26 / 55
下章
第七話 僕はお前を…絶対に許さない‼
しおりを挟む
忍びは僕に向かって刀を刺しにやって来た。
僕は腕で頭を守ると、忍びの刀は軌道を変えて僕の心臓を目掛けて突いてきた。
だが僕はそのままの姿勢で刀を受けた。
「馬鹿な⁉ 何故刺さらない⁉」
「ドワーフが作った武具は世界一だ! それに、鎧には龍の鱗が使われているから…そんなナマクラじゃ刺さらないよ‼」
「我が愛刀をナマクラだと⁉」
忍びは一旦僕から距離を取った。
僕は忍びの左足の太腿にロックをすると、壁に触れた小さな石球に光を纏ってつま先で蹴った。
すると、小さな光球は忍びの足を貫いた。
「つぅ…」
「集落の者達の痛みを少しでも感じた?」
「蛮族共が幾ら死のうとも…」
僕は続けて…両肩の付け根と右足の腿にロックをしてから光球を蹴り込んだ。
すると光球は、ロックした場所を全て貫いた。
骨のある場所を貫いたので、忍びは立てなくなって地面に伏していた。
「指揮官よ、何をしているのです!」
「あんたが王女か…メーモはどこにいる?」
「メーモ…? あぁ、ハーフリングの王女ですか…あの者なら今頃ワルダー公爵に」
僕は王女の顔にただの石の球を蹴り込んでいた。
王女は、そのまま吹っ飛んだ。
「そのワルダーというのはどこにいる?」
「よくも…私の美しい顔に…」
「醜いの間違いだろ? 心まで荒んでいる癖に…」
「ハーフリングの王女を探しても、もう遅いですよ。 今頃…」
僕は光球を王女の方に蹴り込んで太腿を貫いた。
「言葉には気を付けろよ…発言は許しているが、卑下した言い方をすればお前を殺す! 集落の人達を皆殺しの命令を出したお前を僕は決して許さないからな!」
「蛮族風情が幾ら死んでも…あぐぅ!」
僕は頭に来て、脛の一番痛い所に石の球をぶつけた。
ある意味、撃ち抜かれるより痛みが広がる場所だった。
「それよりもワルダーというのは何処だ?」
「ワルダー公爵は…」
そう答えると同時に、先程倒したと思っていた忍びの指揮官が刀を加えて襲い掛かって来た。
僕は忍びの指揮官が倒れている時に額にロックを施してあったので、僕は光球を作りだして撃ち抜くと…その死体が王女の前に転がった。
「し…指揮官!」
「動かなかったら早く死ななかったのに…まぁ、どうせ殺すから、後でも先でも変わらないけど。」
「私も殺す気ですか?」
「返答次第では生かして置いてやるよ。 さぁ、メーモの居場所を…ワルダーという男の場所を…」
僕がそう言いかけた時、王女の部屋の扉が勢いよく開いた。
そこには小太りで上半身裸の男が、下着姿のメーモの髪を掴んで引き摺って来た。
「王女よ、この女はつまらん! 抱けぬし、気力がない顔をしていてつまら…」
僕はワルダーの顔に蹴りを入れてから、メーモを救い抱きしめた。
すると虚ろな目をしたメーモは、僕を見て涙を流したのだった。
「テト君‼」
「メーモ‼」
僕はメーモの背中に手を回すと、メーモの背中は蚯蚓腫れで腫れていた。
マジックバッグからポーションを取り出すと、メーモの背中に掛けてあげた。
すると、背中の腫れが綺麗に消えたのだった。
「これは?」
「ガルダ父さんのポーションだよ。 やはり、凄い効き目だよね!」
「ガルダ父様の…そういえば、父様達は? 母様達は?」
僕は目を閉じて首を横に振ると、メーモは僕の胸に顔を埋めて声を殺して泣いていた。
すると起き上がったワルダーが僕達の方に近付いて来た。
「なんだ! 声が出るんじゃないか! ならこちらへ来…」
僕は石球をワルダーの顔に叩き込んだ。
本当なら今頭ぐ殺してやりたい所だが、ハウザーとの約束を果たす事が…あ!
