうだ。」
「だとすると、あの女が加わっても大した戦力にはならないか。」
まぁ、奴等の自業自得だから別に良いか。
どうせ全滅は免れないだろうし、後はグリフォンの機嫌が治る事を祈るとしよう。
ただ…?
「なぁ、ブレイド…グリフォンが高度を下げてないか?」
「…というか、此方に向かって来ているな。」
「アイツ等、モンパレをやる気か?」
モンパレとは、モンスターパレードキラーの略語である。
モンスターを引き連れて来てから、他のパーティーに押し付けてから自分達は逃亡するという最悪の手段である。
主に盗賊紛いの連中がこの行為をしてパーティーを全滅させてから所持品を奪うという行為なのだが?
「その様だな!」
「まぁ、グリフォンのターゲットはあちらのパーティーに向いているし、奴等が此方に来た時は僕達は山頂に向かって移動しよう。皆、逃走の準備をして!」
恐らく先程のナローダが、奴のパーティーのリーダーに話たんだろう。
それで僕達に擦り付けようと考えているのだろうけど、そうは行くか!
全速力で山を降りて来ているので、僕達が入れ代わりに山頂を目指して走ると、恐らく奴等は足の疲労の所為で多分追い付けないだろう。
そうしている内にどんどん近付いてきた。
僕達は足を軽くほぐすと、山頂に向けて準備をした。
「おい、そこのパーティー!共闘を希望する‼︎」
「やなこった!自分達で何とかしろ‼︎」
「んがっ⁉︎」
僕は3人に合図をすると、奴等のパーティーが此方に来たと同時に山頂に向かって走り出した。
奴等のパーティーは呆気に取られていたが、すぐに此方に向かって追って来ているようだった。
さて、テイト達はこの後どうなるのだろうか?
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