3 / 38
第一部
第二話 お約束的な…衝撃の事実
しおりを挟む
勇者クルーシスのパーティーは、冒険者ギルドの扉を開けて入って来た。
他の勇者パーティー達も待機の状態だったので、冒険者ギルドのテーブルに席に着いていた。
クルーシスは受付に行くと、依頼が無いかを確認する為に受付嬢に声を掛けた。
「序列三位のクルーシスだ、何か依頼は無いか?」
「序列三位の勇者クルーシス様ですね?おや、テクト様が御見受けになられませんが…」
「テクトは追放した。あんな役にも立たない奴を入れておいても、この先は邪魔になるだけだからな!」
すると、他の勇者パーティー達が騒ぎ出した。
そして他の勇者達が命令すると、その勇者以外のパーティーメンバーは冒険者ギルドを飛び出して行った。
「なんか急に人が減ったな。」
「何だというんだ…」
すると、クルーシスの元に他の序列の勇者が集まって来た。
「おい、もうすぐ上位三位以内から落ちる序列三位!赤魔道士のテクトを追放したというのは本当か?」
「あんな役立たずをいつまでも所属しておく理由は無いからな…って、どういう意味だ⁉」
「そうだな、コイツ等に話を聞けばそれが間違いだったと気付く筈だろう。ネグルド、ベルギス来いよ!」
序列十七位のベルギスと序列十九位のネグルドは、クルーシスの元に来た。
そしてクルーシスが予想もしなかった事を聞かされるのだった。
「お前等は…序列下位の勇者達だな!」
「まぁ、今はそうだな。」
「だが、お前等もいずれそうなるんだ、仲良くしようぜ!」
「俺はお前達の様にはならない!」
「いや、なるんだよ…テクトを手放した所為でな。」
「俺とネグルドが元は序列何位だか知っているか?」
クルーシスがこの二人が序列上位だった頃は、まだ勇者認定される前だったので良く知らなかった。
「いや、今の順位しか知らん。」
「ネグルドは元序列二位で、俺は元序列四位だった。だがそれは、テクトが所属している時の順位で、ヤツを追放した瞬間に半月も立たずに俺達の順位はどんどん下がって行った。」
「それはただ単にお前等が弱いからだろ?」
クルーシスは自信満々で言い放った。
だが、二人は怒りで歯向かってくると思っていたのだが…何もして来ない事に面を喰らっていた。
「弱いか…まぁ、否定はしないな。」
「あぁ、俺達は弱い。それに気が付いたのはテクトが居なくなってからだな。」
「どういう事だ?」
ネグルドとベルギスの二人は話し始めた。
「序列三位、お前は赤魔道士というジョブをどこまで知っている?」
「テクトの事を言っているのか?」
「いや、普通の赤魔導士の事だ。」
「あまり良くは知らん!」
「だろうな…普通の赤魔道士の場合は、戦闘では黒魔導士や白魔導士がいる場合は、主に弱体魔法や強化魔法を施してパーティーに有利の戦いをさせる中衛的な役割を持っているのだが、その弱体魔法や強化魔法は大した詠唱が無い上に割とすぐに発動出来る物が多いのだが…?」
「テクトの場合は、その詠唱を使っているのを見た事が無い。というか、奴は詠唱破棄の無詠唱を使っているんだよ。」
「それが何か?」
「そうだな、もう1つ付け加えるとだな…赤魔道士の弱体魔法や強化魔法は、黒魔導士の攻撃魔法の様に見た目が派手な効果も無く、白魔導士の回復魔法の様に光を放って回復するという効果も無い。」
「魔物に対する弱体は、瞬時に発動する為に魔物が弱く感じる事があり、攻撃すると楽に倒せて…自分達がダメージを受けても大したダメージが無いと感じるのは、自分達が強いのではなく強化魔法によって強化されたからなんだよ。お前達は今までそういった経験は無かったか?」
クルーシスは考えた。
確かに今迄にどんなダンジョン攻略でも苦戦した覚えはなかった。
