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第一章

第十二話 その頃、勇者パーティーは…?2(結構難航しているみたいです。)

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 幼馴染達4人は、現在…勇者修練場にいた。
 この場所は、空はあるけど夕焼けの様に紅い空で、若干薄暗い。
 フィールドには草原や岩場などがあり、魔物が次々と湧いて出てくる仕組みになっていた。
 
 「国王陛下は、5日もあれば出れると言っていたが、とてもじゃないがそんなに楽な場所ではないぞ⁉」
 「だけど、魔物を倒す事によって経験値が入ってレベルが上がるから、確実に強くはなっている筈!」
 「次が来たよ! 8匹のリザードマンよ!」
 「ボクが先陣を切るね!」

 勇者修練場に入ってから、すでに4日経過している。
 魔物は次々と湧いて行き、倒してもキリがない程になっている。
 しかも、フィールドダンジョン構造になっており、下層に行っても同じ景色が続くので、どこまで下に行けば終わりなのかが見えない場所だった。

 「いま何層だっけ?」
 「確か、3層だったはず…?」
 「同じ様な景色ばかりだから、進んでいるのか訳が分からなくなってくる。」
 「1日に1層と考えれば、5日で出られるという国王陛下の言葉を信じれば、残り2層じゃないかな?」

 魔物と戦いながら、下層に降りる階段を見付けると、降りた先に下に行く扉があるのだが…?
 必ず階層守護者のガーディアンがいるのだった。
 そこにいたガーディアンは、巨大な騎士の石像の巨人のスプリガンだった。
 
 勇者・翔也と剣聖・飛鳥が敵を翻弄しながら攻撃を、賢者・賢斗が巨人に対して弱体魔法と攻撃魔法を、聖女・華奈は支援魔法と回復魔法を使いこなしていた。
 いままでは、その方法で退けられたのだが…今度のスプリガンは、そう簡単には行かなかった。

 「体が硬すぎる⁉」
 「賢斗、弱体魔法は出来ない?」
 「弱体魔法はとっくにやっているよ! それでも、弾かれるくらいに防御力が高いんだろう…」
 「飛鳥、回復するから一度下がって…」

 飛鳥は、華奈の居る所まで下がると、回復魔法を施してもらった。
 翔也は飛鳥が抜けた分を1人で立ち回っているが、正直分が悪い。
 賢斗も攻撃魔法を放ってはいるけど、硬い石造のスプリガンの前では魔法を弾かれるのだ。

 「3層までの階層守護者の強さは何だったんだ?」
 「愚痴ってないで集中して! 飛鳥も翔也に合流して!」
 「華奈、ありがとう! 戦闘に復帰するね…」
 「翔也、ここは一旦下がろう…対策を立てないと、闇雲に戦ったんじゃ勝てない!」
 「だな…賢斗、頼む!」

 賢斗は火球をスプリガンの頭部に当てるのを合図に後退していった。
 階層守護者はその場からは動けないので、4人は階段を上がった。
 そして、華奈の聖女の守護方陣を展開してから、休憩をした。

 「慱が出発するまで、あと何日だ?」
 「あと3日だね…」
 「それまでに出られるのかな?」
 「最悪は、城を出た慱と外で合流すれば良いさ。 どっちに向かうか位は話していくだろう?」 
 
 慱が出発まで残り3日…と思っているみたいだけど、この空間では時間の流れが違い…正確には残り1日。
 仮に最下層の守護者を倒せたとしても、ロックが掛かっていて出られない事を幼馴染達は知らない。
 国王の策略で、慱が出発する日に間に合う事は絶対にない幼馴染達だった。
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