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第二章
第十四話 真の覚醒
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「「ウオォォォォォォォォォォ!!!」」
リュカとシオンが空中で極大魔法を放っていた。
「エンシェントノヴァ‼︎」
「エンシェントフレア‼︎」
2つの巨大な炎が激突して、周囲に爆風が吹き荒れた。
その爆風は、下で戦っている物達にも影響を受けたのだった。
リュカさんは仲間達に結界魔法を、僕は仲間達を戦闘から離脱させてザッシュの元に瞬間移動させた。
「皆はザッシュさんを安全な場所に!」
「皆はザッシュのあの剣を持たせるな!」
リュカさんと僕は同時に声を掛けると、グレンとミーヤはザッシュを起き上がらせたが、格闘士とリュカさん達はザッシュさんとグレンさん達に追撃を掛けようとしていた。
だが、僕の魔法攻撃によって、格闘士達の追撃は阻まれた。
「これでザッシュさんは…」
「周りを気にするなんて余裕だな!」
リュカさんは僕に対して闇鎖で拘束しようとしたが、僕はそれを消し飛ばした。
「無駄だよ、リュカさんと同様に僕も闇魔法を使えるんだから!」
「ちっ…二重魔法が使えるのか⁉ 厄介だな…」
リュカさんは極大氷系魔法のアブソリュートを放って来た。
だが僕はリュカさんの方をチラッと見ると、ザッシュさん達の援護をしながら極大氷系魔法のアブソリュートで応戦した。
「クルシェスラーファには、あらゆる魔法を使える杖とは聞いていたが…僕の魔法が悉く対抗されるなんて⁉」
《それがクルシェスラーファの能力なんだ、このままではこちらが押されるぞ‼》
《僕に攻撃が通じなくて焦っているんですね? 念話が丸聞こえですよ。》
極大火炎魔法、極大氷系魔法を交互に放って来たけど、僕はそれを全て相殺させた。
「どうやら…リュカさんには、僕の魔法を上回る攻撃手段が無いようですね?」
「このままならな…クルシェスラーファは確かに魔法の威力は高い、けどシオンにこの攻撃の仕方は出来るか?」
《リュカ、アレをやる気か?》
《あぁ…通常の魔法攻撃だと埒が明かない。 シオンを殺すつもりでやるよ。》
《シオン、相手が何をするかは分からないけど注意して!》
《大丈夫だよ、リュカさんが何をするかは分からないけど…クルシェスラーファと僕の力なら、対抗出来るから!》
リュカさんは距離を取ると、魔力を放出した。
僕は守護結界で身構えた。
「僕はシオンを殺したくはない…が、これ以上邪魔をするのなら…」
「何をするのか知りませんが僕には効きませんよ! 虚偽もその辺にして…」
「右にエンシェントノヴァ…左にアブソリュート…」
《ま…まさか、あの子はダンと同じ複合統一魔法が使えるの⁉》
《どういう事? ダンと同じって…?》
「複合統一魔法…ブレイズ・エクゼキュショーナー‼」
リュカさんから放たれた巨大な光の槍が僕の守護結界を貫通した。
だが僕は素早く身を躱して難を逃れたが、その光の槍は地面に突き刺さると周りを巻き込むほどの大爆発を起こした。
「ぼ…僕の守護結界が…」
「良く躱す事が出来たな…だけど、これに対抗出来る魔法は無いだろ?」
だが…この爆発騒ぎで厄介な奴が目を醒ました。
