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最終章
第二話 目を盗む!
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「どうも、テトです! 僕は今…悩んでいます!」
兄ちゃん達や姉ちゃんに帰還方法を伝えるべく出発したい所ですが、ナーニヌ卿はドワーフ達の酒に付き合ってグロッキー…というか、ドワーフの酒を飲む量に付き合っていればそうなる。
ルーレさんは、メーミちゃんとの3人旅で色々気を張っていたらしく…大好きだったお酒を我慢していたけど、気が緩んだのか久々に浴びる様に酒を飲んで二日酔い状態…ドワーフの作る酒は酒精が強いんだから、ドワーフ以外がそんな酒を飲んだらそうなる。
メーミちゃんは、色々と歴史や英雄に詳しくて…剛壁の英雄という存在が目の前にいるので、ドワンゴやギルに武勇伝を聞いていて燥いだ結果、疲れ果てて寝ている。
そして何よりも面白いのは、ギム達ドワーフも…目覚めたばかりで強い酒を飲んで酔っ払って動けずにいるという。
ここで1つ…ドワーフの特徴を教えるとこんな感じである。
1.とにかく酒好き
2.とにかく食べるのが好き
3.仕事は真面目にやるが、こだわりが強くて少しでも気になる所があると徹底的に集中する。
4.ドワーフ族は戦いが好きで、強い魔物や魔獣に戦いを挑む。
5.ドワーフ族は娯楽を好む。 ゲームも好きだが、色恋沙汰の話は興味津々である。
僕がメーモを助けた時にドワンゴが僕の嫁宣言をしてからというもの…何かにつけて一緒になると背後にいる。
僕が集落でいちゃ付けない理由はそこにある。
「ワシ等の様にオープンでやれば良いだろうに!」
…とギムは言うが、その辺は種族間の違いというか…見られると恥ずかしい。
たまに僕とメーモが朝に眠そうでいると…「昨夜は御楽しみだったのか?」と振り向き様に言われる事もある。
僕の部屋とメーモの部屋は別々でそんな事を出来る訳もない。
メーモの部屋を作る際に、僕の部屋で一緒で良いだろうと言って…ベッドをシングルからダブルに替えられた事もあるが…結局、僕1人だけしか使っていない。
…と、こんな様な環境でイチャイチャできる訳もなく…この集落では諦めていたが、今回はチャンスだと思った!
勿論…メーミちゃんやルーレさんやナーニヌ卿はグロッキーなのが目に見えて解るが、ドワーフ達は演技の可能性がぬぐえない。
僕は試しに演技をしてみた。
酒場の前に言って、ドワーフ達に聞こえる様にこう言った。
「皆も起きないし、もう少し寝ない?」
勿論、事前に打ち合わせをしているのでこれは嘘だ。
でもメーモにはなるべく演技をする様に伝えたので…
「そうね…もう少し寝ていたいかも。」
「ならさぁ、僕の部屋に来ない?」
「うん、良いよ!」
そういって酒場を後にする。
その隙に、酒場の前の階段を外しておくのだ。
ドワーフ族の住居は、近くに川がある為に嵐とかで氾濫を予想して場所によっては3段以上の階段を設置してある。
僕とメーモは部屋に向かうフリをしながら建物の影に隠れる。
本当に酒でダウンしているのなら起きる筈もないが、演技の可能性を考えての策なので当然起きていれば…
「うぉわあぁぁぁぁ!」
「どわぁぁぁぁ!」
…という風に、階段があると思って踏み出した瞬間に落ちる。
やっぱり起きていたか…!
