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第一章
第十七話・最終回 シオンの初めての…?(第一章の最終回です)
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「死んだんですか?」
「死んではいない! だが、危険な状態なのだ…」
「危険な状態なのであれば、家族なら付き添ってあげたらどうですか?」
「付き添っていても危険な状態は変わらないので、お前を探していたんだ。」
「元でも一応父親だから、死に目に会わせてやろうという配慮ですか?」
「そうではない! シオンの回復魔法なら助かるかもしれないと…」
「僕以外にも回復術士はいるじゃないですか? 例えば元母様とか…」
「母様は既にこちらにいらして回復魔法を施しているが、怪我が酷過ぎて目途が立たないのだ。」
ファリスと僕の元母親は、元は騎士なのは間違いないのだが…神殿騎士に属していたので、回復魔法を有していた。
その元母でも治せない程の怪我なら、僕にだって治せる見込みは…
「じゃあ、聞きますが…怪我ってどの程度の物ですか?」
「両足と左腕を無くされたのだ。」
「でも、危険な状態でも生きてはいるんですよね?」
「あぁ、だからシオンなら治せると思ってな…俺達の欠損した足も復元出来たから。」
「あの時は、光を纏った姿をとりあえず【覚醒】と呼びましょう。 覚醒の力があったから復元出来た様な物で、今の状態の僕の力では、普通の回復術士とあまり変わりがありません。」
「やってみないと解らないだろう!」
結論から言うと…かなり無理をする事になるが、出来ない事は無い。
だが…回復して「ありがとう」という謝罪のみでは割に合わない。
ならば、吹っ掛ける言葉を言ってみた。
「金貨5000枚…それ以下なら引き受けません。 他を当たって下さい!」
「金貨5000だと…⁉ 法外な値段だ! 払える訳が…」
「では、この話は終わりです。」
「わ…解った! 払うから、今すぐ来てく…」
「今すぐこの場で用意したら行きますよ。 それまではここで待っていますので、用意してきて下さい!」
「後では駄目なのか?」
「話になりませんね…では、失礼します。」
僕はファリスの横を抜けて歩き出した。
ファリスは苦悶していた。
伯爵家の財政では、決して払えない金額ではない。
だが、ここはグラッド家のあるグラットの街ではないのだ。
だから用意するまでには時間が掛かり過ぎる。
僕はそれを見越して、無理難題を吹っ掛けたのだった。
「待て、シオン! 解った…すぐに用意をしてくるからその場で待っていろ!」
「時間は2時間です。 それを過ぎたら、僕はこの場から立ち去りますのでお早めに…」
ファリスは駆け出して行った。
この地で金貨5000枚を保有している貴族がいるとすれば、カルスゲール辺境伯くらいな物だろう。
もしくは商業ギルドか…まぁ、商業ギルドは余程の理由が無い限り金を出す様な真似はしない。
となると、カルスゲール辺境伯くらいだろ。
さて、どうなるか…?
………ファリス視点に変わります………
俺はカルスゲール辺境伯の屋敷で治療している父様の元に急いでいた。
恐らく今のシオンには、怒鳴ろうが同情を誘おうが首を縦に振る事は無い。
まずは父様にお伺いを立ててから、許可が降りたらカルスゲール辺境伯から資金を借りるという手に出るしかなかった。
俺はカルスゲール辺境伯の屋敷に着くと、父様が治療している部屋に行った。
「父様…お辛いでしょうが、お話があります。」
「何だ?」
手足を失っていて意識が失いそうになる怪我の筈なのに、気丈に振舞っていた。
「シオンとの交渉に成功しましたが、シオンが提示した額が…金貨5000枚という事なのですが、如何致しますか?」
「金貨5000枚ですって? 追い出されたとは言え、親に対してその態度は…」
母様は喚き散らしていた。
こうなる事は想定内だった…果たして父様の回答はというと?