「俺は…ここで何をしているんだ? 俺はリュカに復讐する為に魔剣を得た。 そして奴を殺す為に挑んだが、奴の方が強さが上だった…リュカの癖に! そして俺が気を失っている時にシオンが相手をしているだと⁉ シオンも俺の事を…⁉」
《グッフッフッフ…悔しいか、人間よ?》
「誰だ?」
《我が名はブラドノーヴァ…お前が手にしていたブラッドイーターだ。》
「ブラドノーヴァか…お前みたいな声を初めて聞いたぞ!」
《それは今まで、お前は復讐心に駆られていて我が声を聞こうとはしなかったからな…》
「なら何故突然聞こえる様になった⁉」
《貴様はあの男に敗北し、怒りと共に嘆き苦しみの感情が襲っただろ? その時に我と意識が同化されたのだ。》
「それを伝える為に声を掛けて来たのか⁉ それだけしか出来ないのなら用は無い!」
《焦るな人間よ…我の力をお前に貸そう。 だが、今のままでは貴様は奴には勝てん!》
「なら、どうすれば良い?」
《安心しろ…貴様が金によって手に入れた者達がいるだろう? 奴等の命を我に捧げよ! さすれば奴を上回る力を与えよう…》
ザッシュは目の前で自分を庇っているグレンやミーヤ達を見た。
「だが、奴等は…俺の仲間だ!」
《だが貴様には、仲間の情なんて持ち合わせてはいないだろう? 奴等の命を我に与えるのなら、後悔しない程の力を与えるが…どうだ?》
「仲間を犠牲にすれば、俺はリュカより強くなれるのか?」
《約束しよう…我を手に取り我が名を叫べ‼》
ザッシュは魔剣ブラッドイーターに手を伸ばして掴んだ。
そして剣を真上に構えて叫んだ。
『魔剣ブラドノーヴァよ、我に力を貸せ‼』
リュカとシオンは、叫び声の方向を見た。
するとザッシュが魔剣ブラッドイーターを構えて叫んでいた。
そしてザッシュの体から赤い光が噴き出たのだった。
《相棒よ…いまあの男はブラドノーヴァの名を叫ばなかったか?》
《まさか…同調したのか⁉》
《ザッシュさん…良かった、目を醒ましたんだね‼》
僕が喜んだのも束の間だった。
ザッシュさんは目の前にいたグレンとミーヤを斬り捨て、更にレグリーの体を貫いてから、逃げ惑うアントワネットの命まで奪ったのだった。
「ザッシュさん…何で⁉」
《だから、言わん事ではない‼》
すると4人の命を奪った魔剣ブラッドイーターは形を変えて真の姿へと変貌した。
その剣の形は、余にも悍ましい刀身が脈を打った様な形に変わっていた。
更に魔剣の影響でザッシュの体も変化した。
その姿は角が生えて翼が生え、黒くゴツゴツとした尻尾と肌が紫色に変化して目が御飛ばしい位に赤く光っていた。
デスゲイザーと同様に魔神と同じ姿をしていたのだった。
『これは…良い気分だ‼ この力なら…ん?』
「ザッシュさん…なんでみんなを?」
僕は無駄かもしれないけど回復魔法を放った。
グレンもミーヤもレグリーもアントワネットも既に息をしていなかった。
体は徐々に冷たくなって行った。
《シオン…残念だけど、彼等はもう…》
するとリュカさんが僕を呼ぶ声がした。
だけど、僕はそれどころではなくて声を無視したのだった。
「シオン、今だけは僕達に協力してザッシュを止める為に力を貸してくれ‼」
「皆…死んじゃ駄目だ! 僕が…僕が…」
僕はもう冷静な判断が出来ていなかった。
僕は何としても皆を助けようと思って回復魔法を施した。
僕の回復魔法は、欠損した腕も足も治るほどに治癒能力が高い。
だから治らないはずはない!
