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第一章
第三話 理不尽な査定額 (売るのを辞めます。)
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シオンは採ってきた薬草でポーションの製作を始めたのだった。
シオンの収入源は主に、クエストの報酬よりも…薬品製作等の生産系の仕事で得た報酬の方が遥かに稼げていた。
それは以前のグラットの街での話であり、この新しい街のベイルードでは知名度が低く信用もないので、知名度と信用を上げる事から始めなければならないのだ。
「よし! ポーション10個完成! 質的には…中級ポーション並みに効果も高いし、何か付与もあるみたいだけど…? 後は道具屋の査定士や鑑定士が目利き出来れば高く買い取って貰えるかも…」
この世界では、生産系ギルドに登録していないと商品はかなり買い叩かれる。
それでも、最低買取金額というのは国で決まっているのだけど、目を盗んで勝手に値段設定をして買い取る者も多い為に見極めが必要なのだ。
それでも…下級ポーションは銅貨100枚、中級ポーションなら銀貨10枚にはなるのだが…?
僕は早速、道具屋にポーションを持ち込んで交渉をした。
「このポーションなんですが、買い取りをお願いしたいのですが…」
「はいはい、ポーションねぇ…」
道具屋の主人なのか…?
年齢は20代半ばという感じの男で、やる気の無さが顔に出ている感じだった。
僕はハズレを引いた気分だが、とりあえず査定を待ったのだ…が?
「質の悪いポーションだな! 色も薄いし…1本銅貨1枚で10本で銅貨10枚なら買い取ってやるよ!」
「ちょっと…それは余りにも…」
どう考えても金額が割に合わない。
主人?は、さっさとポーションを纏めると仕舞い込もうとしていたので、僕はその手を止めて奪い返す様に返してもらった。
「おい、俺の査定にケチを付けるのかよ! その程度のポーションなら、それ位が妥当だというのに…」
「その金額では流石に納得が出来ませんから別に良いです。 冒険者に直に売った方がまだマシだと思いますので…」
「なら、勝手にすると良いさ! どうせそんな質の悪い物は冒険者だって買わないだろうし、素直にこっちに売った方が得だと思うけどな!」
僕は店を出ようとした時に、甲冑と大きな盾を身に纏った女騎士が入って来た。
「済まないがポーションを売って欲しいのだが…」
「毎度! こちらになりますが…」
女騎士はポーションの蓋を開けて匂いを嗅いでから、手に少し付けて舐めてみた。
女騎士は、顔が渋くなって蓋を閉めてから主人?に返した。
「相変わらず不味いな…それにこれは下級ポーションか…私は中級ポーションが欲しかったのだがな!」
「あいにく、お売り出来るのはそれしかなくてですね…」
僕はチャンスが来たと思って、女騎士に声を掛けた。
「でしたら、こちらのポーションを試して貰えませんか?」
「これは…澄んだ色だな。 それに匂いも無いし…」
女騎士はポーションを一気に飲み干した。
すると、女騎士は興奮する様な声で言ってきた。
「これは…中級ポーションか!? 不味い味が無い上に美味い! それに、何か普通のポーションとは違う感じがする!」
女騎士は、ギルドカードを確認すると…リジェネートという表示がされていると僕に言って来た。
リジェネートって確か、徐々に回復する効果の事だっけ?
あの薬草って品質だけじゃなくて、こんな効果のある薬草だったんだなぁ。
「済まない少年よ…こんな高価な物を…如何程払えば良いだろうか?」
「この店に買い取って貰おうと思って査定して貰ったら、銅貨1枚でなら買い取ると言われたので…それより高ければ幾らでも良いですよ。」
僕は主人?を見ながら言った。
すると、女騎士は驚いた表情をして叫んだ。
「これが銅貨1枚だと!? 何を馬鹿な事を…この主人は物の価値を解ってはいないでは無いか! 私なら銀貨20枚を支払おう! ついでに残りがあるのならその分も売って欲しいのだが…銀貨が100枚しか無いのでな、先程の分を含めて4本頂けないだろうか?」
「わかりました! では、4本をお受け取り下さい。」
僕はそう言ってポーションを4本差し出すと、銀貨100枚を受け取った。
「他にもあるのであれば是非買い取りたいところだが…」
「僕はこの街に来たばかりの冒険者なので、ギルドには毎日顔を出していますので会えると思いますよ!」
「冒険者だったのか…てっきり錬金術師殿だとばかり…いや、失礼した! 私はシーリスという。 チーム【疾風の戦乙女】のリーダーだ。」
「僕はシオンです。 これでもサポーターもやっておりますので、御用の際は是非!」
僕とシーリスは握手をしてから、シーリスは店を出て行った。
僕も思った以上に稼げたので店を出ようとしたら、主人?に呼び止められた。
「確か10本を持って来たうちの5本を渡したから、残り5本あるよな?」
「はい、ありますが…それが何か?」
「残りの5本を買い取ってやろう! さっさと出せ!」
「お断りします! これは貴方が言うには…質が悪く色が薄くて冒険者ですら買わないと言われましたので…」
