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第一章
第十六話 シオンの変装七変化(様々な姿にチェンジしますw)
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宿屋から出ると、何か慌ただしい感じで騎士達が駆け回っていた。
そして騎士が僕を見付けると、駆け寄ってきた。
「冒険者シオン! 緊急の要件で我々に同行して欲しい…」
「お断りします! 僕には関係ないので…」
僕はキッパリと断った。
昨日の今日で騎士に関わる事と言えば、元父親絡みだと思ったからだ。
僕は足早にその場を後にした。
「待ってくれ! どうしても緊急な案件なんだ!」
「はぁ…とりあえず、用件だけ話して下さい。 行くかどうかはその後に決めます。」
「仕方がない…実は、昨日にこの街からグラッド伯爵が旅立ってからすぐに魔獣に襲われて瀕死の状態なのだ。 それで、騎士ファリスからシオン殿なら怪我を治せると言われて探していたのだ!」
「そうですか…では、伯爵様にこう伝えて下さい! とっととくたばりやがれ!…と。」
僕は騎士にそう言うと、騎士は唖然とした表情を浮かべていた。
僕はその場から離れようとすると、騎士は立ち塞がった。
「グラッド伯爵は、我らにとっては恩人とも呼べる御方なのだ!」
「だから何です? 僕には関係ありませんので…」
「シオン殿は、グラッド伯爵の御子息であろう?」
「元…が付きます。 今は赤の他人です。」
「しかし⁉」
「そうですねぇ…? では、冒険者ギルドの近くにある道具屋に行ってみて下さい。 そこには僕の作った中級ポーションを売ってありますので、それを買って与えて下さい。 それでも治らないなら、今の僕にそれ以上の回復手段はありませんので…」
僕は要件を言うと、その場から離れた。
騎士が追って来ない…そう思って振り返ると、騎士は魔道具を使って誰かに連絡を取っている様に見えた。
「このパターンは、また兄妹に連絡を入れている感じだな? 兄妹達が重症なら有無も言わずに駆け付けるけど、あの父親なら助ける気なんて全くない!」
僕は早々にその場から離れて行った。
魔道具を使って話している騎士も、僕の姿を見て追い掛けて来た。
僕は建物の影に入ると、浮遊魔法で屋根の上に上がった。
そして走り出すと、下にいた騎士が魔道具で連絡をして居るところが見えた。
「撒けなかったか…だとすると、このまま行っても先回りされるだけだしな…この区画だと、入り組んだ場所で時間を稼ぐには…? あそこか…」
僕は屋根を渡って行き、とある店に入ってやり過ごした。
…が、やり過ごす為だけに店の中にいる訳にはいかない。
何かを購入しないと駄目だよね?
ここは魔道具専門の店…?じゃなかった…
ここは…女性専門の服の店だった。
「あれ? あ…1件隣の店に入っていた…まぁ幸い店員以外は誰もいないし…」
僕は洋服を選んで購入…する訳ないだろ⁉
ここにあるのは女性物だし…そう思って扉を開けようとすると、騎士が目の前を走っている姿が見えた。
やばいな…このまま出て行くと捕まるな…仕方ない!
僕は女性用のドレスを選んでから、ウィッグも選んだ。
僕は黒髪なので、派手な色として金髪を選んだ。
ドレスを着てみたのだが…何故かピッタリと入ってしまった。
そしてウィッグを被ってから鏡を見た。
「お客様…まるで本当の女の子みたいでお似合いです!」
「いや…似合ったらおかしいんだけどね? それにしても、男性でも入るドレスがあるってここは一体⁉︎」
「この店は、大きい体格の方専用の婦人服です。 冒険者の女性の方のドレスアップ様や男性の中でも女性になりたいという願望を叶えてくれる服なのです。」
「だから女性客が見当たらない上に、僕でもピッタリとしたサイズがあったんだね?」
「いえ、お客様のドレスは…一般用の女性のドレスです。」
「・・・・・・・・・」
この店員さんは、僕の事には気付いてないみたいだった。
このまま出ようとすると、どうせなら完璧になる為にメイクをしないかと言われたので、メイクをして貰い…更には貴族用の日傘をサービスで貰った。
そして鏡を見ると…立派な女性? というか、お嬢様…という感じだった。
その姿のまま店を出て日傘を差すと、騎士が横を通り過ぎたが…全くバレる事は無かった。
いや…バレないに越した事は無いのだが…何だか複雑な気分だった。
「このまま…街の外に出て行こうとすると怪しまれそうだな?」
街の外に貴族の屋敷は、辺境伯の屋敷くらいしかない。
だとすると、着替えてから…いや、着替えるとバレるな…?