本来なら、「騙されてやんの~!」と建物の影から出て言うのだが、今回の目的は別にある。
僕はメーモと一緒に手を繋ぎながら、僕の小屋の自室に入る。
そして僕は窓の雨戸を閉めて外の明かりを遮断させてから…裏口からそっと出る。
ちなみにこの裏口は、僕が小屋の完成時に作った物で、ギル達は知らないのである。
そして裏口から出た僕等は、近くの温泉に行くのだった。
「これで上手く言ったね!」
「何か…後ろめたい気がする。」
あの温泉は、やはりギム達が作った物だった。
だが、僕がこの集落に来てから温泉に入っている所を見たのは一度もない。
…というか、僕ですら存在を聞かされていなかったし、ドワーフ達は風呂に入る習慣も無い。
話によると、真冬でも井戸水を被って汗を流すという。
僕にはとても無理な話だが、ドワーフにはそれが可能らしい。
なので、以前温泉に来た時に使っている形跡がないのは、そういう事なのだった。
「よし、今のうちに温泉に行こう。」
「父様達に後で何を言われるかな?」
僕達は温泉にある場所に急いだ。
だが、僕とメーモの後を付ける2人の事には気付きもしなかった。
・・・・・・・・・温泉場・・・・・・・・・
ついこの間来たばかりなのに、なんだか懐かしさを感じる。
あの時は色々とあったので良く見ていなかったけど、改めてみるとこの温泉場は凄いと思った。
まず、岩で囲まれていて…それが目隠しに使われている。
高さは3m位ある壁の役割にもなっている…が、どこでこんな岩を見付けて来たんだろう?
そして温泉は、源泉かけ流しで…岩の周囲には、グレッドお手製の魔物避けの結界がある。
この間は見る暇がなかったけど、見張りが必要ないのは嬉しい。
「さて、入ろうか。」
「えっと…少し後ろを向いていて欲しいな!」
以前は互いに裸になっていたのに、何が恥ずかしいんだろう?
僕は振り向くと、メーモはタオルを巻いていた。
まぁ…あとで取っちゃえばいいや!
僕はそんな事を思いながら、体を流してから湯に浸かった。
メーモも僕に体を預けて一緒に浸かっていた。
「気持ちいね!」
「メーモ…ここには僕達以外誰もいないのに、タオル必要?」
「テト君…なんだか遠慮が無くなったね?」
「メーモの心に触れる事が出来たから…じゃ理由になっていないかな?」
メーモはタオルを取ると、相変わらず綺麗な身体だと改めて思い…僕はメーモの肩に腕を回してから引き寄せた。
そして見つめ合いながら互いの唇が触れようとした瞬間、入り口の方から気配がした。
僕とメーモが振り向くとそこには…メーミちゃんとルーレさんが岩陰から覗いていたのだった。
「やっほ~姉様!」
「私達の事は気にせずにお続け下さい…」
するとメーモは悲鳴を上げながらタオルを巻いた。
サービスタイムが終了してしまったのだった。
それにしても、メーミちゃんもルーレさんもまだ眠っていたと思っていたのに、完全に油断していた。
「メーミ! 何で貴女がここにいるの⁉」
「姉様とテト様が2人で集落から出るのを見て気になったので、ルーレと後を付けさせて貰いました。」
「そうしたら、まさかテト様とメーモ様が2人で温泉に入って如何わしい事をなさろうとしていて…」
「2人共、最初から見ていたのね⁉」
「ですから、私達の事はその辺にいる精霊だと思って気にせずに…」
「出来る訳ないでしょ! はぁ…」
僕とメーモのイチャイチャ時間はこれで終了した。
そして…メーミちゃんもルーレさんも温泉に入って来たのだった。
「お風呂は久しぶりです!」
「結構熱めかと思っていましたが、割と快適ですね! お酒が抜けそうです…」
2人は久々に入る風呂に満足そうな顔をしていた。
だけど、メーモもそうだけど2人も温泉のルールを守ってないので注意をした。
「温泉ルール、タオルを湯に浸けてはいけません。 入る時は裸で、タオルは頭に乗せましょう。」
「え? そうなの⁉」
「そうなんです。 なので、先程メーモにはタオルを取るように命じました。」
僕がそういうと、3人はタオルを取った。
恥ずかしそうに胸と下は腕で隠しながら…
でも一瞬見えてしまったが、ルーレさんはハーフリング族とはいえ成人なので良い体つきをしていたが、それよりも気になったのは、メーミちゃんのお尻に尻尾が生えている所だった。
「メーミちゃん、尻尾があるね? メーモには無かったと思ったけど?」
あ、余計な事を聞いたかな?
