幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!

アノマロカリス

文字の大きさ
上 下
16 / 47
第一章

第十四話 残り1日の過ごし方…(さて、何をしようかな?)

しおりを挟む
 城から追い出されるまで、残り1日…
 ゲストハウスでスキルを確認しようと思って部屋にいるのだが、メイドや料理人など次々に尋ねてくる。
 別に嫌ではないのだが、これからの旅で使えるスキルを確認したいので、部屋を出る事にしたのだが…?
 正直、邪魔されずに人があまりいない場所が良い…そう考えると、あそこしかなかったので移動をした。
 着いた場所は、トム爺さんがいる農園だった。

 「おや、慱殿? 今日はどの様な御用ですかな?」
 「部屋にいても誰かが尋ねてきまして、気が休まらないのです。 邪魔はしませんので、農園の片隅に居ても良いですか?」
 「ワシの小屋でも…と言いたい所じゃが、料理人が尋ねて来るからなぁ…良いぞ!」
 「ありがとうございます。」

 僕は農園の片隅に…行こうとしたら、料理人が畑の周りを歩いてきた。
 見付かったら厄介な事になると考えたので、僕は土魔法で壁を囲む様に作って小さな小屋を作った。
 そこで料理人が通り過ぎるのを待っていたのだが…?
 ここにいれば誰も来ないだろうし、この中で過ごす事にした。

 「さて、スキルの確認だが…」

 改めて見ると、スキルの量の多さに眩暈がしてきた。
 まず、魔法というスキルについて…

 【属性魔法】・【精霊魔法】・【神聖魔法】・【補助魔法】・【召喚魔法】・【時空魔法】…
 属性魔法と精霊魔法の違いが良く解らないが、調べてみると…
 精霊魔法は、エルフやドワーフと言った妖精族が使う魔法だという。
 神聖魔法は、回復や攻撃魔法もあるし…
 補助魔法は、バフやデバフに使用出来る魔法らしい…
 召喚魔法は、ミミズやにわとりの召喚で使ったから何となく解った。
 時空魔法は、収納魔法もそれに一種らしい。
 属性魔法の欄の一番下に、無属性造形魔法というのがあった。
 頭の中のイメージを魔力を込めて具現化出来る魔法らしい。
 試しに、左手に盾を、右手に剣を作りだした。
 盾は普通に硬く、剣も物が切れる。
 これに早く気付いていれば、剣召喚なんていうスキルを使わなくても済んだのではないかと…
 まだ他にも魔法はあるけど、とりあえずはこれで充分だ。

 次にスキルだが…こっちの方がかなり面倒くさい。
 種類はいくつかに分かれるが、旅に必要なスキルとすれば…?

 【鑑定】と【消臭】と【音消】と【姿消】くらい…だけだと、まだ足りないか。
 他には…?
 【メイク】と【フェイク】・【言語】か…
 意味は何となく分かるけど、どういうスキルなんだろう?

 【メイク】
 髪の長さから、顔立ち、身長、性別まで変える事がスキル。
 使い方によっては、全くの別人になる事も可能で、潜入などにも使える。
 服の変化にも使える。 

 【フェイク】
 今迄出会った事のある人物や魔物に変身出来る能力。
 変身した物の能力までは使えないけど、フェイクの状態で自分のスキルや魔法は使用可能。

 【言語】
 鳥や動物、魔物の声まで聞こえるスキルだが、特定をしないとその場にいるありとあらゆる生物の声が聞こえるので注意が必要。
 話す事も出来るが、全ての生物が流暢に話せる訳ではないので、話す時は注意が必要。

 以前スキルで作った等身大の鏡を作る。
 そして【メイク】を使用するのだが…まずは性別を変えてみた。
 胸が盛り上がり、下半身に違和感がある。
 服をめくって体を見るが…?
 事故後の傷の状態での女性体なので、あまりムラっとはしなかった。
 メイクで体の傷も消せるが…何か虚しいのでやめた。
 更に髪を腰まで伸ばして、顔も作り替えるとまるで別人になった。
 服をドレスに変えると、まるでメイドの様に…
 うん、メイクのスキルは解ったので解いた。
 だが、これは変装には持って来いなスキルだという事は間違いなかった。

 次に【フェイク】を使った…のだが、何も起きない。
 フェイクの後に変身したい名前を言わないといけないのか…?
 【フェイク…飛鳥!】
 僕の姿は飛鳥になった。
 色々体を動かすと、確かに女性の体で動きにくい点はある。
 首元を引いて胸を見ようと思ったが、飛鳥にバレたら殺されそうなのでやめる事にした。

 あとは【言語】なのだが…?
 小屋から外を見ると、先程とは別の料理人が畑を見ていた。
 今出て行ったら、絶対に捕まるな…?
 しばらく考えて…出た結論は!
 【フェイク・コッコ!】
 僕はコッコに変身した。
 僕より身長が低いけど、あんな小さい足でもしっかりと踏みしめて歩けた。
 そのまま扉を開けて、飼育小屋に歩いて行った。