常に有利に戦闘を進められているのは、自分達が強いからであってテクトのお陰ではない筈だと。
「それは俺達の実力だからだ!決してテクトが居たからではない。」
「あくまでもそう言い張るのか…なら!」
ベルギスはクエストボードから、黒龍討伐のクエストの依頼を剥がして持って来た。
それをクルーシスに渡して言った。
「あくまでも自分達の実力だと言い張るのなら、このクエストを達成して見せろ!」
「黒龍討伐か…確かに自分達の実力を知るには良いクエストだな。」
「黒龍討伐はした事があるさ。その時でも楽に倒せたからな!」
「それはテクトがいた時の話だろ?テクトがいない状態で挑んでみろよ、恐らく黒龍に辿り着く前に敗戦するのがオチだからな。」
クルーシスは受付で黒龍討伐のクエストを請けた。
そして二人の所に戻って来ると、もう1つの疑問を質問した。
「気になったんだが、どうして急に人が出て行ったんだ?」
「冒険者ギルド規約に、他のパーティーメンバーに所属している冒険者を勧誘してはならないというのは知っているよな?」
「あぁ…」
「お前達がテクトを手放したので、テクトの需要を知っている者達はテクトを勧誘する為に探しに行ったんだよ。」
「あの役立たずにそんな魅力があるのか?」
「役立たずかどうかは、まずは黒龍討伐に行ってから判断しろ!それで見事討伐出来たのなら、お前達の実力は本物という事になるだろうが…」
「懐かしいねぇ…俺達もテクトがいた時は同じ事を言っていたな。アイツを追放してからは全てが上手く行かなくなって落ちぶれたからな。」
「俺をお前達と一緒にするな‼」
クルーシスはパーティーメンバーを連れて冒険者ギルドを出て行った。
果たしてクルーシスは、ネグルドとベルギスの言った通りに展開になるのだろうか?
他の勇者パーティー達も待機の状態だったので、冒険者ギルドのテーブルに席に着いていた。
クルーシスは受付に行くと、依頼が無いかを確認する為に受付嬢に声を掛けた。
「序列三位のクルーシスだ、何か依頼は無いか?」
「序列三位の勇者クルーシス様ですね?おや、テクト様が御見受けになられませんが…」
「テクトは追放した。あんな役にも立たない奴を入れておいても、この先は邪魔になるだけだからな!」
すると、他の勇者パーティー達が騒ぎ出した。
そして他の勇者達が命令すると、その勇者以外のパーティーメンバーは冒険者ギルドを飛び出して行った。
「なんか急に人が減ったな。」
「何だというんだ…」
すると、クルーシスの元に他の序列の勇者が集まって来た。
「おい、もうすぐ上位三位以内から落ちる序列三位!赤魔道士のテクトを追放したというのは本当か?」
「あんな役立たずをいつまでも所属しておく理由は無いからな…って、どういう意味だ⁉」
「そうだな、コイツ等に話を聞けばそれが間違いだったと気付く筈だろう。ネグルド、ベルギス来いよ!」
序列十七位のベルギスと序列十九位のネグルドは、クルーシスの元に来た。
そしてクルーシスが予想もしなかった事を聞かされるのだった。
「お前等は…序列下位の勇者達だな!」
「まぁ、今はそうだな。」
「だが、お前等もいずれそうなるんだ、仲良くしようぜ!」
「俺はお前達の様にはならない!」
「いや、なるんだよ…テクトを手放した所為でな。」
「俺とネグルドが元は序列何位だか知っているか?」
クルーシスがこの二人が序列上位だった頃は、まだ勇者認定される前だったので良く知らなかった。
「いや、今の順位しか知らん。」
「ネグルドは元序列二位で、俺は元序列四位だった。だがそれは、テクトが所属している時の順位で、ヤツを追放した瞬間に半月も立たずに俺達の順位はどんどん下がって行った。」