僕はそう思って手で口を押さえた。
すると、メーモが教えてくれた。
「安心してテト君、私とメーミはちゃんと血が繋がっている姉妹だから。 私の父様はハーフリングだったけど、母様は狐人族だったの。 それで、メーミの方が母様の血が濃くて尻尾があるという話なだけよ。」
「それ以外にも、メーミちゃんの方がメーモより胸が少し大き…」
メーモが僕に指で目潰しを喰らわせたのだった。
「どこを見ているのよ!」
「いたたたた…メーモ、酷いよ。 それにしても以前、メーモがメーミちゃんとセットでっていう話は本当の事だったの?」
「あれはね…」
「私は姉様が良ければ、構いませんよ!」
「ですって、どうするテト君?」
「前向きに検討させて下さい!」
僕が笑顔でそう言うと、メーモは冷めた目で見て来た。
どういえば正解だったんだろう?
「まぁ、私もメーミとは離れたくなかったし…テト君が良いのなら別に構わないんだけどね。」
「私も姉様ともっと一緒にいたいです!」
「仲良し姉妹なんだね。 ところで、2人には他に兄妹はいないの?」
「えっと…弟のマーモがいます。 今は母様と護衛の騎士が一緒だという風の噂で…」
「じゃあ、探さないとね! もしも見付かったら…また国を再興するの?」
「トランドオーケスの人達に破壊されたから、再興は無理かもね。」
「なら、ドワーフの集落で皆で暮らすっていうのは? 今回の件で、ギム父さんはシルビア母さん達と一緒に住む為に集落を拡大しようって昨日話をしたからさ。」
これからもトランドオーケスみたいな国が出ないとも限らない。
第二、第三の国が攻めてくる可能性があるから、その為の強化をするというのが目的だとも言っていたし、行き場のないメーモ達も共に暮らせるというのも良いだろうって…僕とメーモが昨日その話を聞いた時は、メーモはギル父さんに抱き着いていたっけ?
「後はメーモのお母さんと弟を探して集落に連れて行って生活をしていたら、噂を聞きつけた元国民が来るかもしれないでしょ?」
「本当にギム父様は素晴らしいお方だわ!」
「ただのおせっかいという気もするけどね。 人間である僕を受け入れたくらいだし…」
「しかも異世界人のね!」
さて、とりあえずは…こちらの世界でやる事は決まったので、当初目的通りに兄ちゃん達と姉ちゃんを元の世界に戻す為の話をしに行こうか。
「エルフの集落に着いたら、メーモにお願いしたい事があるんだけど良いかな?」
「シルビア母さんの時に見せた、複合統一魔法の事だよね?」
「複合統一…っていうの、あれ?」
「2つ以上の属性を合わせる事をそういうの。 普通の人にはあまり出来ないのよね…テト君が使っている所を見て驚いたけど。」
「エルフの集落にいる兄ちゃん達や姉ちゃんを元の世界に戻したいけど、あの魔法…なのかな?では、開いている時間が短いから対抗策をアドバイスが欲しくてね。」
「だとすると、エルフの集落にいる賢者のヘーホ・ハーヒフ様が魔法には詳しいわよ。 話せば協力してくれると思うわ!」
これで決まりだな!
これからの予定は…エルフの集落に行き、元の世界に3人を帰してから…メーモの母親と弟探しか。
「それよりも、そろそろ出ない? のぼせちゃうよ…」
「僕はもうちょっと…3人は先に上がっても良いよ。」
「そんな事を言って、私達が湯から上がって裸を見ようとか考えているんじゃないの?」
僕は手で目を覆った。
「はい、これで見えませーん!」
「信用出来ないから、先に上がって!」
僕はメーモに言われて先に上がらされた。
そして入り口の方に追いやられてから待つ事になった。
次にこんな機会がいつあるのだろうか?
