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パラレルワールドストーリー 本編とは別のストーリーです。 読むかどうかの判断は任せます。

メーモとデート…前編

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 【舞台は、最終章の第三話と第四話の中間です。】
 
 「どうも、テトです! 現在僕は…ある事を計画中です!」

 僕はねぇ…気付いてしまいましたよ!
 僕の体に取り憑いている貧乏神は、とことん僕の邪魔をしたいらしい事に!
 だってさぁ…?
 両親に捨てられ、親戚に引き取られても虐待の日々、異世界に来たその日に崖から突き落とされて、ゴブリンに喰われそうになり、食人植物に捕食されかけ、助けられたエルフに処刑されそうになり、逃げ出せたと思ったら熊に襲われる。
 僕の人生は不幸の連続だった…まぁ、僕はこういう星の下で生まれたと思って諦めはつく…。
 だけど…その他にも貧乏神…いや、疫病神が取り憑いていると思う時がある。
 それは、メーモと良い雰囲気になると必ず邪魔が入るという事だ!

 「という訳で…今回はメーモとデート大作戦を決行する!」

 メーモを自由都市フレミング行きに誘い、デートをする!
 ここで障害になるのが父さん達とナーニヌ卿だ。
 ただ自由都市フレミングに行くというだけでは、父さん達は着いてくる可能性が高い。
 近場なら問題は無いが…遠出となると、ナーニヌ卿も着いて来る…いや、絶対に来る。
 そして…久々に姉妹と一緒になれたメーミちゃんも…
 ドワーフ達に行き先を告げずに行くのは気が引けるので、とりあえず聞いてみた。
  
 「メーモと一緒に自由都市フレミングに行きたいんだけど、良いかな?」
 「お主等だけでか?」
 「なら…父さん達も行く?」
 「いや…行きたいところじゃが、ワシ等は注文の品の制作があるからな。 残念じゃが、今回は行けん。」
 《よしっ!》
 「じゃが…テト等だけはちと心配じゃのう!」
 「僕のレベルの高さでも心配?」
 「いや…心配は無いか! 気を付けていくんじゃぞ!」

 良し!
 父さん達が行かないのなら、心配のタネが1つ減った。
 後は、メーミちゃんだけど…?

 「私も行きたいところですが…シルビアママの集落に行って、裁縫を習いたいので…今回は遠慮します。 ルーレもレース編みを習得したいという話だし。」
 《よしっ!》

 これでメーミちゃんが着いてくる心配も無くなった。
 後はナーニヌ卿だが…?
 メーモとメーミが分かれるのなら、護衛対象はメーミの方に護衛で着かないと行けなくなる筈…
 そうなると…着いてくるとは言わないだろうな?
 ところが…?

 「自分は、メーモ様のお供をしますよ!」
 
 …と言い出した。
 予想出来たが、案の定か!
 
 「シルビア様の集落に一緒に行ってから、集落で分かれて自分はメーモ様と共に行く…という感じだと丁度良いのではないですか?」
 「じゃあ、メーミちゃんの帰りが予定より早まったら…メーミちゃんとルーレさんは2人で集落に帰ることになるのか?」
 「自分達が帰るまで居てもらうという…」
 「緊急な要件が入った場合は?」
 「何か…先程から自分が邪魔という風に聞こえますが? 自分を撒いて2人きりになろうとか考えてませんか?」
 「邪魔というか…足手まといかな? 緊急時にメーモだけなら抱えて逃げられるけど…更にナーニヌ卿もとなると、正直キツい。」
 「安心されよ! 自分は騎士だ! 自分の身くらい自分で…」
 「自由都市フレミングに行く場合には、ハードロッグズ山を通るんだけど…前回はレッドドラゴンが襲って来たよ!」
 「ど………ドラゴンですか⁉︎」
 「父さん達だけだったら相打ち覚悟で、良くて引き分け…勝利出来たとしても、犠牲者は出ていたと言っていた。」

 ナーニヌ卿は思った。
 ドラゴンならやり過ごせれば、何とかなるかもしれないが…?
 レッドドラゴンとなると話は別だ。
 
 「た…確かに、そんな状況では自分は足手まといになりますね。 ですが、自分はメーモ様の騎士なので…身体を張ってお守り致します!」
 「なら…ナーニヌ卿だけ囮にして、僕らは逃げるけど平気なの?」
 「ぐっ…!」

 そこまで考えて無かったのかな?
 身体を張って囮になってくれるのはありがたいけど、これだと自分が言った通りに最後には2人きりになるんだが…
 寧ろ永遠に邪魔はいなくなる!
 
 「あ、そうだ! 何も自分が囮にならなくても、テト殿を囮にして…」
 「別に良いけど、父さん達がこの事を聞いたら…ナーニヌ卿は殺されるけど良いの?」
 「テト殿はギム殿達の息子同然と仰っていましたからね…」
 「サッと行ってサッと帰って来るから。 まぁ、2日くらいフレミングには泊まるけど…」
 「その間…何もやましい事はないですよね?」
 「ナーニヌ卿は頭大丈夫? 成人過ぎた男女が同じ部屋に泊まるとなれば、何もないと言っても信じてはもらえないと思うけど…10歳の子供が同じ部屋に泊まって、どんなやましい事をするのさ?」
 
 これだからは大人は…余計な考えを考えようとする。
 やましい事なんて…するに決まっているじゃないか!

