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本編
第五話
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私は会った途端に罵詈雑言を言い放って来る王妃陛下に対して頭を下げながら言った。
「申し訳ありませんでした、厚顔無恥で名高い王妃陛下にこの様な仕打ちをしてしまった事を…」
「ふん、分かれば良いのです!」
王妃陛下は勝ち誇った様な顔をして私を蔑んでいた。
厚顔無恥で名高いという意味を褒められていると思っているのかしら?
流石、聖女の権威を振り翳して王子妃教育を蹴った人は頭の知能が低いだけのことはありますね。
「あの、王妃よ…ソフィアは褒めてはおらんぞ。」
「はぁ?」
隣にいる国王陛下に厚顔無恥という言葉を説明されて、王妃陛下は物凄く憤った姿を見せた。
普通…王妃陛下ともあろう方が、その程度の知識を持ち合わせていない方が問題でしょうに…
「何処までも舐めた態度を取ってくれるわね…小娘の分際で‼︎」
「その小娘よりも知能が低いのも問題では無いでしょうか? 子を見ればよく分かりますね…まさにこの親にしてこの子ありですね。」
その言葉の意味は分かっていたみたいで…王妃陛下は私に対して睨みつけて来た。
「最後のチャンスです! ダレードを元に戻す事に尽力を注ぐならば、私への不敬は許して差し上げますわよ‼︎」
「本当に何処までも頭の悪い方ですね、あれだけ罵詈雑言を浴びせられてから婚約破棄をして来た自業自得男に対して、情なんてあると本気で思っているんですか?」
「そうですか…それが答えなら仕方ありませんね。 ならば、ソフィアは覚悟する事ですね‼︎」
覚悟する…?
私以外にダレードを元に戻す事は不可能の筈なのに、王妃陛下は何を言っているのでしょうか?
「ソフィアに頼む以外にも、もう1つの策があることを調べていて分かったのです!」
「策って…?」
「貴女は奇跡の聖女の話を聞いた事はありますよね?」
「数年前に魔界神帝グラシャラボレアスを討伐に貢献したマーテルリア様のことですよね?」
「そう…マーテルリア様は、ディスガルディア共和国大統領の呪いを解き、不死の呪いすら癒した奇跡の聖女様です。 その方に頼む事ができれば、ダレードの呪いもきっと…」
私はその話を聞いて頭を押さえながら溜め息を吐いた。
私だけではなく、国王陛下も同じ様に呆れた顔をしていた。
「あの…言っておきますが、奇跡の聖女マーテルリア様は現在…ディスガルディア共和国の聖女になられたお方ですよ。 どうやって頼むおつもりですか?」
「それは、バーミリオン王国の王妃陛下としてディスガルディア共和国に要請するつもりです! それが叶えば…貴女は不要な存在になるのですよ‼︎」
本気で言っているのかな、この馬鹿女は…?
バーミリオン王国の様な小国規模の王族が、ディスガルディア共和国の様な超大国に簡単にお目通が可能だと本気で思っているのかしら?
仮にその願いが叶うとしても…早くても数年以内で、下手すると数十年単位で待たされるでしょうね。
そんな事も分からない…いえ、この知能の低い王妃陛下には分からないか。
王妃陛下は私に対して勝ち誇った様な笑みを向けて来た。
何か秘策でもあるのかしら?
ディスガルディア共和国とのパイプでもあるとか…?
「最後のチャンスを不意にしてくれた事を後悔しながら震えて待っていることね! さぁ、この密書をディスガルディア共和国に送りなさい‼︎」
あ、やっぱり…そんな物はなかったのね。
私は呆れながら城を後にして公爵家に戻った。
そして、その密書はというと…?
いつになったら本人の手に届くのでしょうねぇ?
「申し訳ありませんでした、厚顔無恥で名高い王妃陛下にこの様な仕打ちをしてしまった事を…」
「ふん、分かれば良いのです!」
王妃陛下は勝ち誇った様な顔をして私を蔑んでいた。
厚顔無恥で名高いという意味を褒められていると思っているのかしら?
流石、聖女の権威を振り翳して王子妃教育を蹴った人は頭の知能が低いだけのことはありますね。
「あの、王妃よ…ソフィアは褒めてはおらんぞ。」
「はぁ?」
隣にいる国王陛下に厚顔無恥という言葉を説明されて、王妃陛下は物凄く憤った姿を見せた。
普通…王妃陛下ともあろう方が、その程度の知識を持ち合わせていない方が問題でしょうに…
「何処までも舐めた態度を取ってくれるわね…小娘の分際で‼︎」
「その小娘よりも知能が低いのも問題では無いでしょうか? 子を見ればよく分かりますね…まさにこの親にしてこの子ありですね。」
その言葉の意味は分かっていたみたいで…王妃陛下は私に対して睨みつけて来た。
「最後のチャンスです! ダレードを元に戻す事に尽力を注ぐならば、私への不敬は許して差し上げますわよ‼︎」
「本当に何処までも頭の悪い方ですね、あれだけ罵詈雑言を浴びせられてから婚約破棄をして来た自業自得男に対して、情なんてあると本気で思っているんですか?」
「そうですか…それが答えなら仕方ありませんね。 ならば、ソフィアは覚悟する事ですね‼︎」
覚悟する…?
私以外にダレードを元に戻す事は不可能の筈なのに、王妃陛下は何を言っているのでしょうか?
「ソフィアに頼む以外にも、もう1つの策があることを調べていて分かったのです!」
「策って…?」
「貴女は奇跡の聖女の話を聞いた事はありますよね?」
「数年前に魔界神帝グラシャラボレアスを討伐に貢献したマーテルリア様のことですよね?」
「そう…マーテルリア様は、ディスガルディア共和国大統領の呪いを解き、不死の呪いすら癒した奇跡の聖女様です。 その方に頼む事ができれば、ダレードの呪いもきっと…」
私はその話を聞いて頭を押さえながら溜め息を吐いた。
私だけではなく、国王陛下も同じ様に呆れた顔をしていた。
「あの…言っておきますが、奇跡の聖女マーテルリア様は現在…ディスガルディア共和国の聖女になられたお方ですよ。 どうやって頼むおつもりですか?」
「それは、バーミリオン王国の王妃陛下としてディスガルディア共和国に要請するつもりです! それが叶えば…貴女は不要な存在になるのですよ‼︎」
本気で言っているのかな、この馬鹿女は…?
バーミリオン王国の様な小国規模の王族が、ディスガルディア共和国の様な超大国に簡単にお目通が可能だと本気で思っているのかしら?
仮にその願いが叶うとしても…早くても数年以内で、下手すると数十年単位で待たされるでしょうね。
そんな事も分からない…いえ、この知能の低い王妃陛下には分からないか。
王妃陛下は私に対して勝ち誇った様な笑みを向けて来た。
何か秘策でもあるのかしら?
ディスガルディア共和国とのパイプでもあるとか…?
「最後のチャンスを不意にしてくれた事を後悔しながら震えて待っていることね! さぁ、この密書をディスガルディア共和国に送りなさい‼︎」
あ、やっぱり…そんな物はなかったのね。
私は呆れながら城を後にして公爵家に戻った。
そして、その密書はというと…?
いつになったら本人の手に届くのでしょうねぇ?
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