「悪いが持ち合わせがない…なので、回復はしなくても良い。 ここで死ぬならばそれが定めだと受け入れるしかない!」
案の定な答えだった。
ここまで頑なに何意地を張っているのかと呆れて来る…
すると母様が俺に言って来た。
「シオンの元に案内しなさい! 私がシオンに言い聞かせます!」
「無駄です。 母様が幾ら何を言おうとシオンは変わりません。」
そう言ったのだが、母様は聞く耳を持たなかった。
俺は仕方なく母様を連れてシオンの元に行く事にした。
だが、出発する前にカルスゲール辺境伯は金貨5000枚を用立ててくれると言ってくれた。
俺は感謝をしてとりあえず母様をシオンの元に向かったのだった。
………再びシオン視点………
「恐らくだけど…金貨の話を聞いて逆上した母様が一緒に来るだろうね…」
約束は2時間だけど、多分金貨5000枚は無理だろう。
ならば、僕はもう1つの交渉をしようと考えていると…
ファリスが母のプラムディア連れて来たのだった。
「シオン! 貴方は何を考えているのですか⁉」
「これは、グラッド伯爵夫人…如何されましたか?」
「ふざけている場合ではありません! さっさと来て、貴方のお父様を治しなさい‼」
「元…父親です。 ところでお約束の金貨5000枚は用意出来ましたか?」
「父親が危険な状態な時にお金の話ですか⁉」
「僕は冒険者ですので、報酬の無い依頼は受けない事にしています。 払えないのであれば、交渉は決裂ですね、これで失礼致します!」
僕は頭を下げてその場を立ち去ろうとした。
だが、僕は呼び止められた。
「今はないけど、治療が完了次第用意します!」
「では、それを信用させる根拠はありますか? 治療が終わったら、父親の怪我を治すのは家族としては当然ですと言われてタダ働きさせられたら、堪った物ではないですからね…」
母様の表情が真っ赤になった。
恐らく、母様はそう考えていたのを見透かされて図星を刺されたのだろう。
まぁ、この両親は似たような性格だからこれ以上の交渉は無駄だろう…ある1点を覗けば。
「では、金貨5000枚が無理なのであれば、これで手を打ちましょう! 母様の所持しているクルシェスラーファを僕に譲る事で父様の怪我を治しましょう! 如何致しますか?」
「な…!」
金貨5000枚以上に無理難題を言い放ってみた。
母様の所持している聖杖クルシェスラーファは、聖剣シャンゼリオン・魔剣アトランティカに並ぶ…伝説の杖である。
何故その様な伝説級の武器が我が家にあるのかは謎だけど、これが交渉なら母様の性格上、絶対に拒否する筈…
「どうしますか、母様? 杖を渡しますか? それとも、父様を見殺しにしますか?」
「このクルシェスラーファは、国王様から戴いた大事な…」
「なんだ、母様も同じじゃないですか! その杖の価値よりも父様の価値は低いのですね…」
「くっ…」
さて、どうでるかな?
母様がクルシェスラーファを手放す事は絶対にない!
ところが母様はクルシェスラーファを僕に渡してきた。
僕は受け取ると、手に馴染み…どこか懐かしい感じが沸き上がった。
「これで父様を…あの人を助けてあげて!」
「そうですね、約束ですから…」
《さっきから聞いていれば、貴方の父親でしょう? 何で素直に言う事を聞かないのよ?》
「うわぁ! 杖が喋った⁉」
《貴方…私の声が聞こえるの⁉》
「シオン…何を言っているんだ? 杖が喋る訳ないだろう…」
「まさか…シオンが適合者なの?」
どうやら2人にはクルシェスラーファの声は聞こえてないみたいだった。
適合者…そういえば、図書室の英雄ダンの物語を読んだ時に、英雄ダンは魔剣アトランティカの声に耳を傾けながら魔王を倒したと書いてあった。
てっきり、話を盛り上げるための脚色だと思ったのだが、こういう事だったのか…
《貴方の魔力量は素晴らしいわ! でも、カリバリオンを治せるだけの力はないわね。 なので、私と契約をしなさい!》
「契約? 契約をすると何かあるの?」
ファリスは僕が独り言の様に喋っているのに不思議そうに思って声を掛けようとしたが、母様に止められた。
《貴方は1度覚醒を果たしたのよね? 一時的に覚醒を使える様になるわ…ただし、1度使うとしばらくの間使えなくなるけど、それ以外にも契約をすると…様々な能力が向上するけどどうする?》
「では、契約をします! どうしたら良いですか?」
《貴方の名前と誓いの言葉を…》
「僕の名は、シオン・ノート! 僕の命が尽きない限り、クルシェスラーファを手放す事はない!」