僕は立ち止まって考えていると、男の声がして振り返った。
「お嬢さん…こんな所で何をしているのですか? もしも良ければ、私と…」
「け…結構です!」
まさか、ナンパに遭うとは思わなかった。
僕はショーケースガラスに映った自分の姿を見た。
あぁ…これではナンパに遭うのは仕方が無いと思う位に綺麗になっていた。
女顔と言われ続けてはきたが、化粧をするとここまで女に近付くのか…
そんな事を考えていると、ファラリス姉さんがマーファを連れて前から歩いてきた。
僕は2人に軽くお辞儀をしてから通り過ぎようとした…のだが。
「シオン…?」
「え? 兄様⁉」
さすがに姉妹の眼は誤魔化せなかった。
否定しないと連れて行かれると思った僕は、ほとんど使った事が無い変声魔法を使用して姉妹に挨拶をした。
「お仕事御苦労様です! 私がどうか致しまして?」
「あ、いえ…家族に、シオンに似ていたので…」
「シオン様ですか? 私が男性に見えまして?」
「それは失礼致しました! では我々はこれで…」
僕は軽く膝を曲げてから頭を軽く下げると、その場を立ち去った。
だけど、ファラリス姉さんは上手く騙せても、マーファが疑いの目を向けていた。
「シオンと言っただけで、性別の話をしてないのに良く男性って解りましたね? シオンという名前は主に女性に多い筈なのに…」
そうだった…この国では、シオンという名前の男は僕くらいなもので、主に女性に多い名前だったのだ。
僕は言い訳を考えていると、新聞の事を思い出した。
「英雄シオン・ノート様…彼は男性ですよね? 新聞では、女性に近い容姿で可愛らしく美形と書いておりましたわ!」
自分で言っていて自己嫌悪になるが、姉妹達から逃げる為には我慢する事にした。
すると、姉の疑いが晴れたみたいだった。
「私の弟は、幼少の頃から女顔と言われるのを大変嫌っておりました。 ましてや、自分が女性に近いなんて口が裂けても言う筈がありませんので…長々と呼び止めてしまい、大変申し訳ありませんでした。」
「いえいえ…弟さん? 見つかると良いですわね…」
僕は立ち去ろうとした。
だが、姉の疑いは晴れても…妹の疑いは晴れてはいない。
マーファは鋭い目つきで僕を見ていた。
僕は足早にその場を離れると、マーファは魔道具で報告している感じだった。
僕は風魔法で声を拾うと…?