僕は取っ手に手を掛けてから扉を開けようとしたら、主人?がカウンターから飛び出して扉を押さえ付けた。
そして僕のポーションが入っている鞄を取り上げようとしていた。
「いいから寄越せと言っているんだ!」
「物の価値を知らない人に渡したくありません!」
僕が必死になって抵抗をしていると、扉が開いて大柄な大男が入って来た。
「あ、親方!」
「オメェ…何をしてやがるんだ‼︎」
主人?は親方という大柄な大男に殴られて、店の奥まで吹っ飛んだ。
そして親方と呼ばれた人は僕に頭を下げて来た。
「コイツの修業の為に店を任せていたのだが、最近では評判が悪くなっていてな…お主が店に入る時から見ていたのだが…済まないか、お主のポーションを見せては貰えぬか?」
「はい、どうぞ!」
僕は親方さんにポーションを渡した。
すると親方さんは、僕のポーションを鑑定していた。
「お前…こんな高品質なポーションを銅貨1枚で買い取ろうとしていたのか!? このポーションだったら、名のある冒険者なら銀貨100枚でも惜しみなく金を出すというのに…」
「ヒィ…」
「お主…確かシオンと言ったな? コイツの詫びとして、ポーションは1本銀貨100枚で5本を銀貨500枚で買わせて貰いたいが構わないか?」
「僕としてはありがたいですが…良いのですか?」
親方さんは銀貨500枚を出して来たので、ポーション5本と交換して受け取った。
すると親方さんは、にっこり笑ってから言った。
「シオンがもしもまたポーションを作ったら、高値で買い取ってやるぞ! また頼む! それとこれで店仕舞いなので…オレはこれからコイツの性根を叩き直さないといけないからな…」
「あ、はい!」
僕は道具屋を出ると、店の奥から痛々しい打撃音と悲鳴が聞こえて来た。
やっぱり、店の主人では無かったんだな。
通りでいい加減な査定だと思った。
僕は宿に帰ると、その日は久々に豪勢な食事を注文して食べた。
そして翌日に冒険者ギルドに顔を出すと、シーリスが僕を待っていたみたいだった。
シオンの収入源は主に、クエストの報酬よりも…薬品製作等の生産系の仕事で得た報酬の方が遥かに稼げていた。
それは以前のグラットの街での話であり、この新しい街のベイルードでは知名度が低く信用もないので、知名度と信用を上げる事から始めなければならないのだ。
「よし! ポーション10個完成! 質的には…中級ポーション並みに効果も高いし、何か付与もあるみたいだけど…? 後は道具屋の査定士や鑑定士が目利き出来れば高く買い取って貰えるかも…」
この世界では、生産系ギルドに登録していないと商品はかなり買い叩かれる。
それでも、最低買取金額というのは国で決まっているのだけど、目を盗んで勝手に値段設定をして買い取る者も多い為に見極めが必要なのだ。
それでも…下級ポーションは銅貨100枚、中級ポーションなら銀貨10枚にはなるのだが…?
僕は早速、道具屋にポーションを持ち込んで交渉をした。
「このポーションなんですが、買い取りをお願いしたいのですが…」
「はいはい、ポーションねぇ…」
道具屋の主人なのか…?
年齢は20代半ばという感じの男で、やる気の無さが顔に出ている感じだった。
僕はハズレを引いた気分だが、とりあえず査定を待ったのだ…が?
「質の悪いポーションだな! 色も薄いし…1本銅貨1枚で10本で銅貨10枚なら買い取ってやるよ!」
「ちょっと…それは余りにも…」
どう考えても金額が割に合わない。
主人?は、さっさとポーションを纏めると仕舞い込もうとしていたので、僕はその手を止めて奪い返す様に返してもらった。
「おい、俺の査定にケチを付けるのかよ! その程度のポーションなら、それ位が妥当だというのに…」
「その金額では流石に納得が出来ませんから別に良いです。 冒険者に直に売った方がまだマシだと思いますので…」
「なら、勝手にすると良いさ! どうせそんな質の悪い物は冒険者だって買わないだろうし、素直にこっちに売った方が得だと思うけどな!」
僕は店を出ようとした時に、甲冑と大きな盾を身に纏った女騎士が入って来た。
「済まないがポーションを売って欲しいのだが…」
「毎度! こちらになりますが…」
女騎士はポーションの蓋を開けて匂いを嗅いでから、手に少し付けて舐めてみた。
女騎士は、顔が渋くなって蓋を閉めてから主人?に返した。
「相変わらず不味いな…それにこれは下級ポーションか…私は中級ポーションが欲しかったのだがな!」
「あいにく、お売り出来るのはそれしかなくてですね…」
僕はチャンスが来たと思って、女騎士に声を掛けた。
「でしたら、こちらのポーションを試して貰えませんか?」
「これは…澄んだ色だな。 それに匂いも無いし…」
女騎士はポーションを一気に飲み干した。
すると、女騎士は興奮する様な声で言ってきた。
「これは…中級ポーションか!? 不味い味が無い上に美味い! それに、何か普通のポーションとは違う感じがする!」
女騎士は、ギルドカードを確認すると…リジェネートという表示がされていると僕に言って来た。
リジェネートって確か、徐々に回復する効果の事だっけ?