「それはただ単にお前等が弱いからだろ?」
クルーシスは自信満々で言い放った。
だが、二人は怒りで歯向かってくると思っていたのだが…何もして来ない事に面を喰らっていた。
「弱いか…まぁ、否定はしないな。」
「あぁ、俺達は弱い。それに気が付いたのはテクトが居なくなってからだな。」
「どういう事だ?」
ネグルドとベルギスの二人は話し始めた。
「序列三位、お前は赤魔道士というジョブをどこまで知っている?」
「テクトの事を言っているのか?」
「いや、普通の赤魔導士の事だ。」
「あまり良くは知らん!」
「だろうな…普通の赤魔道士の場合は、戦闘では黒魔導士や白魔導士がいる場合は、主に弱体魔法や強化魔法を施してパーティーに有利の戦いをさせる中衛的な役割を持っているのだが、その弱体魔法や強化魔法は大した詠唱が無い上に割とすぐに発動出来る物が多いのだが…?」
「テクトの場合は、その詠唱を使っているのを見た事が無い。というか、奴は詠唱破棄の無詠唱を使っているんだよ。」
「それが何か?」
「そうだな、もう1つ付け加えるとだな…赤魔道士の弱体魔法や強化魔法は、黒魔導士の攻撃魔法の様に見た目が派手な効果も無く、白魔導士の回復魔法の様に光を放って回復するという効果も無い。」
「魔物に対する弱体は、瞬時に発動する為に魔物が弱く感じる事があり、攻撃すると楽に倒せて…自分達がダメージを受けても大したダメージが無いと感じるのは、自分達が強いのではなく強化魔法によって強化されたからなんだよ。お前達は今までそういった経験は無かったか?」
クルーシスは考えた。
確かに今迄にどんなダンジョン攻略でも苦戦した覚えはなかった。
常に有利に戦闘を進められているのは、自分達が強いからであってテクトのお陰ではない筈だと。
「それは俺達の実力だからだ!決してテクトが居たからではない。」
「あくまでもそう言い張るのか…なら!」
ベルギスはクエストボードから、黒龍討伐のクエストの依頼を剥がして持って来た。
それをクルーシスに渡して言った。
「あくまでも自分達の実力だと言い張るのなら、このクエストを達成して見せろ!」
「黒龍討伐か…確かに自分達の実力を知るには良いクエストだな。」
「黒龍討伐はした事があるさ。その時でも楽に倒せたからな!」
「それはテクトがいた時の話だろ?テクトがいない状態で挑んでみろよ、恐らく黒龍に辿り着く前に敗戦するのがオチだからな。」
クルーシスは受付で黒龍討伐のクエストを請けた。
そして二人の所に戻って来ると、もう1つの疑問を質問した。
「気になったんだが、どうして急に人が出て行ったんだ?」
「冒険者ギルド規約に、他のパーティーメンバーに所属している冒険者を勧誘してはならないというのは知っているよな?」
「あぁ…」
「お前達がテクトを手放したので、テクトの需要を知っている者達はテクトを勧誘する為に探しに行ったんだよ。」
「あの役立たずにそんな魅力があるのか?」
「役立たずかどうかは、まずは黒龍討伐に行ってから判断しろ!それで見事討伐出来たのなら、お前達の実力は本物という事になるだろうが…」
「懐かしいねぇ…俺達もテクトがいた時は同じ事を言っていたな。アイツを追放してからは全てが上手く行かなくなって落ちぶれたからな。」
「俺をお前達と一緒にするな‼」
クルーシスはパーティーメンバーを連れて冒険者ギルドを出て行った。
果たしてクルーシスは、ネグルドとベルギスの言った通りに展開になるのだろうか?
応援ありがとうございます!
11
お気に入りに追加
1,998
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる