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本編
第九話
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王の間の扉が勢い良く開かれた。
外にいた騎士達も必死になって王妃を止めていたが…それも叶わず。
そして王妃はダレードを連れて王の間に入ると、王の間の中を見渡して言った。
「ディスガルディア共和国の使者が来ているのよね! マーテルリアは何処にいるの‼︎」
興奮していた王妃は、ディスガルディア共和国の使者であるリテットを見付けると詰め寄って来た。
「そこの子供、マーテルリアは何処‼︎」
「子供って…王妃様、落ち着いて下さい。」
「ソフィア! 誰がこの小娘の入城を許可したのよ‼︎」
王妃は私を突き飛ばすと、再び喚き散らした。
「ダレードを治すマーテルリアは⁉︎」
「マーテルリア様は来られておりません。」
「はぁ? 何でよ⁉︎」
私はリテットの手を借りて起き上がると、王妃にそう告げた。
「ちっ…ディスガルディア如きの奴が私の命令を無視するなんて、良い度胸しているじゃ無い‼︎」
この王妃は何を言っているのだろう?
ディスガルディア程度って…相手が超大国って分かっていないのかな?
「そうだわ! そこのディスガルディアの使者を始末して死体を送ればこちらの意図が伝わるわよね? 騎士達、そこの子供を始末しなさい‼︎」
「馬鹿な事を言うんじゃ無い! リテット様、無知な妻で申し訳ありません‼︎」
国王陛下はリテットに頭を下げて謝罪をした。
王妃はその姿を見て更に憤ってみせた。
「そんな子供に何をしているの! さぁ、騎士達…早く始末しなさい‼︎」
王妃はそう命令するも…騎士達は誰1人としてリテットに攻撃をしようとする者はいなかった。
無知な王妃とは違い、騎士達はディスガルディア共和国のプリズムナイツの実力を知っていたからだ。
たった1人で万騎の強さを誇るプリズムナイツ相手に戦いを挑んでも返り討ちにされる。
王族の命は絶対的なものだが、騎士達も流石に相手が超大国相手に攻撃を仕掛けるなんて馬鹿な真似は出来ない。
騎士達が迂闊に動いてディスガルディア共和国を怒らせれば、小国のバーミリオン王国なんて簡単に滅ぼされると分かっていたからだった。
「何をしているのですか! 早くなさい‼︎」
「母上、騎士が動かないのなら俺がやりますよ‼︎」
そう言ってダレードは剣を抜いてリテットに斬り掛かっていった。
私は聖女魔法で拘束しようと動くと同時に、リテットが光の剣でダレードを滅多斬りにした。
「命を奪う事はしないけど…少しは反省すると良いよ。」
「う…うぅ………」
ダレードは子供相手なら楽勝だと思っていたらしいけど、ダレードの様な小物がプリズムナイツに戦いを挑めばそうなる。
「こんな子供に…⁉︎」
その光景を見ていた王妃はダレードの剣を拾い上げてから、仇を打つかの様にリテットに攻撃しようと走り出していた。
私は聖女魔法のホーリーチェーンバインドで王妃を拘束すると、王妃は派手に倒れて呻き声を上げていた。
「ソフィア、何故お前が魔法を⁉︎」
「はぁ…っていうか、王妃様は元聖女なのに何故魔法の存在を知らないのですか?」
王妃は王子妃教育を蹴っただけではなく、聖女時代も王族に選ばれるからと言って聖女魔法の類は一切してこなかった。
なので、王妃が魔法の存在を知らなかったのは当たり前だった。
私は国王陛下の元に向かってから話をした。
「流石に今回の件は国外追放では生優しすぎますよ。」
「そうだな。 ディスガルディア共和国を如きと抜かして、使者であるプリズムナイツのリテット殿に刃を向けた…これがディスガルディア共和国に伝われば、我が国は終わりだ‼︎」
その話を聞いて、王妃はジタバタと暴れ出しながら叫び始めた。
「何を言っているのよ! ディスガルディア如きに…」
「何を言っているのはお前だ! 我が小国のバーミリオン王国が超大国のディスガルディア共和国に宣戦布告をしたら目に見えているのが分からないのか⁉︎」
ディスガルディア共和国の軍事力は、世界で1番と言う話は有名な話だ。
平民の子供ですら知っていると言うのに、何故王族である王妃や王子が知らないのだろうか?
「騎士達よ、王妃とダレードを牢に放り込んでおけ!」
「「「はっ!」」」
騎士達に連行されている間でも、王妃は発狂したかの様に叫びまくっていた。
そして再び王の間は私達三人だけになると…?
「リテット殿、身内の恥を大変申し訳ありません‼︎」
国王陛下は深々と頭を下げた。
「あの書簡の内容からして、王妃はかなり頭の悪い方だったので私自身はお咎めはしませんが…ただ、何もお咎めがないと言う事はありませんよね?」
「当然で御座います!」
国王陛下は宰相達に命を下した。
その二日後に裁判が行われ、王妃は満場一致で死刑を宣告されるのだった。
だけど、ダレードは…?