《受諾しました! シオン・ノート…私の名はクルシェスラーファ・サーマリエス! 貴方を主として認めます!》
僕はクルシェスラーファを天に掲げた。
すると、クルシェスラーファから光の柱が昇って行き、片手杖程の大きさだったのが、僕の身長と同じ長さに変化した。
「シオン…杖がなんで…?」
「クルシェスラーファに認められただけではなく、契約まで…」
悪いが2人の話に付き合っている場合ではないので、僕は2人に触れて転移魔法でカルスゲール辺境伯の屋敷に転移した。
そして元父親が治療されている部屋に行き、クルシェスラーファの先端を元父親に当てて…
「リザレクション!」
僕はそう唱えると、カリバリオン伯爵の手足が復元して元の姿に戻った。
ファリスと母様は、父様に駆け寄って行った。
「これで、約束は果たしました。 僕はこれで失礼致します。」
僕はお辞儀をすると、その場から転移魔法で移動をした。
そしてザッシュのいる場所に戻って来たのだが…クルシェスラーファから注意された。
《あのザッシュと呼ばれる子の持つ剣…あれは魔剣ブラッドイーターね。 まだ魔剣が目覚めてないみたいだけど、目覚めたら厄介な事になるわよ、注意して…それと、私の事はこのメンバーにも話してはダメよ。》
「わかった…けど、杖を所持しているというのはどう説明したら良いかな?」
《ギルドの成功報酬とでも言っておきなさい。》
正直、仲間に秘密にするのは気が引けると思っていた。
だけど、伝説級の杖の話をしたところで信じられる訳もないので、話す事はしない事にした。
僕はアントワネットの浄化作業を手伝ってから光を得ると、次の大陸に向かう事になるのだった。
そして僕は、その大陸に移動した時に…ある人物と運命的な出会いをする事になるのだった。
………第一章・完………第二章へ続く………
「死んではいない! だが、危険な状態なのだ…」
「危険な状態なのであれば、家族なら付き添ってあげたらどうですか?」
「付き添っていても危険な状態は変わらないので、お前を探していたんだ。」
「元でも一応父親だから、死に目に会わせてやろうという配慮ですか?」
「そうではない! シオンの回復魔法なら助かるかもしれないと…」
「僕以外にも回復術士はいるじゃないですか? 例えば元母様とか…」
「母様は既にこちらにいらして回復魔法を施しているが、怪我が酷過ぎて目途が立たないのだ。」
ファリスと僕の元母親は、元は騎士なのは間違いないのだが…神殿騎士に属していたので、回復魔法を有していた。
その元母でも治せない程の怪我なら、僕にだって治せる見込みは…
「じゃあ、聞きますが…怪我ってどの程度の物ですか?」
「両足と左腕を無くされたのだ。」
「でも、危険な状態でも生きてはいるんですよね?」
「あぁ、だからシオンなら治せると思ってな…俺達の欠損した足も復元出来たから。」
「あの時は、光を纏った姿をとりあえず【覚醒】と呼びましょう。 覚醒の力があったから復元出来た様な物で、今の状態の僕の力では、普通の回復術士とあまり変わりがありません。」
「やってみないと解らないだろう!」
結論から言うと…かなり無理をする事になるが、出来ない事は無い。
だが…回復して「ありがとう」という謝罪のみでは割に合わない。
ならば、吹っ掛ける言葉を言ってみた。
「金貨5000枚…それ以下なら引き受けません。 他を当たって下さい!」
「金貨5000だと…⁉ 法外な値段だ! 払える訳が…」
「では、この話は終わりです。」
「わ…解った! 払うから、今すぐ来てく…」
「今すぐこの場で用意したら行きますよ。 それまではここで待っていますので、用意してきて下さい!」
「後では駄目なのか?」
「話になりませんね…では、失礼します。」
僕はファリスの横を抜けて歩き出した。
ファリスは苦悶していた。
伯爵家の財政では、決して払えない金額ではない。
だが、ここはグラッド家のあるグラットの街ではないのだ。
だから用意するまでには時間が掛かり過ぎる。
僕はそれを見越して、無理難題を吹っ掛けたのだった。
「待て、シオン! 解った…すぐに用意をしてくるからその場で待っていろ!」
「時間は2時間です。 それを過ぎたら、僕はこの場から立ち去りますのでお早めに…」
ファリスは駆け出して行った。
この地で金貨5000枚を保有している貴族がいるとすれば、カルスゲール辺境伯くらいな物だろう。
もしくは商業ギルドか…まぁ、商業ギルドは余程の理由が無い限り金を出す様な真似はしない。
となると、カルスゲール辺境伯くらいだろ。
さて、どうなるか…?