そう思っていたのに、グレン達は目を開ける事はなかった。
「何でなんですか…ザッシュさんは何で仲間達に手を掛けたのですか⁉︎」
《あれが魔剣ブラドノーヴァの特性だからよ。 あの剣と契約を交わすとどんなに純粋な心の持ち主でも変貌するのよ。》
「僕は…やっと心から信頼出来る仲間を得られたと思ったのに‼︎」
《そしてあれはもう…貴方の知っているザッシュではないわ! 魔剣に魅入られて強大な力を得た…》
僕はザッシュさんに向けて拘束の魔法を放ってから吹き飛ばした。
ザッシュさんと話をする為には、誰にも邪魔をされたくなかったからだ。
「ザッシュさん! 何故…何故…皆を殺したんですか⁉︎」
『ふん、そんな理由を聞きたいのか? それは簡単だ! 奴等は金で奴隷市場から買った俺様の手足だからだよ。』
「ザッシュさんには仲間に対する情はなかったんですか?」
『情か…ない訳ではない。 奴等を買ってから武具を与えて、飯を喰わせて一緒に旅をした仲だったからな。』
「だったら!」
『本当に無駄な金を使ったもんだ…だが、最期に俺様に力を与える為に役立ったから良しとするか!』
「僕はグレンさんもレグリーさんもミーヤさんもアントワネットさんも大事な仲間でした。 それはザッシュさんも変わりません! ザッシュさんは…僕に光をくれた大事な!」
『シオン…お前は何か勘違いしていないか?』
「え?」
『お前は役に立っていたから利用する為に仲間のフリをしていただけだ。 俺はお前に対しても何の情も持ち合わせては無い!』
僕は極大氷系魔法を放った。
だが、ザッシュさんは…いや、ザッシュは魔剣で僕の魔法を斬ると、魔剣は僕の魔力を吸い込んで行った。
「ザッシュ! 僕はお前を…仲間を平然と殺したお前を許さない‼ 僕がお前を倒す‼」
『ふん…身の程を知らぬ馬鹿がまた増えたか!』
「クルシェスラーファ、力を貸して!」
僕はありったけの魔法を放った。
だが、ザッシュはそれらを悉く斬ると、その魔力を魔剣が吸い込んで行った。
そして僕の覚醒が時間切れになると、攻撃魔法が使えなくなったので魔力の塊をぶつけたが、ザッシュは避けようともせずに手で払うと、魔剣で僕を斬ったのだった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
『シオン、邪魔しやがって‼ 俺様に歯向かったお前を許す気はないが、後でお前も始末してやる! だがまずは…』
僕は薄れゆく意識で、リュカさんの仲間の聖女候補の女の子がザッシュの魔剣で貫かれた所を見た。
僕はザッシュを倒す事が出来なかった所為で、また新たな犠牲者を出してしまった。
「くっ…僕が…やら…な…いと…」
そして僕は意識を失ったのだった。
リュカとシオンが空中で極大魔法を放っていた。
「エンシェントノヴァ‼︎」
「エンシェントフレア‼︎」
2つの巨大な炎が激突して、周囲に爆風が吹き荒れた。
その爆風は、下で戦っている物達にも影響を受けたのだった。
リュカさんは仲間達に結界魔法を、僕は仲間達を戦闘から離脱させてザッシュの元に瞬間移動させた。
「皆はザッシュさんを安全な場所に!」
「皆はザッシュのあの剣を持たせるな!」
リュカさんと僕は同時に声を掛けると、グレンとミーヤはザッシュを起き上がらせたが、格闘士とリュカさん達はザッシュさんとグレンさん達に追撃を掛けようとしていた。
だが、僕の魔法攻撃によって、格闘士達の追撃は阻まれた。
「これでザッシュさんは…」
「周りを気にするなんて余裕だな!」
リュカさんは僕に対して闇鎖で拘束しようとしたが、僕はそれを消し飛ばした。
「無駄だよ、リュカさんと同様に僕も闇魔法を使えるんだから!」
「ちっ…二重魔法が使えるのか⁉ 厄介だな…」
リュカさんは極大氷系魔法のアブソリュートを放って来た。
だが僕はリュカさんの方をチラッと見ると、ザッシュさん達の援護をしながら極大氷系魔法のアブソリュートで応戦した。
「クルシェスラーファには、あらゆる魔法を使える杖とは聞いていたが…僕の魔法が悉く対抗されるなんて⁉」
《それがクルシェスラーファの能力なんだ、このままではこちらが押されるぞ‼》
《僕に攻撃が通じなくて焦っているんですね? 念話が丸聞こえですよ。》
極大火炎魔法、極大氷系魔法を交互に放って来たけど、僕はそれを全て相殺させた。
「どうやら…リュカさんには、僕の魔法を上回る攻撃手段が無いようですね?」
「このままならな…クルシェスラーファは確かに魔法の威力は高い、けどシオンにこの攻撃の仕方は出来るか?」
《リュカ、アレをやる気か?》