外にいた騎士達も必死になって王妃を止めていたが…それも叶わず。
そして王妃はダレードを連れて王の間に入ると、王の間の中を見渡して言った。
「ディスガルディア共和国の使者が来ているのよね! マーテルリアは何処にいるの‼︎」
興奮していた王妃は、ディスガルディア共和国の使者であるリテットを見付けると詰め寄って来た。
「そこの子供、マーテルリアは何処‼︎」
「子供って…王妃様、落ち着いて下さい。」
「ソフィア! 誰がこの小娘の入城を許可したのよ‼︎」
王妃は私を突き飛ばすと、再び喚き散らした。
「ダレードを治すマーテルリアは⁉︎」
「マーテルリア様は来られておりません。」
「はぁ? 何でよ⁉︎」
私はリテットの手を借りて起き上がると、王妃にそう告げた。
「ちっ…ディスガルディア如きの奴が私の命令を無視するなんて、良い度胸しているじゃ無い‼︎」
この王妃は何を言っているのだろう?
ディスガルディア程度って…相手が超大国って分かっていないのかな?
「そうだわ! そこのディスガルディアの使者を始末して死体を送ればこちらの意図が伝わるわよね? 騎士達、そこの子供を始末しなさい‼︎」
「馬鹿な事を言うんじゃ無い! リテット様、無知な妻で申し訳ありません‼︎」
国王陛下はリテットに頭を下げて謝罪をした。
王妃はその姿を見て更に憤ってみせた。
「そんな子供に何をしているの! さぁ、騎士達…早く始末しなさい‼︎」
王妃はそう命令するも…騎士達は誰1人としてリテットに攻撃をしようとする者はいなかった。
無知な王妃とは違い、騎士達はディスガルディア共和国のプリズムナイツの実力を知っていたからだ。
たった1人で万騎の強さを誇るプリズムナイツ相手に戦いを挑んでも返り討ちにされる。
王族の命は絶対的なものだが、騎士達も流石に相手が超大国相手に攻撃を仕掛けるなんて馬鹿な真似は出来ない。
騎士達が迂闊に動いてディスガルディア共和国を怒らせれば、小国のバーミリオン王国なんて簡単に滅ぼされると分かっていたからだった。
「何をしているのですか! 早くなさい‼︎」
「母上、騎士が動かないのなら俺がやりますよ‼︎」
そう言ってダレードは剣を抜いてリテットに斬り掛かっていった。
私は聖女魔法で拘束しようと動くと同時に、リテットが光の剣でダレードを滅多斬りにした。
「命を奪う事はしないけど…少しは反省すると良いよ。」
「う…うぅ………」
ダレードは子供相手なら楽勝だと思っていたらしいけど、ダレードの様な小物がプリズムナイツに戦いを挑めばそうなる。
「こんな子供に…⁉︎」
その光景を見ていた王妃はダレードの剣を拾い上げてから、仇を打つかの様にリテットに攻撃しようと走り出していた。
私は聖女魔法のホーリーチェーンバインドで王妃を拘束すると、王妃は派手に倒れて呻き声を上げていた。
「ソフィア、何故お前が魔法を⁉︎」
「はぁ…っていうか、王妃様は元聖女なのに何故魔法の存在を知らないのですか?」
王妃は王子妃教育を蹴っただけではなく、聖女時代も王族に選ばれるからと言って聖女魔法の類は一切してこなかった。
なので、王妃が魔法の存在を知らなかったのは当たり前だった。
私は国王陛下の元に向かってから話をした。
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「そうだな。 ディスガルディア共和国を如きと抜かして、使者であるプリズムナイツのリテット殿に刃を向けた…これがディスガルディア共和国に伝われば、我が国は終わりだ‼︎」
その話を聞いて、王妃はジタバタと暴れ出しながら叫び始めた。
「何を言っているのよ! ディスガルディア如きに…」
「何を言っているのはお前だ! 我が小国のバーミリオン王国が超大国のディスガルディア共和国に宣戦布告をしたら目に見えているのが分からないのか⁉︎」
ディスガルディア共和国の軍事力は、世界で1番と言う話は有名な話だ。
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「騎士達よ、王妃とダレードを牢に放り込んでおけ!」
「「「はっ!」」」
騎士達に連行されている間でも、王妃は発狂したかの様に叫びまくっていた。
そして再び王の間は私達三人だけになると…?
「リテット殿、身内の恥を大変申し訳ありません‼︎」
国王陛下は深々と頭を下げた。
「あの書簡の内容からして、王妃はかなり頭の悪い方だったので私自身はお咎めはしませんが…ただ、何もお咎めがないと言う事はありませんよね?」
「当然で御座います!」
国王陛下は宰相達に命を下した。
その二日後に裁判が行われ、王妃は満場一致で死刑を宣告されるのだった。
だけど、ダレードは…?
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