………ファリス視点に変わります………
俺はカルスゲール辺境伯の屋敷で治療している父様の元に急いでいた。
恐らく今のシオンには、怒鳴ろうが同情を誘おうが首を縦に振る事は無い。
まずは父様にお伺いを立ててから、許可が降りたらカルスゲール辺境伯から資金を借りるという手に出るしかなかった。
俺はカルスゲール辺境伯の屋敷に着くと、父様が治療している部屋に行った。
「父様…お辛いでしょうが、お話があります。」
「何だ?」
手足を失っていて意識が失いそうになる怪我の筈なのに、気丈に振舞っていた。
「シオンとの交渉に成功しましたが、シオンが提示した額が…金貨5000枚という事なのですが、如何致しますか?」
「金貨5000枚ですって? 追い出されたとは言え、親に対してその態度は…」
母様は喚き散らしていた。
こうなる事は想定内だった…果たして父様の回答はというと?
「悪いが持ち合わせがない…なので、回復はしなくても良い。 ここで死ぬならばそれが定めだと受け入れるしかない!」
案の定な答えだった。
ここまで頑なに何意地を張っているのかと呆れて来る…
すると母様が俺に言って来た。
「シオンの元に案内しなさい! 私がシオンに言い聞かせます!」
「無駄です。 母様が幾ら何を言おうとシオンは変わりません。」
そう言ったのだが、母様は聞く耳を持たなかった。
俺は仕方なく母様を連れてシオンの元に行く事にした。
だが、出発する前にカルスゲール辺境伯は金貨5000枚を用立ててくれると言ってくれた。
俺は感謝をしてとりあえず母様をシオンの元に向かったのだった。
………再びシオン視点………
「恐らくだけど…金貨の話を聞いて逆上した母様が一緒に来るだろうね…」
約束は2時間だけど、多分金貨5000枚は無理だろう。
ならば、僕はもう1つの交渉をしようと考えていると…
ファリスが母のプラムディア連れて来たのだった。
「シオン! 貴方は何を考えているのですか⁉」
「これは、グラッド伯爵夫人…如何されましたか?」
「ふざけている場合ではありません! さっさと来て、貴方のお父様を治しなさい‼」
「元…父親です。 ところでお約束の金貨5000枚は用意出来ましたか?」
「父親が危険な状態な時にお金の話ですか⁉」
「僕は冒険者ですので、報酬の無い依頼は受けない事にしています。 払えないのであれば、交渉は決裂ですね、これで失礼致します!」
僕は頭を下げてその場を立ち去ろうとした。
だが、僕は呼び止められた。
「今はないけど、治療が完了次第用意します!」
「では、それを信用させる根拠はありますか? 治療が終わったら、父親の怪我を治すのは家族としては当然ですと言われてタダ働きさせられたら、堪った物ではないですからね…」
母様の表情が真っ赤になった。
恐らく、母様はそう考えていたのを見透かされて図星を刺されたのだろう。
まぁ、この両親は似たような性格だからこれ以上の交渉は無駄だろう…ある1点を覗けば。
「では、金貨5000枚が無理なのであれば、これで手を打ちましょう! 母様の所持しているクルシェスラーファを僕に譲る事で父様の怪我を治しましょう! 如何致しますか?」
「な…!」
金貨5000枚以上に無理難題を言い放ってみた。
母様の所持している聖杖クルシェスラーファは、聖剣シャンゼリオン・魔剣アトランティカに並ぶ…伝説の杖である。
何故その様な伝説級の武器が我が家にあるのかは謎だけど、これが交渉なら母様の性格上、絶対に拒否する筈…
「どうしますか、母様? 杖を渡しますか? それとも、父様を見殺しにしますか?」
「このクルシェスラーファは、国王様から戴いた大事な…」
「なんだ、母様も同じじゃないですか! その杖の価値よりも父様の価値は低いのですね…」
「くっ…」
さて、どうでるかな?
