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聖女マーファと少年ガルタの章
第一話 聖女マーファ
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私はマーファと言います。
この間の神託の儀で聖女に任命されました。
神託の儀を受ける前から、私には不思議な力が宿っていました。
人には無理でしたが、枯れた植物に手を翳すと吹き返したり、私が祈る事で畑の作物が豊作になったりしました。
この力は大いなる役割を持つ…幼い時から私はそう感じていました。
ですが…?
「よぉ、マーファ! 今日も来てやったぜ!」
「また来たの…」
家が近所の幼馴染のガルタが今日も…いえ、ほぼ毎日来ていました。
いつも村の娘達を周囲に集めて私に会いに来るんです。
ガルタの両親と私の両親はとても仲は良いのですが…その子供までが仲が良いという訳ではありません。
毎日何かにつけて来るガルタが鬱陶しいと感じる毎日でした。
「ガルタ…何の用?」
「今日こそ返事を聞きに来たぜ!」
ガルタは村の娘達を周囲にはべらせているのにもかかわらず、それでも足りないのかと思って私に声を掛けて来るんです。
私は正直言って、ガルタの事は好きではありません。
村での仕事をさぼって遊び回る、村の娘達が常にいる、私のプライベートを平気で邪魔をしてくる。
私の理想とする方は、真面目で浮気をしないで親身になってくれる人です。
決してガルタの様なチャラ男ではありません。
「私の返事は…言わなくても解りますよね?」
「なら、また明日聞きに来るぜ!」
遠回しに断っているという事が解ってないみたいです。
明日に来られても迷惑なので、私はある物を採ってくるのを条件にガルタを追い払いました。
それは付近にある山の山頂にしか生えないセルセタリアという怪我に効く花を採って来て欲しい…と。
するとガルタは、村の娘達に離れるように命じてから…山に向かって行きました。
「これで…しばらくは大丈夫ですよね。」
セルセタリアの花は、秋から冬にかけて咲く花です。
夏が始まったばかりのこの季節に咲いている筈もありません。
それからしばらくの間は、ガルタは村の仕事をさぼって毎日の様に山頂まで足を運びました。
そして季節は巡って…秋になり掛けた頃に、ガルタはセルセタリアの花を持ってきました。
こんな無謀とも言える条件をこなした事により、ガルタの事は少しは認めてあげました。
それが…私がガルタに気があると思わせたみたいで、一気に冷めました。
その翌日でしょうか?
村に神殿の神官様達がやって来て、神託の儀を開催しました。
私とガルタと…その他数人の子供達が呼ばれて神託を受けました。
「よっしゃ~! 俺は剣士だぜ!」
「私は聖女に選ばれました。」
ガルタの剣士も結構珍しいジョブですが、私の聖女に比べればそうでもないみたいです。
神託の儀が終わった頃に村では聖女が誕生したという事で祭りが行われました。
そして私は神官様達から呼び出され、街の神殿で聖女になる為の修行が行われる事を聞いて、すぐに旅立ちました。
街の神殿に着いてからは、ほぼ覚える事が多い毎日でした。
そして魔法の修業や勉学などもやっていき…遂には冒険者ギルドで冒険者の資格を取る事が出来ました。
「マーファ…これから貴女が行うことは、冒険者のパーティーに参加して、パーティーの役に立ちながらレベルを上げて、聖女のランクを上げる事です。 そしてゆくゆくは、そのパーティーから勇者を選ぶのです!」
「わかりました司祭様。」
そして私は冒険者ギルドに行ってパーティーの応募を探しました。
そこで私は…あの男と再び会う事になったのです。
「マーファ! お前は俺のパーティーに入れよ!」
「ないわ~!」
そこにはガルタが村の娘達の4人連れているパーティーでした。
私を必要としてくれるパーティーは見つかるのでしょうか?
この間の神託の儀で聖女に任命されました。
神託の儀を受ける前から、私には不思議な力が宿っていました。
人には無理でしたが、枯れた植物に手を翳すと吹き返したり、私が祈る事で畑の作物が豊作になったりしました。
この力は大いなる役割を持つ…幼い時から私はそう感じていました。
ですが…?
「よぉ、マーファ! 今日も来てやったぜ!」
「また来たの…」
家が近所の幼馴染のガルタが今日も…いえ、ほぼ毎日来ていました。
いつも村の娘達を周囲に集めて私に会いに来るんです。
ガルタの両親と私の両親はとても仲は良いのですが…その子供までが仲が良いという訳ではありません。
毎日何かにつけて来るガルタが鬱陶しいと感じる毎日でした。
「ガルタ…何の用?」
「今日こそ返事を聞きに来たぜ!」
ガルタは村の娘達を周囲にはべらせているのにもかかわらず、それでも足りないのかと思って私に声を掛けて来るんです。
私は正直言って、ガルタの事は好きではありません。
村での仕事をさぼって遊び回る、村の娘達が常にいる、私のプライベートを平気で邪魔をしてくる。
私の理想とする方は、真面目で浮気をしないで親身になってくれる人です。
決してガルタの様なチャラ男ではありません。
「私の返事は…言わなくても解りますよね?」
「なら、また明日聞きに来るぜ!」
遠回しに断っているという事が解ってないみたいです。
明日に来られても迷惑なので、私はある物を採ってくるのを条件にガルタを追い払いました。
それは付近にある山の山頂にしか生えないセルセタリアという怪我に効く花を採って来て欲しい…と。
するとガルタは、村の娘達に離れるように命じてから…山に向かって行きました。
「これで…しばらくは大丈夫ですよね。」
セルセタリアの花は、秋から冬にかけて咲く花です。
夏が始まったばかりのこの季節に咲いている筈もありません。
それからしばらくの間は、ガルタは村の仕事をさぼって毎日の様に山頂まで足を運びました。
そして季節は巡って…秋になり掛けた頃に、ガルタはセルセタリアの花を持ってきました。
こんな無謀とも言える条件をこなした事により、ガルタの事は少しは認めてあげました。
それが…私がガルタに気があると思わせたみたいで、一気に冷めました。
その翌日でしょうか?
村に神殿の神官様達がやって来て、神託の儀を開催しました。
私とガルタと…その他数人の子供達が呼ばれて神託を受けました。
「よっしゃ~! 俺は剣士だぜ!」
「私は聖女に選ばれました。」
ガルタの剣士も結構珍しいジョブですが、私の聖女に比べればそうでもないみたいです。
神託の儀が終わった頃に村では聖女が誕生したという事で祭りが行われました。
そして私は神官様達から呼び出され、街の神殿で聖女になる為の修行が行われる事を聞いて、すぐに旅立ちました。
街の神殿に着いてからは、ほぼ覚える事が多い毎日でした。
そして魔法の修業や勉学などもやっていき…遂には冒険者ギルドで冒険者の資格を取る事が出来ました。
「マーファ…これから貴女が行うことは、冒険者のパーティーに参加して、パーティーの役に立ちながらレベルを上げて、聖女のランクを上げる事です。 そしてゆくゆくは、そのパーティーから勇者を選ぶのです!」
「わかりました司祭様。」
そして私は冒険者ギルドに行ってパーティーの応募を探しました。
そこで私は…あの男と再び会う事になったのです。
「マーファ! お前は俺のパーティーに入れよ!」
「ないわ~!」
そこにはガルタが村の娘達の4人連れているパーティーでした。
私を必要としてくれるパーティーは見つかるのでしょうか?
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