 「クワークックワークワー!」
 「ククククワークックワー!」
 「うん、何を話しているのか全く解らん。」

 僕は【言語】を使った。
 すると、コッコ達の声が聞こえて来た。

 「オイ、オマエ…ナゼコヤノソトニイル?」
 「ニゲルダメ、ジィサンニメイワクカケル!」
 
 なるほど、コッコ達の声も聞こえる様になるのか…
 まだ数日なのに、トム爺さんに良く懐いていると思った。

 「ボクハダンダヨ、キミタチヲショウカンシタモノダ」
 「ナニヲイッテル、ショウカンアルジハニンゲンダ!」

 そりゃそうか…今はコッコの姿だし、そんな姿で言っても信じる訳ないか…
 僕は辺りを見渡してから、誰もいない事を確認して変身を解いた。

 「クワッ⁉ ホントウニショウカンアルジダッタ⁉」
 「人に見付かると、面倒だったので君達の姿になっていたんだよ。」
 「アルジサマモタイヘンナンダナ…」

 鳥に同情されてしまった…
 まぁ、実験も試せたし、コッコに挨拶をしてその場を離れた。
 スキルはまだまだあるが、旅の中で暇な時にまた見る事にした。
 僕は先程の小屋に戻ろうとすると、まだ料理人がいたので物陰に隠れてから、【フェイク・ハト】でハトに変身してその場を飛び去った。
 城の周りを飛んでいると、国王の声がしたので開いている窓の縁に降りた。

 「勇者達が城から出た場合、あの若造と外で接触したらまずいな…」
 
 あの若造って、僕の事か?
 国王の独り言を聞いていると、とんでもない事を口走ったのを聞こえた。

 「消すか…あの若造!」
 
 なんだと⁉
 その後を聞いていると、闇ギルドで暗殺するとか…貴族に頼んで始末させるとか聞こえて来た。
 
 「余に土下座をしろなんてほざいたあの若造が悪いのだ! 調子に乗った報いを受けさせてやる‼」

 上等だ‼
 貴様こそ、僕に牙を向けた事を後悔させてやるからな‼
 僕はその場を飛び去った。
 
 そして廊下で元の姿に戻ると、ゲストハウスに向かって歩こうとしたら、部屋の前に料理長に会った。
 料理長は、明日には城を出る僕の為に送別会を開いてくれた。
 食堂の中に入ると、飾りつけこそなかったが…
 豪華な料理に、司書さんやメイド、騎士や兵士、アルカディア王女にトム爺さんもいた。
 そして皆はグラスを持つと、乾杯をした。
 僕はお酒が飲めなかったので、果実の絞り汁を飲みながら料理を楽しんだ。
 お酒が入った皆は、僕の前に来て感謝やお礼を言ってきた。
 
 送別会で皆の顔を見て思った。
 ここにいる人達は、皆味方に付ける事が出来た人物だという事を…
 だって、国王陛下が居ないからそう思えた。

 そして夜が更けた頃…
 送別会は終わり、僕は部屋に入って眠りについた。
  
 翌日…
 僕は玉座の間に呼ばれて、王の前に来た。
 その時に城を追い出される事は間違いないが、どうせなら…昨日聞いたあの内容の反撃をさせてもらう為に、慱はある事を仕掛けてみようと思ったのだ。
 それは、間違いなく国王を激怒させる内容なのだが…次回のお楽しみにw
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

元Sランクパーティーのサポーターは引退後に英雄学園の講師に就職した。〜教え子達は見た目は美少女だが、能力は残念な子達だった。〜

アノマロカリス
ファンタジー
主人公のテルパは、Sランク冒険者パーティーの有能なサポーターだった。 だが、そんな彼は…? Sランクパーティーから役立たずとして追い出された…訳ではなく、災害級の魔獣にパーティーが挑み… パーティーの半数に多大なる被害が出て、活動が出来なくなった。 その後パーティーリーダーが解散を言い渡し、メンバー達はそれぞれの道を進む事になった。 テルパは有能なサポーターで、中級までの攻撃魔法や回復魔法に補助魔法が使えていた。 いざという時の為に攻撃する手段も兼ね揃えていた。 そんな有能なテルパなら、他の冒険者から引っ張りだこになるかと思いきや? ギルドマスターからの依頼で、魔王を討伐する為の養成学園の新人講師に選ばれたのだった。 そんなテルパの受け持つ生徒達だが…? サポーターという仕事を馬鹿にして舐め切っていた。 態度やプライドばかり高くて、手に余る5人のアブノーマルな女の子達だった。 テルパは果たして、教え子達と打ち解けてから、立派に育つのだろうか? 【題名通りの女の子達は、第二章から登場します。】 今回もHOTランキングは、最高6位でした。 皆様、有り難う御座います。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。 ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん) いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて… 幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ? 王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。 だけど、夢にみた迄の異世界… 慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。 自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。 現在書籍化されている… 「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」 の100年前の物語です。 リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。 そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。 その作品の【改訂版】です。 全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。 今回のHOTランキングでは最高5位かな? 応援有り難う御座います。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

処理中です...