母様がクルシェスラーファを手放す事は絶対にない!
ところが母様はクルシェスラーファを僕に渡してきた。
僕は受け取ると、手に馴染み…どこか懐かしい感じが沸き上がった。
「これで父様を…あの人を助けてあげて!」
「そうですね、約束ですから…」
《さっきから聞いていれば、貴方の父親でしょう? 何で素直に言う事を聞かないのよ?》
「うわぁ! 杖が喋った⁉」
《貴方…私の声が聞こえるの⁉》
「シオン…何を言っているんだ? 杖が喋る訳ないだろう…」
「まさか…シオンが適合者なの?」
どうやら2人にはクルシェスラーファの声は聞こえてないみたいだった。
適合者…そういえば、図書室の英雄ダンの物語を読んだ時に、英雄ダンは魔剣アトランティカの声に耳を傾けながら魔王を倒したと書いてあった。
てっきり、話を盛り上げるための脚色だと思ったのだが、こういう事だったのか…
《貴方の魔力量は素晴らしいわ! でも、カリバリオンを治せるだけの力はないわね。 なので、私と契約をしなさい!》
「契約? 契約をすると何かあるの?」
ファリスは僕が独り言の様に喋っているのに不思議そうに思って声を掛けようとしたが、母様に止められた。
《貴方は1度覚醒を果たしたのよね? 一時的に覚醒を使える様になるわ…ただし、1度使うとしばらくの間使えなくなるけど、それ以外にも契約をすると…様々な能力が向上するけどどうする?》
「では、契約をします! どうしたら良いですか?」
《貴方の名前と誓いの言葉を…》
「僕の名は、シオン・ノート! 僕の命が尽きない限り、クルシェスラーファを手放す事はない!」
《受諾しました! シオン・ノート…私の名はクルシェスラーファ・サーマリエス! 貴方を主として認めます!》
僕はクルシェスラーファを天に掲げた。
すると、クルシェスラーファから光の柱が昇って行き、片手杖程の大きさだったのが、僕の身長と同じ長さに変化した。
「シオン…杖がなんで…?」
「クルシェスラーファに認められただけではなく、契約まで…」
悪いが2人の話に付き合っている場合ではないので、僕は2人に触れて転移魔法でカルスゲール辺境伯の屋敷に転移した。
そして元父親が治療されている部屋に行き、クルシェスラーファの先端を元父親に当てて…
「リザレクション!」
僕はそう唱えると、カリバリオン伯爵の手足が復元して元の姿に戻った。
ファリスと母様は、父様に駆け寄って行った。
「これで、約束は果たしました。 僕はこれで失礼致します。」
僕はお辞儀をすると、その場から転移魔法で移動をした。
そしてザッシュのいる場所に戻って来たのだが…クルシェスラーファから注意された。
《あのザッシュと呼ばれる子の持つ剣…あれは魔剣ブラッドイーターね。 まだ魔剣が目覚めてないみたいだけど、目覚めたら厄介な事になるわよ、注意して…それと、私の事はこのメンバーにも話してはダメよ。》
「わかった…けど、杖を所持しているというのはどう説明したら良いかな?」
《ギルドの成功報酬とでも言っておきなさい。》
正直、仲間に秘密にするのは気が引けると思っていた。
だけど、伝説級の杖の話をしたところで信じられる訳もないので、話す事はしない事にした。
僕はアントワネットの浄化作業を手伝ってから光を得ると、次の大陸に向かう事になるのだった。
そして僕は、その大陸に移動した時に…ある人物と運命的な出会いをする事になるのだった。
………第一章・完………第二章へ続く………
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