 「だが…テト殿は、メーモ様以外にメーミ様とルーレと同じ湯に浸かったというではないか! しかも裸で‼︎」
 「そりゃ…風呂なんだから裸になるのは当たり前だろ? 別にやましい事なんて無かったよ、ねぇ2人とも?」

 僕の発言に対して、メーミとルーレはあからさまに視線を逸らした。
 こらこら君達…そこは何もないと言ってくれないと、ナーニヌ卿が怪しむだろ?

 「やはり…自分も一緒に行った方がい…」
 「ナーニヌ卿はさ、ここからシルビア母さんの集落まで走ってどれくらい掛かる?」
 「この集落からですか? 3日…いや、2日は掛かりますね!」
 「僕は半日で行けるけど…しかもメーモを抱っこした状態で。」
 「つまり…?」
 「ナーニヌ卿がいると、ナーニヌ卿の脚に合わせないといけないからその分遅くなるんだよ。」
 「………分かりました! 今回はテト殿の事を信じましょう!」
 「あぁ、任せておいて下さい!」
 《その期待は、見事に裏切らせてもらうけどね!》
 「何だか…急に不安になって来ました。 やはり自分も…?」
 《ちっ…勘がいいな、コイツ!》
 「大丈夫ですよ、片道3日位で向かいますから!」
 「そんなに早く? ハードロッグズ山の山越えは相当時間が掛かるというのに…」
 
 僕は3人と別れてから、メーモと合流した。

 「父様達はどうだった?」
 「父さん達は、注文や発注分を作るのに忙しいから今回は無理だって。」
 「メーミとルーレは?」
 「2人はシルビア母さんから裁縫の技術を学びたいからパスだと。」
 「1番の懸念のナーニヌ卿は?」
 「言いくるめてから論破した!」
 「まぁ…しつこかったでしょ?」
 「でも…これで2人きりでデートが出来る!」
 「ところで、デートが目的なだけ?」
 「いや…ハクの補充と、前回買えなかった野菜とかを買おうと思ってね。」
 「前回買えなかった?」
 「ちょっとゴタついていて…店を全部回れなかったから。」
 「何かあったの?」
 「メーモを助けた時だったから…」
 「あー…」

 前回行った時は、店の3分の1位しか回れなかった。
 今回はデートなので、買い物も醍醐味の1つだけど…他にも名所を回ってみたりしたいと思った。
 そして夜は高級宿屋で一緒にお風呂に入ったり~一緒に寝たり~ぐふふw
 その為の軍資金は腐る程ある!
 
 「では…メーモ、早速行くよ!」
 「私の方は準備が出来ているけど…いっか! 父様達、行って参りますね!」
 「おう、気を付けて行けよ!」
 「土産を頼むぞ~」
 「いってくるね、父さん達!」

 僕はメーモをお姫様抱っこすると、ナーニヌ卿が止めに入った。

 「テト殿…本当に信じていますぞ!」
 
 僕はその答えに、あくどい顔を答えるとナーニヌ卿は…

 「やはり自分も行くぞ‼」

 そう言いだしたので、僕は集落を飛び出して行った。
 
 「それにしても、ハードロッグズ山の山越えってそんなに簡単でしたっけ? テト殿は2日でフレミングに着くと言っていたのですが…」
 「ナーニヌ、お主知らんのか?」
 「何がでしょうか?」
 「ハードロッグズ山はテトの爆裂攻撃で半壊したんじゃぞ! しかも、懸賞金の掛かった魔獣や龍族を全て倒してあるから、危険な魔獣の類は出てこないし…」
 「え…? では、ハードロッグズ山でレッドドラゴンが出て来たりは…?」
 「火炎竜フレマビューラなら、テトが倒したぞ? それ以外の龍ってあの山にはいないじゃろう、恐らく…」
 「ぐぁ~~~~騙された‼ 今から追い掛ければ…」
 「まず追い付かんじゃろ。 下手すると、ナーニヌがシルビアの集落に行った時には既に着いているだろうしな!」
 「テト殿…自分はしんじ⁉ あの…あくどい顔はそういう意味だったのか~~~⁉」

 一方、テト達は?
 
 「メーモ、息は苦しくない?」
 「かなりのスピードだけど、呼吸は出来るから大丈夫よ!」
 「それなら良かった! そろそろ森を抜けるよ!」
 「え? もう…?」

 レベル300越えのテトは移動速度も尋常で速さでは無かった。
 
 「さてと、次はハードロッグズ山…では無いのか。」
 「綺麗に麓から上が消えているからね…」
 
 僕達は、元ハードロッグズ山に着くと…通ろうとした際に柵がされていた。
 中央に門があり、そこには人が立っていた。

 「此処を通りたければ…」
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