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本編
序章
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「本当にお前はよぉ~、地味だし色気がねぇし、胸もねぇし女性の色んな部分が欠落しているんじゃねぇか?」
私に向かってこんな罵詈雑言を言い放つ男の名前は、バーミリオン王国の第一王子のダレードです。
ダレードは私と会う度に悪口を言って来るけど、ここまで酷い仕打ちをされたのは初めてでした。
私の名前はソフィア・デリランシェス…デリランシェス公爵家の長女です。
幼少の頃に私は、この国で聖女に任命されて…ダレードと婚約者候補になりました。
この王国にはある秘密があります。
それは…王族は聖なる加護を持つ者と結婚をしないと、古代の呪いにより災いが降りかかるというものでした。
そして…歴代の王族の中には、その古代の呪いを甘く見て聖女ではない女性との結婚をした者もいたそうですが…?
やはり、古代の呪いにより醜い姿に変わったという話でした。
私が聖女に選ばれなかったら、こんな男と結婚をすることは無いのですが…
こればかりは運命を呪うしかありません。
それが決まってからは今までの生活が一変し…王子妃教育の為に城に招かれて勉強の毎日でした。
王子妃教育はとにかく過酷で…休んでいる暇もなく、常に忙しい日々で簡単な身支度くらいしか出来ずに、化粧などが一切出来ない状態でした。
それを偶然ダレードに見つかってからというもの…私に対しての悪口が始まりました。
そして今夜は婚約発表の場で様々な貴族達がいる前でも、このダレードは好き勝手に罵詈雑言を言い放ったのでした。
ただ…これでは終わらずに、話はまだまだ続きます。
「全くよぉ、そんな女と結婚されるこっちの身にもなれってんだよ! この世界が滅亡して俺とお前が最期の2人になったとしても俺は絶対に手を出すことはありえねぇんだからよ! お前はそれくらいに価値がない女なんだよ‼︎」
私は何故そこまで言われ続けなければならないのかと…思わず悔しくて涙を流しました。
するとダレードはそんな私を見て、嘲笑いながら言ってきました。
「何だよ、悔しいのか~? お前みたいな無表情の鉄仮面女にも感情はあったんだな!」
そう言い終わってから大爆笑をしました。
私はとにかく惨めで…この場から立ち去りたいと思う気持ちでいっぱいでした。
確かに私は他の令嬢に比べて…綺麗とは言えません。
別に自分磨きを怠っているわけではないのですが、王子妃教育が終わっても他にやる事が多すぎて手が回らなかったのです。
「まぁ、そんなお前は…婚約破棄だ! そして俺はこの女と新たに婚約をする事にする‼︎」
そう言ってダレードは、金髪で私に対しての勝ち誇った様な顔をした令嬢を連れて来た。
ダレードが連れて来た女性は…学院で美貌を兼ね揃えた女性として有名な子だった。
「このアーケアはお前と違って…お前のない物を全て兼ね揃えた女なんだよ。 俺はお前の代わりにこの女を選ぶ事にする‼︎」
すると…会場内では騒めきに包まれた。
これが貴族同士との結婚で婚約者が気に入らない場合ではアリかもしれない…けど、王国の呪いに関してだと話は違って来る。
私は思わず声を掛けた。
「ダレード様、それはお考え直し下さい‼︎」
「何だよ、気分を盛り下げる様な発言をするんじゃねぇ!」
「貴方が王族でなければ、この婚約に関しては大人しく身を引きましょう…ですが、千年呪いを甘く見てはなりません‼︎」
「歴代の王族が聖女と結ばれなければ醜く姿を変えるというアレか? 確かに、5代目と9代目はその禁を破って醜い姿に変わったという話だったが、あれから何百年経ったと思っているんだ! もうそんな呪いは存在しねぇんだよ‼︎」
そう言い終わってからダレードは、アーケアを抱き寄せた。
そしてダレードは勝ち誇った様な顔をして会場内の貴族達に告げた。
「ほら、そんな昔の呪いなんてもう無いんだよ! これからは聖女とかに縛られる事もなく、お前の様な色気も地味でもない女以外を選ぶ事が…」
ダレードはそう言い終わる寸前に、会場内は黒い煙が吹き出して来て…ダレードの身体を包み始めた。
【千年の呪い…無くなったと思っているのか~‼︎】
「な、何だこの声は⁉︎」
ダレードは呪いを甘く見ていた。
そして呪いを甘く見ていたダレードが、包み込んでいた黒い煙が離れて行くと…?
茶髪の髪が白に変わり、顔は悍ましい魔物の様な醜い姿に変わっていた。
ダレードは顔に触れようとすると、ヌルッとした触手に触れて叫び声を上げた。
そして抱き寄せていたアーケアも、ダレードの顔を見た途端に腕を払って遠くの方に逃げ出していた。
更に会場内では大きな悲鳴が巻き起こっていた。
そして会場内にいる貴族達は、護衛をしていた騎士達に先導されて会場を後にした。
会場内に残っているのは、ダレードの両親である国王夫妻と私だけとなっていた。
ダレードはこの先…どうなってしまうのでしょうか?
