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第一章
第十話 その頃、元勇者パーティーは?
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元勇者パーティーの一行は…バルファザリア地方のど田舎にいた。
周りは畑ばかりで、田舎の土地特有の土や草の匂い、家は藁の屋根の家が点々とあるだけだった。
「本当にテイトがここに居るのか⁉」
「あの男の言っていた事が嘘じゃなければここに居る筈なんだけど?」
「テイトは村では畑仕事が好きだったから、実家に帰れば俺達に捕まると思ってこんな偏狭な田舎に逃げて来たんだろう。」
「ならやる事はただ1つ!テイトを探すぞ!」
トール達は村人から情報を得ようと話をすると、テイトという名前とそれらしき容姿の人物の情報を得た。
その場所に向かうのだが…思ったより距離が離れていて、辿り着く頃には空が赤く染まっていた。
トールはそこにある家の戸をノックした。
「なんだべ?」
「ここにテイトという奴がいると聞いて来たのだが?」
「んだ!オラがテゐトだ‼」
見た目も名前も確かにテイトに近い容姿と名前だった。
だが、全くの別人だった。
「おめぇさ、まんずハイカラな格好さしているな!どこから来なすったべ?」
「俺達はヴァーゲンデルト王国から来たんだ。」
「王国って…そっだた遠くから来たんか?それはまんず遠かったべ!」
「そこで俺達のかつての仲間がこの村に来たと言う話を聞いて話をしに来たのだが。」
「空振りだった訳か!それはそうと…おめぇさんたつは、何処さ泊まるだ?」
「この村に宿はあるかい?」
「こんな辺鄙な村に宿なんかないべ!泊まるとこが無いのなら用意してやるが?」
「それはありがたい!それと、食事を戴けるとありがたいのだが。」
「あぁ、構わねぇだ!こんな村のメシで良ければ喰ってけろ!」
テゐトは、家の隣の納屋に藁の準備をした。
テゐトの家は狭くて、4人が泊まれるスペースがないので納屋に準備をしているのだが…4人はベッドで眠れる物だと思っていたので、藁を見て唖然としていた。
「えっと?草の上で寝るのか⁉」
「これは刈り取ったばかりの藁で、まだ柔らかくてあったけぇぞ!」
「わ…藁でか⁉」
「すまねぇだ!客の事さ予想してながっだんで、布団はおらの分しかねぇんだ!」
「ま…まぁ、屋根や壁があるだけマシか。」
「そうよね?無料で泊めて貰えるのだからありがたく思わなきゃ!」
テゐトは鍋に食事の用意をした。
久々の来客で張り切っているテゐトは、壺の中から御馳走用の何かの塊を取り出して鍋に入れた。
その他に何かの穀物と野菜を入れて煮込んでいた。
その料理が完成すると、トール達に振舞った。
「さぁ、喰ってけろ!客が来るなんて久々っだったかんら、特上の持て成し用の上等な物を用意したべ!」
「い…いただきます!」
4人は恐る恐る器によそわれた汁を飲んだ。
味噌味で割といけた。
そして野菜もほくほくしていて凄く美味かった…のだが、次の食材を口に入れた瞬間に吐き出しそうになった。
「あの…この緑色の物体は?」
「それは粟の団子だ!この村には麦がないもんで、村のもんのメシには大体これが入っているんだ!」
4人は口に入れてから咀嚼をしているが、飲み込むまでにやたら時間が掛かっていた。
栄養価が高いとはいえ、苦みとえぐみが強く、後味が悪いこの食材には苦戦していた。
「お、これは美味いな!」
「え、どれどれ?」
4人はテゐトが御馳走用に用意した肉を食べて言った。
4人は食感を楽しみ、先程の粟の団子の事を忘れさせるくらいに余韻に浸っていた。
ただし、その食材の名を聞くまでは…?
「この肉?…は凄く美味いな!これは何の肉なんだい?」
「これはボアの肝臓だ!村では滅多に手に入らないご馳走なんだべ!」
この世界では、肉を喰う事はあっても内臓を食べる習慣は無い。
これはトール達の故郷でも捨てる部位だったのだ。
その為に4人の表情は一変して、顔が青く変化していた。
まさか内臓を食べているとは夢にも思っていなかったからだ。
だがトール達は、無理をしながらも笑顔で平らげると、吐きそうな顔をしながら納屋に入ってから藁の上で横になった。
「いいか、お前等…明日にはこの村から出て行くぞ!」
「それは良いが…もう金がないぞ!」
「それに馬車もよ!次に来るのは1か月後という話だし…」
「ならギルドに行ってクエストを請けて金でも稼ぐさ!」
…と、トール達は意気込んでいたが、こんな辺鄙な村に冒険者ギルドという物は存在していなかった。
さらには、この村では物々交換が主流で金を使う習慣が無かった。
そんなトール達は、1か月後に無事にこの村から脱出出来るのだろうか?