僕は眩い光球を作りだして、王女の部屋の壁を撃ち抜いた。
そして穴が開いて外で戦いの音がしている場所に向かって叫んだ。
「ハウザーーーーーーー! ワルダーを確保した!!!」
すると、ハウザーと部下の2人が王女の壁の穴から入って来た。
ハウザー達はワルダーを見ると、剣を向けたのだった。
「テトよ、感謝する! これで貴様の行った事は水に流し…新たな盟約を結ぼう!」
「盟約とかそういうのは良いから、もう1つだけお願いしたい事があるんだけど、良いかな?」
「貴様の頼みを断る事は無い、何でも言ってみろ!」
「ゴブリン族って男は喰われるのなら、女はどういう扱いをされるの?」
「女は繁殖の為に攫われる事が多い。 それがどうかしたのか?」
「ここにいる王女が、亜人嫌いの為に世界中の亜人種を滅ぼそうとか考えたらしく、今回の父さんや母さん達の襲撃もこの王女が命令していたみたいなんだ。」
「なるほど、亜人嫌いならゴブリン族なんかに引き渡せば…」
「ハウザーだったらワルダーを酷い拷問をするだろうけど、王女の場合の拷問は絶望感を与える物としてゴブリンの巣に放り込んで散々卑猥な目に遭った方が罪の深さを知る良い機会だろうしね!」
僕とハウザーがそんな事を話していると、王女から強気な発言が出た。
「私は大国・トランドオーケス城の王女です!」
「知ってるよ、だから?」
「私に手を出したら、我が国の騎士が黙っていま…」
「ハウザー、戦況はどうなっている?」
「この城の騎士は皆殺しにしておいた。 生かして捕虜にでもしようと思ったが…騎士団の待機場に他種族の宝物を無下に扱っていたので、彼らの誇りの為に始末した。」
「だってさ…」
「私にはまだ忍び達が…」
「忍び達は全て始末した。 嘘だと思うのなら、廊下を見てみなよ。」
王女は足を引き摺りながら廊下に出ると、忍び達が頭を貫かれて横たわっている姿を見た。
「僕の家族であるドワーフ達に手を出しておいて、生かしておくわけがないでしょう。」
「そんな…!」
「この城のメイド達は?」
「全て拘束した! 奴等も他種族の装飾品を自分の物の様に身に付けていたからな。 中には我らの…妹の首飾りを身に付けた者もいてな!」
「じゃあ、纏めてゴブリンの巣に放り込んでおいて。」
「奴等の数が増える事になるが…そうなったら始末すれば良いだけの話だ!」
「わ…私は王女なのですよ!」
「だから何? たまたま生まれた先が王女だったという話でしょ?」
「我が国に危害を加えれば、友好国が黙っていませんよ!」
「それなら心配無用だ! 他国も亜人種と交流をしている国が数多くある。 それを一方的な理由で亜人種を殺害している様な国と友好なんてとっくに破棄されているさ。 城の書類を漁っている時に発見した。」
「友好国は無い、味方をする者はいない…で? まだ言うことあるの?」
王女は俯いて何かを考えている様だった。
そして閃いた様に顔を上げた。
「この国にはまだ勇者様達が…」
「俺達はあんたの事はとっくに見限ったよ。」
「貴女は私利私欲の為に私達を呼び出して…」
「自分達は王女の話を聞く気はない!」
王女の策は、やってきた勇者達に見事に打ち砕かれたのだった。
ここまでになってくると逆に哀れな気がするけど、僕は止めの一言を言った。
「僕たちの世界の言葉に、因果応報という言葉がある。 悪い行いをすれば、自分に跳ね返ると言う…」
「私は間違った事は…」
「しているだろ? 何の権限があって、罪もない亜人種を殺害したんだ?」
「それは…亜人が私を襲って」
「だからと言って、罪のない種族にまで危害を加えるのは…」
「無駄だ! この女には何を言っても…」
僕は周りを見て違和感を覚えた。
「そういえば、この国の国王は何をしているんだろう? 娘の暴挙をここまで許すなんて…」
「国王は…何処を探してもいなかった。 王妃もな!」
「逃げたのか? ハウザー…この城の宝物庫の中の物と書庫の本全てを回収しておいてくれないか?」
「それは構わないが、その後はどうする?」
「この国を地図から消す! 跡形も無くね…」
「そんな事が可能なのか?」
「僕は以前、ハードロッグズ山を半分消した事がある。」
「あれは貴様の仕業だったのか!」
「ハウザー的に、この国は必要か?」
「いや、全く必要ない。 この国の王族も貴族も騎士ですら腐り切っているからな。」
ハウザーはエルフ達に指示を出しながら、城中の全ての宝飾品と書物を回収した。
その中には、メーモの父親である国王の剣もあったので、それはメーモに渡した。
するとメーモは、父親の剣を大事に抱えていた。
「さて…王女とメイド達は連行してゴブリンの巣に放り込んで来て。」
「お願いします! 許しては頂けませんか?」
「この国の騎士達に攻め入られた他種族達も同じ事を言ったと思うけど、その人達をこの国は何をしたか忘れたの?」
「それは騎士達がやった事で…」
「でも、命じたのはアンタだよね?」
僕はそういうと、王女は黙った。
僕は良い事を思いついた。
「王女をゴブリンの巣に送る前に、絶望を与えよう! 皆を城から離れた場所に連れて行って。」
ハウザー達は、城にいた者達を連れて城から離れた場所に来た。
そして僕は、複数の鉄球を取り出してリフティングを始めた。
リフティングによって鉄球は、青き炎を纏って周辺を焼け付く様な熱さを撒き散らせていた。
「よく見ていると良い! この国の消える様を‼︎」
僕は青き炎を纏った球を一斉に蹴り飛ばした。
すると城に直撃してから大爆発を起こしたのだった。
暫くしてから煙が収まると、目の前にあった城が建物の瓦礫を残さずに綺麗に吹き飛んだのだった。
「そんな…私の国が⁉︎」
「もう国は無いよ、そしてアンタももう王女でもない…ただの平民だから。 …連れて行け!」
王女とメイド達は、エルフの戦士団に連れて行かれた。
王女…もとい、元王女は俯いた顔をしながら言葉を発する事も出来ずに絶望感に浸っている様だった。
「これで…全てが終わったか!」
「後は…ドワーフの集落に行ってみんなの墓を作らないとね…簡素な墓しか出来ていないから、ちゃんとした墓を作ってあげないと。」
「さっきは動揺してちゃんと聞けなかったけど…父さんや母さん達は本当に死んでいたの?」
「あぁ…胸に耳を当てたけど、心臓の鼓動はしていなかった。」
ハウザーとメーモは何かを考えていた。
「なぁ、本当にドワーフ達は死んでいたのか?」
「胸に耳を当てて確認したから間違い無いよ。」
するとメーモは言った。
「ドワーフの心臓は右にあるんだけど、本当に確認したんだよね?」
「え? 左じゃ無いの? 普通、人間の心臓は左にあるよ?」
「人間やエルフの様な長身の種族はね。 でもドワーフやホビットの様に短身の種族は、心臓が右にあるの…って、知らなかったの?」
「初めて聞いた…それにシルビア母さんは首を斬られて血が止まらなくて…」
ハウザーとメーモは頭を押さえていた。
あれ? 僕は何か変な事を言ったかな?
この後に僕はドワーフ達の秘密を知る事になる。
それらを全て聞いた時に、僕は冷や汗が止まらなくなっていたのだった。
その話とは一体?
僕は腕で頭を守ると、忍びの刀は軌道を変えて僕の心臓を目掛けて突いてきた。
だが僕はそのままの姿勢で刀を受けた。
「馬鹿な⁉ 何故刺さらない⁉」
「ドワーフが作った武具は世界一だ! それに、鎧には龍の鱗が使われているから…そんなナマクラじゃ刺さらないよ‼」
「我が愛刀をナマクラだと⁉」
忍びは一旦僕から距離を取った。
僕は忍びの左足の太腿にロックをすると、壁に触れた小さな石球に光を纏ってつま先で蹴った。
すると、小さな光球は忍びの足を貫いた。
「つぅ…」
「集落の者達の痛みを少しでも感じた?」
「蛮族共が幾ら死のうとも…」
僕は続けて…両肩の付け根と右足の腿にロックをしてから光球を蹴り込んだ。
すると光球は、ロックした場所を全て貫いた。
骨のある場所を貫いたので、忍びは立てなくなって地面に伏していた。
「指揮官よ、何をしているのです!」
「あんたが王女か…メーモはどこにいる?」
「メーモ…? あぁ、ハーフリングの王女ですか…あの者なら今頃ワルダー公爵に」
僕は王女の顔にただの石の球を蹴り込んでいた。
王女は、そのまま吹っ飛んだ。
「そのワルダーというのはどこにいる?」
「よくも…私の美しい顔に…」
「醜いの間違いだろ? 心まで荒んでいる癖に…」
「ハーフリングの王女を探しても、もう遅いですよ。 今頃…」
僕は光球を王女の方に蹴り込んで太腿を貫いた。
「言葉には気を付けろよ…発言は許しているが、卑下した言い方をすればお前を殺す! 集落の人達を皆殺しの命令を出したお前を僕は決して許さないからな!」
「蛮族風情が幾ら死んでも…あぐぅ!」
僕は頭に来て、脛の一番痛い所に石の球をぶつけた。
ある意味、撃ち抜かれるより痛みが広がる場所だった。
「それよりもワルダーというのは何処だ?」
「ワルダー公爵は…」
そう答えると同時に、先程倒したと思っていた忍びの指揮官が刀を加えて襲い掛かって来た。
僕は忍びの指揮官が倒れている時に額にロックを施してあったので、僕は光球を作りだして撃ち抜くと…その死体が王女の前に転がった。
「し…指揮官!」
「動かなかったら早く死ななかったのに…まぁ、どうせ殺すから、後でも先でも変わらないけど。」
「私も殺す気ですか?」
「返答次第では生かして置いてやるよ。 さぁ、メーモの居場所を…ワルダーという男の場所を…」
僕がそう言いかけた時、王女の部屋の扉が勢いよく開いた。
そこには小太りで上半身裸の男が、下着姿のメーモの髪を掴んで引き摺って来た。
「王女よ、この女はつまらん! 抱けぬし、気力がない顔をしていてつまら…」
僕はワルダーの顔に蹴りを入れてから、メーモを救い抱きしめた。
すると虚ろな目をしたメーモは、僕を見て涙を流したのだった。
「テト君‼」
「メーモ‼」
僕はメーモの背中に手を回すと、メーモの背中は蚯蚓腫れで腫れていた。
マジックバッグからポーションを取り出すと、メーモの背中に掛けてあげた。
すると、背中の腫れが綺麗に消えたのだった。
「これは?」
「ガルダ父さんのポーションだよ。 やはり、凄い効き目だよね!」
「ガルダ父様の…そういえば、父様達は? 母様達は?」
僕は目を閉じて首を横に振ると、メーモは僕の胸に顔を埋めて声を殺して泣いていた。
すると起き上がったワルダーが僕達の方に近付いて来た。
「なんだ! 声が出るんじゃないか! ならこちらへ来…」
僕は石球をワルダーの顔に叩き込んだ。
本当なら今頭ぐ殺してやりたい所だが、ハウザーとの約束を果たす事が…あ!
