器用貧乏な赤魔道士は、パーティーでの役割を果たしてないと言って追い出されるが…彼の真価を見誤ったメンバーは後にお約束の展開を迎える事になる。

【赤魔道士】

それは…なりたい者が限られる不人気No. 1ジョブである。

剣を持って戦えるが、勇者に比べれば役に立たず…

盾を持ってタンクの役割も出来るが、騎士には敵わず…

攻撃魔法を使えるが、黒魔道士には敵わず…

回復魔法を使えるが、白魔道士には敵わず…

弱体魔法や強化魔法に特化していて、魔法発動が他の魔道士に比べて速いが認知されず…

そして何より、他のジョブに比べて成長が遅いという…

これは一般的な【赤魔道士】の特徴だが、冒険者テクトにはそれが当て嵌まらなかった。

剣で攻撃をすれば勇者より強く…

盾を持てばタンクより役に立ち…

攻撃魔法や回復魔法は確かに本職の者に比べれば若干威力は落ちるが…

それを補えるだけの強化魔法や弱体魔法の効果は絶大で、テクトには無詠唱が使用出来ていた。

Aランクパーティーの勇者達は、テクトの恩恵を受けていた筈なのに…

魔物を楽に倒せるのは、自分達の実力だと勘違いをし…

補助魔法を使われて強化されているのにもかかわらず、無詠唱で発動されている為に…

怪我が少ないのも自分達が強いからと勘違いをしていた。

そしてそんな自信過剰な勇者達は、テクトを役立たずと言って追い出すのだが…

テクトは他のパーティーでも、同じ様に追い出された経験があるので…

追放に対しては食い下がる様な真似はしなかった。

そしてテクトが抜けた勇者パーティーは、敗走を余儀無くされて落ち目を見る事になるのだが…

果たして、勇者パーティーはテクトが大きな存在だったという事に気付くのはいつなのだろうか?

9月21日 HOTランキング2位になりました。
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