周りは畑ばかりで、田舎の土地特有の土や草の匂い、家は藁の屋根の家が点々とあるだけだった。
「本当にテイトがここに居るのか⁉」
「あの男の言っていた事が嘘じゃなければここに居る筈なんだけど?」
「テイトは村では畑仕事が好きだったから、実家に帰れば俺達に捕まると思ってこんな偏狭な田舎に逃げて来たんだろう。」
「ならやる事はただ1つ!テイトを探すぞ!」
トール達は村人から情報を得ようと話をすると、テイトという名前とそれらしき容姿の人物の情報を得た。
その場所に向かうのだが…思ったより距離が離れていて、辿り着く頃には空が赤く染まっていた。
トールはそこにある家の戸をノックした。
「なんだべ?」
「ここにテイトという奴がいると聞いて来たのだが?」
「んだ!オラがテゐトだ‼」
見た目も名前も確かにテイトに近い容姿と名前だった。
だが、全くの別人だった。
「おめぇさ、まんずハイカラな格好さしているな!どこから来なすったべ?」
「俺達はヴァーゲンデルト王国から来たんだ。」
「王国って…そっだた遠くから来たんか?それはまんず遠かったべ!」
「そこで俺達のかつての仲間がこの村に来たと言う話を聞いて話をしに来たのだが。」
「空振りだった訳か!それはそうと…おめぇさんたつは、何処さ泊まるだ?」
「この村に宿はあるかい?」
「こんな辺鄙な村に宿なんかないべ!泊まるとこが無いのなら用意してやるが?」
「それはありがたい!それと、食事を戴けるとありがたいのだが。」
「あぁ、構わねぇだ!こんな村のメシで良ければ喰ってけろ!」
テゐトは、家の隣の納屋に藁の準備をした。
テゐトの家は狭くて、4人が泊まれるスペースがないので納屋に準備をしているのだが…4人はベッドで眠れる物だと思っていたので、藁を見て唖然としていた。
「えっと?草の上で寝るのか⁉」
「これは刈り取ったばかりの藁で、まだ柔らかくてあったけぇぞ!」
「わ…藁でか⁉」
「すまねぇだ!客の事さ予想してながっだんで、布団はおらの分しかねぇんだ!」
「ま…まぁ、屋根や壁があるだけマシか。」
「そうよね?無料で泊めて貰えるのだからありがたく思わなきゃ!」
テゐトは鍋に食事の用意をした。
久々の来客で張り切っているテゐトは、壺の中から御馳走用の何かの塊を取り出して鍋に入れた。
その他に何かの穀物と野菜を入れて煮込んでいた。
その料理が完成すると、トール達に振舞った。
「さぁ、喰ってけろ!客が来るなんて久々っだったかんら、特上の持て成し用の上等な物を用意したべ!」
「い…いただきます!」
4人は恐る恐る器によそわれた汁を飲んだ。
味噌味で割といけた。
そして野菜もほくほくしていて凄く美味かった…のだが、次の食材を口に入れた瞬間に吐き出しそうになった。
「あの…この緑色の物体は?」
「それは粟の団子だ!この村には麦がないもんで、村のもんのメシには大体これが入っているんだ!」
4人は口に入れてから咀嚼をしているが、飲み込むまでにやたら時間が掛かっていた。
栄養価が高いとはいえ、苦みとえぐみが強く、後味が悪いこの食材には苦戦していた。
「お、これは美味いな!」
「え、どれどれ?」
4人はテゐトが御馳走用に用意した肉を食べて言った。
4人は食感を楽しみ、先程の粟の団子の事を忘れさせるくらいに余韻に浸っていた。
ただし、その食材の名を聞くまでは…?
「この肉?…は凄く美味いな!これは何の肉なんだい?」
「これはボアの肝臓だ!村では滅多に手に入らないご馳走なんだべ!」
この世界では、肉を喰う事はあっても内臓を食べる習慣は無い。
これはトール達の故郷でも捨てる部位だったのだ。
その為に4人の表情は一変して、顔が青く変化していた。
まさか内臓を食べているとは夢にも思っていなかったからだ。
だがトール達は、無理をしながらも笑顔で平らげると、吐きそうな顔をしながら納屋に入ってから藁の上で横になった。
「いいか、お前等…明日にはこの村から出て行くぞ!」
「それは良いが…もう金がないぞ!」
「それに馬車もよ!次に来るのは1か月後という話だし…」
「ならギルドに行ってクエストを請けて金でも稼ぐさ!」
…と、トール達は意気込んでいたが、こんな辺鄙な村に冒険者ギルドという物は存在していなかった。
さらには、この村では物々交換が主流で金を使う習慣が無かった。
そんなトール達は、1か月後に無事にこの村から脱出出来るのだろうか?
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