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第十話 外道行為

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 「ガイアグリーヴァ様、貴方が魔王軍に入る事になった元凶を捕らえました‼これで、我々は開放され…」
 「お前達は人の話を聞いていたのか?確かに王族と元仲間達も元凶には違いないが…国王に関しては、故郷の村人達を皆殺しにしたのを命令した奴だが、それを実行した兵士を捕らえてはいないではないか‼」
 「う…あ…えぇ⁉」
 「これでは約束は果たされなかった…となれば、どうなるかは分かっているな?」
 「で…ですが、王族と貴方様の元仲間を捕らえたのですから恩情を…」
 「こんな奴等は、いつでも城に乗り込んで始末出来る!無駄な事を御苦労だったな。」

 国民達は絶望的な表情を浮かべていた。
 だが別の国民が申し出た。

 「では…しばしの時間を戴けませんか?国王からその兵士の所在を聞き出しますので‼」
 「お前達が城を攻め行った時に、騎士と兵士を皆殺しにしたのではないか?もしもその中に村の襲撃犯が含まれていたら、お前達はどうするつもりだ?」
 「そ…それは…!」
 「だが安心しろ!俺の予想では、王命で実行をした者達はこの城の兵士ではないと睨んでいる。そうだよな、国王‼」
 「ガイアグリーヴァ様の問いにお答えしろ‼」

 国民達は自国の国王を棒で殴って口を割らそうとしていた。
 だが国王は、一切の口を割ろうとはしなかった。
 それどころか…?

 「悪いが余は覚えていない。」
 「何だと?」
 「数年前に滅ぼした村の事などいちいち覚えていると思うか?お前から話を聞かされた時にそんな事もあった位で、そんな前の事を覚えている訳が無かろう‼」

 国王はどういう訳か、この場で捕まっているにも拘らず強気の態度に出ていた。
 国王としての威厳を保つ為…?
 いや、違うな。
 口を割らなければ生かして貰えるとでも思っているのだろうか?

 「この状況でもまだ自分の方が有利だとでも思っているのか?」
 「余が口を割らなければ…」
 「お前はさっき、数年前の事だから忘れたと言っていなかったか?」
 「村を滅ぼした事は忘れていた…が、それを命令した者達は思い出した。どうする?」
 「お前はこの状況で交渉でも持ち掛けているつもりか?言っておくが、お前の口を割らせる方法は幾らでもあるんだぞ‼」
 「面白い…ではやってみると良い!」

 本当にコイツの態度は太々しいな!
 なら口を割らせるとしようか!
 俺は第二王女のレナの遺体をこの場に召喚した。
 普通の人間の蘇生はあまり得意ではない。
 何故なら代価が少し厄介な代物だったからだ。
 だが、魔族に近い者達の蘇生は魔石を使用すれば簡単に蘇らせる事が出来るからだ。
 そして第二王女のレナをグール化させたのは、後の交渉に使用する為に魔族に近い状態に変化をさせていたのだった。

 「貴様、眠っている娘に何を⁉」
 「こうするんだよ…」

 俺は魔石を使用して、第二王女のレナを蘇らせた。
 刎ねられた首は元に戻り、元の王女の姿に戻った。
 まぁ、グール化は解けてはいないが…。

 「貴様…娘を蘇らせて何をするつもりだ⁉」
 「お前に良い事を教えてやろう。グールはなアンデットだが、心は元の持ち主なんだよ。噂ではレナ王女は心優しい女という話だったが…」
 「まさか、娘で我等を襲わせようとでも言うのか‼」
 「あぁ、その方法もあったな!思い付かなかった…」
 
 しかし相変わらずレナ王女は呻き声しか上げていない。
 この状態で何かしらの事をしても、国王は対してダメージは受けないか?
 なら、アレをやるか!
 グール化した者を元の人間に戻すという事はできない。
 だが、人に近い状態にまで戻すことは可能だった。
 どういう事かと言うと、グールの特性はそのままで…言語や感情を表面に出すという事を行ったのだった。
 そうすれば、グール化した者でも言葉を交わす事が可能になるからだ!

 「お…お父様………」
 「まさかレナ!人間に戻れたのか⁉︎」
 「いいや、感情と言語を戻しただけでグールの特性はそのままだから、近付くと喰われるぞ!」
 「貴様…何がしたいんだ⁉︎」
 「グールの感情とは本来、他者を見れば食糧と思って襲い出す。本人の意思とは関係無しにな、ただ…感情と言語を戻した状態にすると、近付かなければ見た限りグールとは思えなくなる。」
 「一体何をする気なのだ‼︎」
 「俺の恋人にした事を国民達を使って実演するだけだ。その意味は分かるか?」

 俺はレナの口に木の棒を咥えさせた。
 その木の両端を紐で結んでから頭の背後で結んで取れない様にした。
 そして国民達の中で比較的に青年を選出してから、パワーアジテーションの魔法を施した。
 パワーアジテーションは性欲と股間を刺激させるという効果の魔法だ。
 この状態で近くに女がいると襲い出すというものだった。
 俺はレナ王女のドレスを引き裂いてから全裸にした状態で地面に寝かせた。

 「さて国王よ、娘が国民達に陵辱される姿を見たくなければ…さっさと指示した者たちの所在を明かすんだな!」
 「この外道が‼︎貴様はそこまで堕ちたのか⁉︎」
 「なるほど、まだ自分の立場が上だと思っている様だな?なら仕方ない…お前達、やれ!」
 「辞めろぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」

 レナ王女の周りに青年達が囲むと、青年達はレナ王女の身体に触れ始めた。
 感情が表面にあるレナ王女は、涙を流しながら拒もうと抵抗している感じだった。
 さて…娘が何処まで陵辱される姿を見れば心が折れるかねぇ?

 俺は嘆いている国王を嘲笑いながら事の顛末を見届けようとしていた。
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