私に向かってこんな罵詈雑言を言い放つ男の名前は、バーミリオン王国の第一王子のダレードです。
ダレードは私と会う度に悪口を言って来るけど、ここまで酷い仕打ちをされたのは初めてでした。
私の名前はソフィア・デリランシェス…デリランシェス公爵家の長女です。
幼少の頃に私は、この国で聖女に任命されて…ダレードと婚約者候補になりました。
この王国にはある秘密があります。
それは…王族は聖なる加護を持つ者と結婚をしないと、古代の呪いにより災いが降りかかるというものでした。
そして…歴代の王族の中には、その古代の呪いを甘く見て聖女ではない女性との結婚をした者もいたそうですが…?
やはり、古代の呪いにより醜い姿に変わったという話でした。
私が聖女に選ばれなかったら、こんな男と結婚をすることは無いのですが…
こればかりは運命を呪うしかありません。
それが決まってからは今までの生活が一変し…王子妃教育の為に城に招かれて勉強の毎日でした。
王子妃教育はとにかく過酷で…休んでいる暇もなく、常に忙しい日々で簡単な身支度くらいしか出来ずに、化粧などが一切出来ない状態でした。
それを偶然ダレードに見つかってからというもの…私に対しての悪口が始まりました。
そして今夜は婚約発表の場で様々な貴族達がいる前でも、このダレードは好き勝手に罵詈雑言を言い放ったのでした。
ただ…これでは終わらずに、話はまだまだ続きます。
「全くよぉ、そんな女と結婚されるこっちの身にもなれってんだよ! この世界が滅亡して俺とお前が最期の2人になったとしても俺は絶対に手を出すことはありえねぇんだからよ! お前はそれくらいに価値がない女なんだよ‼︎」
私は何故そこまで言われ続けなければならないのかと…思わず悔しくて涙を流しました。
するとダレードはそんな私を見て、嘲笑いながら言ってきました。
「何だよ、悔しいのか~? お前みたいな無表情の鉄仮面女にも感情はあったんだな!」
そう言い終わってから大爆笑をしました。
私はとにかく惨めで…この場から立ち去りたいと思う気持ちでいっぱいでした。
確かに私は他の令嬢に比べて…綺麗とは言えません。
別に自分磨きを怠っているわけではないのですが、王子妃教育が終わっても他にやる事が多すぎて手が回らなかったのです。
「まぁ、そんなお前は…婚約破棄だ! そして俺はこの女と新たに婚約をする事にする‼︎」
そう言ってダレードは、金髪で私に対しての勝ち誇った様な顔をした令嬢を連れて来た。
ダレードが連れて来た女性は…学院で美貌を兼ね揃えた女性として有名な子だった。
「このアーケアはお前と違って…お前のない物を全て兼ね揃えた女なんだよ。 俺はお前の代わりにこの女を選ぶ事にする‼︎」
すると…会場内では騒めきに包まれた。
これが貴族同士との結婚で婚約者が気に入らない場合ではアリかもしれない…けど、王国の呪いに関してだと話は違って来る。
私は思わず声を掛けた。
「ダレード様、それはお考え直し下さい‼︎」
「何だよ、気分を盛り下げる様な発言をするんじゃねぇ!」
「貴方が王族でなければ、この婚約に関しては大人しく身を引きましょう…ですが、千年呪いを甘く見てはなりません‼︎」
「歴代の王族が聖女と結ばれなければ醜く姿を変えるというアレか? 確かに、5代目と9代目はその禁を破って醜い姿に変わったという話だったが、あれから何百年経ったと思っているんだ! もうそんな呪いは存在しねぇんだよ‼︎」
そう言い終わってからダレードは、アーケアを抱き寄せた。
そしてダレードは勝ち誇った様な顔をして会場内の貴族達に告げた。
「ほら、そんな昔の呪いなんてもう無いんだよ! これからは聖女とかに縛られる事もなく、お前の様な色気も地味でもない女以外を選ぶ事が…」
ダレードはそう言い終わる寸前に、会場内は黒い煙が吹き出して来て…ダレードの身体を包み始めた。
【千年の呪い…無くなったと思っているのか~‼︎】
「な、何だこの声は⁉︎」
ダレードは呪いを甘く見ていた。
そして呪いを甘く見ていたダレードが、包み込んでいた黒い煙が離れて行くと…?
茶髪の髪が白に変わり、顔は悍ましい魔物の様な醜い姿に変わっていた。
ダレードは顔に触れようとすると、ヌルッとした触手に触れて叫び声を上げた。
そして抱き寄せていたアーケアも、ダレードの顔を見た途端に腕を払って遠くの方に逃げ出していた。
更に会場内では大きな悲鳴が巻き起こっていた。
そして会場内にいる貴族達は、護衛をしていた騎士達に先導されて会場を後にした。
会場内に残っているのは、ダレードの両親である国王夫妻と私だけとなっていた。
ダレードはこの先…どうなってしまうのでしょうか?
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