「金髪で水色のドレスに、紫の日傘を刺した令嬢を尾行して下さい…」
僕は建物の影に入ると、これまた覚えてはいたけど機会が無くて使わなかったペイント魔法を使用した。
この魔法は色を変化させるだけという魔法で、ウィッグとドレスを真っ赤にし、日傘をピンク色に変化させた。
そして街の戻って歩き出すと…騎士達が慌ただしく動き回っていた。
恐らく…僕が色を変化した事で、対象を見失ったと思って探し回っているのだろう。
その隙に僕は街の出口に向かって行った。
買い忘れたものが幾つかあるが、今は見つかる前に早々にこの街から離れたかった。
そして…出口付近に近付くと、案の定というべきか…騎士達が集まっているのが見えた。
「よし、撹乱させて手薄にするか…」
僕は朝に出会った騎士の声を音声魔法で変化させて真似て、大声で叫んだ。
「シオン・ノートを発見した! 手の空いておる者は手を貸せ!」
その声を聞いた騎士達は、街に中で散開して行った。
僕はその隙に少なくなって2人しかいない騎士に睡眠魔法を施して、街を離れて行った。
これで上手く撒けたと思ったのに…目の前にはファリスが立ち塞がっていた。
そして父親に関する大事な話があるみたいなのだ…
「シオン…実は父様がな…?」
そして騎士が僕を見付けると、駆け寄ってきた。
「冒険者シオン! 緊急の要件で我々に同行して欲しい…」
「お断りします! 僕には関係ないので…」
僕はキッパリと断った。
昨日の今日で騎士に関わる事と言えば、元父親絡みだと思ったからだ。
僕は足早にその場を後にした。
「待ってくれ! どうしても緊急な案件なんだ!」
「はぁ…とりあえず、用件だけ話して下さい。 行くかどうかはその後に決めます。」
「仕方がない…実は、昨日にこの街からグラッド伯爵が旅立ってからすぐに魔獣に襲われて瀕死の状態なのだ。 それで、騎士ファリスからシオン殿なら怪我を治せると言われて探していたのだ!」
「そうですか…では、伯爵様にこう伝えて下さい! とっととくたばりやがれ!…と。」
僕は騎士にそう言うと、騎士は唖然とした表情を浮かべていた。
僕はその場から離れようとすると、騎士は立ち塞がった。
「グラッド伯爵は、我らにとっては恩人とも呼べる御方なのだ!」
「だから何です? 僕には関係ありませんので…」
「シオン殿は、グラッド伯爵の御子息であろう?」
「元…が付きます。 今は赤の他人です。」
「しかし⁉」
「そうですねぇ…? では、冒険者ギルドの近くにある道具屋に行ってみて下さい。 そこには僕の作った中級ポーションを売ってありますので、それを買って与えて下さい。 それでも治らないなら、今の僕にそれ以上の回復手段はありませんので…」
僕は要件を言うと、その場から離れた。
騎士が追って来ない…そう思って振り返ると、騎士は魔道具を使って誰かに連絡を取っている様に見えた。
「このパターンは、また兄妹に連絡を入れている感じだな? 兄妹達が重症なら有無も言わずに駆け付けるけど、あの父親なら助ける気なんて全くない!」
僕は早々にその場から離れて行った。
魔道具を使って話している騎士も、僕の姿を見て追い掛けて来た。
僕は建物の影に入ると、浮遊魔法で屋根の上に上がった。
そして走り出すと、下にいた騎士が魔道具で連絡をして居るところが見えた。
「撒けなかったか…だとすると、このまま行っても先回りされるだけだしな…この区画だと、入り組んだ場所で時間を稼ぐには…? あそこか…」
僕は屋根を渡って行き、とある店に入ってやり過ごした。
…が、やり過ごす為だけに店の中にいる訳にはいかない。
何かを購入しないと駄目だよね?
ここは魔道具専門の店…?じゃなかった…
ここは…女性専門の服の店だった。
「あれ? あ…1件隣の店に入っていた…まぁ幸い店員以外は誰もいないし…」
僕は洋服を選んで購入…する訳ないだろ⁉
ここにあるのは女性物だし…そう思って扉を開けようとすると、騎士が目の前を走っている姿が見えた。
やばいな…このまま出て行くと捕まるな…仕方ない!
僕は女性用のドレスを選んでから、ウィッグも選んだ。
僕は黒髪なので、派手な色として金髪を選んだ。
ドレスを着てみたのだが…何故かピッタリと入ってしまった。
そしてウィッグを被ってから鏡を見た。
「お客様…まるで本当の女の子みたいでお似合いです!」
「いや…似合ったらおかしいんだけどね? それにしても、男性でも入るドレスがあるってここは一体⁉︎」
「この店は、大きい体格の方専用の婦人服です。 冒険者の女性の方のドレスアップ様や男性の中でも女性になりたいという願望を叶えてくれる服なのです。」
「だから女性客が見当たらない上に、僕でもピッタリとしたサイズがあったんだね?」
「いえ、お客様のドレスは…一般用の女性のドレスです。」
「・・・・・・・・・」
この店員さんは、僕の事には気付いてないみたいだった。
このまま出ようとすると、どうせなら完璧になる為にメイクをしないかと言われたので、メイクをして貰い…更には貴族用の日傘をサービスで貰った。
そして鏡を見ると…立派な女性? というか、お嬢様…という感じだった。
その姿のまま店を出て日傘を差すと、騎士が横を通り過ぎたが…全くバレる事は無かった。
いや…バレないに越した事は無いのだが…何だか複雑な気分だった。
「このまま…街の外に出て行こうとすると怪しまれそうだな?」
街の外に貴族の屋敷は、辺境伯の屋敷くらいしかない。
だとすると、着替えてから…いや、着替えるとバレるな…?