また…イチャイチャ出来なかった。
これじゃあ、集落にいる時とあまり変わらないが…得したと言えば、メーミちゃんとルーレさんの裸を…
そんな事を考えていると、空から桶が飛んで来て頭にヒットした。
うん、もう邪な考えは辞めようと思ったのだった。
そして集落に帰った僕等は…また面倒な事に巻き込まれるのだった。
兄ちゃん達や姉ちゃんに帰還方法を伝えるべく出発したい所ですが、ナーニヌ卿はドワーフ達の酒に付き合ってグロッキー…というか、ドワーフの酒を飲む量に付き合っていればそうなる。
ルーレさんは、メーミちゃんとの3人旅で色々気を張っていたらしく…大好きだったお酒を我慢していたけど、気が緩んだのか久々に浴びる様に酒を飲んで二日酔い状態…ドワーフの作る酒は酒精が強いんだから、ドワーフ以外がそんな酒を飲んだらそうなる。
メーミちゃんは、色々と歴史や英雄に詳しくて…剛壁の英雄という存在が目の前にいるので、ドワンゴやギルに武勇伝を聞いていて燥いだ結果、疲れ果てて寝ている。
そして何よりも面白いのは、ギム達ドワーフも…目覚めたばかりで強い酒を飲んで酔っ払って動けずにいるという。
ここで1つ…ドワーフの特徴を教えるとこんな感じである。
1.とにかく酒好き
2.とにかく食べるのが好き
3.仕事は真面目にやるが、こだわりが強くて少しでも気になる所があると徹底的に集中する。
4.ドワーフ族は戦いが好きで、強い魔物や魔獣に戦いを挑む。
5.ドワーフ族は娯楽を好む。 ゲームも好きだが、色恋沙汰の話は興味津々である。
僕がメーモを助けた時にドワンゴが僕の嫁宣言をしてからというもの…何かにつけて一緒になると背後にいる。
僕が集落でいちゃ付けない理由はそこにある。
「ワシ等の様にオープンでやれば良いだろうに!」
…とギムは言うが、その辺は種族間の違いというか…見られると恥ずかしい。
たまに僕とメーモが朝に眠そうでいると…「昨夜は御楽しみだったのか?」と振り向き様に言われる事もある。
僕の部屋とメーモの部屋は別々でそんな事を出来る訳もない。
メーモの部屋を作る際に、僕の部屋で一緒で良いだろうと言って…ベッドをシングルからダブルに替えられた事もあるが…結局、僕1人だけしか使っていない。
…と、こんな様な環境でイチャイチャできる訳もなく…この集落では諦めていたが、今回はチャンスだと思った!
勿論…メーミちゃんやルーレさんやナーニヌ卿はグロッキーなのが目に見えて解るが、ドワーフ達は演技の可能性がぬぐえない。
僕は試しに演技をしてみた。
酒場の前に言って、ドワーフ達に聞こえる様にこう言った。
「皆も起きないし、もう少し寝ない?」
勿論、事前に打ち合わせをしているのでこれは嘘だ。
でもメーモにはなるべく演技をする様に伝えたので…
「そうね…もう少し寝ていたいかも。」
「ならさぁ、僕の部屋に来ない?」
「うん、良いよ!」
そういって酒場を後にする。
その隙に、酒場の前の階段を外しておくのだ。
ドワーフ族の住居は、近くに川がある為に嵐とかで氾濫を予想して場所によっては3段以上の階段を設置してある。
僕とメーモは部屋に向かうフリをしながら建物の影に隠れる。
本当に酒でダウンしているのなら起きる筈もないが、演技の可能性を考えての策なので当然起きていれば…
「うぉわあぁぁぁぁ!」
「どわぁぁぁぁ!」
…という風に、階段があると思って踏み出した瞬間に落ちる。
やっぱり起きていたか…!