僕は眩い光球を作りだして、王女の部屋の壁を撃ち抜いた。
そして穴が開いて外で戦いの音がしている場所に向かって叫んだ。
「ハウザーーーーーーー! ワルダーを確保した!!!」
すると、ハウザーと部下の2人が王女の壁の穴から入って来た。
ハウザー達はワルダーを見ると、剣を向けたのだった。
「テトよ、感謝する! これで貴様の行った事は水に流し…新たな盟約を結ぼう!」
「盟約とかそういうのは良いから、もう1つだけお願いしたい事があるんだけど、良いかな?」
「貴様の頼みを断る事は無い、何でも言ってみろ!」
「ゴブリン族って男は喰われるのなら、女はどういう扱いをされるの?」
「女は繁殖の為に攫われる事が多い。 それがどうかしたのか?」
「ここにいる王女が、亜人嫌いの為に世界中の亜人種を滅ぼそうとか考えたらしく、今回の父さんや母さん達の襲撃もこの王女が命令していたみたいなんだ。」
「なるほど、亜人嫌いならゴブリン族なんかに引き渡せば…」
「ハウザーだったらワルダーを酷い拷問をするだろうけど、王女の場合の拷問は絶望感を与える物としてゴブリンの巣に放り込んで散々卑猥な目に遭った方が罪の深さを知る良い機会だろうしね!」
僕とハウザーがそんな事を話していると、王女から強気な発言が出た。
「私は大国・トランドオーケス城の王女です!」
「知ってるよ、だから?」
「私に手を出したら、我が国の騎士が黙っていま…」
「ハウザー、戦況はどうなっている?」
「この城の騎士は皆殺しにしておいた。 生かして捕虜にでもしようと思ったが…騎士団の待機場に他種族の宝物を無下に扱っていたので、彼らの誇りの為に始末した。」
「だってさ…」
「私にはまだ忍び達が…」
「忍び達は全て始末した。 嘘だと思うのなら、廊下を見てみなよ。」
王女は足を引き摺りながら廊下に出ると、忍び達が頭を貫かれて横たわっている姿を見た。
「僕の家族であるドワーフ達に手を出しておいて、生かしておくわけがないでしょう。」
「そんな…!」
「この城のメイド達は?」
「全て拘束した! 奴等も他種族の装飾品を自分の物の様に身に付けていたからな。 中には我らの…妹の首飾りを身に付けた者もいてな!」
「じゃあ、纏めてゴブリンの巣に放り込んでおいて。」
「奴等の数が増える事になるが…そうなったら始末すれば良いだけの話だ!」
「わ…私は王女なのですよ!」
「だから何? たまたま生まれた先が王女だったという話でしょ?」
「我が国に危害を加えれば、友好国が黙っていませんよ!」
「それなら心配無用だ! 他国も亜人種と交流をしている国が数多くある。 それを一方的な理由で亜人種を殺害している様な国と友好なんてとっくに破棄されているさ。 城の書類を漁っている時に発見した。」
「友好国は無い、味方をする者はいない…で? まだ言うことあるの?」
王女は俯いて何かを考えている様だった。
そして閃いた様に顔を上げた。
「この国にはまだ勇者様達が…」
「俺達はあんたの事はとっくに見限ったよ。」
「貴女は私利私欲の為に私達を呼び出して…」
「自分達は王女の話を聞く気はない!」
王女の策は、やってきた勇者達に見事に打ち砕かれたのだった。
ここまでになってくると逆に哀れな気がするけど、僕は止めの一言を言った。
「僕たちの世界の言葉に、因果応報という言葉がある。 悪い行いをすれば、自分に跳ね返ると言う…」
「私は間違った事は…」
「しているだろ? 何の権限があって、罪もない亜人種を殺害したんだ?」
「それは…亜人が私を襲って」
「だからと言って、罪のない種族にまで危害を加えるのは…」
「無駄だ! この女には何を言っても…」
僕は周りを見て違和感を覚えた。
「そういえば、この国の国王は何をしているんだろう? 娘の暴挙をここまで許すなんて…」
「国王は…何処を探してもいなかった。 王妃もな!」
「逃げたのか? ハウザー…この城の宝物庫の中の物と書庫の本全てを回収しておいてくれないか?」
「それは構わないが、その後はどうする?」
「この国を地図から消す! 跡形も無くね…」
「そんな事が可能なのか?」
「僕は以前、ハードロッグズ山を半分消した事がある。」
「あれは貴様の仕業だったのか!」
「ハウザー的に、この国は必要か?」
「いや、全く必要ない。 この国の王族も貴族も騎士ですら腐り切っているからな。」
ハウザーはエルフ達に指示を出しながら、城中の全ての宝飾品と書物を回収した。
その中には、メーモの父親である国王の剣もあったので、それはメーモに渡した。
するとメーモは、父親の剣を大事に抱えていた。
「さて…王女とメイド達は連行してゴブリンの巣に放り込んで来て。」
「お願いします! 許しては頂けませんか?」
「この国の騎士達に攻め入られた他種族達も同じ事を言ったと思うけど、その人達をこの国は何をしたか忘れたの?」