僕は立ち止まって考えていると、男の声がして振り返った。
「お嬢さん…こんな所で何をしているのですか? もしも良ければ、私と…」
「け…結構です!」
まさか、ナンパに遭うとは思わなかった。
僕はショーケースガラスに映った自分の姿を見た。
あぁ…これではナンパに遭うのは仕方が無いと思う位に綺麗になっていた。
女顔と言われ続けてはきたが、化粧をするとここまで女に近付くのか…
そんな事を考えていると、ファラリス姉さんがマーファを連れて前から歩いてきた。
僕は2人に軽くお辞儀をしてから通り過ぎようとした…のだが。
「シオン…?」
「え? 兄様⁉」
さすがに姉妹の眼は誤魔化せなかった。
否定しないと連れて行かれると思った僕は、ほとんど使った事が無い変声魔法を使用して姉妹に挨拶をした。
「お仕事御苦労様です! 私がどうか致しまして?」
「あ、いえ…家族に、シオンに似ていたので…」
「シオン様ですか? 私が男性に見えまして?」
「それは失礼致しました! では我々はこれで…」
僕は軽く膝を曲げてから頭を軽く下げると、その場を立ち去った。
だけど、ファラリス姉さんは上手く騙せても、マーファが疑いの目を向けていた。
「シオンと言っただけで、性別の話をしてないのに良く男性って解りましたね? シオンという名前は主に女性に多い筈なのに…」
そうだった…この国では、シオンという名前の男は僕くらいなもので、主に女性に多い名前だったのだ。
僕は言い訳を考えていると、新聞の事を思い出した。
「英雄シオン・ノート様…彼は男性ですよね? 新聞では、女性に近い容姿で可愛らしく美形と書いておりましたわ!」
自分で言っていて自己嫌悪になるが、姉妹達から逃げる為には我慢する事にした。
すると、姉の疑いが晴れたみたいだった。
「私の弟は、幼少の頃から女顔と言われるのを大変嫌っておりました。 ましてや、自分が女性に近いなんて口が裂けても言う筈がありませんので…長々と呼び止めてしまい、大変申し訳ありませんでした。」
「いえいえ…弟さん? 見つかると良いですわね…」
僕は立ち去ろうとした。
だが、姉の疑いは晴れても…妹の疑いは晴れてはいない。
マーファは鋭い目つきで僕を見ていた。
僕は足早にその場を離れると、マーファは魔道具で報告している感じだった。
僕は風魔法で声を拾うと…?
「金髪で水色のドレスに、紫の日傘を刺した令嬢を尾行して下さい…」
僕は建物の影に入ると、これまた覚えてはいたけど機会が無くて使わなかったペイント魔法を使用した。
この魔法は色を変化させるだけという魔法で、ウィッグとドレスを真っ赤にし、日傘をピンク色に変化させた。
そして街の戻って歩き出すと…騎士達が慌ただしく動き回っていた。
恐らく…僕が色を変化した事で、対象を見失ったと思って探し回っているのだろう。
その隙に僕は街の出口に向かって行った。
買い忘れたものが幾つかあるが、今は見つかる前に早々にこの街から離れたかった。
そして…出口付近に近付くと、案の定というべきか…騎士達が集まっているのが見えた。
「よし、撹乱させて手薄にするか…」
僕は朝に出会った騎士の声を音声魔法で変化させて真似て、大声で叫んだ。
「シオン・ノートを発見した! 手の空いておる者は手を貸せ!」
その声を聞いた騎士達は、街に中で散開して行った。
僕はその隙に少なくなって2人しかいない騎士に睡眠魔法を施して、街を離れて行った。
これで上手く撒けたと思ったのに…目の前にはファリスが立ち塞がっていた。
そして父親に関する大事な話があるみたいなのだ…
「シオン…実は父様がな…?」
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