本来なら、「騙されてやんの~!」と建物の影から出て言うのだが、今回の目的は別にある。
僕はメーモと一緒に手を繋ぎながら、僕の小屋の自室に入る。
そして僕は窓の雨戸を閉めて外の明かりを遮断させてから…裏口からそっと出る。
ちなみにこの裏口は、僕が小屋の完成時に作った物で、ギル達は知らないのである。
そして裏口から出た僕等は、近くの温泉に行くのだった。
「これで上手く言ったね!」
「何か…後ろめたい気がする。」
あの温泉は、やはりギム達が作った物だった。
だが、僕がこの集落に来てから温泉に入っている所を見たのは一度もない。
…というか、僕ですら存在を聞かされていなかったし、ドワーフ達は風呂に入る習慣も無い。
話によると、真冬でも井戸水を被って汗を流すという。
僕にはとても無理な話だが、ドワーフにはそれが可能らしい。
なので、以前温泉に来た時に使っている形跡がないのは、そういう事なのだった。
「よし、今のうちに温泉に行こう。」
「父様達に後で何を言われるかな?」
僕達は温泉にある場所に急いだ。
だが、僕とメーモの後を付ける2人の事には気付きもしなかった。
・・・・・・・・・温泉場・・・・・・・・・
ついこの間来たばかりなのに、なんだか懐かしさを感じる。
あの時は色々とあったので良く見ていなかったけど、改めてみるとこの温泉場は凄いと思った。
まず、岩で囲まれていて…それが目隠しに使われている。
高さは3m位ある壁の役割にもなっている…が、どこでこんな岩を見付けて来たんだろう?
そして温泉は、源泉かけ流しで…岩の周囲には、グレッドお手製の魔物避けの結界がある。
この間は見る暇がなかったけど、見張りが必要ないのは嬉しい。
「さて、入ろうか。」
「えっと…少し後ろを向いていて欲しいな!」
以前は互いに裸になっていたのに、何が恥ずかしいんだろう?
僕は振り向くと、メーモはタオルを巻いていた。
まぁ…あとで取っちゃえばいいや!
僕はそんな事を思いながら、体を流してから湯に浸かった。
メーモも僕に体を預けて一緒に浸かっていた。
「気持ちいね!」
「メーモ…ここには僕達以外誰もいないのに、タオル必要?」
「テト君…なんだか遠慮が無くなったね?」
「メーモの心に触れる事が出来たから…じゃ理由になっていないかな?」
メーモはタオルを取ると、相変わらず綺麗な身体だと改めて思い…僕はメーモの肩に腕を回してから引き寄せた。
そして見つめ合いながら互いの唇が触れようとした瞬間、入り口の方から気配がした。
僕とメーモが振り向くとそこには…メーミちゃんとルーレさんが岩陰から覗いていたのだった。
「やっほ~姉様!」
「私達の事は気にせずにお続け下さい…」
するとメーモは悲鳴を上げながらタオルを巻いた。
サービスタイムが終了してしまったのだった。
それにしても、メーミちゃんもルーレさんもまだ眠っていたと思っていたのに、完全に油断していた。
「メーミ! 何で貴女がここにいるの⁉」
「姉様とテト様が2人で集落から出るのを見て気になったので、ルーレと後を付けさせて貰いました。」
「そうしたら、まさかテト様とメーモ様が2人で温泉に入って如何わしい事をなさろうとしていて…」
「2人共、最初から見ていたのね⁉」
「ですから、私達の事はその辺にいる精霊だと思って気にせずに…」
「出来る訳ないでしょ! はぁ…」
僕とメーモのイチャイチャ時間はこれで終了した。
そして…メーミちゃんもルーレさんも温泉に入って来たのだった。
「お風呂は久しぶりです!」
「結構熱めかと思っていましたが、割と快適ですね! お酒が抜けそうです…」
2人は久々に入る風呂に満足そうな顔をしていた。
だけど、メーモもそうだけど2人も温泉のルールを守ってないので注意をした。
「温泉ルール、タオルを湯に浸けてはいけません。 入る時は裸で、タオルは頭に乗せましょう。」
「え? そうなの⁉」
「そうなんです。 なので、先程メーモにはタオルを取るように命じました。」
僕がそういうと、3人はタオルを取った。
恥ずかしそうに胸と下は腕で隠しながら…
でも一瞬見えてしまったが、ルーレさんはハーフリング族とはいえ成人なので良い体つきをしていたが、それよりも気になったのは、メーミちゃんのお尻に尻尾が生えている所だった。
「メーミちゃん、尻尾があるね? メーモには無かったと思ったけど?」
あ、余計な事を聞いたかな?