《あぁ…通常の魔法攻撃だと埒が明かない。 シオンを殺すつもりでやるよ。》
《シオン、相手が何をするかは分からないけど注意して!》
《大丈夫だよ、リュカさんが何をするかは分からないけど…クルシェスラーファと僕の力なら、対抗出来るから!》
リュカさんは距離を取ると、魔力を放出した。
僕は守護結界で身構えた。
「僕はシオンを殺したくはない…が、これ以上邪魔をするのなら…」
「何をするのか知りませんが僕には効きませんよ! 虚偽もその辺にして…」
「右にエンシェントノヴァ…左にアブソリュート…」
《ま…まさか、あの子はダンと同じ複合統一魔法が使えるの⁉》
《どういう事? ダンと同じって…?》
「複合統一魔法…ブレイズ・エクゼキュショーナー‼」
リュカさんから放たれた巨大な光の槍が僕の守護結界を貫通した。
だが僕は素早く身を躱して難を逃れたが、その光の槍は地面に突き刺さると周りを巻き込むほどの大爆発を起こした。
「ぼ…僕の守護結界が…」
「良く躱す事が出来たな…だけど、これに対抗出来る魔法は無いだろ?」
だが…この爆発騒ぎで厄介な奴が目を醒ました。
「俺は…ここで何をしているんだ? 俺はリュカに復讐する為に魔剣を得た。 そして奴を殺す為に挑んだが、奴の方が強さが上だった…リュカの癖に! そして俺が気を失っている時にシオンが相手をしているだと⁉ シオンも俺の事を…⁉」
《グッフッフッフ…悔しいか、人間よ?》
「誰だ?」
《我が名はブラドノーヴァ…お前が手にしていたブラッドイーターだ。》
「ブラドノーヴァか…お前みたいな声を初めて聞いたぞ!」
《それは今まで、お前は復讐心に駆られていて我が声を聞こうとはしなかったからな…》
「なら何故突然聞こえる様になった⁉」
《貴様はあの男に敗北し、怒りと共に嘆き苦しみの感情が襲っただろ? その時に我と意識が同化されたのだ。》
「それを伝える為に声を掛けて来たのか⁉ それだけしか出来ないのなら用は無い!」
《焦るな人間よ…我の力をお前に貸そう。 だが、今のままでは貴様は奴には勝てん!》
「なら、どうすれば良い?」
《安心しろ…貴様が金によって手に入れた者達がいるだろう? 奴等の命を我に捧げよ! さすれば奴を上回る力を与えよう…》
ザッシュは目の前で自分を庇っているグレンやミーヤ達を見た。
「だが、奴等は…俺の仲間だ!」
《だが貴様には、仲間の情なんて持ち合わせてはいないだろう? 奴等の命を我に与えるのなら、後悔しない程の力を与えるが…どうだ?》
「仲間を犠牲にすれば、俺はリュカより強くなれるのか?」
《約束しよう…我を手に取り我が名を叫べ‼》
ザッシュは魔剣ブラッドイーターに手を伸ばして掴んだ。
そして剣を真上に構えて叫んだ。
『魔剣ブラドノーヴァよ、我に力を貸せ‼』
リュカとシオンは、叫び声の方向を見た。
するとザッシュが魔剣ブラッドイーターを構えて叫んでいた。
そしてザッシュの体から赤い光が噴き出たのだった。
《相棒よ…いまあの男はブラドノーヴァの名を叫ばなかったか?》
《まさか…同調したのか⁉》
《ザッシュさん…良かった、目を醒ましたんだね‼》
僕が喜んだのも束の間だった。
ザッシュさんは目の前にいたグレンとミーヤを斬り捨て、更にレグリーの体を貫いてから、逃げ惑うアントワネットの命まで奪ったのだった。
「ザッシュさん…何で⁉」
《だから、言わん事ではない‼》
すると4人の命を奪った魔剣ブラッドイーターは形を変えて真の姿へと変貌した。
その剣の形は、余にも悍ましい刀身が脈を打った様な形に変わっていた。
更に魔剣の影響でザッシュの体も変化した。
その姿は角が生えて翼が生え、黒くゴツゴツとした尻尾と肌が紫色に変化して目が御飛ばしい位に赤く光っていた。
デスゲイザーと同様に魔神と同じ姿をしていたのだった。
『これは…良い気分だ‼ この力なら…ん?』
「ザッシュさん…なんでみんなを?」
僕は無駄かもしれないけど回復魔法を放った。
グレンもミーヤもレグリーもアントワネットも既に息をしていなかった。
体は徐々に冷たくなって行った。
《シオン…残念だけど、彼等はもう…》
するとリュカさんが僕を呼ぶ声がした。
だけど、僕はそれどころではなくて声を無視したのだった。
「シオン、今だけは僕達に協力してザッシュを止める為に力を貸してくれ‼」
「皆…死んじゃ駄目だ! 僕が…僕が…」
僕はもう冷静な判断が出来ていなかった。
僕は何としても皆を助けようと思って回復魔法を施した。
僕の回復魔法は、欠損した腕も足も治るほどに治癒能力が高い。
だから治らないはずはない!