あの薬草って品質だけじゃなくて、こんな効果のある薬草だったんだなぁ。
「済まない少年よ…こんな高価な物を…如何程払えば良いだろうか?」
「この店に買い取って貰おうと思って査定して貰ったら、銅貨1枚でなら買い取ると言われたので…それより高ければ幾らでも良いですよ。」
僕は主人?を見ながら言った。
すると、女騎士は驚いた表情をして叫んだ。
「これが銅貨1枚だと!? 何を馬鹿な事を…この主人は物の価値を解ってはいないでは無いか! 私なら銀貨20枚を支払おう! ついでに残りがあるのならその分も売って欲しいのだが…銀貨が100枚しか無いのでな、先程の分を含めて4本頂けないだろうか?」
「わかりました! では、4本をお受け取り下さい。」
僕はそう言ってポーションを4本差し出すと、銀貨100枚を受け取った。
「他にもあるのであれば是非買い取りたいところだが…」
「僕はこの街に来たばかりの冒険者なので、ギルドには毎日顔を出していますので会えると思いますよ!」
「冒険者だったのか…てっきり錬金術師殿だとばかり…いや、失礼した! 私はシーリスという。 チーム【疾風の戦乙女】のリーダーだ。」
「僕はシオンです。 これでもサポーターもやっておりますので、御用の際は是非!」
僕とシーリスは握手をしてから、シーリスは店を出て行った。
僕も思った以上に稼げたので店を出ようとしたら、主人?に呼び止められた。
「確か10本を持って来たうちの5本を渡したから、残り5本あるよな?」
「はい、ありますが…それが何か?」
「残りの5本を買い取ってやろう! さっさと出せ!」
「お断りします! これは貴方が言うには…質が悪く色が薄くて冒険者ですら買わないと言われましたので…」
僕は取っ手に手を掛けてから扉を開けようとしたら、主人?がカウンターから飛び出して扉を押さえ付けた。
そして僕のポーションが入っている鞄を取り上げようとしていた。
「いいから寄越せと言っているんだ!」
「物の価値を知らない人に渡したくありません!」
僕が必死になって抵抗をしていると、扉が開いて大柄な大男が入って来た。
「あ、親方!」
「オメェ…何をしてやがるんだ‼︎」
主人?は親方という大柄な大男に殴られて、店の奥まで吹っ飛んだ。
そして親方と呼ばれた人は僕に頭を下げて来た。
「コイツの修業の為に店を任せていたのだが、最近では評判が悪くなっていてな…お主が店に入る時から見ていたのだが…済まないか、お主のポーションを見せては貰えぬか?」
「はい、どうぞ!」
僕は親方さんにポーションを渡した。
すると親方さんは、僕のポーションを鑑定していた。
「お前…こんな高品質なポーションを銅貨1枚で買い取ろうとしていたのか!? このポーションだったら、名のある冒険者なら銀貨100枚でも惜しみなく金を出すというのに…」
「ヒィ…」
「お主…確かシオンと言ったな? コイツの詫びとして、ポーションは1本銀貨100枚で5本を銀貨500枚で買わせて貰いたいが構わないか?」
「僕としてはありがたいですが…良いのですか?」
親方さんは銀貨500枚を出して来たので、ポーション5本と交換して受け取った。
すると親方さんは、にっこり笑ってから言った。
「シオンがもしもまたポーションを作ったら、高値で買い取ってやるぞ! また頼む! それとこれで店仕舞いなので…オレはこれからコイツの性根を叩き直さないといけないからな…」
「あ、はい!」
僕は道具屋を出ると、店の奥から痛々しい打撃音と悲鳴が聞こえて来た。
やっぱり、店の主人では無かったんだな。
通りでいい加減な査定だと思った。
僕は宿に帰ると、その日は久々に豪勢な食事を注文して食べた。
そして翌日に冒険者ギルドに顔を出すと、シーリスが僕を待っていたみたいだった。
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