僕はそう思って手で口を押さえた。
すると、メーモが教えてくれた。
「安心してテト君、私とメーミはちゃんと血が繋がっている姉妹だから。 私の父様はハーフリングだったけど、母様は狐人族だったの。 それで、メーミの方が母様の血が濃くて尻尾があるという話なだけよ。」
「それ以外にも、メーミちゃんの方がメーモより胸が少し大き…」
メーモが僕に指で目潰しを喰らわせたのだった。
「どこを見ているのよ!」
「いたたたた…メーモ、酷いよ。 それにしても以前、メーモがメーミちゃんとセットでっていう話は本当の事だったの?」
「あれはね…」
「私は姉様が良ければ、構いませんよ!」
「ですって、どうするテト君?」
「前向きに検討させて下さい!」
僕が笑顔でそう言うと、メーモは冷めた目で見て来た。
どういえば正解だったんだろう?
「まぁ、私もメーミとは離れたくなかったし…テト君が良いのなら別に構わないんだけどね。」
「私も姉様ともっと一緒にいたいです!」
「仲良し姉妹なんだね。 ところで、2人には他に兄妹はいないの?」
「えっと…弟のマーモがいます。 今は母様と護衛の騎士が一緒だという風の噂で…」
「じゃあ、探さないとね! もしも見付かったら…また国を再興するの?」
「トランドオーケスの人達に破壊されたから、再興は無理かもね。」
「なら、ドワーフの集落で皆で暮らすっていうのは? 今回の件で、ギム父さんはシルビア母さん達と一緒に住む為に集落を拡大しようって昨日話をしたからさ。」
これからもトランドオーケスみたいな国が出ないとも限らない。
第二、第三の国が攻めてくる可能性があるから、その為の強化をするというのが目的だとも言っていたし、行き場のないメーモ達も共に暮らせるというのも良いだろうって…僕とメーモが昨日その話を聞いた時は、メーモはギル父さんに抱き着いていたっけ?
「後はメーモのお母さんと弟を探して集落に連れて行って生活をしていたら、噂を聞きつけた元国民が来るかもしれないでしょ?」
「本当にギム父様は素晴らしいお方だわ!」
「ただのおせっかいという気もするけどね。 人間である僕を受け入れたくらいだし…」
「しかも異世界人のね!」
さて、とりあえずは…こちらの世界でやる事は決まったので、当初目的通りに兄ちゃん達と姉ちゃんを元の世界に戻す為の話をしに行こうか。
「エルフの集落に着いたら、メーモにお願いしたい事があるんだけど良いかな?」
「シルビア母さんの時に見せた、複合統一魔法の事だよね?」
「複合統一…っていうの、あれ?」
「2つ以上の属性を合わせる事をそういうの。 普通の人にはあまり出来ないのよね…テト君が使っている所を見て驚いたけど。」
「エルフの集落にいる兄ちゃん達や姉ちゃんを元の世界に戻したいけど、あの魔法…なのかな?では、開いている時間が短いから対抗策をアドバイスが欲しくてね。」
「だとすると、エルフの集落にいる賢者のヘーホ・ハーヒフ様が魔法には詳しいわよ。 話せば協力してくれると思うわ!」
これで決まりだな!
これからの予定は…エルフの集落に行き、元の世界に3人を帰してから…メーモの母親と弟探しか。
「それよりも、そろそろ出ない? のぼせちゃうよ…」
「僕はもうちょっと…3人は先に上がっても良いよ。」
「そんな事を言って、私達が湯から上がって裸を見ようとか考えているんじゃないの?」
僕は手で目を覆った。
「はい、これで見えませーん!」
「信用出来ないから、先に上がって!」
僕はメーモに言われて先に上がらされた。
そして入り口の方に追いやられてから待つ事になった。
次にこんな機会がいつあるのだろうか?
また…イチャイチャ出来なかった。
これじゃあ、集落にいる時とあまり変わらないが…得したと言えば、メーミちゃんとルーレさんの裸を…
そんな事を考えていると、空から桶が飛んで来て頭にヒットした。
うん、もう邪な考えは辞めようと思ったのだった。
そして集落に帰った僕等は…また面倒な事に巻き込まれるのだった。
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*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
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