そう思っていたのに、グレン達は目を開ける事はなかった。
「何でなんですか…ザッシュさんは何で仲間達に手を掛けたのですか⁉︎」
《あれが魔剣ブラドノーヴァの特性だからよ。 あの剣と契約を交わすとどんなに純粋な心の持ち主でも変貌するのよ。》
「僕は…やっと心から信頼出来る仲間を得られたと思ったのに‼︎」
《そしてあれはもう…貴方の知っているザッシュではないわ! 魔剣に魅入られて強大な力を得た…》
僕はザッシュさんに向けて拘束の魔法を放ってから吹き飛ばした。
ザッシュさんと話をする為には、誰にも邪魔をされたくなかったからだ。
「ザッシュさん! 何故…何故…皆を殺したんですか⁉︎」
『ふん、そんな理由を聞きたいのか? それは簡単だ! 奴等は金で奴隷市場から買った俺様の手足だからだよ。』
「ザッシュさんには仲間に対する情はなかったんですか?」
『情か…ない訳ではない。 奴等を買ってから武具を与えて、飯を喰わせて一緒に旅をした仲だったからな。』
「だったら!」
『本当に無駄な金を使ったもんだ…だが、最期に俺様に力を与える為に役立ったから良しとするか!』
「僕はグレンさんもレグリーさんもミーヤさんもアントワネットさんも大事な仲間でした。 それはザッシュさんも変わりません! ザッシュさんは…僕に光をくれた大事な!」
『シオン…お前は何か勘違いしていないか?』
「え?」
『お前は役に立っていたから利用する為に仲間のフリをしていただけだ。 俺はお前に対しても何の情も持ち合わせては無い!』
僕は極大氷系魔法を放った。
だが、ザッシュさんは…いや、ザッシュは魔剣で僕の魔法を斬ると、魔剣は僕の魔力を吸い込んで行った。
「ザッシュ! 僕はお前を…仲間を平然と殺したお前を許さない‼ 僕がお前を倒す‼」
『ふん…身の程を知らぬ馬鹿がまた増えたか!』
「クルシェスラーファ、力を貸して!」
僕はありったけの魔法を放った。
だが、ザッシュはそれらを悉く斬ると、その魔力を魔剣が吸い込んで行った。
そして僕の覚醒が時間切れになると、攻撃魔法が使えなくなったので魔力の塊をぶつけたが、ザッシュは避けようともせずに手で払うと、魔剣で僕を斬ったのだった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
『シオン、邪魔しやがって‼ 俺様に歯向かったお前を許す気はないが、後でお前も始末してやる! だがまずは…』
僕は薄れゆく意識で、リュカさんの仲間の聖女候補の女の子がザッシュの魔剣で貫かれた所を見た。
僕はザッシュを倒す事が出来なかった所為で、また新たな犠牲者を出してしまった。
「くっ…僕が…やら…な…いと…」
そして僕は意識を失ったのだった。
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