「それは騎士達がやった事で…」
「でも、命じたのはアンタだよね?」
僕はそういうと、王女は黙った。
僕は良い事を思いついた。
「王女をゴブリンの巣に送る前に、絶望を与えよう! 皆を城から離れた場所に連れて行って。」
ハウザー達は、城にいた者達を連れて城から離れた場所に来た。
そして僕は、複数の鉄球を取り出してリフティングを始めた。
リフティングによって鉄球は、青き炎を纏って周辺を焼け付く様な熱さを撒き散らせていた。
「よく見ていると良い! この国の消える様を‼︎」
僕は青き炎を纏った球を一斉に蹴り飛ばした。
すると城に直撃してから大爆発を起こしたのだった。
暫くしてから煙が収まると、目の前にあった城が建物の瓦礫を残さずに綺麗に吹き飛んだのだった。
「そんな…私の国が⁉︎」
「もう国は無いよ、そしてアンタももう王女でもない…ただの平民だから。 …連れて行け!」
王女とメイド達は、エルフの戦士団に連れて行かれた。
王女…もとい、元王女は俯いた顔をしながら言葉を発する事も出来ずに絶望感に浸っている様だった。
「これで…全てが終わったか!」
「後は…ドワーフの集落に行ってみんなの墓を作らないとね…簡素な墓しか出来ていないから、ちゃんとした墓を作ってあげないと。」
「さっきは動揺してちゃんと聞けなかったけど…父さんや母さん達は本当に死んでいたの?」
「あぁ…胸に耳を当てたけど、心臓の鼓動はしていなかった。」
ハウザーとメーモは何かを考えていた。
「なぁ、本当にドワーフ達は死んでいたのか?」
「胸に耳を当てて確認したから間違い無いよ。」
するとメーモは言った。
「ドワーフの心臓は右にあるんだけど、本当に確認したんだよね?」
「え? 左じゃ無いの? 普通、人間の心臓は左にあるよ?」
「人間やエルフの様な長身の種族はね。 でもドワーフやホビットの様に短身の種族は、心臓が右にあるの…って、知らなかったの?」
「初めて聞いた…それにシルビア母さんは首を斬られて血が止まらなくて…」
ハウザーとメーモは頭を押さえていた。
あれ? 僕は何か変な事を言ったかな?
この後に僕はドワーフ達の秘密を知る事になる。
それらを全て聞いた時に、僕は冷や汗が止まらなくなっていたのだった。
その話とは一体?
1
お気に入りに追加
556
あなたにおすすめの小説
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説や歴史の英雄話好きの高校生の洲河 慱(すが だん)
いつものように幼馴染達と学校帰りに公園で雑談していると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は素晴らしいジョブとスキルを手に入れたのに僕のは何だこれ?
王宮からはハズレと言われて追い出されそうになるが、幼馴染達は庇ってくれた。
だけど、夢にみた迄の異世界…
慱は幼馴染達とは別に行動する事にした。
自分のスキルを駆使して冒険する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
現在書籍化されている…
「魔境育ちの全能冒険者は好き勝手に生きる!〜追い出した癖クセに戻って来いだと?そんなの知るか‼︎〜」
の100年前の物語です。
リュカが憧れる英雄ダン・スーガーの物語。
そして、コミカライズ内で登場する「僕スキなのか…」がこの作品です。
その作品の【改訂版】です。
全く同じな部分もあれば、新たなストーリーも追加されています。
今回のHOTランキングでは最高5位かな?
応援有り難う御座います。
社畜おっさんは巻き込まれて異世界!? とにかく生きねばなりません!
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私の名前はユアサ マモル
14連勤を終えて家に帰ろうと思ったら少女とぶつかってしまった
とても人柄のいい奥さんに謝っていると一瞬で周りの景色が変わり
奥さんも少女もいなくなっていた
若者の間で、はやっている話を聞いていた私はすぐに気持ちを切り替えて生きていくことにしました
いや~自炊をしていてよかったです
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
巻き込まれ召喚って事でいいんですよね!?
あるちゃいる
ファンタジー
体重二百kg
身長百七十五センチ
椅子から立つのに勢い付けないと立てず
パイプベッドは初日で折れる
部屋でジャンプしたらバキッと音がするし
一日五食は食べる
朝食・10時のお茶(漬け)・お昼・3時のご飯(おやつ)・夕飯
そんな男がある日、異世界召喚された。
R15は保険
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる